大手企業がリストラの嵐~その背景・今後・就活生の行動指針を考察してみた~

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最終更新日:2023年11月02日

大手企業がリストラの嵐~その背景・今後・就活生の行動指針を考察してみた~

ここ最近、大企業による大規模なリストラや早期退職のニュースをよく目にします。

実際に「大企業による直近2年間のリストラ・早期退職」を調べてみると、以下のような企業が確認できました。

  • 日産自動車
    →2023年3月までに世界の日産グループ従業員の10%、1万2,500人を削減すると発表。
  • 富士通
    →2018年10月に5,000人の従業員を配置転換し、そのうちの2,850人が退職。
  • 損保ジャパン日本興亜
    →2019年6月末、従業員4,000人を削減し、買収したワタミの介護人材に回すことを発表。

    ※ここでは3社しか取り上げていませんが、後述でその他の企業も取り上げています。

上記に挙げた企業はあくまでも一例にはなりますが、3社ともに「各業界を代表する大手企業」であり、"大手企業=安定している・リストラなどはめったにない"という認識を持っていた就活生は驚いたのではないでしょうか。

各社でそれぞれ事情は異なるにしても、最近のリストラの嵐はここ数年間では見られなかった兆候ですし、上記3社の事例も氷山の一角に過ぎず、他の大手企業でも大規模なリストラ・早期退職が実施されています。

今や「大手企業=安定している・リストラなどはめったにない」という神話はないに等しく、就活生の方もこういった事実をしっかりと認識しなければならないと言えるでしょう。

そこで本記事では「直近の大規模リストラ・早期退職の実情」を解説していきたいと思います。

 "そもそもリストラや早期退職とは何か?"といった基本的な内容から、"各社や日本全体の実情・この実情を受けて就活生はどうすればよいのか"まで解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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そもそも「リストラ・早期退職・希望退職」とは何なのか?

「国内におけるリストラ・早期退職」の実情を解説する前に、まずはそもそもの概念・意味を紹介します。

違いが分からずによく混合されてしまう「リストラ・早期退職・希望退職」ですが、簡単に説明すると以下のように定義づけることができます。

リストラとは

英語の「Restructuring」の略語であり、本来の意味は「再構築」です。ビジネス上の意味(本記事での意味)としては、「企業都合により、人員削減の手段として行う解雇のこと」を指します。

早期退職とは

「定年を迎える前に退職となること」を指します。

早期退職はリストラと混合される場合が多いのですが、その違いは"強制力の有無"に集約されます。リストラは「企業都合による解雇であり、従業員の意思は考慮されない」という特徴があり、早期退職は「定年を迎える前に退職となることであり、従業員の意思で行う場合がほとんど」という違いがあります。

希望退職とは

「企業が従業員の主体的な退職を募る仕組みのこと」を指します。

希望退職は早期退職の内の一つではありますが、早期退職と希望退職は"退職の目的・利用時期"に違いがあります。具体的に説明すると、希望退職は「企業の業績が悪くなり、従業員の人件費削減などを目的として行われるもの」であり、一方で「企業の業績とは関係なく、人件費削減や従業員の若返りを促すために行われるもの」を一般的には早期退職と呼びます。(「選択定年」と呼ばれることもあります)

また、希望退職は「企業都合で一時的に募集する制度であるため、希望者の年齢などに特に制限はない」という特徴があり、一方で希望退職を除く早期退職(選択定年)は「一定の年齢以上であることが条件とされていることが多く、その決められた年齢に達していなければそもそも応募することができない」という違いがあります。

直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社とその背景

「リストラ・早期退職・希望退職」の意味や違いを理解したところで、"実際にどのような大手企業が大規模なリストラ・早期退職を実施したのか"を見ていきます。

筆者の調べた範囲内にはなりますが、以下のような企業が実施・発表をしたようです。(本記事では、直近2年間を2017年末~2019年末という定義で記載しています)

  • 日産自動車
    →2023年3月までに世界の日産グループ従業員の10%、1万2500人を削減すると発表。
  • 富士通
    →2018年10月に5,000人の従業員を配置転換し、そのうちの2,850人が退職。
  • 東芝
    →2018年11月、東芝・東芝エネルギーシステムズ(ESS)・東芝デジタルソリューションズ(TDSL)の3社で1,060人の早期退職を募集し、結果的に823人の従業員が早期退職に応募。また、2019年5月に東芝デバイス&ストレージ(TDSC)でリストラが発表され、350人の早期退職枠に対して414人もの従業員が応募。
  • NEC(日本電気)
    →2018年11月、45歳以上で勤続年数5年以上の従業員を対象に実施した希望退職に2,170人が応募したと発表。
  • 富士ゼロックス
    →2018年上半期、全世界で1万名もの大規模なリストラを敢行。
  • 損保ジャパン日本興亜
    →2019年6月末、従業員4,000人を削減し、買収したワタミの介護子会社に回すことを発表。
  • みずほフィナンシャルグループ
    →2017年末、グループ全体で1万9000人の従業員をリストラすると発表。
  • 三菱UFJフィナンシャルグループ
    →2017年末、グループ全体で9,500人分の業務量を削減すると発表。
  • 三井住友フィナンシャルグループ
    →2017年末、グループ全体で4,000人分の業務量を削減すると発表。その後の2019年5月、当初の計画から5,000人弱分に増える見通しであると再度発表。
  • キリンホールディングス
    →2019年10月~11月にかけ、傘下であるキリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンで5,000人規模の人員再配置を実施。
  • 日本ハム
    →2018年10月、45歳以上の従業員を対象に全従業員(子会社への出向を含む)の約1割にあたる200人を上限に早期退職者を募ると発表。結果的に当初の募集人員を超える213人が応募。
  • アステラス製薬
    →2018年度に日本国内で実施した早期退職優遇制度に約700人が応募し、その結果国内のMRの人数は2,000人前後になったと発表。

上記で取り上げた企業はいずれも日本を代表する大企業ばかりであり、それゆえにリストラ・早期退職の人数も何千・何万というかなり大きな数字となっています。

例年、就活生からの人気が高い企業も多く該当しており、「こんなにリストラしてるの!?」と改めて驚いた方も多いのではないでしょうか。

数字(リストラや早期退職の規模)だけを見てもイメージはつきにくいかと思いますので、各社の背景をそれぞれ紹介していきます。

各社のリストラ・早期退職の背景

【日産自動車】

カルロス・ゴーン(元CEO)に関する問題や世界各地で収益が悪化した結果、近年の業績不振を立て直すための生産体制の見直し・人員整理をするため、リストラを敢行。

 

【富士通】

成長領域のITサービスなどを強化し、間接部門の効率化を目指す「成長に向けたリソースシフト」の一環として希望・早期退職の募集を実施。

 

【東芝】

収益力強化に向けた構造改革計画の一環で希望退職・早期退職の募集を実施。

 

【NEC(日本電気)】

固定費削減による収益構造改革の一環として人員整理をするため、希望退職という名のリストラを実施。

 

【富士ゼロックス】

業績が悪化しているというわけではなく、比較的安定して推移しているが、今後雲行きが怪しくなっていくと予想した結果の大規模なリストラだと言われている。おおまかな目的は経費の削減。

 

【損保ジャパン日本興亜】

IT活用による事業の効率化の影響で、国内従業員を4,000人削減する施策を実施し、買収したワタミの介護子会社に配置転換を実施。この報道が出た際は賛否両論の意見が飛び交い、「いわば新たなリストラ手法」とも言われた。

 

【みずほフィナンシャルグループ】

【三菱UFJフィナンシャルグループ】

【三井住友フィナンシャルグループ】

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入による業務の効率化、店舗網の大幅な縮小の影響による人員削減のため、大規模なリストラを敢行。


※RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション):デスクワークなどの一連の事務作業を、PC内のソフトウェア型のロボットが代行・自動化すること。

 

【キリンホールディングス】

2018年度通期決算で過去最高益を達成したにも関わらず、早期退職を実施。他社のリストラの要因(業績悪化による人員削減など)とは少し異なり、業績が好調なうちに従業員の整理を行い、さらなる成長や事業展開を図ることが狙い。

 

【日本ハム】

今後、既存事業の効率化による収益性の強化を進めていくにあたり、従業員構成を適正化させるために早期退職の応募を実施。選択定年制度を限定的に拡充する形を取った。

 

【アステラス製薬】

薬価の引き下げや後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及などの影響で国内の事業環境が厳しくなり、従業員(MR)の人数を削減するために早期退職を実施。

上記に記載した通り、各社でそれぞれリストラ・早期退職を実施した要因は異なりますが、同業界の中ではある程度共通点があるように感じます。

そしてその要因は以下の2種類に大別されると考えられます。

  • 業績の悪化・規模の縮小により、人員削減・人員整理をする必要があるため。
  • 業績の良し悪しに関わらず、生産性向上・組織や制度の変更を促進するため。

業績悪化・規模の縮小により、人員削減・人員整理をする必要があるため。

こちらの要因に関しては、「富士通・東芝・NEC(日本電気)・富士ゼロックスといったハードウェアメーカー業界」の事例が挙げられます。

ハードウェアメーカー業界の大規模なリストラ・早期退職は、"主力事業であるハードウェア製品の不調"が主な要因とされています。

上記の企業でもソフトウェア領域は特に不調というわけではなく、ハードウェア領域の業績不振による人員削減という側面が大きかったと言われています。

また、「みずほフィナンシャルグループ・三菱UFJフィナンシャルグループ・三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンク(銀行業界)」の事例もこちらのパターンに該当されるでしょう。

