アクセンチュア(戦略コンサルティング)ES対策|必要なDNA・内定者回答例解説付き
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最終更新日:2024年11月08日
アクセンチュアはマッキンゼーやボストンコンサルティングのような純粋な戦略コンサルティングファームとは異なり、ITコンサルティング部門と戦略コンサルティング部門を保有している総合コンサルティングファームです。
本記事ではアクセンチュアの戦略コンサルティング部門の本選考ESを解説していきます。
良問がそろっていますので、コンサルティング会社が求める人材について振り返りながらどういった人材が求められているのか考えますので参考にしていただければ幸いです。
アクセンチュアの設問
①「未来のアクセンチュアに必要なDNA」で最も共感しているものは何ですか。また、その理由を記述してください
※改行せず文章は続けて入力してください。400文字以上600文字以下
②あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか。また、それに対してあなたが何を考え、どう対処したか、その経験が今どのように活かされているかについて記述してください
※改行せず文章は続けて入力してください。400文字以上600文字以下
自己PRおよび志望動機とオーソドックスな設問ですが、「未来のアクセンチュアに必要なDNAで共感したもの」についてはしっかりと求められる人材を想定した上で書く必要があるでしょう。
設問に対する考え方
コンサルティング業界が求めている人材というと、「論理的思考力」ばかりが取り上げられており、多くの学生も机上の論理をどれだけうまく扱えるかをアピールしようとしがちだと感じます。
マッキンゼーのES(内定者例文有り)|志望動機・強み等各設問を解説!でも書いた通り、コンサルティング会社で何より求められるのは「リーダーシップ」です。
部外者という立場で、コンサルしている企業の中の人を動かすためには、提案のレベルの高さだけではなくこの提案であればうまくいくと不確実ながらも信じてもらいついてきてもらう必要があります。
そのような提案をするためには高いリーダーシップが必要だと言えます。
後述する「アクセンチュアに必要なDNA」においても、「タフな状況も、先頭に立ち楽しめる情熱がある」、「正しい判断のためには、上司との衝突も辞さない」、「信念に基づき、主張し、実際にやりとげる」、「チームワークの可能性を信じる」、「多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている」、「常に誠実さを失わず、言行一致の気概がある」などリーダーとして備えておきたいと思われる考え方が多数含まれています。
「論理的思考力」は当然備えているものとしてその先にある能力が求められていることを忘れないようにしましょう。
アクセンチュアに必要なDNAに見る求める人材
【未来のアクセンチュアに必要なDNA】
・背伸びをしてでも目標に手を伸ばさずにはいられない
・自分も会社も世の中までも、変えたいと望む
・ここで成長したあとは「次のステージ」も視野に入れている
・チャレンジに、手加減をしない
・タフな状況も、先頭に立ち楽しめる情熱がある
・正しい判断のためには、上司との衝突も辞さない
・信念に基づき、主張し、実際にやりとげる
・チームワークの可能性を信じる
・多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている
・常に誠実さを失わず、言行一致の気概がある
(アクセンチュア採用HPより一部抜粋)
戦略コンサルティング会社の仕事は外部の立場から、企業がよりよくなる方策を考え、実行までのプランニングを行うことになります。
そのためには上記の通り、リーダーシップは必ず求められ、「常に誠実さを失わず、言行一致の気概がある」とある通り自分自身の発言に対して責任を持ち、人を動かすことのできる人材が第一に求められると言えます。言行一致をしてクライアント企業の中の人とも信頼関係を構築することでより精度の高い提案が行えるようになったり、提案を実行する力となると言えます。
また戦略コンサルティングが行う提案とは、クライアント企業の人が中にいても気づくことの出来なかった問題や新規の提案が中心になるため、「チャレンジ精神」が求められる仕事であるように思います。
コンサル会社というと論理的に素晴らしい提案を導きだすといったイメージがありますが、論理的に突き詰めた提案とは時として業界の慣習に従わないものであったり、まだ誰もやったことのないものであることがあります。
こういった新規の提案を行うチャレンジ精神をもった人材を求めていることが、「チャレンジに、手加減をしない」や「タフな状況も、先頭に立ち楽しめる情熱がある」、「正しい判断のためには、上司との衝突も辞さない」という部分に感じることが出来ます。
「チームワーク」や「多様な考え方に対する理解」も同様に求められているようです。コンサルティングは基本的にはチーム数名で行い、チームにはクライアント企業の人が含まれることもあります。
コンサルティング会社と事業会社と立場や考え方の異なる人が意見を出し合いながらよりよい戦略を考える必要があるため、チームワークを尊重し、多様な意見に対する理解が求められると言えます。
一方で学生が「チームワーク」というと「波風をたてないこと」であるように考える人も多く、意見の対立をそもそも否定してしまう人がいますが、建設的な議論が出来るのであれば意見の対立こそが重要だと言えます。
お互いの意見や考え方をぶつけながらよりよい方向に向かうことのできる人材かどうかが問われていると言えますので、「チームワーク」という部分を勘違いしないようにしましょう。
さらに変化に対する柔軟性も重要な要素であるとも読み取れます。コンサルティング会社では平均勤続年数が非常に短く、3〜5年での転職や起業が多い企業であると言えます。そのためマッキンゼーやボストンコンサルティングのような企業においても、「キャリアビジョン」に関する質問が多く、将来はどのようなことを成し遂げたいのか、その上でなぜファーストキャリアとしてコンサルティング会社を選ぶのかということが聞かれる傾向にあります。
