三井住友信託銀行のES対策!求める人材を理解して採用レベルの自己PR・ガクチカへ

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最終更新日:2023年09月26日

金融業界は他業界と比べ採用数が多く、上位校の学生を中心に多数のエントリーがある業界です。

この金融業界の中でも、銀行、証券、生命保険、損害保険では事業内容はもちろん働き方がも異なり、それによって求められる人材が異なります。その中でも、信託銀行は学生にとっては馴染みのない業界で、いまいち事業内容を知らないのではないでしょうか。

今回は、三井住友信託銀行の採用ホームページや本選考のエントリーシートを参照し、求められる人材について説明したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

三井住友信託銀行の事業内容

信託銀行の大きな特徴は、都市銀行などの普通銀行が行う「銀行の3大業務(預金、融資、為替)」に加えて「信託業務」「併営業務」を行うことができる点です。

「信託業務」とは、委託者が受託者に対してお金や土地、建物などの財産を移転させ、受託者が委託者の意に沿うようにその財産を運用することを指します。

信託銀行はここでいう受託者として、委託者であるお客様の財産を運用することになります。「併営業務」とは、不動産関連業務、証券代行業務、遺言関連業務などを指します。

(1)リテール事業 

リテール事業は個人のお客様に向けて投資信託・個人ローンなどに関する資産運用の相談、コンサルティングや不動産・相続に関する相談・コンサルティングを行います。

(2)ホールセール事業 

ホールセール事業は法人のお客様に向けて与信、融資をしたり資産運用のコンサルティングを行います。また、企業の海外進出を資金面で支援するなど、事業支援や企業価値の向上に貢献します。

(3)マーケット事業 

マーケット事業は、市場環境の分析から市場リスクの計測を行い、お客様の金利・為替などに関する運用・リスクマネジメントに対してソリューションを提供しています。

(4)受託事業 

受託事業は、企業年金制度の導入や設計の提案をしたり、国内外の機関投資家など法人のお客様を対象に資産運用・コンサルティングさらには企業が保有する有価証券の保管・決済を行います。

(5)不動産事業 

不動産事業は、オフィスやマンションなどの不動産の価格交渉、引き渡しにおける仲介業務や不動産の証券化などの業務を行います。

(6)証券代行事業 

証券代行事業は、株式発行会社の委託を受けて、株式名簿の管理・株主総会に関する事務・配当金支払いに関する事務を行うほか、会社法や株主総会対策等に関する法務コンサルティングの提供などを行います。

三井住友信託銀行は、「ワンストップトータルソリューション」を掲げている通り、信託銀行という一つの窓口で、不動産投資や証券代行などの様々なソリューションを提案できることが強みです。

したがって、このソリューションを提案するためには他の部署との連携が必要です。お客様に最適な商品を提案するためには、情報や問題、ニーズについて共有することが求められます。

金融商品は、目に見えない無形商品であり、差別化は難しいため、担当者個人の差で営業成績が決まるというのは金融業界全般で言われることです。したがって、商品を販売するためには、顧客との良い信頼関係を構築することが強く求められます。そのためには、お客様の抱えている問題が何なのか常にヒアリングすることが重要です。

以上から、「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」に照らし合わせて考えると、三井住友信託銀行では、「1.個人として努力し、成果をあげることができる」「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」といった素質が求められるでしょう。

三井住友信託銀行の過去のES設問

  • 1.大学時代に一番達成感が感じられたことorやり遂げたことで充実感が得られたことは何ですか。その内容を教えてください。(400字以内)
  • 2.周囲と協力して活動した経験について、苦労したことも踏まえて教えてください。(400字以内)
  • 3.周囲と対立した時や自分の理想通りにいかなかった時、あなたはどう行動しますか。過去の経験をふまえてご記入ください。(400字以内)

この設問で、同じような経験を三つ書いてもよいか考えるかと思いますが、それが相手にどのようなイメージを与えるかは考えておきましょう。

同じ経験を三つ書くことで、そのコミュニティに対するコミットや一つのことに取り組む姿勢を伝えられますが、反対に一つのコミュニティでしか活躍できない人材なのではないかという懸念を抱かれる可能性もあるので注意が必要です。

一つ目の設問

大学時代に一番達成感が感じられたことorやり遂げたことで充実感が得られたことは何ですか。その内容を教えてください。(400字以内)

学生時代頑張ったことは、頑張ったエピソードから導かれる自らの強みが、前述した三井住友信託銀行の事業内容から導き出せる求める人材や資質に合致している必要があります。

すなわち、「1.個人として努力し、成果をあげることができる」「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」といった素質があることをアピールできるような学生時代頑張ったことについて述べていきましょう。

働き方からわかる通り、信託銀行の仕事は人との関係性が非常に重要になります。金融商品という差別化の難しい商品を選んでもらうために、顧客と関係性を築ける人材かどうかを見極めたいと考えています。

例えば、サークル活動で多くの人間を巻き込み目標を成し遂げたことや、アルバイト先の問題点を店長と共有して解決したことなど様々なアプローチから伝えることができます。

また、学生時代頑張ったことを書くために、以下の5つの手順を参考にしてください。

5つの手順

1.企業が求める人材をビジネスモデルおよび働き方から知る
2.トップ企業内定者のエントリーシートを複数読む
3.内定者のエントリーシートに共通項がないか考える
4.学生時代頑張ったこと、自己PRのフレームワークに基づき自分の経験を整理する
5.自分が書いたものを評価してもらう

学生時代頑張ったことを書くためのフレームワークは、以下の通りに実行すればスムーズに書けるでしょう。

フレームワーク

(1)結論:何に取り組んだのか?
(2)動機:なぜ取り組んだのか?
(3)目標と困難:どんな目標を掲げたのか?目標を達成する上での困難は何か?
(4)取り組みと結果:どのように取り組んだのか?取り組みの結果どうだったのか?
(5)人柄:活動の中であなたのどのような性格が活かされたのか?
(6)学び:取り組みを通じて何を学んだのか?学びを社会でどのように活かすのか?

