【就活生必見】内定者に学ぶ3/1のエントリー戦略
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最終更新日:2023年09月26日
本記事では、年明けから本格化する就職活動に向けて、就活解禁にあたってどのようなエントリー戦略を取るべきかを示していきたいと思います。
去る2019年9月3日、経団連会長の記者会見で2021年以降の就職活動での”就活ルール”の廃止が発表されました。もっとも、このような就活解禁時期のニュースに踊らされる必要はなく、自分がどこの企業にどのようにエントリーするか、その戦略こそが重要です。
本記事では、その戦略の立て方、考え方について示していきたいと思います。1万字超の長文記事ですが、内定獲得のためのノウハウを詰め込みましたので、どうぞ最後までご覧ください。
・エントリー前に考える3つのポイント
└「自分のスペック」を見極める
└「志望業界及び企業の難易度」を見極める
└「社風とのマッチング」を見極める
・エントリー戦略の考え方
・エントリー戦略①:エントリー企業の決定
└企業に優先順位をつける
└第一志望ではなく「第一志望群」を作る
・エントリー戦略②:エントリー時期の分割
└時期Ⅰ:3月、4月は第一志望群を中心に
└時期Ⅱ:人気企業は5月がラストチャンス
└時期Ⅲ:6月は他業界も視野に
・エントリー戦略③:リスクヘッジ
└常時30社以上は確保すべき
└業界分散でリスク分散
└早期内定で就活効率化
・番外編:3/1クリック戦争には参加すべきか?
エントリー前に見極めるべき3つのポイント
「自分のスペック」を見極める
エントリー戦略を練るに当たっては、まず自分自身のスペックを客観的に見定める必要があります。これは、「学生全体における自分の立ち位置」を判断するためです。
まず、「学生全体における自分の立ち位置」を判断するための1つ目が、「学歴」です。
採用にあたっては、多くの企業がスクリーニング基準、言い換えると学歴フィルターを設定しています。自分の学歴であれば、どの程度のレベルの企業であればスクリーニング基準を突破できるのかをまず抑えておきましょう。
具体的には、①OB名簿にてどういった企業への就職が多いか調べる、②就職四季報で採用実績校を調べることで把握することが出来るでしょう。
「学生全体における自分の立ち位置」を判断する2つ目が、「自分自身の経験」です。
例えば、1年間留学した経験や体育会の主将経験、ベンチャーでのインターン経験、TOEICの点数などがこれに該当します。学歴がスクリーニング基準を満たしていなかったとしても、経験と合わせると満たすという場合も少なからずあると考えられます。
学歴と自分自身の経験の2点を鑑みた上で、自分が就活生全体のどこに位置しているのかを判断しましょう。全体における自分の位置を客観的に見ることができなければ、有用なエントリー戦略を立てることは当然できません。
学歴フィルター、スクリーニング基準に関しては、以下の記事をご覧ください。
→就職活動において私たちは自分の「学歴」とどう向き合うべきでしょうか。「〇〇大学からでも総合商社に入れるのか」のような不安をどうコントロールすべきでしょうか。本記事では、戦略コンサルやファンドなどのエリート業界にも同様の調査を行い、業界ごとの学歴の傾向を比較し、その結果を踏まえ「学歴」との向き合い方を考察します。
→就職活動において、多くの学生が「学歴・学部による有利不利」、「TOEICの点数による有利不利」などの「スクリーニング基準」にばかり目を向ける一方で、どのような人材が求められているかという「採用基準」については無頓着な傾向にあるように感じています。多くの学生が疑問を持つ、「スクリーニング基準」と「採用基準」の違いについて、端的にまとめました。
「志望業界及び企業の難易度」を見極める
続いて、自分の志望する業界及び企業の難易度を判断する必要があります。理由としては、どの業界や企業を目指すのかで内定を貰える確率も大きく変わるからです。
就職活動に確率論を持ち出すのはナンセンスかとは思いますが、単純に倍率が高ければ高いほど、その企業を目指してくる学生のレベルが高ければ高いほど、自分が内定を貰うことができる確率は低くなると、エントリー戦略を考えるにあたっては判断しましょう。
皆さんもご存知のこととは思いますが、世間一般的に内定を貰うことが難しいと言われている業界として、外資系金融、外資系戦略コンサル、総合商社などがその代表例として挙げられます。もっとも、これらの業界だけでなく、採用数の少ない食品メーカーやマスコミ、鉄道、デベロッパーなども人気が高くその倍率は相当なものになることが予想されます。
