シグマクシスの1次選考GDでボコボコにされた就活生が考えるGD対策の重要性

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最終更新日:2024年07月26日

シグマクシスの1次選考GDでボコボコにされた就活生が考えるGD対策の重要性

こんにちは。17卒の就活生です。

私は「様々な業界と仕事ができる」ことを軸として就職活動をしているのですが、受けている業界の1つとしてコンサルティングファームがあげられます。コンサルティングファームの選考では志望動機だけでなく論理的思考能力も評価の1つとして大事なことはあらかじめ分かっていたので、「東大生が書いた、問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」などを利用してそれなりに対策をしていました。

しかし、対策と言っても一通り本を読んだだけであり、本当に自分に「ケース問題に対する考え方」や「問題に対する思考のくせ」が身についているのかどうかは疑問です。

東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」

また、今回の記事はコンサルティング志望の学生だけでなく、日系大手企業を目指す学生にも参考にして欲しいと思います。

なぜかというと、ケース問題型のGDはもはやコンサルティング業界だけでなく、総合商社などの多くの就職活動生が第一志望にするような企業でも採用されているからです。

以下の記事は、総合商社、日系大手企業志望の学生に対するケース問題対策の重要性について説明した記事です。参考にしてください。

今回、私が選考を受けた会社はコンサル志望の就職活動生ならおそらく知っているであろう「シグマクシス」です。この会社が初めてのコンサルファームのGDであり、そして初めてGDの段階でフィードバックを受けた企業です。

具体的にどのようなお題を解き、そしてどんなフィードバックをもらったかについて話したいと思います。また、コンサルティングファームを受ける就職活動生におススメな記事を以下に紹介しておくので、ぜひ確認してください。

本選考とインターンの締め切り情報

コンサルティングファーム独特の論理的思考力を見るGD

シグマクシスのようなコンサルティングファームでは、ある程度のコミュニケーション能力や頭の柔らかさは前提として、話す上での論理的思考能力などが必要とされているのは言うまでもないでしょう。

これは、GDだけではなく個人面接でも非常に重要なスキルになっています。シグマクシスの出題形式は「3つのお題から好きなもの1つを選ぶ」というものでした。

この3つのお題というのは具体的に書くと

・大学構内のコンビ二において、昼間の混雑を減らせ

・○と△を評価せよ

・女性の就業率を60%から80%まで上げよ

というもので、この3つから私たちは「女性の就業率を60%から80%にあげよ」を選びました。

何故これを選んだのかというと、「チームの中に女性がいたため議論が活発になると思われた」ことや「政府が現在直面している問題であり、議論する上で非常にやりがいがあると思われた」からだと覚えています。

このような「ケース問題型のGD」はDeNAなどのベンチャー体質の企業や大手企業でも出題されているので、コンサル志望の学生に限らず多くの学生が必ず対策すべきものでしょう。

グループワークは35分間で、その後に5分間の発表の時間を与えられました。実際の議論自体は決してそんな悪いものではなかったのですが、「意見を積極的に言う学生が偏っており、6人中2人か3人程度しかいなかった」ことや「事前に決めた各ステップ(定義確認、現状分析…etc)の時間設定が適切ではなく、落ち着いて議論することが出来なかった」ことなどがワーク中に感じた問題点です。

また、最終的に生み出された施策も有効であると思われるものはひとつもなく、いかに思考の柔軟性が足りていないのかを痛感しました。

受けたフィードバックは「この内容じゃ0点。こんなんで大丈夫なの?」

見出しのタイトルは実際に面接官から受けたフィードバックです。「コンサル志望の癖にこの程度のアウトプットしか出せないなら今後の選考でも笑われるよ」とまで言われてしまいました。非常に辛口であるフィードバックでしたが、実際うなずけるほどの悲惨な議論をしていたと思います。

以下に、今回何故このようなフィードバックをもらったのかをしっかり考え、思い当たる原因を挙げてみました。

・まだ就職活動が本格化している時期ではなかったので、グループの学生はほとんどが今回のGDが初めてもしくは2回目程度であり慣れていなかった。そして、自分もコンサル業界のGDは初めてであったため、要求されているレベルの高さを低く見積もっていた。

・メンバーがコンサル志望が抑えておくべき「ケース問題を解くプロセス」を把握していなかったのか、議論が何度も脱線してしまった(半分くらいの学生は「ベンチャー企業だから受けてみようかな」という姿勢で、あまり事前準備をせずに選考を受けた可能性があるかも?)

