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東レ・帝人・三菱マテリアル・旭化成の事業・求める人材・社風比較【unistyle業界研究】

掲載開始日:2016年11月02日
最終更新日:2017年04月24日

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国内のみならず海外市場の売上が伸びており、活躍のフィールドが広い素材メーカー。
今回はそんな素材メーカーの中でも、東レ・帝人・三菱マテリアル・旭化成に焦点を当て、各社の業績や強み、求めれられる人材像を紹介したいと思います。

各社の業績の特徴

ここからは、各社の業績について見ていきたいと思います。

 



※各社IR情報よりUnistyleが独自に作成 2015年度

売上高の観点からみると、首位が東レ、2番手に旭化成が位置しています。東レは需要が見込める東・東南アジア地域で子会社を設立するなど規模を拡大しており、16年3月期もおむつ用の不織布をインドネシアに新設するなど、引き続き東南アジアに積極的に資金を投じ、さらに海外展開を進める見込みです。旭化成はケミカル事業で石油化学製品の市況が下落したことなどから、売上高は減収となったものの、住宅事業やクリティカルケア事業が好調に推移したことなどから、営業利益は前期比73億円の増益となり、3期連続で過去最高を更新しました。旭化成では、繊維のみならず、住宅、エレクトロニクスなど幅広い事業を展開しておりますが、繊維メーカーの中には海外での繊維生産が増えたことや、国内の繊維市場が縮小した背景から、国内工場を閉鎖しその跡地で別の事業を始めた結果、事業の多角化が進んでいる企業があることも抑えておくと良いでしょう。

 

 

一方、営業利益率で見ると、三菱マテリアルがやや他三社に遅れをとっていることが分かります。営業利益は2013年から連続して上昇しているものの、依然として財務体質が改善していないことが利益率の低さにつながっているようです。三菱マテリアルも、セメントや非鉄、電子部品と幅広く素材をベースに多角化してきた背景がありますが、その多角化が裏目に出たことにより長年低水準の利益水準になってしまっています。また、海外売上比率も、海外展開が途上である住宅事業を保有する旭化成と同水準となり、素材メーカーとしては低いといえます。
また、2012,2013年度における帝人の低迷も目立ちます。欧州で景気低迷により、繊維の需要が落ち込んだことから、成績を大きく落としたようです。このように、帝人グループは景気動向、他社との競合に伴う市場価格の変動を受けやすく、事業業績が大きく左右される可能性があります。例えば 景気や他社との競合という観点からは、ポリエステル繊維、ポリエステルフィルム、ポリカーボネート樹脂といった汎用素材の分野では、販売量、売値及び原燃料調達価格に関し変動を受けやすい構造となっています。また、これらの事業は、製造原価に占める原燃料コストのウェイトが高いため、原油価格の動向により、損益に大きな影響を受ける可能性があります。
こうした背景を受け、帝人では構造改革に取り組み、2013年度から三年連続で営業利益率の改善を実現しています。自動車、インフラ、住設、医療といった成長分野成長分野において、付加価値の高い材料・部材・サービスを通じたソリューションを提供するための開発・マーケティング活動を強化したことで、こうした結果に繋がったようです。

 



海外売上比率(%)

海外売上比率では、東レが約50%ほどとなっており、他社に先んじて海外展開を進めていることが分かります。東レは60~70年代は東南アジア、80年代は欧米、90年代には韓国と中国へ広げ、繊維だけでなく非繊維のフィルムや炭素繊維などの生産拠点を設立してきました。現在では、それら海外拠点と国内拠点の有機的連携を強化しており、質の高いグローバルオペレーションは東レの強みといえるでしょう。

次に、各社の強みとする事業やその特徴を見ていきましょう。

東レ

 



​売上比率:2015年度

繊維、プラスチック・ケミカル事業で売上高の約3分の2を占めています。炭素繊維複合事業は売上高に占める割合は低いものの、全体の営業利益の23%を稼いでおり、営業利益伸び率は前年比で38%と成長している分野となっています。航空機需要の拡大や風車用途など環境・エネルギー関連需要の拡大を背景に、炭素繊維及び中間加工品(プリプレグ)の出荷が拡大したこと、また、2014年後半及び2015年前半に生産を開始した新規設備がこうした成長の背景となっています。

帝人

 



​​​​売上比率:2015年度


高機能繊維・複合材料、電子材料・化成品、ヘルスケアがほぼ同比率の売上高となっています。また、利益率で見ると医療用医薬品や在宅医療を扱うヘルスケアが全体の38%となっています。前述のように帝人は付加価値が高く収益の見込める商品へとシフトしており、例えば炭素繊維「テナックス」を扱う高機能繊維は、航空機メーカー各社からの好調な受注を受け、航空機用途向けの販売が順調に推移しました。

 

三菱マテリアル

 



​​売上比率:2015年度

三菱マテリアルでは、金属事業が全体の売上の半分以上を占めています。自動車向け銅加工製品や、半導体向け製品の販売数が減少したため、全体の売上が減少となりました。一方セメント事業では、米国南カリフォルニア地区で住宅用セメントの需要が高まったことにより、セメント事業の売上高、営業利益ともに前年度と比べ増加しました。

 

旭化成

 


売上比率:2015年度

旭化成ではケミカル・繊維事業が売上の約半分を占めており、依然として主力事業となっています。ケミカル事業では、2015年5月に中国江蘇省南通市において増設設備が稼働、一方2016年2月には岡山県倉敷市にあるエチレンプラントの稼働を停止し、工場の海外進出が進んでいます。