上記でも記載したように、銀行業界のリストラは"RPA導入による業務の効率化"が主な要因とされています。

新卒採用人数も年々減らしている3社ですが、メガバンク以外でも地方銀行が続々と統合を進めており、銀行業界全体として苦戦していることは間違いないでしょう。

業績の良し悪しに関わらず、生産性向上・組織や制度の変更を促進するため。

こちらの要因に関しては、2018年度通期決算で過去最高益を達成したにも関わらず早期退職を実施した「キリンホールディングス」の事例が該当します。

上記で取り上げた12社の大半は前者の要因に該当するのですが、いまや「リストラ実施企業の3社に1社が業績好調な企業」であり、今回のキリンホールディングスの事例もそこまで珍しいものではないようです。

そして今回のキリンホールディングスの事例であれば、"①バブル世代の退出を促す②若手への投資を進めて新陳代謝を図る③従来の人事・評価制度の改革を進める"などが早期退職の要因とされています。

こういった要因による早期退職のことを「先行実施型の早期退職」とも呼び、「業績が好調な企業が財務的な余裕のあるうちに人員整理を進めるケース」は増えているようです。

本記事で取り上げた12社の情報は下記の記事の内容をもとに作成しました。 

【参考記事】
【産経ニュース】日産、世界で1万人超削減へ(2019.7.24)

【日本経済新聞】富士通、2850人が早期退職 営業・エンジニアに配転も(2019/2/19)

【東芝プレスリリース】構造改革に伴う早期退職優遇制度の実験結果及び東芝デバイス&ストレージ株式会社における早期退職優遇制度の実施について(2019年5月13日)

【NECプレスリリース】特別転進支援施策の実施に関するお知らせ(2018年6月29日)

【SankeiBiz】富士ゼロックス1万人削減 米社と経営統合(2018.1.31)

【日本経済新聞】損保ジャパン、国内4000人削減 IT活用で効率化(2019.6.24)

【日本経済新聞】みずほ、店舗2割削減へ 12%減益で1.9万人削減発表(2017/11/13)

【Business journal】三菱UFJ銀行、1万人削減へ…業務を人からシステムに置き換え、従来型モデルが限界(2017.11.01)

【時事ドットコム】業務量削減、5000人分に拡大=IT活用で自動化加速-三井住友FG(2019年5月22日)

【時事ドットコム】キリン、希望退職募集=枠設けず、組織若返り狙い(2019年9月27日)

【日本経済新聞】日ハム、45歳以上の早期退職募集(2018/10/31)

【アステラス製薬プレスリリース】国内事業再編に関するお知らせ -アステラス製薬および国内グループ会社再編と早期退職優遇制度の導入-(2018年5月22日)

なぜ早期退職・希望退職に応募するのか?

これまで、「直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した企業とその背景」を紹介してきました。

各社ともかなり大規模なリストラ・早期退職を実施したことが読み取れたと思いますが、早期退職と希望退職に関し、以下のような疑問を持った就活生の方もいたのではないでしょうか。

普通に考えて定年まで勤め続けた方が良くない?

多額の退職金をもらえるとしても会社に居続けたほうがメリットはあるでしょ?

なぜわざわざ早期退職・希望退職に応募するのかが分からない。

そこで続いては、上記のような疑問に対するアンサーとして、「早期退職や希望退職の背景」を具体例を挙げながらもう少し紐解いていこうと思います。

早期退職・希望退職のカラクリと実情

本記事の冒頭で「早期退職と希望退職は強制力がなく、従業員の意思に基づいて実施される」という紹介をしましたが、これには裏事情がある場合があります。

結論から述べると、"早期退職や希望退職は100%従業員の意思に基づいて実施されるものと言えど、「早期退職(希望退職)or出向や降格」などの二者択一を迫られている場合がある"ということです。

つまり、"down or out"を迫られていると言うこともできます。

また、企業側は対象とする社員をあらかじめ選別している場合も往々にしてあり、リストラとほぼ同義であるとも読み取ることができるでしょう。

実際に具体例を挙げるのであれば、以下のような実例が確認できました。

早期退職を断ったら出向にするといわれた

ある製薬会社に勤めています。50歳の正社員です。私の働く部門が外注になり業者が入ってきました。私は上司から呼び出されあなたのやっている仕事を業者に教えてもらえないかと頼まれました。私は上司の頼みを引き受け、業者に自分の仕事を教え始めました。
そのとき、会社は早期退職の募集を募り始めていました。ある日私は直属の部長に呼ばれました。あなたのやっている仕事はこれから業者にやらせます。したがってあなたのやる仕事はこれからありません。と言われました。そしてパッケージなるものを示されました。そのパッケージには次のことが書かれていました。1会社都合による退職。2特別退職金の支給。3再就職支援会社の無料利用です。面談が始まり何回もパッケージに応ずるよう圧力がかけられました。けして会社をやめなさいとは言わないのですが、あなたのスキルを活かす場所はこの会社にはもうありません。と何度も繰り返し言われました。今日は三回目の面談でした。早期退職に応じるつもりはないといいましたら、もしあなたが早期退職に応じなければ会社はあなたを今度入った業者に出向にします。と言われました。出向は会社命令であなたには断ることは出きない。と部長はいいました。出向とはどのようなものでしょうか。そして私は出向を断ることは出来ないのでしょうか
どうかよろしくお願いいたします

弁護士ドットコム:労働

上記の実例は「とある製薬会社に勤めている50歳の正社員が早期退職を促す圧力をかけられ、早期退職をしなければ出向させると脅された」というものになります。

これはあくまでも一つの例にはなりますが、上記のような事例は決して珍しくなく、早期退職のカラクリとして存在している事象なのです。

※本記事の冒頭で「直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社」を取り上げましたが、これらの企業が上記のような事例に当てはまるという意味ではありません。

「早期退職・希望退職を実施している企業は全てこのような実情に基づいている」という訳ではありませんが、このような実情・カラクリが存在することも認識していただければと思います。

大手企業のリストラ・早期退職から読み解く日本社会の実情と今後

ここまで、「企業ごと・業界ごと」という観点から実情・背景を紹介してきましたが、続いてはもう少しマクロな視点から考察していきたいと思います。

先ほど紹介したリストラ・早期退職の背景を受け、「現在の日本社会の実情・今後起こり得るであろう変化」は以下の2つに集約されると考えられます。

  • 定型業務・事務系業務などがロボット・IoTに代替される可能性がある
  • 日本特有の終身雇用制度が崩壊する

上記2点に関しては巷でもよく言われている内容だとは思いますが、結論「この2点に集約される」と言えます。

定型業務・事務系業務などがロボット・IoTに代替される可能性がある

IT社会化が急速に進行していることで、これまで人間の手で請け負ってきたいくつかの業務がロボット・IoTに代替される可能性があります。

その中でも、いわゆる「定型業務・事務系業務」と言われる業務が主に代替されると言われています。

実際にそのような予測もいくつか発表されており、人材会社「エン・ジャパン株式会社」が2017年に発表した「AIに代替される仕事/されない仕事」についてという資料には以下のような調査結果が示されていました。

Q.現在ミドル世代が就業している職種の中で、AIに代替されて、なくなると予想される職種を教えてください。
【1位】経理・財務・会計系:42%
【2位】秘書・アシスタント・一般事務系:41%
【3位】コールセンター:37%
【4位】人事・総務系:32%
【5位】会計士・税理士:28%

Q.AIに代替され、なくなるであろう職業が多いであろう「業種」を教えてください。
【1位】IT・インターネット:41%
【2位】コールセンター:41%
【3位】金融:34%
【4位】メーカー(コンピューター・通信系):30%
【5位】メーカー(機械・自動車・メカトロ):27%

【引用】
ミドルの転職:「AIに代替される仕事/されない仕事」について(2017年版)
※アンケート実施期間 : 2017年11月22日 ~ 2017年11月28日 / 有効回答数 : 181名

上記の調査結果は一部を抜粋したものにはなりますが、このデータを見れば「メガバンクなどの金融業界の企業が、リストラや早期退職の実施で人員を削減・整理している実情」が理解できるのではないでしょうか。

また、「IT・インターネットやメーカーといった業種」もAIに代替されやすい業種と予想されています。

IT業界やメーカーといえば今でも就活生からの人気が高い業界ではありますが、競争が激しい業界であるがゆえに変化が激しく、今後のAIやIoTの導入にも積極的であるため、上位にランクインしたのだと考えられます。

IT・インターネット業界は競争が激しいと言われているため、大手・中小・ベンチャー問わず"10年~20年先の姿は誰も正確には予測できない"と言っても過言ではないでしょう。