などが考えられます。

もちろん実際のフィードバックでは先ほど述べたことだけではなく、「具体的にどうしていればよかったのか」についてのアドバイスもいただきました。

具体的に挙げると

・もっと論理的に話す癖を付けて欲しい。議論するときも「意見→根拠」の論理展開を徹底するべきである。

・施策の現実可能性をもっと考えて欲しい。施策の効果についてだけ議論しがちである。

・今後の選考においては面接官が常に学生の主張や意見に対して「なんで?どうして?」を知りたがっていると思って欲しい

などです。議論について褒められた点は1つもありませんでした笑

しかし、この時期にこのGDに参加することが出来て本当に良かったと思います。非常に辛口かつ的確な指摘だったため、現在の自分の能力に何が足りていないのかが浮き彫りになりました。

また、「選考を受けるたびに自分がダメだった点をしっかりと把握し次の企業の選考までに改善することで、今後受ける企業の内定率は間違いなくあがるだろう」といった風に今後の選考に希望が持てました。

大学の先輩などから「なるべく早い時期からベンチャーやコンサルの本選考を受けとけ」とよく言われていたのですが、このアドバイスの意味がやっと分かったような気がします。

さいごに

みなさん、「GDは一次選考だから」といって舐めてかかってはいけません。特に、GDの通過率は他のメンバーによっても大きく変わってきてしまいます。

なので、まず自分1人でも議論を最後まで展開できるような力を付けてください。そうすれば、自信を持った上で選考に望むことが出来ます。

また、何度も繰り返していますがGDに安心して望むためには「自分1人でも設問を根拠付けて解答する能力」が求められます。そのために先ほど紹介した「東大生が書いた、問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」などを利用して本命企業を受ける前にしっかり対策してください。

