デンソーの選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで

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最終更新日:2022年02月02日

自動車の未来、4つの論点。三井物産が欧州EV事業に参入【unistyle業界ニュース】」の記事でも紹介した通り、業界を取りまく環境は近年大きく変化しています。

例えば、今後EVが普及していけば、現在の乗用車で用いられている部品の半分以上(あるいはそれよりもずっと多い)は不要になるとも言われています。

今回は、トヨタグループの自動車部品メーカーとして名を馳せるデンソーについて取り上げます。この記事を読めば、国内最大の自動車部品メーカーデンソーからの内定獲得に一歩・二歩と近づくことができます。

本選考とインターンの締め切り情報

デンソーが掲げる、求める人物像

まずはデンソーの採用情報を見ることで求める人物像を探っていきます。

自ら学び、自ら考え、新たな価値の実現に向けて挑戦し続けていく人材

 

グローバル化やIT化の進展により、急速に変化し続ける社会。

その中でデンソーが世の中へ新たな価値を持続的に提供していくためには、
自ら社会の変化を敏感に察知し、将来求められるニーズを考え、
その実現に向け様々な壁を越えていける人材が不可欠だと考えています。

 

仕事の中で実現したい夢・志を持ち、
高い目標へ挑戦し続けていく

 

強い好奇心を持って広く物事を学び、
前提や常識にとらわれず柔軟に発想する

 

周囲と一歩踏み込んだコミュニケーションを行い、
互いの個性を高め合う

 

このような考え・姿勢を持った多くのメンバーたちが集まり、
その総智・総力が、次のデンソー、そして新たな社会を切り拓いていくと、私たちは信じています。

 

出典:デンソーが求める人物像

採用ホームページに掲載されている求める人物像を参照すると、「自ら学び、自ら考え、新たな価値の実現に向けて挑戦し続けていく人材」とかなり明確な定義がなされています。

その後に続く文章も読み取りつつ、求める人物像を抽出すると、上記2つの素養が、デンソーでは求められているとまとめることができます。

デンソーのビジネスモデル

ここでは収入源・扱う商材・商材の提供方法という項目ごとに、デンソーのビジネスモデルを説明します。

デンソーの収入源、扱う商材

トヨタ自動車を始めとした完成車メーカーと扱う商材は当然異なる一方、メーカーである以上、「モノを売ってその対価を得る」というビジネスモデルの全体像は変わりません。自社で製造した自動車部品を、組み立てを行うメーカーに販売することが自動車部品メーカーのビジネスの基本になります。

自動車に携わる各業界のフローを示すとだいたい上記のようになるでしょう。

ビジネスフローの中でも上流に位置する自動車部品メーカーでは、自社製品が幅広い車種の完成車の稼働にまで影響を及ぼす点が特徴だと言えるでしょう。

トヨタグループの企業である以上トヨタ自動車との取引割合は高いですが、日産・ホンダといった他社メーカーへも自社部品を提供しています。

株式会社デンソー2017年3月期決算説明会資料」をもとにunistyle作成。

実際、2017年度3月期の決算資料を参照しても、売上収益ベースでトヨタグループ内とグループ外の数値は大差ありません。

デンソーの商材・サービスの提供方法

先述の通り、デンソーが製造した自動車部品はトヨタグループ内外の企業に向けて提供されます。

細かく見れば扱う商材は非常に多岐にわたり選択肢も多いため、自社のモノベースの提案になりがちなメーカーの営業の中でも、相手方のニーズを汲み取って自社商材から最適な提案をしていくことがいっそう求められるでしょう。

ビジネスモデルに基づく仕事内容

事務系採用の場合最も働き方として考えられるのは営業かと思われますが、デンソーでは新卒採用の段階から配属の可能性がある職種は多岐に渡ります。(入社後もジョブローテーションが推進されており、複数の職種に携わる機会は多いと考えます)