日本特有の終身雇用制度が崩壊する

「終身雇用を守るのが難しい」

2019年5月にトヨタ自動車社長の豊田社長が発したこの言葉を、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

また同時期に、経団連の中西宏明会長も「終身雇用を続けるのは難しい/終身雇用は制度疲労」などという発言をしました。

日本のトップとも言える企業の社長と経団連のトップがこういった趣旨の発言をしたということは、"日本特有の終身雇用制度の崩壊はすぐそこまで近づいている"といっても過言ではないでしょう。

この両者の発言の趣旨・真意を考察することは本記事の趣旨と少し異なるため、ここでは割愛させていただきますが、もはや"新卒一括採用やメンバーシップ型雇用が当たり前"という状況はなくなるでしょう。(実際にベンチャー企業やIT企業などでは、こういった状況は見られなくなっています)

本記事で取り上げた企業のリストラに関しても、「終身雇用前提で入社したのにまさか自分が!?」と思った従業員の方も多いでしょうし、この雇用制度の変化に関しては、大企業・中小企業問わず例外ではない事象でしょう。

実際に10~20年前であれば、メガバンクやハードウェアメーカーは業績も好調であり、就活生の人気企業ランキングでも上位に名を連ねていました。

しかし現在(2019年)では、「大規模なリストラ・早期退職を実施しなければいけない」という状況に陥っており、就活生からの人気も年々下降傾向にあります。

ただ、本記事では別に「こういった業界・企業は今後も大規模なリストラを継続する可能性が高く将来性がないため、就職を考え直したほうが良い」ということをお伝えしたいわけではありません。

ここでお伝えしたいことは、"こういった変化はもはや業界・企業規模など関係なく起こり得る事象である"ということです。

実際に10~20年前に「メガバンクやハードウェアメーカーが現在のような状況に陥る」と予想していた方はごく少数だったと思いますし、こういった事象は「外的要因×内定要因」で起こり得るものであるため、いくら頑張って予想したところで100%当たることはまずありえません。

ただ、"そういった事象に遭遇するリスクを減らすことは可能"だと考えています。

そこでここまでの内容を踏まえ、「こういった実情を就活生はどう受け止めるべきなのか?そのリスクを減らすにはどうすればよいのか?」という観点の話を最後にお伝えしたいと思います。

この実情を受け、就活生はどうするべきなのか?

結論からいうと、"自分の市場価値を高め続け、会社から必要とされる人材になる"という内容に集約されます。

人材市場価値(じんざいしじょうかち)とは、ビジネスパーソンをベースとした人材の市場における価値である。今日のようなネットワーク社会において、「井の中の蛙、大海を知らず」ではもはや勝ち残れない。社内だけでなく、社外(市場)で通用するかどうかを確認する指標(データ)として、組織人材分析や企業内研修等で活用されることが多い。また、就職・転職する際に、転職候補者の推定年収を算定する際にこの言葉を用いることが多い。

【引用】ウィキペディア(Wikipedia)

自分自身の市場価値が魅力的なものであれば、例え働いている企業が不景気になったところでより良い条件で転職できる可能性は高まりますし、そもそもリストラや早期退職(マイナスな側面での)に該当する人材になることもないでしょう。

その一方で、この市場価値という言葉は"ある種のマジックワード"のように感じます。

就活生の中でも「市場価値を高めたい!」ということをESや面接で述べる方は一定数いるかと思いますが、ほとんどの就活生は「自分の中での市場価値の定義」を理解しないまま、この文言を使っているのではないでしょうか。

そこで、上記のような就活生や、「そもそも市場価値を高めるには?」という部分に疑問を持っている就活生に向け、"市場価値"というものを分解してみようと思います。

「市場価値」を考察していくにあたり、ベストセラー書籍である『転職の思考法(著:北野唯我)』の内容を参考にさせていただくと、市場価値(マーケットバリュー)は以下の3つの要素の掛け算で決定されます。

  • 技術資産
  • 人的資産
  • 業界の生産性

技術資産

技術資産は「他の会社でも通用する技術的蓄積」と定義づけられます。その中でも、職種に紐付く「専門性」と職種に紐付かない「経験」の2つに分けられると書籍で述べられています。

具体例を挙げるのであれば、専門性の技術資産は「営業やマーケティング」、経験の技術資産は「マネジメント経験や業界経験」が該当されるでしょう。

人的資産

人的資産は、言い換えるならば「人脈」と定義づけられます。

業界の生産性

業界の生産性は、言い換えるならば「その業界にいる人間が、平均一人当たりどれほどの価値を生み出しているか。」、より簡潔に言うと「一人当たりの粗利」と定義づけられます。

そしてこの3つの要素の内、この業界の生産性が「市場価値に最も大きな影響を与える」と述べられています。

業界の生産性は産業別(業界別)で大きく異なるため、より市場価値を高めたいのであれば「生産性の高い業界を選択する」というのは非常に理にかなっていると言えるでしょう。

市場価値を高めたいのであれば、この3つの要素に「業界の成長性」を加味する

上述した「(1)技術資産(2)人的資産(3)業界の生産性」は市場価値を構成する要素になりますが、この市場価値をより高めたいのであれあば、"成長している業界に身を置けるか、つまり「業界の成長性」"も考慮するべきだと述べています。

【成長している業界とは】
業界全体として「市場規模」が拡大している業界。

というのも、成長している業界で働いたか否かによって「経験の技術資産の価値」が大きく変わるためです。

成長している業界(成長の見込みがある業界)は、「今後同業界に参入してくる企業が多く、その上で各社は経験を積んだ社員を雇いたい」というニーズがあります。

経験の技術資産に「業界経験」が該当すると上述しましたが、このことから「成長している業界で経験を積むことは、それだけで自身の市場価値に大きな影響を与える」ことが理解できるでしょう。

上述した内容を踏まえれば、「自分の市場価値を高め続け、会社から必要とされる人材になるためのイメージ」が少しは湧いたのではないでしょうか。

「ファーストキャリアはとにかく成長している業界に行きなさい!」ということを伝えたい訳ではありませんが、市場価値を高めたいと考えている就活生にとっては、「業界の生産性・成長性」を考慮することは必須かもしれません。

「リストラはもはや業界・企業規模など関係なく起こり得る」という現代において、それに遭遇するリスクを減らすのであれば、"どういった業界に身を置き、どのように自身のスキル・魅力を高めていくか"を就活生の内から考えておくべきでしょう。

まとめ

本記事では、直近で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業とその背景の紹介に始まり、そこから読み解く日本社会の実情と市場価値とはという内容までを紹介しました。

本記事を一通りご覧いただいた方はこういった実情を知り、どのような感想を持ったでしょうか。

今や、日本を代表する大手企業でも「大規模なリストラ・早期退職」はそこまで珍しいものではなく、就活生の方もこういった実情を「他人事のように捉えてはいけない」ことが理解できたのではないでしょうか。

ただ、改めてにはなりますが、「上記で取り上げたような大規模なリストラを実施している業界・企業は避けるべきだ!成長している業界(成長の見込みのある業界)に絶対行くべきだ!」などといったことを本記事を通して伝えたかった訳ではありません。

"現在の日本社会(大手企業)の実情をどのように捉え、その上でどのように自身の行動に落とし込んでいけばよいか"ということを見つめ直す機会を提供することで、"納得のいく企業選び・自らの理想とするキャリアステップ"に近づいてもらえればと思い本記事を執筆しました。

