バークレイズのES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・自己PR・ガクチカへ
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最終更新日:2024年06月13日
外資系投資銀行は、「激務・高給」と一般に言われながらも、その抜群のネームバリューやグローバルに活躍できる働き方から上位学生を中心に人気の業界です。顧客企業の資金調達を証券(株式や債券)の発行によってサポートして合併や買収時には財務戦略のアドバイスを行うことを役割とすることから、さまざまな業界と携わり企業のビジネスを支えることにやりがいを感じる方は多いようです。
今回はそんな外資系投資銀行の中からバークレイズについて取り上げます。イギリスに本部を置く同社は、日本において事業会社、金融機関、機関投資家、公的機関などのお客にさまざまな金融サービスを提供しています。外資系投資銀行に漠然とした憧れを持つ一方、その働き方や事業内容についての理解が進んでいないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなバークレイズのESと採用HPから、バークレイズの求める人材について考察していきます。
事業内容と採用HPから考えるバークレイズの求める人材
前日のマーケット情報の収集から始まり、自身のビュー作成、顧客への電話・ヘッジ提案をしながらトレードの実行(execution)を行います。
必ずしもお客様のニーズはお客様自身が考えていることと一致しないので、その中で、真のニーズをいかに発見するかが非常に難しくやりがいを感じます。
また、マーケットを見ながらあらゆる仕事をこなすため、常にマルチタスクの状況に置かれる。その環境下、高度の集中力・判断力が求められる仕事です。1つ1つの出来事に瞬時に動く金融マーケットはまさに時代の最先端を走っており、常に緊張感を持って仕事に臨めるとともに、世界情勢の変化を即座に肌で感じることが出来ます。
ストラクチャリング部では商品の発案からマーケティングまでを担当するので、部署柄かなり幅ひろいチームと関係があります。
(中略)
商品を担当する人として、セールス及びお客様から信頼を得るときに充実感があります。実際の説明等を行うために、セールスと共にお客様を訪問する事もあるのですが、経験を積み重ねていく中で、ストラクチャリング部の人間として関係を築く事が可能であり、時には直接お客様から電話を頂くこともあります。
またセールスとの信頼関係の中では、お客様との商品に対するやり取りをある程度まかされる場合もあり、やりがいを感じます。
営業担当・ストラクチャリング担当の社員の話を参照してみましょう。
「銀行」と聞くと、金融業界の多くに共通して言えるように個人として営業の成果を残すことが求められるというイメージをもっている方が多いかと思います。外資系投資銀行では銀行としての業務だけでなく、国内で言う証券会社としての役割も果たすことになるのが一般です。そのため、両者に共通する営業実績が個人に紐づく評価がなされ、与えられた数字ノルマの達成に尽力するという、いわゆる一般の方がイメージされるような営業で成果をあげることが求められます。
また、1人目の社員の「高度な集中力・判断力」「常に緊張感を持って」という記述から伺えるよう、その求められる要求水準はかなり高いようです。そのうえで、同社員が述べているマーケットの情報収集といった手段を通して、営業成績を伸ばしていく工夫を徹底して実行していくことが求められるでしょう。
以上より、自己PRに複数のエピソード・強みを用意すべき?理由から対処法まで徹底解説のうち、「1.個人として努力し、成果をあげることができる」素質を持った人材をバークレイズは求めていると結論付けられます。
とは言っても、個人として努力できればそれでいいと言うわけではありません。2人目の社員は、セールスやお客と信頼関係を構築することにやりがいを感じていると述べています。外資系投資銀行のような一つの案件で莫大な金額が動くことが多い企業では「この人なら自分たちのお金を任せられるであろう」という思われる信頼関係がないとビジネスとして成立しないのではないでしょうか。
そのうえで、1人目の社員が述べている「真のニーズをいかに発見するか」という記述から、顧客の要求にそのまま対応するだけにとどまらず、相手自身も気づいていない潜在ニーズを引き出して提案することが重要となってくるでしょう。
以上の理由から、先ほどの5つの強みのうち「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」人材もバークレイズは求めていると導くことができます。
さらに、2人目の社員のようなストラクチャリング業務をするうえでは、営業に同行するセールス部門の社員との情報共有といった異なる部門との連携が重要となるようです。実際、同社員が「商品の発案からマーケティングまでを担当するので、部署柄かなり幅ひろいチームと関係があります」と述べているように、自分と異なった立場の人と協力して、組織全体として成果をあげるよう働きかけていくことが重要となってくるでしょう。
以上の点から、5つの強みのうち、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」人材も、求める人材の1つであるといえるでしょう。