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題に対して、論理的に結論まで導くことのできる力を養うために必要な対策方法について説明していきます。【3】→グループディスカッションでは何が評価されているのか、評価項目を4つのポイントに分けて解説していきます。どのような行動が評価されるのかといった点にまで落とし込み、未経験の方にもわかりやすく説明していきます。Vol.3は9月に公開予定●その他の20卒就活生のリアルタイム就活体験記は以下よりご覧いただけます。● 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日本でも急成長中?ベンチャーキャピタルの仕事内容と就職のための道しるべ 日本でも急成長中?ベンチャーキャピタルの仕事内容と就職のための道しるべ ハゲタカシリーズを読んだ方は、主人公の鷲津政彦に憧れて、外資系投資銀行や外資系コンサルティングなどのキャリアを踏んでから自らファンドを立ち上げたいと考えている方もいるのではないでしょうか。とは言っても国内で新卒採用を行っているベンチャーキャピタルは少なく就職活動生の目に触れる機会はあまり多いとは言えないかもしれません。今回はなかなか理解できていないものの、何となくかっこいいイメージのある「ファンド」ビジネスについて、そのビジネスモデルから著名なベンチャーキャピタルファンドの紹介、新卒で入社できるVCと新卒で入社できない場合にどのようなキャリアを歩むのかについて説明したいと思います。新装版ハゲタカ(上)(講談社文庫)▼目次クリックで展開本記事のコンテンツ・ベンチャーキャピタルのビジネスモデル・ベンチャーキャピタルの種類・著名なベンチャーキャピタルと投資実績・新卒採用をしているベンチャーキャピタル・総合商社などの事業投資との違い・最後にベンチャーキャピタルのビジネスモデルそもそもベンチャーキャピタルがどういった仕事をしてどうやって利益を得ているのか理解している人は大人でも少ないように思います。簡単に説明すると、「投資家からお金を募って企業に投資をして企業価値をあげる」というのが仕事内容で、「集めたお金の2%を運営費、集めたお金以上に儲かった部分(キャピタルゲイン)の20%を成功報酬」として収益計上する仕事になります。仕事内容の中でも企業価値をあげるというのがどういうことかイメージしにくいかもしれませんが、こちらのハフィントンポストの記事を読むと創業間もないベンチャーに投資をするベンチャーキャピタルの仕事がイメージしやすいかもしれません。渋谷のあるマンションに投資先をどんどん入居させてるんですけど、そのマンションは坪単価9000円くらいで激安なんです。すぐ近くにスーパーがあるので、みんなで買い出しに行きます。Facebookグループに投資先グループを作って、「今日は学生起業家向けマナー研修します」とかやり取りしてるんですけど、「いまから買い出しに行く人集まれ~」ってやっています。でもみんな、こんなのカッコいいわけないってわかっています。カッコ悪いことだけど、ちゃんと来る限りは死なないんですよ。出典:まるで相撲部屋?ベンチャーキャピタルの仕事について佐俣アンリさんに聞いてみた投資先のメンバーと一緒に買い出しにいき、食事を提供することまで面倒をみるなど、かなり泥臭いところまで入り込みながら企業の状況をよくしていこうというのが重要なようです。もちろん企業の経営支援ということでこれまで投資を行い培ってきたノウハウを活かしながら営業活動のサポートや経営陣の採用・人事制度の導入などのサポートを行い企業価値を高める活動も同様に行います。VCファンディングの基礎fromReijiYamanaka報酬面については、例えば投資家30人から1億円ずつ集めて、30億円規模のファンドであれば、年間6000万円の運営収入が入ります。ここから人件費やオフィスなど会社運営に必要な費用がかかります。基本的には原価もかからない仕事のため、かかる費用のほとんどが人件費です。その上で、5年後に30億円集めたファンドが5倍の150億円で全て売却完了したとすると120億円の利益のうち20%である24億円がベンチャーキャピタルの利益になります。ベンチャーキャピタルの収益性については、投資した時期(詳しくは後述)により異なりますが、シードラウンドでの投資の場合は投資額を5〜10倍に出来ればいい感じだといえ、シリーズAやシリーズBでの投資の場合は3〜4倍でも評価されるようです。ファンドの大きさにもよるんですね。グロービスさんぐらいの100〜200億円のファンドだと、3〜4倍ですごいぞとなる。5億円を6〜7年で5倍にできれば、なかなかでしょう。僕のファンドだと10倍ぐらいだとイケてるねと言われるぐらい。でも、だいたいシードファンドは6年ぐらいで結果が出てくるので、500万円を預かって6年後にトータル10倍返せると、イケてるファンドなんじゃないかなあと思って頑張っています。出典:まるで相撲部屋?ベンチャーキャピタルの仕事について佐俣アンリさんに聞いてみたベンチャーキャピタルの種類ベンチャーキャピタルにはその時期により、プレーヤーが異なります。厳密には細かく分かれますが、ここではシード・アーリーステージに投資するベンチャーと、シリーズA、シリーズB、シリーズCのステージで投資するベンチャーに分けて解説したいと思います。