本記事を通じ、何か一つでも得るものがあったのであれば幸いです。

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「銀行の志望動機」3パターン|解説付き内定者ES 「銀行の志望動機」3パターン|解説付き内定者ES 銀行といえば、人気企業ランキングでも上位に名前を連ねる人気業界の一つです。今回はunistyleに掲載している銀行志望者のESから、志望動機に見られた三つのパターンについてお伝えしたいと思います。企業の採用HPや業界研究本だけですとどうしても固い内容ばかりで、噛み砕いた理解が難しく感じてしまいますが、学生の志望動機であれば比較的簡単に理解できると思います。参考:参考:本記事のコンテンツ1.相手のニーズに対して自分のアイディアで解決を図る仕事がしたい└【参考】銀行内定者ES回答例2.自分自身が商品となり、顧客との信頼関係を構築していきたい└【参考】銀行内定者ES回答例3.社会を支える仕事がしたい└【参考】銀行内定者ES回答例4.最後に5.銀行業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介1.相手のニーズに対して自分のアイディアで解決を図る仕事がしたい銀行の仕事は単純に、金融商品を売るだけではなく、その企業の経営状況等を踏まえて、コンサルティングを含めて金融商品を提案しています。時には相手が気づいていないニーズを引き出した上で、サービスの提案をする高度な営業が求められる仕事だといえます。そのため、学生時代に自分自身のアイディアで問題解決やニーズに応える活動をしてきた学生は、その経験をもとに志望動機を語る傾向にあります。下記、三井住友銀行内定者のESはサークル活動におけるニーズ解決について、インフラ業界内定者もサークル活動において自分のアイディアを提供した話から、銀行への志望動機に繋げています。【参考】銀行内定者ES回答例三井住友銀行を志望する理由についてお答え下さい。(200文字以内)サークル活動の経験から相手のニーズを把握し、それを自らの提案で解決することに最もやりがいを感じました。銀行は形のないものを扱う為、自分の提案で付加価値をつけることができ、経済の血液であるお金を扱う機関として、多くの人、ひいては世界にも貢献できる事に魅力を感じました。その中でも先見性と行動力があり、インターンやセミナーでお会いした行員の方々とともに働きたいと思える方が多かった為、貴行を志望致します。参考:三井住友銀行エントリーシート銀行業務においてあなたが希望している部門は何ですか。希望する理由とともにお答え下さい。(200文字以内)私が志望する部署は、企業金融部門です。理由は以下の三点です。■顧客のニーズを把握して、それを顧客とともに解決していく最前線の営業として活躍したい為■大企業の海外進出が増えている中で、より海外と交わる機会がある為■一人あたりのもつ企業数が少ない為、より顧客と深い関係を持ち、固有のニーズを把握しソリューションを提供できると考えた為。以上の理由より企業金融部門を志望致します。参考:三井住友銀行エントリーシートこの回答では、企業広告の提案・製作を行った経験を基に、顧客のニーズを把握し、それに対する解決策を提案することのやりがいや、それに付随する責任感について学んだことが書かれています。どの仕事にも言えることではありますが、銀行は「責任」や「信頼」という言葉を非常に大切にしている業界です。そのため、それを学ぶことができた経験を挙げたのは、自身と銀行とのマッチングのよさを上手くアピールしていると思います。あなたが横浜銀行で実現したいことは何ですか?また、そこにあなた自身のこれまでの経験や強みをどのように活かせますか?(400字以内)自分のサービスで中小企業を包括的に支えたいです。私は、前述の所属研究会での活動で、中小企業30社にヒアリング調査をし、中小企業の抱える悩みは百社百様であることを学びました。この経験から、中小企業各社の悩みをあらゆる切り口から解決したいと考えています。中でも貴行は地方銀行という強みを活かし、地域密着で地元の中小企業と深い信頼関係を築いており、他行が拾いきれていない中小企業のニーズに対応ができていると感じています。貴行に入社したら、前述の研究会でのヒアリング活動で得た、アポイントを取るときのコツや「相手以上に相手のことを知り、相手に思わぬ気付きを与える力」を営業活動などでいかんなく活かすことができると確信しています。お客様のニーズを汲み取りながら最適なサービス提案ができるプロフェッショナルに成長したいです。参考:横浜銀行エントリーシート2.自分自身が商品となり、顧客との信頼関係を構築していきたい金融商品は非常に差別化が難しい商品といえます。返済条件などを複雑化することで差異を生み出すことは可能ですが、本質的な利率の分を上乗せして返すというモデルが変わらないため、大きな差を生み出しにくいものとなっております。そのためどの銀行から商品を買うかは銀行の営業マンと顧客である企業の信頼関係が大きく左右します。そのため銀行員の営業では、最初の訪問では企業の相談だけで、商品の売り込みは信頼関係を構築してからといったスタイルで行うことがよく行われています。こういったビジネスのため、学生時代の経験としても人と信頼関係を構築しながら物事を進めてきた人は、その経験をもとに志望動機に繋げています。下記素材メーカー内定者はアルバイト経験における信頼関係の構築から銀行の志望動機を語っています。食品メーカー内定者は体育会活動における信頼関係の構築から志望動機を語っています。【参考】銀行内定者ES回答例三井住友銀行を志望する理由についてお答えください。(200字以内)チームの中で信頼関係を構築し、喜びを共有したいからである。学生時代に日頃の行動で信頼関係を構築し、さらなる組織の利益に向かい周囲を巻き込んでいったことや、その結果を皆で共有する喜びを感じたからである。形のない商品を扱う銀行業だからこそ信頼がより必要だと考える。お客様のベストパートナーを目指す貴行で、組織の為にこそ力を発揮する強みを生かし、お客様との信頼を得て、喜びを共有したいと考え貴行を志望する。参考:三井住友銀行エントリーシート銀行業務においてあなたが希望している部門は何ですか。希望する理由とともにお答えください。(200字以内)法人営業部門である。担当法人とタッグを組み、経営課題の解決に向かって突き進む姿に惹かれた。学生時代の経験から、私の強みは組織の為にこそがむしゃらにやり切れると気づいた。その強みを活かし、お客様の為にがむしゃらに仕事に取り組み、社内の関係者を巻き込み、お客様の課題解決に貢献することで出た成果の喜びを共に分かち合いたい。よりお客様と近い法人営業でこそ、よりダイレクトな喜びを味わえると考え志望している。参考:三井住友銀行エントリーシートこちらの回答では、アメフト部の中で特定の項目に対してリーダーシップを発揮し、成果をあげたエピソードが書かれています。ポイントとしては、役職がないながらも、リーダーシップを発揮した点が非常に評価できる点だと思います。たとえ役職が無くとも、集団の課題を発見し、それに向けて具体的な改善策を提示し、リーダーシップを持って実施していく力があるというのは、銀行に限らずどの企業でも魅力を感じる点だと思います。また、成果としての数字にこだわった経験である点も、銀行業とマッチングしていると感じ、親和性の高い人材であることがアピールできていると思います。あなたが横浜銀行で実現したいことは何ですか?また、そこにあなた自身のこれまでの経験や強みをどのように活かせますか?(400字以内)私は貴行で、誰よりも信頼される営業担当になりたいです。学生時代のアルバイトでは、常に結果が求められる環境で働いてきました。しかし、そのアルバイトにおいて最も嬉しかった瞬間は、契約が取れたときではなく、お客様から「中条さんだから契約しようと決めたんだよ」という言葉を頂いたときでした。大変なことも沢山ありましたが、その言葉を聞くと、頑張ってお客様のために提案して良かったなと思えました。私は、貴行においても、お客様からそういった言葉を沢山頂けるような人材になりたいです。銀行は目に見えない商品を扱うため、それを扱う「人」がいかに信頼できるかが大切になってくると私は考えています。だからこそ、これまで営業として沢山の信頼を得てきた私の経験が最大限に活かされると実感しました。これは、設立以来、常に横浜という地で地域の方々から長く信頼を得続けてこられた貴行だからこそ実現できるものだと確信しております。参考:横浜銀行エントリーシート3.社会を支える仕事がしたい銀行の特に融資業務は、企業活動を行う上で不可欠な「お金」を回していく社会的意義の大きい仕事と言えます。そのため、主体的な実体験から社会に対して問題意識を持った学生がそれを「社会全体を支える仕事がしたい」という大きな形として昇華させて志望動機に繋げています。下記で紹介している三井住友銀行内定者の志望動機では、理系の研究活動の経験から銀行の志望動機に繋げています。保険会社・証券会社の内定者は部活動及び非常勤講師の経験から銀行の志望動機に繋げています。【参考】銀行内定者ES回答例三井住友銀行を志望する理由についてお答えください。(200字以内)部活動や非常勤教員の経験から、人と信頼関係を構築し、生活や活動を根底から支えていきたいと考え金融業界を志望している。その中でも、融資を通じて多くのお客様と経営のパートナーとして共に目標に向かっていける、顧客基盤の厚い都市銀行に興味を持った。その中でも貴行は、人生や事業の命運を握る「カネ」を扱う上で最重要である「スピード感」を重視し、仕事への熱い想いや目標を持つ行員の方に魅力を感じ志望している。参考:三井住友銀行エントリーシート銀行業務においてあなたが希望している部門は何ですか。希望する理由とともにお答えください。(200字以内)法人営業部門。非常勤教員や部活動の経験を通じて、パートナーと共に課題解決に取り組み成果を上げていくことにやりがいを覚えた。またその活動の中で、一人ひとりと向き合い意見を引き出し、自身の行動で信頼関係を構築していく力を身に付けた。その力を活かし、経営課題というお客様の難しい問題に対して、共に解決していきたい。