三菱マテリアルのES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ
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最終更新日:2020年12月25日
三菱マテリアルは三菱グループの非鉄金属メーカーです。非鉄金属・セメントなどの基礎素材から、金属加工・アルミ缶製造、半導体関連・電子製品、エネルギー・環境ビジネスなどが主な業務です。
三菱マテリアルでは2010年度採用以来新卒採用人数が100人を切っており(2017年度は内々定者数)、事務系職員に関しては30人前後と非常に狭き門になっています。この傾向は三菱マテリアルだけではなく化学メーカー全般にいえる傾向になっています。
今回はそんな三菱マテリアルの求める人材をESと採用HPから考えていきたいと思います。
参考:三菱マテリアル採用HP
→三菱マテリアルの採用HPです。
三菱マテリアルの求める人材
それでは採用HPを参考にしながら三菱マテリアルの求める人材を考えていきたいと思います。
私が担当する「超硬製品」と呼ばれる製品群は、国内ではトップクラスのシェアを誇っていますが、世界というフィールドでさらにシェアを拡大していくことが営業としてのミッションです。
現在は台湾エリアを一人で担当しており、月に1回は現地に赴き、販売代理店やエンドユーザーのお客さまと顔を合わせて話をするようにしています。継続的に当社製品を使用していただくためには、こまめに連絡し、信頼関係を構築することが必要です。
競争が激しい市場ですから、待ちの姿勢では逆に競合する他社製品にシェアを持っていかれてしまいます。積極的に提案し、受注につながる環境を作り上げていくこと。そして、細かな調整や交渉を繰り返し、大きな商機をとらえて受注に結びつけた時はやりがいと達成感を感じます。
この社員の方は台湾エリアを1人で担当しています。
海外での仕事でありながらも定期的に現地に赴き、販売代理店やエンドユーザーとの交流を通して信頼関係を構築しています。自社の商品を継続的に使用してもらうという目的はもちろん、常に市場やユーザーのニーズに気を配り積極的に提案することも大事なことです。
競争が激しい市場では常にこうした姿勢でいることが必要です。そして、新しい提案を実現するためには販売代理店などの周囲の人と目標を共有しないと達成することはできません。
また、冒頭でも述べた通り化学メーカーの事務系職員は少数精鋭なので、個人としての責任がこの社員のように強く問われます。また、ニーズを汲み取り提案し販売店に指示を出すにはリーダーシップが求められます。ここでのリーダーシップとは「自分の考えやビジョンを発信し、周りと共有する力」のことを意味します。
以上のように考えると「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」の
「1.個人として努力し、成果をあげることができる」
「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」
と言った能力を持った人材が求められていることが分かります。
参考:自己PRでリーダーシップをアピールするポイントは3つ!‐ES例文5選付‐
→リーダーシップとは、リーダーだけ必要とされる能力ではなく、チームの誰もが持っているべきものだと言えます。参考記事では自己PRでリーダーシップを述べている回答事例集を提示します。
もう一人実際の社員の方のインタビューを通して考えてみたいと思います。
冷蔵庫や洗濯機といった家電製品や、携帯電話やパソコンなどの電子機器は、もはや私たちの生活に欠かせないものとなっています。
そんな製品の中では、高温や異常電圧から基盤や様々な部品を保護することを目的とした電子部品が活躍しています。電子部品は外側からは見えにくいものですが、私たちの快適な生活に欠かせない身近な存在なのです。
私はその電子部品の営業担当として、部品メーカーや完成品メーカーといったお客さまに対して提案活動を行っています。単に注文を受けて販売するだけではなく、製品シェアを拡大することが重要なミッションです。
そのためには、お客さまから一番に相談をしていただけるような信頼関係の構築が欠かせません。自社製品の知識を深めることはもちろん、業界動向やお客さまの製品開発計画にも一歩踏み込んでニーズを探り、付加価値の高い対応や提案ができるよう工夫をしています。
また、お客さまからの高いレベルのニーズに応えるためには、製品を開発し生産する工場との協力関係も大切です。日頃から工場に足を運び、なるべく顔を合わせて情報交換するように意識しています。
この社員は家電製品やパソコンなどの電子製品の営業担当の方です。
前の社員同様、定期的に現場に足を運び、信頼関係を構築することが大事なことだと述べています。また、扱っている商品が消費者の生活と直接的に関わるものが多く、市場の動向や消費者のニーズの把握及びそのニーズの汲み取りが売上に直接的に影響をあたえます。
そのため、詳細な市場の状況把握と消費者のニーズの把握が必要になってきます。そして、この社員のように日頃から工場に足を運び信頼関係を築いておけば効率よく事業を進めていくことができるでしょう。
三菱マテリアルはパソコンを始めとした私達の生活と密接に関わるような精密機械を作っています。専門知識がなければ対応できないような機械では、そのシステムでトラブルが起きたときに対応しなければなりません。そのため製品を作って、販売して終わりという訳にはいきません。