わざわざ言うまでもないとは思いますが、このような業界の中でも特に業界トップの企業は、2番手以下の企業と比較してその人気も知名度も高く、その倍率も高い傾向にあります。このような難関企業を目指すにあたっては、それなりのリスクヘッジが必要となってきます。
「社風とのマッチング」を見極める
社風に関してですが、これはインターネットで検索したり、就職四季報読んだりするだけでは、推し量ることが難しい部分だと思います。説明会やOB訪問、インターンシップ等を通じて、その会社の社員に複数回会っておくと、どのような社員が多いのか、また会社の雰囲気なども知ることができると思います。
ここで重要なのは、n=1で終わらせるのではなく、なるべく多くの社員と会う機会を創出するということです。
どれだけ時間があってもその会社の社員全員に会うことなどまず不可能です。しかし、なるべく多くの社員に会ってnの数を増やしていくことでその確度も上がっていくことかと思います。
もっとも、これらは自分の感覚や、そのときに合った社員によって大きく左右されかねません。そこで、その会社の社風を知るためには、ビジネスモデルも併せて抑えておくと分かりやすいでしょう。
例えば、生命保険会社は総合職であっても、支店で生保レディと呼ばれる方々をまとめながら営業を行う総合職と本社で事務管理等を行う総合職に分かれていることが多く、これらは同じ会社の総合職であったとしても、その雰囲気は大きく異なります。
このように営業系の会社なのかであったり、事務作業が多い会社なのかであったり、ざっくりと働き方を知っておくだけでも、その会社の社風を見極める一助になると思います。
ここで意識すべきは、自分がどのような働き方をしたいのかを固めるだけでなく、自分の志向やキャラクターはどのような企業と相性が良いのかを推測しておくことです。これは、インターンシップの面接通過率やインターンシップや説明会に来ている社員、内定者、学生をよく観察しておくことでおぼろげながら見えてくると思います。
就職活動においては、自分の意思や希望ももちろん重要です。ただし、就職活動が企業とのマッチングであることを踏まえた場合、自分のキャラクターがどのような社風の企業と相性が良いのかを知り、志望企業を選定することも同様に重要となります。
エントリー戦略の考え方
エントリー戦略を練るに際しては、以下の等式を抑えておく必要があります。
上記の式を簡略化すると内定数=エントリー数×選考通過率となります。
この式から、選考通過率が低い学生が内定を貰うためには、より多くのエントリーが必要となるということが分かります。この「選考通過率」の正確な確率を学生側から知ることはできません。しかし、上記で示した「自分のスペック」、「志望業界及び企業の難易度」、「社風とのマッチング」の3点を見極めることで、定性的かつ定量的な観点から選考通過率を推測することが可能となります。
これを踏まえて、エントリー戦略を練っていきましょう。エントリー戦略において考えるべき点は大きく2つあります。以下で詳しく説明するため、ここでは概要のみを簡単に示します。
まず、どこにエントリーするのか、またエントリーする可能性があるのかをピックアップしていく必要があるため、「エントリー企業の決定」を行います。次に、それらの企業にいつエントリーするのか、時期を分けて考えていく必要があるため、「エントリー時期の分割」を考えていく必要があります。
また、これら2点を考える際に重要なことは、「リスクヘッジ」をしておくということです。ここでいうリスクとは内定が1つも貰えないことを指します。第一志望に内定を貰えなければ就職浪人するという方でもない限り、内定が貰えないリスクを減らしておくに越したことはありません。
それでは、以下詳細を見ていきましょう。
エントリー戦略①:エントリー企業の決定
企業に優先順位をつける
エントリー企業を決めるにあたって、まず優先順位を付けていきましょう。これには、2つの意図があります。
1つ目は、「その企業がなぜその順位に来るのかという理由を自分なりに整理する必要があるため、志望動機の言語化に繋がる」という選考対策的な意図です。
これを行っておくと、何となく憧れだけで企業にエントリーするのを防ぐことができるだけでなく、自分が本当に入りたいのはどこの企業なのか、その理由は何なのかを整理する機会を意図的に創出できます。