◎生産管理
調達・製造現場・営業担当といった職種の間に入り最適な生産計画を策定・実行支援・管理をする職種です。

部品メーカーからの供給が途絶えれば完成車メーカーの製造体制(あるいはその先の販売店にまで)影響を及ぼすため、大規模なメーカーとして安定的なアウトプットをしていくうえでは欠かせない職種と言えるでしょう。

事務系の中でもモノづくりの現場に最も向き合った働き方としていわば生産の司令塔とも言える職種である一方で、工場外の関係者との利害も調整し、全体最適を実現するための働きかけが求められます。

◎調達
自動車部品を製造するにあたって必要となる資材を確保し現場へと届ける職種です。

調達・購買の最大の役割はコストダウンである一方、自動車業界の流れの上流中の上流の役割として、購買結果が最終製品の質にまで影響を与えることを考慮しながら意思決定を行っていく必要があるでしょう。もちろん、製造現場への原料の安定供給が価格交渉の前提になります。

「いくらで買うか」の中でも、集中購買の提案から原料単価を下げるなど、調達先・工場関係者の状況を鑑みながら施策を練っていく必要があります。

◎営業
クライアントとの直接のコミュニケーションの窓口として、これまで多数の関係者によって作り出された製品を届けていく職種です。

典型的なtoBの働き方として、他社メーカーのアウトプットにプラスの影響を与えることができるような提案内容を論理的に組み立てることが必要になります。

相手方のニーズと社内ニーズの双方を満たすために、「何を」「いくらで」売るかを調整しながら筋道立てて考え、行動に移すことが求められます。

ちなみに、「5回のなぜを繰り返す」ことで有名なトヨタ思考法に近い形で、以下のような話もあるようです。

それゆえ、新入社員のころから「お前はどう考えるのか?」「なぜを3 回繰り返したか?」と常に問われ続けます。

 

出典:デンソー新卒採用 社員3営業

デンソーが求める素養

ここまでビジネスモデルと仕事内容を理解しておけば、採用メッセージに記載された求める人物像を釈することができます。

①急速な変化を遂げる社会に対応し、柔軟な発想ができる人材

冒頭で述べたEVの話のように、自動車部品メーカーを取りまく環境は今後も大きく変化していくことが予想されます。

例えば、就活生の皆さんも普通免許を取得する際にMT(マニュアルトランスミッション)とAT(オートマチックトランスミッション)のどちらを選択するか考えたことがある方はいるでしょうが、EVが普及すればMT・ATという概念すら無くなることになります。すなわち、トランスミッション用の部品ですら不要になるということです。

それだけ大きい環境変化の中で、「トヨタ本体からの需要を待っていればいい」という現状維持・待ちの姿勢では、企業の衰退を意味するに他なりません。

次世代型の自動車の開発によって創出される新たな部品需要なども常に先読みし、柔軟に対応していくことが今後の自動車部品メーカーには求められています。

中でもデンソーは、トヨタグループで唯一トヨタ自動車からの社長を受けて入れていないことなどもあり、メーカー系列系の中では独立色が強い企業と指摘されています。

グループ外のあらゆる企業へ自社製品を提供しているぶん、対応力柔軟な発想という素養はより強く求められていると言えるでしょう。

②自ら学び、考え、行動し、困難を乗り越えていける人材

こちらは①とかなり関連する内容で、主体性から起因されるリーダーシップが求められているのだと考えられます。

例えば先ほど"生産の司令塔"と称した生産管理の仕事では、工場内の現場担当者だけでなく、調達・営業といったプレーヤーを巻き込んで、製造現場を動かしていく必要があります。

そして、「自ら学び・考え・行動する」姿勢が、①で触れた環境変化に対応した時代に対する先読みの姿勢、及びその変化を乗り越えていくことに寄与するのではないでしょうか。