またそれにより喜びを分かち合い、達成感を得たいと思い法人営業部門を希望している。参考:三井住友銀行エントリーシートこちらの回答では、バスケットボール部での意見調整役としての経験から、集団を支え、引っ張っていく経験が述べられています。銀行の法人営業は、当然ながら一人で行うわけではなく、相手と一つのチームになって行うものであり、その点において、課題を発見し、考え方や立場の異なる人たちをまとめ、モチベーションを向上させた経験は非常に強いアピールになっていると思います。あなたが横浜銀行で実現したいことは何ですか?また、そこにあなた自身のこれまでの経験や強みをどのように活かせますか?(400字以内)私は地元企業を支え、愛着ある神奈川県の発展に貢献したいと考えています。前述の横浜開港祭の活動で、神奈川県内に拠点を構える経営者の方と共に活動をする機会が多くあり、経営者の野望や悩みは多種多様であることを実感しました。この経験から、神奈川県を支えてくださる地元企業の悩みに寄り添い、解決したいと考えるようになりました。貴行のインターンシップに参加し、貴行はメガバンクに比べ1つの地域に支店が多くお客様に避ける時間が多いため、地元のお客様に信頼され選ばれ続けている銀行だと感じました。学生時代のアルバイトや課外活動で培ってきた「立場の違う相手と信頼関係を構築できる力」をお客様との関係性を築く際に活かし、地元企業の潜在的なニーズや、経営者の方の悩みを真摯に受け止め、解決できる行員を目指したいと考えています。地元企業のお客様を大切にすることで、貴行に、そして神奈川県の発展に貢献したいです。参考:横浜銀行エントリーシート最後に最終的に企業側が志望動機で知りたいことは、「あなたと企業の接点」です。あなたがどのような経験をしてきたのか、その上で将来はどのような仕事をしたいのかという部分を一番知りたいと考えています。先輩たちがどのように企業との接点を語ったのかを見ていくことは、わかりにくく難しい仕事を身近なものとして捉える上で非常に役立つものだと思っています。今回は銀行についてご紹介しましたが、同様に他業界もこのような視点から考えていただければと思います。もしこのような形で解説して欲しい業界などご要望があれば、info@unistyleinc.comまでご連絡いただければ幸いです。銀行業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に銀行業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。参考:→以上3本は、2019年本選考と2020年度インターンシップにおけるメガバンクのESに隠された意図と回答ガイドを紹介しています。参考: 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採用したいと思う人材に共通しているものとは|ネオキャリア 宇田川奈津紀|unistyleインタビュー 採用したいと思う人材に共通しているものとは|ネオキャリア 宇田川奈津紀|unistyleインタビュー 企業の人事が「採用したい」と思う人材に共通しているものはなにか。一言で言うならば「優秀である人」が採用されると思いますが、”優秀さ”とは人によっても異なるものだと思います。今回は様々な業界で様々な人材の採用をし続けてきた株式会社ネオキャリアの宇田川奈津紀さんに、採用したいと思う人材についてお聞きしてきました。あだ名は、“メスライオン”。大学卒業後、大手旅客サービスの乗務員として入社し、その後大手人材系企業にて営業として勤務。ヘッドハントにより大手福祉系企業へ移籍するも2年後、解散により退職。広告業界での新規事業の立上げを経て再び人材業界へ戻る。IT企業をメインクライアントとして営業として活動後、人事として人材業界で培ったノウハウを活かしダイレクトリクルーティングの確立や新卒・中途採用、採用ブランディングを統括。また、人材会社にて社内向け営業研修セミナーや年間約1500社が受講した人事向け採用セミナーの講師を務める。2018年4月にネオキャリアに入社。CEO直属の特命採用責任者兼中途採用責任者として高難易度の採用に挑戦し続ける。◆株式会社ネオキャリアHP◆メスライオンと呼ばれる理由目次・優秀な人材=”能力の高さ”だけではない・理論武装は本質的ではない。”本音かどうか”を人事は見抜いている・心にもないことを言って内定をもらっても幸せにはなれない・最後に伝えたいこと優秀な人材=”能力の高さ”だけではないこれまでのストーリーと未来のビジョンを語れるか私はこれまで新卒・第二新卒・中途・専門職(エンジニア、クリエイター等)など多様な採用を長年してきましたが、「採用したい人材の共通点」を挙げるとすれば、「これまでの人生を語れる人」や「こうなりたいという未来を描けている人」に対しては採用意向度がぐっとあがります。もちろん、これまでのスペックや経験もある程度大事ですが、結局採用している人は、こうなりたいという「未来」を描いていて、その未来と企業を重ね合わせて考え、語れる人なんですよね。このあたりが語れると、極論ですが採用しない理由がなくなっちゃうんです。言い換えるなら、採用したい人=興味があるからこそ質問をたくさん持ってくる学生といったところでしょうか。手当たり次第企業研究をしてくださいと言っているわけではありません。自分の未来と重ね合わせて考えてきている学生は、「こうありたいんですけどその会社でどんな経験が詰めますか」「この会社に本気で入りたいので会社についてもっと教えて下さい」といった前のめりな姿勢でくるんです。やはりこういう学生にはこちらも向き合う姿勢が前のめりになりますね。いつも学生と話す際に「就活って何だと思いますか?」って聞くんですが、多くの学生を見てきて思うことは、「世間一般で言われる”こうあるべき”」という固定概念が先行しているんです。聞きたいことがあっても落とされたくないから当たり障りのないことを語ったり質問したりこれでは本質がお互いに見えないと思います。私は”それは個性を重視する会社をみてないだけなんじゃないか?”と思っていて。自分の聞きたいこと、挑戦したいことをぶつけてみてそれを受け入れてくれる会社を探す、というのが人事経験を積んだ私が思う”正攻法”なんじゃないかなと思っています。苦しいけど、自分について愚直に考え続けることが近道繰り返しになりますが、自分の将来をどうしたいかについて真剣に向き合っている人を採用したいと思っていて、それができている人は過去とも向き合っているし、就活で出会う企業に対しても真剣に考えています。自分自身の中にある答えが合っているかは分かりませんが、愚直に考え続けるということは想像以上に大変なことですし、大切なんですよね。そしてきっと、真剣に考えて出した答えであれば、後悔もないと思います。20年間の人生において就活は一番自分について考える時間だと思います。自分の人生と向き合うことってとても辛いこともときにはあると思いますが、そこで考え抜けないで「このへんでいいや。」といい加減に意思決定してしまうと、入社した後にも「これでいいのか?」と迷って転々としてしまう。そんな人がたくさんいます。キラキラした目で「御社に入りたいです!」と言われたら「なんで入りたいの?」という質問をします。この質問に会社と自分の将来を重ねて答えられたら、次は「一緒に働こう!インターンして自分の目で確かめてみる?」ってなるわけです。チャンスを手に入れるかどうかは、最後は情熱が大切だなってつくづく思いますね。興味があること全てを書き出してみることが、最初の一歩私はどの学生と話しても必ず1回では決めつけないようにしています。「少し的はずれなことを言っている。」「就活で疲れているのかな。」そんな違和感を覚えたら(聞いてはいけないことを除いた)パーソナルな話をするようにしています。そもそも何に興味を持っているか、友人関係、何に対して劣等感を持っているか、などあらゆることを人事としての目線ではなく”一人の人”として話すんです。興味を全部書き出してあげて、それを元に二回目は大学に私が出向いて話したりします。採用面接は基本的に企業に学生が赴いて行われることがほとんどだと思うんですけど、それだとこちらのテリトリーになってしまってなかなか本音で話してくれたりしない。でも、学生のテリトリーに入ると段々心を開いてくれて、今何に悩んでいるか、本心が分かるんです。少し私の人事としての採用テクニックのような話になってしまったんですが、伝えたいこととしては、優秀さとは能力の高さだけではなく、自分の未来に対してどれだけ真摯に向き合って考え抜いているかだと思います。理論武装は本質的ではない。”本音かどうか”を人事は見抜いている就活テクニックは多く存在していますし、特に上位校の学生はロジックの通った自己PRや志望動機を作るのは得意だと思いますので理論武装をして面接に臨むことが多いように思います。でも、実はその武装は人事には簡単に見抜けてしまうんですよね。人事も就活を経験し「人」のスペシャリストとして多くの学生に会ってきているので。今は限られた期間の中で集中的に企業を受けなければならないようなスケジュールになっているので一つ一つのステップを進めていくことが大変であることも理解しています。ただ本当に自分がどうなりたいかを考えているかいないかはすぐ分かります。要するに「自分の本心はどうなのか/何をどう伝えようとしているのか」を人事の私は見ています。求人票に乗っているような質問をされると、本心としてはうちに興味がないんだろうなと思ってしまいます。自分の将来を見ていれば会社の将来と重ねるのは当然だと思いますし、調べればわかるようなことも聞かなくなるはずです。もっと前向きな質問がたくさん出てくるはずなんですよね。そして「生き生きしているかどうか」も重要視しています。「3年営業をやってそのあとマネジメントしたいです。」といったよくあるフレーズを聞くと「それ楽しい?」と思っちゃうんですよね。本心でそう思っているのであれば問題ないと思いますが、その会社のロールモデルのような人に感化されて「そうならないといけない」という思考が働いている場合は、根本的に生き生きしているとはあまり思えないんですよね。心にもないことを言って内定をもらっても幸せにはなれない内定はゴールじゃない私は就活と恋愛は似ているとよく言います。