優先順位を付けることで、志望する企業の共通項が浮かび上がり、選考でよく問われる「就活の軸」に関する質問にも答えることができるかと思います。漠然と志望企業を羅列するのではなく、論理的に志望企業を整理しましょう。
2つ目は、「志望企業の選考日程が被った際に、どちらを優先するか悩むことに労力を割かなくて良い」という選考効率化的な意味合いです。
3月に入ると、日系大企業の説明会や座談会、OB訪問に面接にと急にスケジュールが埋まり始めます。間違いなく日程の重複も出てくるため、どこの企業を優先してどこの企業を後回しにするのかを考えることは、意外と労力を使います。そのような無駄な疲労をなくすためにも、前もって優先順位を付けましょう。
ただし、大半の企業の説明会や座談会は複数日程用意されていますし、GDや面接に関しても複数の日程の中から希望の日時を選ぶことができることがほとんどであるため、日程重複に関してはそれほど心配する必要はありません。
もっとも、最終面接など選考を重ねていくと囲い込みの意味も兼ねて企業側から一方的に日時指定をされるということは多々あります。そういった際に優先順位を付けておくことで、無駄な労力を割く必要がなく、最終的に複数内定を得た場合にもどこの企業に入社するかを考える一助となることでしょう。
第一志望ではなく「第一志望群」を作る
上記では優先順位をつけろと言っておきながら、第一志望を作るなと言われて矛盾していると思う方もいることでしょう。確かにこの2つは相反しているようにも思われます。
ここで言いたいことは、「1つの企業に強い思い入れを持つことはリスク」ということです。勘違いして頂きたくないのは、企業に対して思い入れを持つことが悪いと言っている訳ではありません。
なぜリスクなのか、ここで少しデータをお示ししたいと思います。
2019年卒の学生を対象にしたキャリタス就活の調査で、「就職決定企業の就職活動開始当初の志望状況」が第一志望の企業であった学生は、37.1%というデータがあります。つまり、4割弱の学生が第一志望の企業に入社しているということです。裏を返すと4割弱の学生しか第一志望の企業に入社できないということです。これを多いと見るか少ないと見るかは皆さんにお任せしますが、事実としては抑えておく必要があります。
話が逸れましたが、第一志望に入ることのできる学生は限られています。そのため、ここで皆さんに勧めたいのは、「第一志望の企業群を作る」ということです。
ある企業にしか入社したくないという学生も、その企業を志望する理由を掘り下げていくと、必ずしもその企業でなければならない理由が特に見当たらないことが往々にしてあります。その学生がやりたいと考えている仕事の大半は、他社においても行うことができますし、その企業にこだわる理由としては「単に好きだから」、「ブランドがあるから」など企業選びを行う上で本質的ではない部分に拘っているからだと見受けられます。
また、就職活動は人間が人間を採用する以上、どうしても面接官とのマッチングや相性の問題が出てきます。これは、言い方を換えると、どのような面接官に当たるか”運”の要素もあるということです。試験と違って、自分一人の努力ではどうにもならないと割り切ることも時には重要です。
その企業への思い入れといった感情も選考においては重要となりますが、一度冷静になって客観的に志望企業について考えてみると、今まで見ていなかった業界、企業についても興味が出てくるかもしれません。上記で示したように、優先順位を付けることで志望企業の共通項を見つけ出すことが出来れば、1つの企業に拘りすぎることなく第一志望企業群を形成することができるでしょう。
必ずこの企業に入らなければならないと自分自身を追い込むのではなく、この企業が仮に駄目でも他の企業でも自分のやりたいことは出来るというように自分に逃げ道を作っておくことも就活においては大事なことです。精神的に余裕を持って就活ができるように、就活に対する考え方についても変える必要があるかもしれません。
エントリー戦略②:エントリー時期の分割
続いて、エントリー時期について考えていきます。エントリー時期に関しては、3つの時期に分割して捉えましょう。就活生は、時期によってエントリーする企業をよく考える必要があります。
時期Ⅰが3月と4月、時期Ⅱが5月、時期Ⅲが6月〜と区分します。以下このように区分した理由について説明していきます。
時期Ⅰ:3月、4月は第一志望群を中心に
ご存知の通り、20卒以降も説明会解禁は3月、面接解禁は6月となっています。