デンソーの本選考フロー、採用数

本選考フロー

まずは本選考フローについて紹介します。

デンソーは総合職と実務職に分かれていますが、選考フローは両方共同じ形式で進んでいきます。

以下がその流れです。

エントリーシート・SPI
 ⬇
マッチング面談(複数回)
 ⬇
最終面接

各々の詳しい対策は後述しますので、ここでは各選考の概要を説明していきます。

・エントリーシート
学生時代頑張ったことの深掘りやゼミのテーマについてなどオーソドックスな内容が中心になります。

この内容は面談でも深掘りされるので、先ほどの社員の声にあるような「なぜ?」を繰り返して自分の言葉で説明できるようにする必要があります。

・マッチング面談
回数は就活生によって異なりますが1〜2回の面接が行われます。

基本的にESの内容に沿ってその深掘りを中心に進みます。

・最終面接
入社後どのような部署で活躍したいか、志望動機などデンソーに関することが多く聞かれます。

最終ということもあってかこれまでよりも雰囲気が固めになったと感じた就活生が多いそうです。

採用数

就職四季報によると直近の男女・職務別採用実績は以下のようになっています。自動車部品で世界首位級の規模の企業ということもあってか、新卒の採用数も同業界首位の規模で、年々増加傾向となっています。

今後この増加傾向が続くかは不透明ですが、ここから大きく減少することは考えづらく、翌年以降もこの規模の採用が見込まれるでしょう。

続いて男女・文理別採用実績です。この表では修士・博士は大卒に含まれています。(学部卒か院卒・博士卒かは区別されていません)

男女比はほぼ一定に推移しており、理系の学生が大半を占める流れは今後も変化はないでしょう。

デンソーの本選考エントリーシート対策

デンソーの18卒新卒採用のエントリーシート設問は以下の通りでした。

共通設問

(1)-1大学生活での大きなチャレンジ内容をご記入ください。
 目標をお答えください。 1文字以上30文字以下
(1)-2その目標に取り組んだ理由を教えてください。 1文字以上200文字以下
(1)-3その目標を達成するために、どのように考え、行動しましたか? 1文字以上300文字以下
(1)-4結果はどうでしたか?また、得たものはありましたか? 1文字以上150文字以下

事務系総合職独自の設問

(1)専攻テーマをお答えください。 1文字以上100文字以下
(2)-1あなたはゼミ・サークル等のグループの中で、どのような役割を担うことが多いですか。また、その役割を発揮した具体的なエピソードをご記入ください。 役割をお答えください。 1文字以上30文字以下
(2)-2具体的エピソードをお答えください。 1文字以上300文字以下

技術系総合職独自の設問

(1)-1取り組んでいる研究(研究に着手していない方は、今後取り組んでいこうと考えているテーマ、もしくは得意な科目)について記入ください。 
    研究テーマ(研究に着手していない方は、今後取り組んでいこうと思っているテーマ、もしくは得意な科目) 1文字以上40文字以下
(1)-2具体的な内容について記入ください。 1文字以上400文字以下

求められる素養を踏まえたエントリーシート回答方針考察

◆全体の設問感
事務系・技術系共通しているのが、学生時代頑張ったことについて小問に分けて問われている設問です。
こちらは、「ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-」に書かれたフレームワークである①結論→②動機→③目標と困難→④取組みと結果→⑤人柄→⑥学びに照らし合わせると、

(1)-1③目標
(1)-2②動機
(1)-3④取組み
(1)-4④⑥結果・学び

にそれぞれ対応しています。
順序こそ異なれ、フレームワークに沿った誘導がついている点は特徴的と言えます。

大学での専攻内容についても両者で問われていますが、技術系の方がESから詳細な記述が求められ、重視されていると考えられます。

事務系では独自に「集団での役割」も問われており、学生の思考や人柄をより深く探ろうとする意図が窺えます。


◆求められる素養と結びつけた回答方針
学生時代頑張ったことについてはかなり詳細に記述することができるため、

①急速な変化を遂げる社会に対応し、柔軟な発想ができる人材
②自ら学び、考え、行動し、困難を乗り越えていける人材

というデンソーが求める素養を複合的に示せるといいでしょう。

すなわち、学生時代の経験から、「自身の柔軟な発想から主体的に行動し困難を乗り越えた経験」を抽出し、小問ごとに素養をアピールしましょう。

また、事務系の「集団での役割」の設問から①②の素養に寄せることも可能でしょう。一方で、この手の設問では「面接官が面接の場で受ける学生の印象」との間で大きく乖離がないことが前提になりますので、無理に求める人物像に寄せすぎる必要はなく、実体験ベースで他者が見ても妥当と思われる記述を心がけるべきです。