販売した後に丁寧にサポートして信頼関係を築いていくことで自社製品を多くの人に使ってもらえるようになりシェアの拡大要因となります。また、お客からの高いレベルのニーズに応えるためには、日頃から生産現場に足を運び情報交換しながら関係を構築することも大切です。
以上のように考えると「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」の
「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」
という能力を持った人材が求められていることが分かります。
ここまで二人の実際の社員の働き方を見てきましたがまとめると、
1.個人として努力し、成果をあげることができる
2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
と言った人材が三菱マテリアルでは求められていることが分かりました。
三菱マテリアルのES設問
(1)当社を志望した理由 (400文字以内)
(2)今までに経験した中で最も悩んだ(落ち込んだ、迷ったなど)ことは何か、また、それにどう対処したかについて教えて下さい。(400文字以内)
(3) 学生時代に力を入れて取り組んだことについて、 その目的や活動を通じて得られたことなども交えて教えて下さい。(400文字以内)
設問(1)「当社を志望した理由」について
志望理由に関しては基本的に下記に示す2つのunistyle内の記事を参考にしながら書くのが良いと思われます。
この記事も参考にしながらまず三菱マテリアルではどのような「軸」が適切なのかを自分の中で明確にしてください。その後、その「軸」を意識した上でフレームワークに沿って書くと完成度の高い志望理由になると思います。
参考:【新卒】3ステップで完成!通過率を上げる志望動機の書き方|ES例文付
→志望動機として「成し遂げたいこと」や「やりたいこと」をベースとしたフレームワークを紹介します。
設問(2)「今までに経験した中で最も悩んだ(落ち込んだ、迷ったなど)ことは何か、また、それにどう対処したかについて教えて下さい。について
この設問では悩んだ経験を具体的に書くことよりもその経験に対してどのように対処したのかを中心に書くことの方が重要だと思われます。経験の内容に関しての記述は最小にし、どのような点で悩んだのか、それを乗り越えるためにどのような策を考えたのか、そしてその結果自身がそれを乗り越えられたのかどうかという点を意識して理論的に書くのが良いでしょう。
また、下記の参考記事内の実際のESで書かれた内容は「学生時代頑張ったこと」を基に書かれています。「学生時代頑張ったこと」は就職活動をする上で一度は考えることだと思いますので、その際、この設問のような観点でも考えておくと良いと思われます。
国際学会での受付チーフ。
参加者登録・参加費受取・突発的な全ての要求に対応するという業務を、13人のメンバーが独自のやり方で遂行していたため、参加者への対応に大きな差が生じていた。
私は、初めて来日する大勢の研究者に、気持ち良く参加して欲しいという想いはあったものの、追加で任された別の仕事に加え、チームをまとめるという初の役割を上手くこなせていない現状を運営委員に相談した。そして業務前の時間を使う許可を貰い、対策としてミーティングを開催した。
①言葉だけでなく、実際に業務をシュミレーションし、まず自分がやってみせることで、受付対応の統一を図った。
②頻発する変更事項を書いた付箋を、全員に配布した。結果としてメンバー全員が余裕を持ち、丁寧に対応することが可能となった。
以上より、信頼関係を築き、協力するためには、一方的にこちらの理解を求めるのではなく、相手の理解を得ることを優先することが大切だと学んだ。
実際にES選考を通過した学生のESです。
具体的な経験はアルバイトや学業など個人として頑張ったことよりも団体の一員として周囲と協力して頑張ったことの方が評価が高まることが多くなります。会社は基本的にはチームで働き、団体の中での協調性などが要求されるためです。問題の把握、解決策の提案、その解決策の実行、その結果までしっかりと書けています。
参考:【大手ES例文10選】"困難を乗り越えた経験"がない場合には〇〇〇〇をするべき!
→挫折経験を問うている設問は絶体絶命ピンチについて語る必要はありません。参考記事では、困難だと感じたことを上手く伝えるといったアプローチなどを考えていただければと思います。
設問(3)「学生時代に力を入れて取り組んだことについて、その目的や活動を通じて得られたことなども交えて教えて下さい。」について
学生時代頑張ったことに関しては、以下の参考記事や動画を参考に書いてみてください。志望理由の記事と同様フレームワークを活用してESを書くという形式を取っています。具体的には①結論⇒②動機⇒③目標と困難⇒④取組と結果⇒⑤人柄⇒⑥学びという6つの観点に当てはめて書き進めていきます。
参考:ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-
→評価される学生時代頑張ったことの書き方はもちろん、面接にどう繋げるか・内定者の回答例・エピソードが浮かばないときの対処法など、学生時代頑張ったことを書くうえでの全体像を知ることができます。ES対策としてだけでなく、面接前の準備としても役立てていただければと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。冒頭にも述べましたが素材メーカーは狭き門です。
そのため、ESの段階から完成度の高いものを書く必要があると思われます。そして少人数故に個人の資質が問われるので自己分析を重ね、面接でアピールできるように準備しておくと良いでしょう。
photo by Chr Metzner