これに合わせて、3月から多くの大企業で説明会や座談会等の予約が開始されます。また、”面談”と称して、実質的な面接選考も4月頃から始まります。前でも述べたように、説明会や座談会に関しては満席になったとしても日程が補充されることが多いです。しかし、面談や面接についてはあらかじめ枠が決まっている場合もあるため、志望度の高い企業からエントリーしていくことはマストです。
大半の企業がESの締め切りを複数期間設けていることが多いです。当然ながら志望度の高い企業は第一締切でESを提出するように心がけましょう。理由としては、企業はあらかじめ採用予定数を定めています。余程の事情がない限り、この人数が変わることはありません。そのため、内々定を出した学生が採用予定数に達した時点で企業が採用活動を中止することも可能性としては考えられます。したがって、選考への参加は早いに越したことはなく、志望度が高い企業から順に受けていきましょう。
繰り返しになりますが、3月、4月はESの第一締切が多くの企業で設定されています。締切を公表していない企業に関しても、ESを提出した学生から面談の案内をしていることがほとんどです。まずは、志望度の高い第一志望群の企業に可能な限りエントリーし、ESを提出しましょう。
更に、第一志望群だけでなく、少しでも興味がある企業、行きたいと思える企業に関してもこの段階でエントリーをしておくことをおすすめします。
時期Ⅱ:人気企業は5月がラストチャンス
5月にもなると、第一締切、第二締切で提出したESやウェブテストの結果が判明しているため、この時点で追加提出すべきかどうかの判断をすることが出来ます。
また、ESの最終締切は5月に設けられている場合が多いです。そのため、ここを逃してしまうと選考参加が不可能となってしまう企業もあります。必ず、出し忘れのないよう注意しましょう。
ESやウェブテスト、GDの結果が奮わなかったという方は、必ず5月までに追加エントリーを済ませましょう。個人差はあると思いますが、5月は説明会への参加なども落ち着いてくるため、3月や4月に比べて比較的時間があります。
面接選考の対策をしたとしても、新しくESを出す時間も確保できると思いますので、不安な方はESの追加提出をしましょう。
5月以降に興味がある企業が出てきたとしても、多くの企業は追加でエントリーを募集することは基本的にありません。人気企業になればなるほど、追加募集の可能性は下がります。
時期Ⅲ:6月以降は他業界も視野に
6月からは面接が解禁されるため、多くの企業が6/1から大々的に面接選考を開始します。とはいえ、5月までに行われた面談=面接であるため、6/1に内々定を出すといった企業も多いです。
6月の第1週までには、ほとんどの企業が内々定を出します。少なくとも中旬までには内々定が出揃うことになると思います。複数内定を獲得した学生に関しては、後はどこの企業に入社するかを決定するだけとなります。
しかし、残念ながら6月に入っても内々定を得られなかった学生や納得のいく内々定が得られなかった学生は、仕切り直して就活に取り組む必要があります。
一定数以上のエントリーをしたにも関わらず、内々定が得られなかった理由の一つに、その業界との相性が悪かったということが考えられます。大学の専攻やその学生の雰囲気など相性を判断する要素は様々あるため、一概には言えませんが、そのような場合は他業界にも目を向ける必要があるかと思います。場合によっては、再び業界研究、企業研究をしなければならないこともあるでしょう。
しかしながら、6月までに内々定を貰えなかったからといって悲観的になる必要はありません。すべての企業がまだ採用活動をしているとは限りませんが、大手企業であっても継続して採用活動を行っている企業はあります。6月までの反省を生かしつつ、気持ちを切り替えることが重要です。
キャリタス就活によると、2019年の6月1日時点で内定を得ていた学生は、全体の65.7%、7月1日時点では81.1%です。また、内定を得ている学生のうち就職先を決定し活動終了した学生は、6月1日で47.7%、7月1日で78.2%となっています。
つまり、6月1日時点で内定を得て就職活動を終了した学生は全体の約3割、7月1日時点では約6割となっており、7月以降も就職活動を続けている学生は少なからずいることが分かります。そのため、6月までに内々定を貰うことが出来なかったとしても、過度に焦る必要はありません。
また、下記のunistyleの記事をご覧ください。上記で示してきたエントリー戦略の考え方やエントリー時期の分割の理由について、より詳細に記載されています。