シード・アーリー創業間もないベンチャー企業への投資を行う。投資額も数百万円から数千万円規模の企業が多い。主な企業としてはKDDI∞Labo、docomoInnovationVillageやANRIなどが挙げられる。シリーズABC事業スケールがかなり大きくなり、更なる資金調達により上場を狙えるような規模になろうとするベンチャー企業に対する投資。数億円規模の投資を行うことが多い。主な企業としては伊藤忠テクノロジーベンチャーズやグロービスキャピタル、ジャフコなどが挙げられる。著名なベンチャーキャピタルと投資実績日本には現在100弱のベンチャーキャピタルがあると言われていますが、著名なベンチャーキャピタルの投資実績についてご紹介します。皆さんがなじみのある企業やサービスに投資実績のあるベンチャーキャピタルも多いのではないでしょうか。①ジャフコ日本最大のベンチャーキャピタルとして有名で、東証一部上場。野村ホールディングスを筆頭に野村グループの中核企業が株主として名を連ねている。ベンチャーキャピタルとしては珍しく新卒採用を行っている。主な投資実績:Gunosy、データセクション、gumi、リクルートホールディングス、フリークアウト、じげん、ANAP、Twitter,Inc.など投資先参考URL:http://www.jafco.co.jp/ipo/②グロービスキャピタルパートナーズ企業成長のために必要となるヒト・カネ・チエを総合的に支援する日本初の本格的ハンズオン型ベンチャーキャピタルとして1996年に設立。MBAを学ぶ経営大学院を運営するグロービスが親会社。主な投資実績:オイシックス、オークファン、フォトクリエイト、ブイキューブ、スマートニュース、VASILY、ランサーズなど投資先参考URL:http://www.globiscapital.co.jp/portfolio/③みずほキャピタルみずほグループのベンチャーキャピタル。メガバンク系のVCは他にも三菱UFJキャピタルとSMBCベンチャーキャピタルが存在する。主な投資実績:カルビー、タマホーム、ANAP、取り貴族、イード、モバイルファクトリー、VOYAGEGROUP、テラスカイなど投資実績参考URL:http://www.mizuho-vc.co.jp/publicstock/results_2015.html④伊藤忠テクノロジーベンチャーズ伊藤忠グループのベンチャーキャピタル。アーリーステージを中心にミドルからレイターまで、シードを除くラウンドにバランスよく投資を行う方針とのこと。主な投資実績:アドウェイズ、クラウドワークス、box、カブドットコム証券、イードなど投資実績参考URL:http://www.techv.co.jp/companies/⑤ANRI前述で紹介した記事にも出てくる佐俣アンリ氏が運営するファンド。独立系ベンチャーキャピタルを28歳という若さで立ち上げたことで注目される投資ファンド。主な投資実績:ペロリ、コイニー、クラウドワークス、ラクスル、スクー、U-NOTEなど新卒採用をしているベンチャーキャピタル残念ながら多くのベンチャーキャピタルは新卒採用をしておらず、外資系コンサルや外資系投資銀行、別のベンチャーキャピタルなどから中途採用をして成り立たせている企業がほとんどです。定期的に一定数、新卒採用をしているのはジャフコぐらいで、新卒で入社した企業をステップに中途採用で入社するのが一般的と言えます。株式会社ジャフコ:採用情報トップもしどうしても入社したい気持ちが強いのであれば、地道ではありますが各ベンチャーキャピタルの一覧から企業HPにアクセスし、お問い合わせフォームから問い合わせをするところから始めるとよいかもしれません。各ベンチャーキャピタルの一覧についてはこちらの記事を参考にしてください。参考:【ベンチャーキャピタル90選!】あなたも10億円の資金調達を実現しよう!総合商社などの事業投資との違い最後にunistyleを利用している学生の多くが総合商社を志望しているので、総合商社の事業投資との違いについて説明しておきたいと思います。端的に言ってしまえば「目的が違う」ということになるかと思います。ベンチャーキャピタルの投資は説明した通り、投資家からお金を募り、5〜7年といった期限を定めて投資額以上のキャピタルゲインを得ることが目的です。投資をした瞬間に上場するか他の企業に株式を売却するなどExitを前提に投資を行います。一方で総合商社の事業投資は、総合商社のグループ企業として中核を担い続けてもらうことが目的で、株式売却などのExitは前提ではなく投資したものの思ったよりもシナジーを生み出さない場合などの最後の手段として取られることが多いと言えます。最後にベンチャーキャピタルは新卒採用でなかなか見かけることがないため、就職活動生は知らないヒトが多い業界ですが、現在日本でも数多くのベンチャーキャピタルが立ち上がり、ベンチャー投資は盛り上がりを見せている成長産業です。仕事内容としても人気業界である「金融+経営コンサル」の両方の側面を持つ面白いものだと思います。今回の記事をきっかけに将来的なキャリアの選択肢の一つとしてベンチャーキャピタルという仕事を視野に入れてもらえれば幸いです。photobyDominicAlves 55,798 views