「失恋」しないためにも、嘘はつかないで欲しいと思っています。なぜなら、嘘をついてまで人と付き合ったとしても、おそらく幸せにはなれないと思うからですね。個人的には、企業側もできるだけ嘘になるようなことは控えないといけないと思っています。就職も同じで、自分の気持ちに嘘を付いてまで入社してもきっと幸せになれないです。自分が情熱を持っているかどうかを何よりも大切にして欲しいです。心にもないことをいって入っても、その後嘘のオーバーラップが出てしまうのは目に見えていますから。ですので、重要なことは、その先の人生が最も大切であり、内定そのものはゴールじゃないということを正しく理解することだと思います。興味のアンテナを高く掲げることでリスクを最小化する一点集中には、集中するあまりチャンスを逃してしまうリスクもあるんです。よくある失敗談としては、志望業界を一つに絞ってしまってうまくいかなかったケースですね。時既に遅しで、周りを見渡すと大抵の企業が募集を終了しているんです。私自身もその経験をしているのですが、だからこそ伝えたいのが、”興味はないけど一度行ってみること”が大事で、常にアンテナは高く掲げておいて損はないと思っています。昔話になりますが過去に慶應義塾大学の学生と就職相談でお会いしたのですが、彼は金融を志望していました。ご両親も金融業界に勤めておられ、ゼミの先生も金融を勧めている。幸か不幸か彼は金融にしか目がいかなくなり、金融しか知らないまま選考に行ってみたら全部落ちてしまって、この先どうすればいいかわからなくなってしまった学生がいました。彼にはそのとき「例えばIT×金融も金融だよね」と視野を広げるお手伝いをしたんです。第一希望の企業から内定をいただければ問題ないかもしれませんが、固定概念やあるべき論を強烈に持ってしまうことは一歩間違えるとリスクにしかならないと思います。また、視野が狭まっていると友人は受かったのに自分は落ちたということに引け目を感じて気持ちが沈んでしまったりするんです。そんな学生には自分が落ちたという引け目じゃなくて「将来で勝負してほしい」と提案しています。特定の業界への固執を解くことで生まれる新しい可能性はたくさんありますからね。最後に伝えたいこと1社に骨をうずめろとは言えないですが、「この会社だ!」と思えた会社に入社してほしいと思っています。自分が「これだ」と思える会社に出会って欲しいですし、出会うために行動できているか?ということをもう一度考えてみてほしいですね。そして、人生でこれだけ自分のことを考えられる時期なんてなかなかないです。とても苦しいことだと思いますが、自分自身の未来を突き詰めて考えられる機会はそうそうないので、この時間を大事に楽しんで欲しいですね。 18,104 views
ベンチャーとは何か?就活生が知りたい基本情報を一挙に解説 ベンチャーとは何か?就活生が知りたい基本情報を一挙に解説 近年、就活生の間で存在感を増しているベンチャー企業。もともとベンチャー志向の方から、早期に始まる選考で成長したい方まで、選考を受ける予定の学生は多いと思います。とはいえ、一口に「ベンチャー企業」と言っても、ベンチャー企業は星の数ほど存在しており、展開する事業内容も様々です。「興味はあるけれども、いまいちイメージが掴めない」「結局、どの企業の選考を受ければ良いのか知りたい」といった学生も多いのではないでしょうか?そのような学生に向けて、この記事では自分にあったベンチャー企業を見つけるための切り口を紹介します。また、ベンチャー企業の選考やインターンに参加するメリットの紹介もしているのでご参照ください。※本記事は2018年9月に公開された記事になっており、掲載している内容は記事公開時点での情報を参考にしています。【本記事の構成】・ベンチャー企業とは何か?・ベンチャー企業の分類方法①:成長ステージ・ベンチャー企業の分類方法②:業界・ベンチャー企業の選考&インターンに参加するべき理由・ベンチャー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介ベンチャー企業とは何か?まず初めに、ベンチャー企業の定義を確認してみましょう。実はベンチャー企業の定義は曖昧で、統一された明確な定義は存在しません。事業の規模感・従業員の数・提供するサービスの内容など、ベンチャー企業の判断基準も人によって異なります。実際に調べてみても、以下のように様々な定義が掲載されています。産業構造の転換期には、産業の主役が交代し、最先端の分野でそれまでなかった新しいビジネスが生まれ、そして新しい市場が作り出される。そんな時代のニーズを背景に、独自の技術や製品で急成長していく企業を「ベンチャー企業」と呼んでいる。参考:株式公開用語辞典新技術や高度な知識を軸に,大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する小企業。参考:三省堂大辞林そもそも「ベンチャー」という言葉は、「投機的事業」「リスクを伴う試み」といった意味合いを持つ英語の”venture”という単語に由来しています。そのため、この記事ではベンチャー企業とは、「革新的な技術や創意工夫を武器に、大企業の隙間を埋める新しいビジネスを展開する企業」であると考えます。一般的なベンチャー企業の特徴としては、「裁量の大きさ」「意思決定の速さ」などが挙げられることが多いです。また、ベンチャーの中には、複数の企業が共同出資により新規事業を立ち上げたジョイントベンチャー、大企業の下で新規事業の創出に独立して取り組む社内ベンチャー、といったような形態も存在していますが、今回の記事では扱いませんのでご了承下さい。ベンチャー企業の分類方法①:成長ステージここからは、自分に合ったベンチャー企業を見つける際に役立つ、2つの分類方法を紹介していきます。1つ目の分類方法は、企業の成長ステージです。ベンチャー企業には、「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」の4つの成長のステージが存在しています。それぞれの成長ステージに応じて、社内での働き方や身につくスキルが大きく変化します。「どのような経験をしたいのか」「どのようなスキルを身に着けたいのか」について考えながら、自分に合ったステージを見つけていただければ幸いです。なお、企業によっては事業内容ごとに成長ステージが異なるケースもあります。必ずしも「会社の大きさ」が「事業のフェーズ」に直結している訳ではないのでご注意ください。以下の説明文は、あくまでも目安としてご活用ください。シードステージ:新しい事業を立ち上げる準備期間シードステージとは、事業を立ち上げる準備を行うステージです。まだ事業の仕組みが完成しておらず、「どこで」「誰に対して」「どのような」サービスを提供するのかについて検討や、必要な資金の調達をしている段階です。まだ事業計画の段階であり、企業としての収益がないので、新卒採用を実施しているケースはほとんどありません。シードステージのベンチャーでは、会社の事業を立ち上げる経験を通じて「新しいビジネスを0から創り出す能力」を身につけることが出来ます。また、即戦力となる社員が求められるため、他の成長フェーズに比べて責任や裁量の大きな仕事を任されやすいとされていますが、人材育成の仕組みがまだ出来上がっていないため、研修を通じて体系的なビジネススキルを身につけることが難しいです。また、業務内容が「人」に依存しているため、成長スピードが個人の素質や企業との相性に大きく左右されてしまうというデメリットもあります。加えて、資金調達が上手く進まずに、計画が頓挫してしまうというリスクも存在しています。アーリーステージ:事業を軌道に乗せるまでの正念場アーリーステージとは、実際に立ち上げた事業を収益化させ、軌道に乗せるまでのステージです。「スタートアップ」とも呼ばれており、こちらの言葉の方が馴染みのある方も多いかもしれません。アーリーステージのベンチャーでは、従業員の数が少なく、会社としての規模もまだ小さいので、経営者に近い立場から「事業を収益化する経験」を積むことができます。また、専門性を持った人材よりも幅広い業務をこなすことができる人材が好まれる傾向があるため、本人の意識次第で幅広い職能を身につける機会が多いですが、シードステージと同様に、業務内容が非常に属人的であるため、体系的なビジネススキルを身につけることが難しいです。そして、資金を十分に調達することが出来ずに倒産してしまう企業が多いことも事実です。アメリカ合衆国労働統計局のデータによると、アメリカのスタートアップ企業の生存率は、創業から1年で約8割、2年で約7割、3年で約6割まで低下しています。【企業例】・RPAホールディングス・リアライブ・ワンスター・ECマーケティングミドルステージ:ベンチャーの成長・拡大期ミドルステージとは、安定的に収益を得ることが可能になったことで、これから事業を拡大させていくステージです。急速な事業の成長による人材不足が引き起こされ、従業員の採用人数を増やすことが多く、事業が軌道に乗ったことで、倒産のリスクも少なくなり、社会的信用も得やすくなります。ミドルステージのベンチャーでは、会社の成長にあわせて「事業を拡大させる経験」を積むことができます。事業の拡大につれて新しいポジションが増え続けているため、本人の実力次第で会社の中核的なポジションを任され、若くして「マネジメント能力」を身につけられる可能性もあります。また、人材育成制度が徐々に確立されつつあり、研修制度が充実している企業も出てきますが、会社として収益を確保する仕組みが出来上がっているため、徐々に一人一人社員の役割が固定化されつつあります。部署異動を経験しなければ、シードステージ・アーリーステージのように幅広い職能を身につけることが困難になり、新しい事業を0から創り出す経験をする機会が減少していきます。【企業例】・メルカリ・Leverages・Speee・ネオキャリア・LINE・GREEEレイターステージ:メガベンチャーへの飛躍レイターステージとは、会社としての基盤を固めるために管理部門の強化や事業の多角化に取り組み始めるステージです。この段階に入ると株式市場へ上場し、メガベンチャーとなる企業も出てきます。社会的にも広く認知されるようになり、企業としての社風やブランドか確立されるようになります。