→エントリー戦略とは「様々な業界を知った上で複数内定を得る」という短期目標のスタートとなる重要な戦略であり、学生にとっては最初に考え始めなければならないものです。本記事では、個々の学生がどの業界・どの企業をどれだけ受けるべきかということについて話をすることで計画立案の一助としてもらいたいと思います。
エントリー戦略③:リスクヘッジ
前にも述べましたが、ここでいうリスクとは内定が1つも貰えないことを指しています。更に言うと、6月までに内定を貰えないリスクを減少させるするための方法を以下示していきたいと思います。
常時30社以上は確保すべき
上記で示した「内定数=エントリー数×選考通過率」という等式を思い出してください。
選考通過率を上げる努力は既に行っているとして、内定の”質”には拘らずに”量”だけを増やすとするならば、エントリー数をとにかく増やせば良いということが分かります。内定確保のためには、一定数以上のエントリー数が必要であるとお分かり頂けると思います。
エントリー数に関しては、毎年多い学生で100社以上エントリーをしている学生がいます。この100社が多いか少ないかはご自身の事情を総合的に鑑みて判断して頂ければ良いと思います。
ただ、100社の面接を同時期に進めることはほぼ不可能であるため、上記に示したように時期ごとにエントリーを分けるべきでしょう。
ここで重要なのは、常時30社以上の選考を進められる状況を作っておくことです。これは、30社以上にESを提出して面接に進むことのできる状況を作っておくということです。
もっとも、可能な方は30社以上並行して選考を受けても構いませんし、難しいという方は20社程度でも構わないと思います。ここで示した30社というのは、あくまで筆者の経験や周囲の学生の話に基づいて算出した参考値にすぎません。ご自身の状況に合わせて判断しましょう。
以下、具体的にエントリーの仕方を示していきます。
まず就活解禁同時に最低30社にエントリーを行い、ESを提出します。ここで、10社にESで落ちてしまった場合は、更に追加で10社にES提出を行います。
続いて、ESが通過した20社のうち1次面接で10社に落ちたとします。その場合は、更に追加で10社にESを提出します。このように落ちた企業の数だけ、新しく企業を補充していきましょう。
繰り返しになりますが、常時30社以上に選考を受けられる準備をしておくということが重要です。たとえ最終選考まで進んだ企業が10社あったとしても、コンスタントに30社以上は保持し続けましょう。なぜなら、最終選考で10社とも落ちてしまう可能性が十二分にあるからです。
実際に、そのような学生も沢山いますし、総合商社など人気の業界では最終面接であってもかなりの人数が落とされます。内々定を言い渡されるまで気を引き締めましょう。
また、企業のエントリー数に関しては様々な意見がありますが、以下記事では、100社以上にエントリーすべきと言及しています。この記事では、業界分散やエントリー数などエントリー戦略の実践についても、記載しています。
もっとも、これは学歴や既に内定を持っているか否かなど、個人差が非常に大きく一概には言えないため、あくまで一般論としてご覧ください。
→本記事では、青山学院大学経済学部三年に一浪を経て入学した田中太郎くんという架空の学生をもとに、具体的なエントリー戦略を提示していきます。田中くんの興味の変遷やエントリー企業をピックアップするまでが時系列に記載されているため、非常にイメージが湧きやすくご自身の就活にそのまま活かすことができる内容となっています。エントリー企業に関しては、実際の企業名も出して説明しているため、就活生には興味深い記事かと思います。息抜きも兼ねてぜひご覧ください。
業界分散でリスク分散
エントリー社数を一定数確保しておくこと同様、業界分散もリスクヘッジの上では重要となります。
前にも少し触れましたが、就職活動において業界との適性は無視できません。仮に適性のない業界から内定を貰い、入社したとしても、良いことは一つもありません。
就活を終えた学生からよく聞くのは、「メーカーからは複数企業から内定を貰えたけど、金融からは一つも貰えなかった」や「IT業界の選考は順調に進んだのに、インフラ業界の選考は全然進まなかった」という、この業界の選考はうまくいったが、他の業界はうまくいかなかったという意見です。
これは、その業界の採用数や倍率、その学生の専攻や語学力なども大きく関係しているとは考えられますが、同様に”適性”による影響も大きいと考えられます。