合同企業説明会を無駄な時間にしないための3つの方法 合同企業説明会を無駄な時間にしないための3つの方法 例年、合同企業説明会に参加しただけで就職活動を頑張った気になってしまう人が一定数いるように感じています。でも書いた通り、ただ受動的に参加して話を聞いているだけではHPに掲載されている程度の情報を得ることしかできません。3月1日から企業の採用広報活動が解禁されるため、それに合わせて合同企業説明会が数多く開催されます。そこで今回、合同企業説明会への参加を最大限効果的にするための3つの方法について書いていきます。参加する目的意識を明確にする合同企業説明会は無駄だという意見も実際あります。皆さんの中にも、サークルの先輩などから「あんなの行くだけ無駄だよ」などと言われた人もいるのではないでしょうか。しかしそれは何のために参加するのか明確にせず、「皆が行くから行く」とか「就活気分を味わうために」などといった、いわば夏にお祭りに行くような風物詩的な気持ちで参加しているからだと言えます。合同企業説明会も、事前に参加する目的を明確にしていけば無駄にはなりません。ここでの目的とは、下記の3つになると思います。①志望度の高い企業の人事に気に入られる②志望度の高い企業の社員・内定者と知り合ってOB訪問など就活のアドバイスをもらう③自主的には調べなさそうな企業の説明を聞いてみて自分の興味の幅を広げる①志望度の高い企業の人事に気に入られるもし合同企業説明会に志望度の高い企業が参加しているのであれば、人事に気に入られるつもりで行きましょう。具体的には、よく説明の最後に設けられる質疑応答の時間に鋭い質問ができると評価されやすいと思います。下記は面接における逆質問についてのコラムですが、説明会の質疑応答についても同様のことが言えるので参考にしてください。参考:一概には言えませんが、自身の価値観や経験に基づいた意図が明確な質問であれば評価されやすいように思います。逆に評価されない質問は次のようなものが挙げられます。「残業時間はどのくらいですか?」「福利厚生はどうですか?」といったような自分の不安を解消させたいだけの質問「御社の社風はどのようなものですか?」といった答えにくく、そもそもそれを聞いてどうしたいのかという質問「御社の強みは何ですか?」といった、会社のHPや四季報を読めばわかるような質問でも書いているように、一度ブースに座ってしまうと抜け出しづらく時間を食ってしまうというデメリットがありますが、質疑応答で指されやすくするためにあえて前列に座るという手段を採用するのもアリですし、立ち見の学生に混じって質疑応答のタイミングを見計らってブースに寄るのも一つかと思います。それぞれメリット・デメリットがあるため、どういった方法を用いるのかはご自身の判断で決めていただければ幸いです。②志望度の高い企業の社員・内定者と知り合ってOB訪問など就活のアドバイスをもらうせっかく現場で働く社員と触れ合えるのであれば、その場限りの付き合いで終わってしまうのは非常にもったいないことです。また、説明会に参加している社員はいわゆる「デキる人」であることも多いため、可能であればコネクションを作っておきたいところ。社員とのコネクションを作るには、企業講演の隙間時間などで名刺をもらい後日、しっかりとしたお礼のメールとOB訪問のお願いをするのが有効的です。また、大手企業になると内定者をアルバイトとしてお手伝いに呼んでいる場合もあるため内定者と仲良くなることもできるかと思います。実際、内定前から企業の社員や内定者と仲良くなって「引き上げてもらう」経験をしている学生も少なくありません。多くの社員に目をかけてもらい内定に近づくというのも立派な戦略だと言えるでしょう。③自主的には調べなそうな企業の説明を聞いてみて自分の興味の幅を広げる冒頭でも書きましたが、企業ブースでの説明は、そのほとんどが企業HPに掲載されている内容をきれいにスライドにまとめただけのものです。そのため自分から積極的に調べるような志望度の高い企業のブースに、情報収集のためだけに座るのであればあまり意味はありません。参考:逆に言えば、自分からは企業HPを見ようと思わないような業界・企業のブースには参加する意味があると言えます。わかりやすくスライドなどでプレゼンしてくれるので、もしかしたら一気に志望度が上がることもあるかもしれません。就職活動を始めたばかりの視野の狭い状態で、特定の業界に固執するのは大きな機会損失です。志望業界は持ちつつも、偏見なしに幅広い業界を見ていくことは就活のリスクヘッジの上でもビジネスを知る上でも有効であると言えます。最後に合同企業説明会に限らず、周囲に流されて何となく行動すると無駄な時間を過ごしがちになります。自分がそこで何をするのか、目的を明確にした上で行動すればより少ない労力で大きな成果が得られるのではないでしょうか。告知なお、21卒対象で2月から合同説明会「レクミーLIVE」が全国で開催されます。以下のページからお申込みできるので、是非活用してみてください。▼お申し込みはこちらから【過去参画企業(抜粋)】三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、サントリー、三菱地所、野村総合研究所、アマゾンジャパン、トヨタ自動車、ベイン・アンド・カンパニー、ユニリーバ、P&Gジャパン、楽天など【参考記事】 54,698 views
