石油資源開発(JAPEX)のES徹底解説!選考通過者の志望動機・ガクチカ分析
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最終更新日:2022年03月29日
石油資源開発の2019卒・事務系総合職選考のES(エントリーシート)が公表されています。
石油資源開発は、国際石油開発帝石(INPEX)と並び石油、天然ガスの開発を手がける企業です。E&P事業と呼ばれる石油・天然ガスの探鉱、開発・生産、輸送、販売までを行う事業を中心に行っており、エネルギーの流れ全般に携わることができる企業となっています。エネルギーのバリューチェーンにおける上・中流の過程に当たり、エネルギー業界を志望する学生からの人気が高い企業です。
石油資源開発のESはマイページからExcelファイルをダウンロードして、書いたものをPDFかExcelで提出する形式となっており、手書きとパソコンで打ち込んだもの、どちらを提出しても良いそうですが、ここでは手書きの前提で話を進めたいと思います。
本記事では、石油資源開発の2019卒選考ESの回答プランをレクチャーします。
石油資源開発の本選考ESの設問
◆ご自身の考える長所と短所を教えてください。(手書き6行)
◆当社を志望する理由を教えてください。(手書き6行)
◆当社に入社し、どのような仕事に携わりたいですか。抱負を自由に述べてください。(手書き6行)
その他、「これまでに取り組んできたゼミ・研究の内容又は重点的に学んだ分野」、「関心のある業界や会社、訪問した会社などを記入してください。」も設問としてはありますが、前者は素直にゼミで学んだこと、後者は自分の就活の軸と一致するような企業を書けば問題ないと考えられるので、今回の記事では上に挙げた4つの設問について、順に解説していきたいと思います。
設問1
学生時代に力を入れたことを答えるオーソドックスな設問ですが、回答するスペースが他の設問と比べて大きいため、石油資源開発が最も重視している設問と考えることができます。
設問の意図
この設問では学生のパーソナリティを把握しつつ、直面した困難に対しても言及させることで、困難に対する姿勢やマインドセット、やり抜く力を見極めようとする意図があると考えられます。また、石油資源開発が求める人材像と学生が重なるかどうか、取り組みの過程を見ることでで確認する意図もあると思います。
意図を踏まえた回答方針
まずは「困難な場面とそれに対してどのように対処したのか」「結果を出すためにどのような工夫をしたのか」といった設問の指示には必ず従い、これらを回答に含むようにしましょう。
企業が知りたいのは成し遂げた事の規模もあるでしょうが、困難にぶつかった時にその学生がどのような行動を取るのか、その学生はどのような役割を担ったのかという過程の部分であると考えられます。
なぜなら、何も考えずそのことに取り組み、困難に直面しても偶然乗り越えられたようでは、入社後同じような困難に直面した時に対処できるか分からないからです。
また、「具体的に」という指示も忘れてはいけません。数字で表現できる部分は数字を用いることで、読む側からすると分かりやすいと感じるようになります。
例えば、「部活で個々人に合わせた練習を設定することで、大会での部の成績向上に貢献した」というエピソードも「アメリカンフットボール部で、総勢50名の部員一人一人に対して個々人に必要な練習を考案することで、それまで全国ベスト8までしか結果を残せていなかった部を、全国大会準優勝にまで導いた」と書くことで、具体的になり読む側も鮮明にイメージできます。(あくまでこれは一例です)
加えて、石油資源開発が求める人物像に挙げている姿勢を持ち合わせていることをアピールできるようにエピソードを選択したり、切り口を変えることも重要です。
石油資源開発が公表している求める人材像は次のようになっています。
②社内外の情報に対し、常にアンテナを張る姿勢
③自分の役割を主体的に考え、実行に移す姿勢
④自分からコミュニケーションを取り、周囲に働きかけていく姿勢
⑤お互いの個性や専門性を尊重し、活かし合う姿勢
参考:石油資源開発 採用HP
挑戦の結果だけでなく過程を具体的に記述すること、石油資源開発が求める人材像であることをアピールできるようにエピソードや書く時の切り口を変えることを意識できれば、選考を通過する確率が高い回答になると思います。
また、本設問に対する回答では「学生時代頑張ったこと」のフレームワークが大きな力を発揮するはずです。以下記事を参考にすることで、より完成度の高い回答になるでしょう。
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。
内定者の回答
4, 5年生で住んでいた棟は25人いましたが、過去の卒寮生が放置した粗大ごみや上級生となり掃除が雑な事が原因で、寮内で一番汚い棟でした。先生方からも指摘されており、5年生へ進級する際、新たに美化委員を置く事になりました。
棟内の状況を改善したいと思っていた私は、美化委員に立候補しました。そして、主に2つのことへ取り組みました。
まず、粗大ごみの片付けです。1人で行うことは難しいため、周囲に協力を呼びかけました。しかし、長年粗大ごみが放置されているため、「現状でも気にしない派」が多数でした。そこで、棟内の写真を集め、改善箇所と片付けによるメリットについてスライドを交えて説明しました。
合計で3回説明を行ったのですが、毎回出てきた意見を反映させブラッシュアップしました。粘り強く説明を続けると賛同者が増え、最終的に8割以上の寮生で大掃除を行いました。力を合わせて棟内を綺麗にしたことで、汚れが溜まりにくくなっただけではなく、普段の掃除への意識改革にも繋がりました。