レイターステージの企業では、業務内容や人材育成の制度が整ってきており、若手社員にとっても比較的活躍しやすい環境であると言えます。ここでは主に、「プロジェクトを運用する能力」や「現在の業務を効率化させる能力」を身につけることができます。また、社内では幅広い事業を展開しており、多種多様な社員が存在するため、社内の豊富な人材・情報リソースを活用することができるというメリットもありますが、企業としての体質が大手企業に近づきつつあります。そのため、新しい事業を0から創り出す経験をする機会は他のステージのベンチャー企業に比べて少ないです。また、上位のポジションが次第に詰まりつつあるため、若手のうちから「マネジメント能力」を身につける機会が減少しつつあります。【企業例】・楽天・DeNA・GREE・サイバーエージェント・Softbank・Yahooベンチャー企業の分類方法②:業界2つ目の分類方法は、業界です。先ほど確認した通り、ベンチャー企業とは「革新的な技術や創意工夫を武器に、大企業の隙間を埋める新しいビジネスを展開する企業」という意味であり、特定の業界の企業を指す言葉ではありません。ベンチャー企業というとIT業界をイメージする方が多いと思いますが、それ以外にも様々なビジネスを展開する企業が存在しています。同じベンチャー企業と言えども、業界に応じて、展開する事業や身につく知識が変化します。IT・Web業界ベンチャー企業の中で最も企業数の多い業界がIT・Web業界です。近年では、”IT×金融””IT×不動産"など、ITと既存の産業を掛け合わせた様々なサービスを提供するベンチャー企業が現れています。また、現在では、社会のあらゆるモノをインターネットにつなげて情報を収集する「IoT(InternetofThings)」、大量のデータを収集・分析し、新たな価値として利用する「ビッグデータ」、人間の知的作業をコンピュータで模倣した「人工知能(AI)」などのキーワードがトレンドになっています。【企業例】・楽天・Softbank・Yahoo・LINE・メルカリ・Speee・RPAホールディングス広告・マーケティング業界近年ではデジタルマーケティングが一般的なものとなり、広告・マーケティングの仕組みが大きく変化しました。デジタルマーケティングとは、「デジタル」と「マーケティング」を組み合わせた用語で、スマートフォンなどのデジタルデバイスやデジタルテクノロジーを活用したマーケティングを意味しています。デジタルマーケティングでは、Webページの閲覧数、商品購買履歴などのデータを収集、分析することにより、1人1人の顧客のニーズに寄り添ったマーケティングを実施することを可能にしています。【企業例】・サイバーエージェント・デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム・電通デジタル・マクロミル・インテージ・ワンスター・ECマーケティングコンサルティング業界コンサルティング業界のベンチャーには、大手コンサルティング企業出身者が立ち上げた企業が多いです。例えば、ドリームインキュベータはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表であった堀紘一氏によって設立されています。コンサルティング会社だけでなくベンチャーキャピタルとしての側面を持つ企業や、成果報酬型のコンサルティング業務を提供する企業など、それぞれの企業がユニークな特徴を持っています。【企業例】・ドリーム・インキュベータ・経営共創基盤・シグマクシス・ベイカレント・コンサルティング・エル・ティー・エス・リブ・コンサルティング人材・教育業界人材業界では、人材紹介・派遣、求人メディア、採用コンサルティングなどの様々な領域で、新しいサービスを提供するベンチャー企業が生まれています。現在、労働人口の減少により、日本の人材業界の市場規模は縮小傾向にあります。しかし、この事実を逆に考えると、多くの企業にとっての人材採用の重要性が高まっていることを意味しています。人材ベンチャーでは、新卒採用の段階から優秀な学生を企業に紹介するエージェントサービス、オンライン上で企業が個人に仕事を直接発注することができるクラウドソーシングサービスなど、これまでになかった人材紹介サービスを提供しています。【企業例】・リクルート・パーソル・ネオキャリア・ビズリーチ・Leverages・エン・ジャパン・クラウドワークス・LITALICO・Schoo・リアライブ※創業から50年以上が経過しているリクルートをベンチャー企業と見なすか否かについては個人差があると思いますが、「革新的な技術や創意工夫を武器に、新しいビジネスを展開する企業」という今回の定義には当てはまっているものとして扱います。金融業界現在の金融業界では”Fintech”が台頭しつつあります。”Fintech”とは、金融を意味する”Finance”と技術を意味する”Technology”を組み合わせた造語であり、IT技術を活用した新たな金融サービスを意味しています。Fintechを活用した代表的なサービスとして、スマートフォンを活用したオンライン決済サービスや、自動で家計簿をつけることができるクラウド家計簿アプリなどが挙げられます。【企業例】・ライフネット生命・マネーフォワード・freee・Coiney・ネットプロテクションズ・キャンプファイアゲーム・エンターテイメント業界スマートフォン向けソーシャルゲーム、音楽のストリーミングサービス、定額制の動画配信サービスなど、常に新たなサービスが発生しつつあるゲーム・エンターテイメント業界のことを指します。国内大手ゲーム企業である任天堂と提携したDeNA・Cygames、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資によって設立されたAWAなど、独自のコンテンツを持つ既存プレーヤーとの協業を柔軟を行う企業が多いのも特徴です。【企業例】・DeNA・GREE・U-NEXT・ドリコム・コロプラ・Cygames・AWA・アカツキ医療・ヘルスケア業界日本国内の高齢化の進展に合わせて、医療・ヘルスケア業界に対する成長分野としての注目が高まっています。現在でも、ベンチャー企業を中心に、新しいサービスや事業が次々に誕生しています。具体的な例としては、医療関係者が情報を交換するプラットフォームや、個人の健康状態をに合わせて生活習慣の改善に向けたアドバイスを行うサービスなどが挙げられます。【企業例】・RIZAP・エス・エム・エス・エムスリー・メドレー・MTGこの記事で例として挙げた企業を成長ステージ・業界ごとに整理すると、以下の表のようになります。今回は各社の主要事業で業界の分類を決めさせていただきましたが、ゲーム以外にもスポーツ・ヘルスケアなどの事業を展開しているDeNAのように、多角的な事業を展開している企業も多数含まれているのでご注意ください。また、このマップに掲載した企業以外にも業界を代表する企業は存在している上に、各企業の当てはめはunistyleの見解に過ぎません。あくまでも参考程度にご活用ください。ベンチャー企業の選考&インターンに参加するべき理由就職活動中の学生にとっても、ベンチャー企業の選考・インターンに参加することには多くのメリットがあります。ベンチャー企業の選考に参加するべき理由【1】選考過程に慣れることができる面接やグループディスカッションでは、「これまでの経験」が選考結果を大きく左右します。そのため、本命企業の選考を受ける前に、できるだけ多くの場数を踏んで、選考過程に慣れておくことをお勧めします。一般的にベンチャー企業は本選考の開始時期が早く、スピード感のある選考を実施する企業が多いため、時間的・労力的な負担が少ない状態で選考の場数を踏むことができます。また、採用に直結したインターンシップを開催する企業も多いため、こちらの選考も受けておくと良いでしょう。【2】ビジネスの基礎知識を身につけることができるベンチャー企業の選考では、学生に自社の事業を理解してもらうために、企業説明会が開催されることが多いです。説明会では、日本の経済や市場の動向・業界のビジネスモデルの変遷など、就職活動を進める上での「基礎知識」を身につけることができます。【3】自分の視野を広げることができるOB訪問をしたことのある方は分かると思いますが、業界や職種によって社会人のキャラクターや価値観は大きく異なります。そのため就職活動の序盤には、幅広い業界を見ておくことをおすすめしています。現段階でベンチャー企業に興味のない学生であっても、実際に働いている社員の方と交流する中で、自身のキャリアに関する考えが深まると思います。どこで自分に合った企業に出会えるかは案外分からないものです。とにかく一つ一つの企業との出会いを大切にしましょう。参考:こちらの記事では、大手志望の学生がベンチャー企業の選考を受けることのメリット、その際に志望動機を作成するポイントを紹介しています。参考にしてみてください。ベンチャー企業のインターンに参加するべき理由【1】企業のサポートが手厚いベンチャー企業のインターンは、採用活動に直結している場合がほとんどです。そのため、会社の未来を担う優秀な人材を発掘しようと、エース級の若手社員がメンターについて学生を指導してくれることが多いです。中には、役員や事業部長をインターンに登場させる企業もあります。企業のエースによる手厚いの指導を受けることで、今後の就職活動に役立つビジネススキルを高めることができます。また、ベンチャー企業のインターンには報酬が出るものが多いです。就職活動によりアルバイトの時間が削られ、交通費などの出費がかさむ時期に、お金を稼ぐことができます。【2】優秀な学生と切磋琢磨することができるベンチャー企業のインターンには、就職活動に早期から動き出した様々な優秀な学生が参加します。インターン参加者の進路も、ベンチャーから外資コンサル・外資金融・日系大手までバラエティに富んでおります。インターンを通じて、就職活動に対する目線の高い友人を作ることができることはもちろん、幅広い業界の選考に関する生の情報を交換する機会を作ることができます。最後にいかがでしたでしょうか。この記事が、皆さんのベンチャー企業に対する理解を深め、自分に合った企業を見つける参考となれば幸いです。