上記の手順にそって考えれば、ロジカルに記述することが出来るでしょう。特に、エピソードから導かれる強みや学び(上記で言えば(5)(6)の部分)が前述した三井住友信託銀行が求める人材と合致していることが重要です。

以下の記事でも学生時代頑張ったことの書き方のポイントやフレームワークを解説しているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。

参考:ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-
→「ガクチカ」のフレームワークを提示します。

二つ目の設問

周囲と協力して活動した経験について、苦労したことも踏まえて教えてください。(400字以内)

ここでは、学生時代頑張ったことの取り組みで困難だったことについて言及し、述べていきます。設問にもある通り、ここでは、自分だけの問題、苦労についてではなく、周囲との関わりの中で生じた困難や苦労した点について述べる必要があります。

また、三井住友信託銀行で働く社員さんは、以下のようなことで周囲と協力した経験があると述べています。

新たな金融商品の開発と、その新商品のお客さまへの営業・導入支援にも注力しています。企業や個人の財務ニーズが多様化・複雑化している昨今、そのニーズに確実に応えるには、提供できる商品のバリエーションを増やし、より販路を広げる必要があります。そのための長期的戦略として、通常のディーリング業務と並行して商品開発を行っています。

 

(中略)


この新たな金融商品・サービスの開発に際しては、自社内での調整と連携も重要です。たとえば新たな商品・サービスを導入するということは、新たな業務フローを導入する必要があり、関係する多くの部署との調整や相談が求められます。

 

社内に新商品の強みや販売手法を説明することは当然として、法人の営業担当者との販売戦略の打ち合わせや、決済システムのテスト、全支店に配布する資料の作成など、調整・連携すべきことはたくさんあります。

 

しかし、どの部署と話をしても、会社としての重要なチャレンジであることを認識しており、「ここはこうしたほうがもっと良くなる」といったアドバイスや、問い合わせへの回答をスピーディーにもらうことが出来ます。このように、全社が一体となって動いているという実感を持てることは、当社のすばらしい点であると思います。

 

引用:三井住友信託銀行「事業別社員紹介」 

ここでは、苦労した経験については言及していませんが、新たなサービスの開発に際して、多くの様々な部署との連携が必要となることから、価値観や立場の違う人間同士の考えが異なった場面が多くあったことは想像できますし、それを一つにまとめ上げることでも苦労があったことだと思います。

このような実際の業務をイメージしながら、集団で取り組んだことについて、その中でどういう困難があったのか分かりやすく述べていきましょう。

三つ目の設問

周囲と対立した時や自分の理想通りにいかなかった時、あなたはどう行動しますか。過去の経験をふまえてご記入ください。(400字以内)

二つ目の設問の苦労した点についてでは、価値観の異なる他人との取り組みの中で、周囲と考えが異なったような対立した経験がおそらくあったかと思います。この設問で企業は、学生がこれから仕事をしていく中で、困難に対してどのように対処していくのかということを見ています。

不動産仲介業務で最も重要なことは、常に売主と買主の双方に対する公平な対応を行うことです。

 

時として売主と買主の利益は相反しますが、仲介者として双方ともに有益となるWIN-WINのポイントを探し出し、案件を成約に導いていく必要があります。

 

ここで問われるのは、双方の意見をまとめ上げる交渉力とコミュニケーション能力。それぞれが何を求めているか、その真意を汲み取り、双方共に納得できるように調整していくことが求められます。もちろん、そこには信頼関係が必要不可欠です。

 

私の場合、相手が必要としている情報を想像し、それについて率先して調査、報告することで信頼関係を地道に積み重ねています。また、最近では外資系ファンドのお客さまも増えてきたので、スムーズなコミュニケーションを実現するために、英語力の向上にも努めていきたいと考えています。

 

引用:三井住友信託銀行「事業別社員紹介」 

三井住友信託銀行の社員さんは、このようなことを述べています。この方の場合、売主はより高く売りたい、買主はより安く買いたいと思っているため、仲介者として両社の成約に導くことが苦労したことでしょう。

この方は、双方の真意を理解し、納得できるように調整することでこの困難を解決していることが分かります。このような実際の働き方をイメージしつつ、周囲との取り組みの中で苦労した点を分かりやすく記述することで読み手にとっても共感しやすい内容になるかと思います。

最後に

いかがだったでしょうか。今回は、三井住友信託銀行のESと採用HPから考える三井住友信託銀行が求める人材について紹介しました。

企業研究は、イメージやランキング、他の就活生が知らないような情報を調べるものではなく、自分の考え方・価値観と合致しているかどうかを調べるものです。

本質的な働き方やどういったことにやりがいを感じるのかという部分に着目して企業研究していただければと思います。

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