また、より多くの意見での棟内美化を目指し、目安箱を設置しました。その中で、新しい傘立てが欲しいという意見がありました。寮生支援室へ相談したところ、大掃除の件が認められ、すぐに購入して頂きました。傘立てにより、各自の部屋の前に置くことがなくなりました。これは廊下へ傘を持ち込まなくなり、床掃除の手間が減ることにも繋がりました。
私1人の力では不可能でしたが、周囲を巻き込んだことで、棟内の状況を改善できました。本科の卒業と同時に寮を出ましたが、私の卒寮後も当時の状況を維持しているそうなので、とても嬉しく思います。貴社の使命である「エネルギーの安定供給」は1人の力では決して行えません。
暮らしの「あたりまえ」を届けるために、多くの専門家と協力してこれを目指します。その中で私は将来的に第一種電気主任技術者を目指し、電気の専門家としエネルギーの安定供給の一翼を担います。
石油資源開発(JAPEX) エントリーシート
設問2
こちらも、長所と短所を答えるというオーソドックスな設問です。自己分析をしてきた学生なら、最も回答し易い設問かもしれません。
設問の意図
学生のパーソナリティを知ることが意図としては一番だと考えられます。学生が自身のことを理解できているか、石油資源開発に入社後活躍できる人材であるか、短所を改善するために日頃から行動できているか等を確認するための設問です。
意図を踏まえた回答方針
石油資源開発に入社後活かせる自分の長所を回答し、今までその長所がどのように活きてきたのか、入社後どのように活かせるのかを回答するように心がけましょう。
一方、短所の方を回答するのが難しいと感じる学生も多いと思います。短所の書き方については、次のunistyleの記事が回答の参考になると思います。悩んでいる人は是非参考にしてみてください。
→就職活動において頻出の「あなたの短所はなんですか?」という質問に対する回答方法を解説します。有名企業内定者の実際の回答も掲載しているので、参考にしてみてください。
内定者の回答
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設問3
志望動機を回答するという非常にオーソドックスな設問です。
設問の意図
志望動機を通じて、学生が以下を要素を満たしているかを確認する意図があると思われます。
・石油資源開発への志望度は高いか
・説得力のあるロジックを組み立てられているか(論理的思考力)
意図を踏まえた回答方針
志望動機は、以下のような回答構成を取るべきであると言えます。
①なぜエネルギー業界なのか
②なぜその中でもなぜ開発事業に関心があるのか
②なぜその中でも石油資源開発を志望するのか
きっちりこの順に回答する必要は勿論ありませんが、面接官が抱くこの3つの疑問に答えられている回答は高く評価されると考えられます。
内定者の回答
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設問4
設問3と似ていますが、こちらは携わりたい仕事を答えるという点で、より深い企業理解が求められる設問となっています。
設問の意図
この設問では、石油資源開発が行っている事業をどれだけ理解できており入社後のミスマッチは起きないか、また学生の志望度はどれほどのもので、本当に高いのかを確認する意図があると考えれます。
また、抱負を述べよと書かれているため、入社後どのような人になりたいのかまで問われていると考えます。
意図を踏まえた回答方針
この設問では、率直に入社後携わりたい仕事や職種を答えるのが一番であると言えます。ここで意識すべきことは2点あり、①その仕事は本当にその業界、その企業でしかできないのか、②やりたい仕事や職種はその企業の志望動機の延長線上にあるか、であると考えます。
①その仕事は本当にその業界その企業しかできないのかについては、他業界や他社よりも志望度が高いことの裏付けになります。エネルギー業界では各社が事業拡大を測った結果複数の企業で事業領域が重なっていることが多くありますが、力を入れている事業領域はそれぞれ異なっているのでこのあたりについて言及できればよいでしょう。
②やりたい仕事や職種はその企業の志望動機の延長線上にあるかについては、志望動機の説得力を高めるために必要だと考えます。例えば「石油や天然ガスの開発・生産に携わることで、日本へのエネルギーの安定供給に携わりたい」という理由で石油資源開発を志望した学生が、日本の石油元売り会社やガス会社に生産した資源を売りに行く営業を志望していたら、面接官は矛盾を感じてしまうでしょう。一貫性を持ったPRを行うことが重要になります。
また、自身の強みとリンクさせて答えることも大切です。企業としては会社に利益をもたらす人間を採用したいと考えるため、強みを活かして働けるからというのは企業側からすれば十分な理由になります。
内定者の回答
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最後に
最後に石油資源開発のESを魅力的に仕上げるためには、以下の二点が重要になります。
設問毎にどんな情報を書くべきか(≒どんな情報は不必要か)を確実に見極め、わかりやすくシンプルに記述する。
②就活の基本となる「3つの論点」をブラッシュアップする
学生時代頑張ったこと・自己PR・志望動機の3つのポイントについて、精度の高い回答をつくりあげる。
これらを意識したESを作成できれば、選考の突破率が大きく上がると考えられます。
ESを軽視しがちな就活生も多いですが、就職活動におけるメインパートの面接は提出したESを基に行われることから、ESは最も力を入れて取り組む過程だと言えます。
魅力的なESを書くことはその後の面接を有利に進めることにも繋がるため、企業研究や自己分析を入念にした上で取り組むと、内定獲得に近づくと思います。
こちらの記事では、同業他社の国際石油開発帝石(INPEX)の内定者のESを解説しています。同じ業界であるため、志望動機の書き方や、自己PRは参考になるはずです。