バークレイズES設問
(1)アルバイトや課外活動経験がある方は詳細を入力してください。
(2)応募された部門で役立つと考える、ご自身の能力やスキルについて教えてください。
(3)ご自身の業界分析を基に、バークレイズが競合他社とどのように差別化を行っているか考察を述べてください。
設問(1)「アルバイトや課外活動経験がある方は詳細を入力してください。」
学生時代頑張ったことについて「アルバイト」「課外活動」と項目が指定された質問です。
学生時代頑張ったことはその経験から導かれる学びや強みが当該企業の求める人材の素質に合致しているかどうかが一般には重要となります。今回は(2)で自身の強みをどう企業で活かすかという点について尋ねられていますので、(1)ではある程度実績自体のインパクトが求められているのかもしれません。
いずれにせよ、面接でこちらの経験についても尋ねられる可能性はありますので、自身の経験についてでっちあげをせず正直に記述することが大切になります。
課外活動として、私が最も一生懸命に取り組んだことは、交換留学中に新しいサッカーサークルを設立し、36チームが参加する校内リーグ戦で参入後すぐに優勝し、州大会への出場権を得たことです。
初めは誰も知らない海外の環境で、22人の様々な国籍の学生が集まるチームを副キャプテンとして支えました。しかし、チームの中には、練習・試合の時間に遅刻したり、必要経費を納めなかったりと自分勝手な行動に出る選手がいました。
そこで私は、相手の話を全て理解しようとした上で、自分が周りにどうしてほしいか、それがなぜかを伝えるようにしました。一方的に意見を押し付けず、相手を尊重しようした結果、身勝手な行動が減り、チームが団結して、勝てるチームに成長しました。
この経験を通じて私は、自分の意見を発信する力と、相手の意見を理解しようとする姿勢の大切さを学びました。この能力は、信頼関係が生命線の金融界において、欠かせないと考えます。
こちらの内定者は自身の留学先での課外活動の経験について述べています。
まとまりが悪いチームに対して自らのビジョンを共有するよう働きかけた結果、信頼関係を構築しチームをまとることに成功したようです。文末に「信頼関係が生命線の金融業界」とあるように、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」人材が求められていることを理解したうえで、自身の発揮した強みと結びつけられています。
また、様々な国籍の学生を集まるという集団を副キャプテンとしてまとめ上げて校内リーグ戦で優勝したという全体としての取り組み自体が「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」人材と合致しています。「自分が周りにどうしてほしいか、それがなぜかを伝えた」と自らのビジョンを共有するうえで、多様な集団を率いた経験は、単一集団を率いた経験と比較してもより高く評価されるでしょう。
設問(2)「応募された部門で役立つと考える、ご自身の能力やスキルについて教えてください」
こちらの設問で「自身の強みをどう活かすか」という学生時代頑張ったことについて最も重要となる項目が尋ねられています。
「内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク」を参照すると、最後の⑥学びについて問われていると読み取れます。先述のバークレイズが求めている3つの強みをしっかりとアピールしましょう。
また、今回は「部門で」役立つ能力やスキルを尋ねられていますので、「営業→個人として努力し、成果をあげることができる」・「ストラクチャリング部門→価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」といったように、志望する部門の働き方や求める人材を理解したうえでアピールすることも重要になってくるでしょう。
設問(3)「ご自身の業界分析を基に、バークレイズが競合他社とどのように差別化を行っているか考察を述べてください。」
質問の意図がわかりにくい感じた方も多いかとは思いますが、こちらは志望動機に関する質問の1つとなります。
志望企業について十分な理解が進んでいるか、鋭い洞察ができるか見極めようという意図が込められています。答える内容はもちろんですが、面接の段階では「なぜそのように」考えたかという思考力まで見られる可能性も十分に考えられるでしょう。競合他社との差別化は「同業の中でもなぜバークレイズか」を考えるうえでも重要な要素となりますので、しっかりとした業界・企業研究が求められているといえるでしょう。
IR資料の活用もその一つの有効策かもしれません。
最後に
上位学生に特に人気が高い外資系投資銀行について、なんとなく敷居が高いと考える就活生は多いかと思います。確かに学歴や学生時代の経験といったスペックも評価項目の一つではありますが、実際そういったスペックが高くない人であっても人気企業に内定するケースは数多く存在しています。落ちることの方が多いのが当たり前なのが就職活動であり、そもそも企業を受けなければ受かることはありません。
是非、外資系投資銀行のような難関企業を過度に敬遠することなく、数多くの選考にチャレンジしてみてください。
photo by Martin Thomas