総合商社の巨額減損の歴史 総合商社の巨額減損の歴史 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。原油価格の下落により、ここ数年好調であった総合商社の収益に陰りが見えてきています。三菱商事、三井物産、住友商事は2016年3月期の純利益予想を引き下げています。また住友商事は2期連続での巨額減損となります。参考:減損懸念つきまとう資源事業、市況厳冬下で次の一手に注目-総合商社三菱商事は2015年度の通期業績見通しに関して3,600億円から3,000億円に引き下げました。これにより3,300億円の純利益を予想している伊藤忠商事が業界1位の座を奪う形となります。参考:三菱商事「2015年度第2四半期決算公表」このように総合商社のビジネスは様々な事業領域を世界中の地域で展開しているがゆえに、カントリーリスクや景気の状況に左右されやすいです。特に資源分野には多くの投資コストがかかるので、その分失敗した時の減損額は大きく、連日ニュースでも取り上げられます今回のコラムでは総合商社で過去に起きた巨額減損を振り返り、そこから何が学べるかを考えていきたいと思います。総合商社の巨額減損の歴史三菱商事:数の子買い占め事件(1980年)三菱商事子会社の水産商社である北商が年末に向けて価格が上がるという読み違いを行い、数の子を買い占め値段の吊り上げを図りました。しかし、消費者は買い控えを行い北商は負債を抱えて倒産し、三菱商事にも大打撃が与えました。住友商事:銅の不正取引で3,000億円の巨額損失(1996年)銅不正取引事件とも言われており、非鉄金属部長が10年間、銅のデリバティブ取引や多額の銀行借り入れを不正に継続していた事件です。損失は3,000億円にも及び当時の社長が辞任するほどのインパクトでした。伊藤忠商事:4,000億円の特別損失処理(2000年)建設・不動産関連の不採算資産、アジア債権などの債権を一括処理し、3,039億円の損失を計上しました。トーメン:4,047億円の特別損失(2002年)不動産関係会社の整理・統合、業績不振関係会社の整理や売却などで合計4047億円の特別損失を計上しました。これが致命傷となり、2006年に豊田通商に吸収合併され解散しました。住友商事:シェールガス開発の失敗で3,100億円の減損(2014年)米国タイトオイル開発において1,992億円、ブラジル鉄鉱石事業において623億円、米国シェールガス事業において311億円などがあり、合わせて3,103億円の減損処理を行いました。参考:住友商事「2014年度連結業績ハイライト」丸紅:北海油田のガス開発で610億円、米国穀物子会社ガビロンで480億円の減損(2014年)買収した米国の穀物メジャー、ガビロンの買収のれんで430億円、北海油田関連で240億円など合わせて1,250億円の損失を計上しました。しかし、住友商事が連結純利益を赤字としたことで減損を出したとはいえ丸紅の業界順位は4位となりました。参考:丸紅、「減損1200億円」を招いた2つの誤算住友商事:マダガスカルにおいてニッケル開発の投資回収を失敗(2015年)マダガスカルにおけるニッケルの事業で投資回収見込みを見誤り、770億円の減損を出しました。また南アフリカの鉄鉱石事業でも減損を計上し、2015年度第3四半期の損失を1.116億円としました。参考:住友商事「ネットカンファレンスプレゼンテーション資料」参考:住友商事、ニッケルプロジェクトで770億円の減損損失を計上へ今後考えられるリスク三井物産のブラジルリスクブラジルに対するエクスプロージャー(投資・融資・保証の総額)が約8,000億円でこれは他商社に比べて突出しています。ブラジルは政治的なリスクはもちろん、鉄鉱石事業、ガス事業などの難しい事業を行っており、三井物産がブラジルから回収できる金額は今後の資源価格にも大きく左右されます。また三井物産は原油価格の下落によって2015年度の連結純利益見通しを2,400億円から500億円下げ、1,900億円にしています。伊藤忠商事の中国リスクCITICに6,000億円の投資を行っており、中国全体には約8,000億円の投資を行っています。中国の景気減速により資源価格が下落したともいわれるほど中国の影響は大きく、伊藤忠商事の業績が今後どうなるかは中国の景気に委ねられているとも言えます。参考:三菱、三井、伊藤忠、住商、丸紅ってどう違うの?最後に就活生のみなさんからすると総合商社の減損はあまり身近なニュースではないかもしれません。しかし、なぜ減損が起きているのかを一歩引いてみることで世界では何が起きているのかを考えることもできると思います。また住友商事の巨額減損などで就活生の人気が下がることもありますが、自分が働く企業を考える上でそれが本質的なことであるかどうかを考えてみてください。一時の感情に動じないように自分自身の意志を持つことは就職活動において重要だと思います。photobyTaxCredits 40,208 views

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