デンソーの本選考Webテスト対策

デンソーの本選考ではテストセンターでのSPI試験が課されます。

以下がその概要になります。

構成は基本的なSPIテストで、内容も言語非言語・性格のみとなっています。

ボーダーも高くないと感じている就活生が多く、一般的なSPIの問題集で対策すれば通過は難しくないでしょう。

SPIの対策は以下の記事を参考にすることをおすすめします。

デンソーの本選考面接対策

こちらでは、デンソーの過去の面接で問われた質問内容、及び各段階での対策方針をお伝えします。

一次・二次面接過去問

◆過去の経験についての質問
・ESで書いた順番に沿って学生時代頑張ったことを深掘り
・ES記載の経験以外で学生時代頑張ったこと

◆あなた自身に関する質問
・自己紹介
・特技について

◆志望動機に関する質問
・デンソーでやりたい仕事
・就職活動の状況
・逆質問

◆学業に関する質問
・研究内容の説明と深堀り
→何を目指した研究か?どういった工夫を加えたか?なぜそれを工夫したか? 等

事務系・技術系共に、ESで記載した学生時代頑張ったことについてはほぼ間違いなく問われます。一方で、「一次面接ではESは見ていないようだった」という内定者の声もあり、記載した内容を自分の中で言語化できるようにはしておくべきだと考えられます。

また、ESでは一つの経験について小問で詳しく説明するという形式が取られていましたが、それ以外についても深掘りがなされるようです。複数エピソードについて、ESと同様に小問ごとに記述して自分の中で整理しておくといいでしょう。

技術系では研究テーマについてが最大の焦点となるようで、単なる概要だけでなく、実験の手順を一から順に答えさせるなど詳細な言及が求められます。

最終面接過去問

◆過去の経験についての質問
・失敗体験

◆志望動機に関する質問
・他に受けている企業
・海外勤務についてどう考えているか
・地方転勤に問題はないか
・志望部署とその部署でやりたい仕事

◆学業に関する質問
・研究内容の説明と深堀り
→どのような分野に応用されるか?なぜその研究の道を選んだか?

◆その他の質問
・インターンの感想

最終面接では志望動機について深掘りが厳しくなる企業が多い中で、デンソーでは学生時代頑張ったことやあなた自身についても含め網羅的に質問がなされます。

一方、各回答には必ずと言っていいほど深掘りをされ、「二次選考の時よりもESの深掘りがえげつなかった」という声もあるほどそのレベルは高いようです。

一方技術職ではこちらでもやはり研究テーマがメイントピックになりそうです。特に研究そのものではなく、「なぜその研究の道を選んだのか」のような背景にまで踏み込んだ質問も投げ掛けられます。

その分野についての専門知識を深めることはもちろん、社会やデンソーへの活かし方研究に対する取組み姿勢や動機も含め考えを深めておくべきでしょう。

最後に


以上、ここまでデンソーの本選考対策プランをお伝えしていきました。

特にESの学生時代頑張ったことについては、フレームワークに沿った基本的な型が身につくいい誘導がついているとも言えるため、志望度に関係なく小問ごとに一度問いてみると他社の選考に少なからず活きてくるでしょう。

▼デンソーについての他記事・エントリーシート・選考体験については以下のリンクよりご参照ください。

参考:デンソーの企業研究
→デンソーの記事、本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。

▼トヨタ自動車の本選考対策については以下の記事も合わせて参考にしてください。

参考:トヨタ自動車の採用情報から考えるES・テスト・面接対策
→上記記事ではトヨタ自動車の本選考対策について提示します。

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