自分では、この業界に適性があると思っていても、実際は他の業界との適性があったという学生は沢山いることでしょう。そのような新たな気づきを増やすためにも、業界に関しては一つに絞り込むのではなく、複数業界に分散してエントリーすることをおすすめします。
早期内定で就活効率化
外資やベンチャーなどは、経団連のルールが適用されないため、早期に選考を行い内定を出します。早いところだと大学3年の夏頃に内定を出す企業もあるようです。早期内定は、心理的精神的余裕が生まれるだけでなく、就職活動の効率化を図ることができます。
外資系金融などは、レベルが高く選考の難易度も高い傾向にあるため、就職活動を始めたばかりの学生は敬遠しがちな印象です。確かに、外銀などは選考内容も厳しくジョブと呼ばれる複数日に及ぶインターンシップで成果を出せなければ内定を獲得することは出来ません。ベンチャーに関してもインターンシップを通し評価されるものが多く、参加するハードルが高いように思えます。
しかし、早期に内定を獲得できれば、自信に繋がるだけでなく、その企業より行きたいと思えない企業に関しては選考を受ける必要がなくなるために、その後の就活を効率的かつ余裕を持って進めることができます。
仮に、内定を貰えなかったとしても失うものは何もなく、むしろ優秀な学生とのコネクションを持つことができるため、選考情報の共有などで以降の就活に有利に働くことは間違いないでしょう。
また、優秀な学生とともにワークに取り組むということは、自分の能力を客観的に判断する上でも役立ちます。上には上がいることを知る良い機会だと考えましょう。
ここまで述べてきたように、早期内定を出す企業に挑戦することでその後の就職活動を有利に進めることが出来ます。自分の実力を試すという観点からも、物怖じすることなく、挑戦していくことが大事です。
番外編:3/1クリック戦争には参加すべきか?
3/1に迫る就職説明会解禁、別名クリック戦争。
もはや、春の訪れを知らせる風物詩ともいえますが、これは就活解禁に合わせてリクナビやマイナビなどの大手就活サイトが開設され、企業の説明会や座談会予約のために多くの学生が夜通しクリックをし続けることを表したものです。
このクリック戦争に参加すべきか否か。
答えから言うと、参加する必要はありません。早く寝て次の日に備えましょう。
”お祭り感”を味わいたい人は参加しても良いと思いますが、何度も言うように説明会等の日程は補充追加されるため、満員になっていたとしても焦る必要はありません。どうしてもすぐに説明会に参加したい企業があるならば数社だけエントリーを済ませても良いと思います。また、すぐ満員になってしまって追加日程もない場合の最終手段としては、メールや電話で直接人事に連絡をしましょう。大抵の場合、参加させてくれます。
もっとも、効率的に就職活動を行いたい学生は、本当にその説明会に参加する必要があるのかを考えるべきでしょう。
一部の保険会社などはスタンプラリーと呼ばれているように説明会等への参加が求められますが、ほとんどの企業では参加しただけで選考に有利になることなどまずありません。場合によっては、説明会に参加するよりもESを作成した方が時間を有効活用できるかもしれません。
したがって、自分にとって参加するメリットがあるかをよく考えた上で効率的に活動しましょう。以下にunistyleの説明会関連の記事をご紹介しておきますので、興味がある方はご覧ください。
→本記事では、合同説明会・企業説明会にまつわる疑問をすべて解消するとともに、unistyleが考える合同説明会・企業説明会の活用方法を提案します。
→就職活動において説明会と言いながら、その参加によって本選考やリクルーター面接がスタートする大手企業があります。また、説明会に参加した「数」を考慮する企業さえあるようです。本記事では、15卒の学生がその経験から参加した方が良い大手企業説明会についてピックアップし、紹介していきます。
最後に
本稿では、エントリー戦略の考え方から実際にどのような戦略を立てるべきか考えてきました。
就職活動において、”絶対”に内定が貰える方法などまずありませんが、努力次第では限りなく”絶対”に近づけることも可能であると考えています。
まずは自分が置かれた状況を正しく把握し、その上で戦略を練っていくことが重要です。自分の希望や願望だけで動くのではなく、客観的に自分自身を見て自分に何が足りないのか、リスクを鑑みた上でどう行動すべきなのかを判断しましょう。
就活解禁が迫った今、何を行うべきなのかをご自身で再考してみてください。