先述した通り、どこで自分に合った企業に出会えるかは案外分かりません。就活生の皆さんには、とにかく一つ一つの企業との出会いを大切にしていただきたいです。少しでも興味のあった業界・企業があれば、ご自身で調べてみてください。ベンチャー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にベンチャー業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 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外資系キャリアの教訓は就活にも活かせる! 「外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣」書評 外資系キャリアの教訓は就活にも活かせる! 「外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣」書評 外資系OLは見た!世界一タフな職場を行き抜く人たちの仕事の習慣こんにちは。16卒マスコミ内定者です。今回、「外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣」を読みましたので、その中のコラムの一つに、就活でも使えそうなものがあったので、見ていきたいと思います!そのコラムとは、「ずんずん流あなたが30歳までに学ぶべき7つの教訓」です。以下の7つです。1.金がだいたいの問題を解決してくれることを知る2.自己愛と自意識をコントロールする方法を知る3.誰もあなたのことなど気にかけていないことを知る4.自分の感情を分析する訓練をする5.身体はやばいぐらい鍛えろ6.孤独と友達になる7.自分の限界は年齢で決まるわけではないことを知る就活に照らし合わせると「あなたが就活するために学ぶべき7つの教訓」というところでしょうか。では具体的にはどうなるのか、見ていきましょう。1.金がだいたいの問題を解決してくれることを知る「就活でお金が重要?なぜ?」と思うかもしれません。簡単に言うと、「経済的な自立は心の余裕をもたらす」からです。就活には「フットワークの軽さ」が必要になってきます。就活におけるフットワークの軽さとは、・とにかくたくさんの説明会に行って話を聞く・OBに会う・その企業の商品やサービスを手に取ってみる、お店などに実際に行ってみる(独自の経験になるので面接で話すと他と差がつきます)などが挙げられます。しかしこれをするためにも、電車賃や商品を買うお金なんかが必要ですよね。ここでかつかつになってくると、心が不安定になってきて、就活全体に影響を及ぼしてきます。就活に備えてきちんとバイトをしておくか、就活に影響しないようなバイトを確保しておくことをおすすめします。2.自己愛と自意識をコントロールする方法を知るお祈りされまくると自己愛=プライドが傷つけられて、何をするのもおっくうになってきますよね。私は、某匿名掲示板の就活で見つけた名言を携帯の待ち受けに貼り付け、常に見ることで、自分を鼓舞していました。その名言とは、「メンタル強いヤツが勝つ。落ちてもへこたれないメンタル、説明会ブッチしないメンタル、頑張って企業研究や筆記勉強、自己分析、履歴書記入等をやり続けられるメンタル。学歴なくてもメンタル強ければ、超一流以外はなんとかなる」というものです。この言葉はすぐ説明会をサボりたくなる私にハッパをかけてくれました。私の場合は「言葉による暗示」でしたが、皆さんも自分を鼓舞したり、前に進む勇気をくれるメッセージやアイテム、行動を見つけ、就活のお守りにしてください。つらいとき、きっとあなたの心を支える糧になります。3.誰もあなたのことなど気にかけていないことを知る「OB訪問のメールで失敗したらどうしよう・・・だから踏み出せない」「自己PRがほかの人よりショボかったらどうしよう・・・だから書けない」ハッキリ言っておきましょう。就活では恥を捨ててください。OB訪問の礼儀なんていうものは訪問をしていくうちに鍛えられます。そこで怖気づいていたらなにも始まりません。もし少しくらいメールの敬語が間違っていても、誠意を込めて書いたのならその気持ちは先方にもきっと伝わっています。面接の自己PRにおいても同じです。自己PRで面接官の反応が悪くても、その居心地の悪さは一瞬のものです。面接中にいくらでも挽回できます。まずいのは、「自己PRなにが正解かわかんないし、書けない・・・ああ面接本番になっちゃった!なんも考えてない!」となってしまうことです。でも、そもそも、自己PRに絶対的な正解など存在するのでしょうか?しないですよね。個々の人間性というのは画一化できるものではありません。自分の中でその自己PRが50点だろうと100点だろうと、本当に点数をつけられるのは企業の面接官だけです。面接で披露することで、はじめて採点されるのです。「わからなくても、答案用紙はとにかく埋めて出せ」と教わりませんでしたか?unistyleにも自己PRを書くためのコラムが載っています。「内定レベルの自己PRが簡単に書ける自己PRのフレームワーク」ぜひ参考にして、答案を埋めた状態で、面接に臨んでほしいと思います。ささいな恐怖に自分を支配されて将来に関わる貴重な機会を逃すのは一番勿体ないことです。自分を信じ、思い切って前に進んで行きましょう。4.自分の感情を分析する訓練をする本には「人が人を攻撃するとき、だいたいにおいてその裏にあるのは『嫉妬心』」とありました。自分の中の嫉妬心を飼い馴らす訓練をしましょう。誰かが自分の欲しいものを持っている+自分はそれを手に入れるための努力や、持っている人を超えるための努力をしていないという状況の時、嫉妬心は起こります。あなたがたとえば「学歴フィルターだ!」とか「有能学生だ!」などと他の就活生に対して嫉妬している間にも、ライバル達は行動を起こし、内定をかっさらっていってしまいます。その時間はまさしく「不毛」なのです。自分は何に対して嫉妬心を感じるのか?それを克服するにはどうしたらいいのか?もし嫉妬心による怒りを感じることがあるなら、一度自分と向き合う時間をとって、考えてみてほしいと思います。自分としっかり向き合える人は自信が態度に表れます。それは面接官も気付きます。ぜひ、実践してみてください。5.身体はやばいぐらい鍛えろ本では、「最後は体力」と書かれていました。就活でもそうです。就活は内面重視とは言いますが、「健全なる魂は、健全なる肉体に宿る」という言葉があるように、体調管理は非常に重要です。早寝早起き、決まった時間の健康的な食事だけでなく、私は筋トレもおすすめします。理由は、体力がつくし、見た目も整うからです。就活の時期が後ろ倒しになり、暑い中就活するのは疲れると思います。実は、筋肉量を増やすと暑さに強くなることが研究でわかっています。また、筋肉をつけると代謝があがるので、痩せます。これは面接での見た目においてプラスのポイントになりますよね。女性は「ムキムキになるのはやだな・・・」と思うかもしれませんが、女性の場合筋トレしてもムキムキになることはないので、安心してください。見た目的にも健康的にもメリットの多い筋トレ。就活に取り入れてみるのもいいかもしれません。6.孤独と友達になる本には「(前略)孤独とよりよい友達になり、あなたの時間を食いつぶす人たちと付き合うよりも、自分を幸せにする方法(中略)をその時間を使って考えたほうがいいのではないでしょうか」とあります。これも、就活にも当てはまるのではないでしょうか。私は就活生の友達同士が目的もなくカフェでだらだらと話している時間は果たして意味があるのかと疑問に思っています(友達がいない僻みではありませんよ。けっして)。就活は結局孤独との戦いです。友達といくら話していたって、ESを書き始めるときは一人であり、面接するときもあなたはひとりで臨みますよね。隣で友達が応援してくれてるなんてことはありえません。就活では正解もない海に一人でこぎ出し、そのたびお祈りという荒波にもまれなくてはいけません。今まで友達とべったりで、あまり自分で物事を決めてこなかった人には、きつい戦いになるかもしれませんが、孤独に慣れましょう。大丈夫、あなたはひとりでも十分やっていけるはずです。7.自分の限界は年齢で決まるわけではないことを知るこれは、就活で言い換えれば1、「留年したからって就活に不利なわけじゃない」と2、「自分のできることの限界は時期で決まらない」ということになると思います。1に関しては、私は留年しました(留学などまっとうな理由でなく、普通に単位を落としての留年です)が、就活において不利だと感じたことはありませんでした。なので、留年してる人もそれを言い訳にすることなく、頑張ってほしいと思います。また、2に関しては、就活一歩手前の時期でも新しいことを始めるメリットはあるよ、ということです。私は昨年の10月からビジネスコンクールに出場することにしたり、今年の5月には好きなことをするために仲間を集め団体を立ち上げたりといった活動を行っていました。いずれの活動の話も面接で使えました。心配をかけたくなかったので親には言いませんでしたが、結局就活をしっかりやりながらも団体の活動にも励むことは心の逃げ道になりました。無理にはすすめませんが、とにかく、いつであっても、いくつであっても「迷ったらやってみる」ことは将来プラスにつながると思います。就活一辺倒でも心を病んでしまうこともあると思いますので、好きなこと、興味があることにアクションを起こしてみるのは、精神的にもいいと思いますよ。最後にいかがでしたでしょうか。みなさんにとって少しでも有用なことをお伝えできていたら嬉しいです。ここでは本の一部のみを取り上げてお話しをしてきましたが、「外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣」は全体としても読みやすく面白い本なので、ぜひ手に取っていただければと思います。外資系を目指す人・迷っている人はもちろん、日系企業志望の人も将来のキャリアを考えるきっかけになると思います。photobyMartinThomas 15,323 views

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