「自分も会社も世の中までも、変えたいと望む」や「ここで成長したあとは「次のステージ」も視野に入れている」という部分には将来のビジョンに向けて、自ら変化を起こしていく気概がある人材を求めていることが読み取れます。
以上を総合すると、アクセンチュアという会社は下記のような人材を求めていると考えられます。
②今までは実施されていない施策も考え提案し、周囲の協力を得ながら実現できる人材
③多様な価値観や考え方の人とも協力して、共通の目標に向かい努力できる人材
④変化に柔軟に対応するだけでなく、自ら変化を起こして周囲によい影響を与えることのできる人材
学生時代の経験を伝える際も、上記の人材であることを伝えることの出来る内容であるほど共感してもらいやすいと言えます。下記のコラムも参考に考えてみてください。
→実際に仕入れた情報及び自分自身の経験から、実際に評価される自己PR・志望動機の作り方の基本となるフレームワークについて話したいと思います。
アクセンチュア 設問解説
1つ目の設問
◆「未来のアクセンチュアに必要なDNA」で最も共感しているものは何ですか。また、その理由を記述してください
※改行せず文章は続けて入力してください。400文字以上600文字以下
自己PRと志望動機どちらの側面からでも書くことが出来る設問です。
上記のアクセンチュアが求める人材を考えた上でどう書くか考えてみましょう。
もちろん自己PRとして書くにしても志望動機として書くにしても、自分のどの経験や生い立ちから共感しているのかという、「自分」を伝える必要があるのは忘れないようにしましょう。経験については一つだけではなく、自分自身の生い立ちや幼少期の経験から大学時代の経験まで一貫して伝えることができるとより説得力があるように思います。
2つ目の設問
◆あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか。また、それに対してあなたが何を考え、どう対処したか、その経験が今どのように活かされているかについて記述してください
※改行せず文章は続けて入力してください。400文字以上600文字以下
上記で説明したアクセンチュアの求める人材の中でも「チャレンジ精神」に焦点を当てた設問と言えます。
「チャレンジ精神」と言うと、受験など個人として高い目標に挑戦したという話をあげる人が多いのですが、上記の通り、コンサル業界の仕事内容を考えるとチームとして何か新しい提案や施策について考えて実行した経験などの方が共感される可能性が高いように感じます。
受験の話が悪い訳ではないのですが、東大生などがチームで高い目標を掲げてチャレンジした経験を伝えている一方で、早慶レベルの学生が受験の話をチャレンジした経験として掲げると読み手はどんな印象を持つのか考えるぐらいの想像力は必要でしょう。
アクセンチュア内定者のES回答
以下でアクセンチュア内定者のESを提示します。
「未来のアクセンチュアに必要なDNA」で最も共感しているものは何ですか。また、その理由を記述してください。
欧米諸国など5ヶ国からのボランティアメンバーと共に、カンボジアの村のゴミ問題について、解決策を導いた経験があるからだ。去年一ヶ月間、カンボジアの学校での、日本語英語教師のボランティア活動の中で、子供たちの掃除の習慣化に貢献した。
私は村中に大量のゴミが散乱し、悪臭が漂う環境に問題意識を持った。
そこで、多国籍のメンバー全員で、ボランティア教師の立場から、村の環境を改善していける方法を考えていった。各国の学校教育や掃除習慣を共有する中で、生徒が学校の掃除をする時間が、欧米諸国にはないことが判明した。メンバーの一人が日本を旅行した際に、日本の街の綺麗さに驚いたという経験から、私たちはカンボジアの学校にも掃除の授業を導入して、子供たちに掃除の習慣を身につけてもらおうと試みた。カンボジア人教師は私たちの提案を快諾するも、授業の実施には至らなかった。そこで、カンボジア人教師の学校創設の経緯に着目し、掃除の授業の有効性よりも、ボランティア全員の村と生徒への熱い思いを根気強く伝え、彼らの心を動かしていった。
その結果、掃除の授業の導入だけでなく、学校周辺のゴミ拾いまで活動の幅を広げることができ、村の人々からも感謝の言葉を頂いた。異なる文化を持ったメンバーが集まり、互いの意見を共有できたからこそ、多角的な視点で物事を捉えて解決策を導けた。
上述の解説の通り、こちらの設問は企業が求める人材を踏まえた上で回答すると評価されやすいでしょう。
この回答はカンボジアでの多国籍ボランティアの経験が述べられています。
こちらのエピソードからは、
②今までは実施されていない施策も考え提案し、周囲の協力を得ながら実現できる人材
③多様な価値観や考え方の人とも協力して、共通の目標に向かい努力できる人材
の人材であるということが読み取れると思います。
またこの経験での困難や学び、具体的にどうやって巻き込んだかなども整理しておくと良いでしょう。
アクセンチュアで実現したいことを含め、アクセンチュアの志望理由をご記入ください。
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最後に
「未来のアクセンチュアに必要なDNA」は、多くの人気企業にも当てはまるものだと感じます。総合商社においてもリーダーシップ、チャレンジ精神、価値観の異なる人との恊働といった要素は求められていると言えます。一つ一つのDNAに対して自分の経験であればどのようなことが伝えられるか考えて、より自分らしさを伝えられる内容について考えていただければ幸いです。
→アクセンチュアの面接で実際に聞かれた質問をカテゴリー別にまとめています。また、面接の体験談も多数掲載しているためアクセンチュア志望者は是非ご覧下さい。
→過去実際にアクセンチュアで出題された問題のアプローチ方法を掲載しています。本記事を参考に是非他のケース面接にも挑戦してみて下さい。