事業内容から考える化学メーカーが求める人材

ここからは、東レ・帝人・三菱マテリアル・旭化成が就活生に求める素質について、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を参照しながら考えていきましょう。

 

入社4年目に入り、宮谷は韓国の子会社である東西石油化学に出向した。同社はアクリル繊維やABS樹脂の原料であるアクリロニトリル(AN)を生産する企業。現地では設備投資案件の提案や、事業戦略の立案、本社への月次の実績報告などの具体的な業務を進めると同時に、原料購買・工場・営業・物流・研究開発といった事業全体にまたがる課題・問題を整理し、タイムリーに問題提起や解決策を図っていった。
韓国は年長者を敬う文化が根強いなかで、若手ながら経営の中枢を担う宮谷には、大きな試練が予想された。宮谷は立場上、年上の担当者にも自分の意見や決定事項を通さなければならない場面が多々あったのだ。だが、反発を恐れず真摯な姿勢で自身の考えを伝えながら現地社員との議論を重ねた。また、現地社員とのコミュニケーションを深めるべく韓国語を習い、覚えた単語や表現を努めて使った。そんな苦労を重ねた赴任を終え、帰国する当日。勤務中にもかかわらず大勢の同僚がビルの玄関まで見送りに来てくれた。彼の仕事に臨む熱意は、一人ひとりの心の奥底に届いていたのである。

引用:旭化成 新卒採用ページ

今回紹介した事例では、出向先における問題解決を、年少者ながら主体的に行ったエピソードでした。旭化成のような海外売上高が高い組織に所属する社員は、国籍・文化など異なる背景を持つ関係者と協力して仕事を進める機会は多いでしょう。また、旭化成では投資枠1兆円のうち新規事業に4500億円を新規事業に投じるなど、現状に満足せず新たな領域へと経営を拡大しています。
以上のことから、素材メーカーでは「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」「3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる」「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することが出来る」能力を持つ人材を求めていると考えられます。

各社の社風・文化

ここからは、各社の社風や根付いている文化の面から、違いを見ていきましょう。

東レ:人材教育に力を注ぐ

「企業の盛衰は人が制し、人こそが企業の未来を拓く」
引用:東レ 人材育成方針 

東レでは、人材に対する投資を惜しまない組織であるようです。2015年度では、社員一人当たりの教育投資額は10万円を超えていることが明記されています。近年は特に、グローバル人材の育成を強化・充実しており、「海外若手研修制度」に加え、2011年度には「東レグローバル英語スクール」を開設するとともに、「ビジネス英語強化研修」の充実、「東レ経営スクール」と「海外幹部研修」とのジョイントセッションの拡充などを実施しています。

帝人:風通し向上で豊富なアイデアを共有

売上高1兆円を超すメーカーとして成長してきた原動力は、何か新しいことをやってやろうとするチャレンジングな風土と人です。社員の行動指針には「前例にこだわらず、人のやってないことに挑戦する」「上司の言うことを絶対とはしない。疑問・反論はどんどんぶつける」と謳っています。さらに社長や役職者に対してもお互いに「さん」づけで呼び合う風通しのよい組織であることも、建設的意見を「スピークアウト」し合える社風につながっています。
引用:帝人 キャリア採用情報 

帝人では、風通しを良くする取り組みを通して、アイデアを遠慮なく共有できるように取り組んでいるようです。例えば、上司からの強要などの社内での違法行為に対して、弁護士事務所など外部の窓口組織を含んだ相談・通報制度があり、不正が起きにくい仕組みを導入しています。

三菱マテリアル:若手社員へのチャレンジ促進とケア体制を築く

三菱マテリアルは若手社員の力を信じ、任せてくれる風土があります。何か問題が起こった時も上司が一方的に指示するのではなく、「どうしたらよいと思う?」と意見を聞いてくれますし、提案にも耳を傾けてくれます。主体的に考える機会を与えられ、その結果を自分の目で見ることによって、確かな成長につなげていける環境だと思います。
引用:三菱マテリアル 新卒採用ページ 

三菱マテリアルには若い人材にもどんどん仕事を任せる風土があるようです。また新入社員一人につき、配属先の先輩社員一人を「アドバイサー」として選任し、日々の業務のほか、会社生活全般を通して助言し、新入社員も気軽に相談できる体制を築いています。


旭化成:誠実さを取り戻し1からスタート

旭化成グループでは、人と組織の卓越した力が旭化成の競争力の源泉である、との認識の下、①旭化成らしさが発揮される風土を維持強化すること、②社員一人ひとりが成長すること、③すぐれた人財と組織で事業を創り伸ばすこと、を目的として、さまざまな人事施策に取り組んでいます。
引用:旭化成 ホームページ 

旭化成では、「傾斜マンション」の問題を受け、浅野敏雄社長が引責辞任し、風通しの良い社風へ改善することで信頼回復を図っています。後任社長となる小堀氏は「一人一人が現場の約束事をきちんと守り、自分たちの製品、事業に愛着を持って、お客様に誠実に対応していく。その積み重ねが(旭化成の)信頼につながる」とコメントし、全社で信頼回復に取り組むようです。

 

最後に

いかがだったでしょうか。今回は素材メーカー大手の、東レ・帝人・三菱マテリアル・旭化成について紹介させていただきました。同じ素材メーカーというくくりでも、多角化や海外進出の戦略がかなり異なっており、今後の注力分野にも影響を与えそうです。企業研究では、会社のこれまでの変遷だけでなく、会社の未来の姿にも踏み込んで行ってみると、今後必要とされる人材像がはっきりするのではないでしょうか。

 

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photo by Chris

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