【日本製鉄(旧:新日鐵住金)】選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで

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最終更新日:2023年09月26日

新日鐵住金の本選考ES一覧はこちら

日産自動車の無資格検査・商工中金の不正融資問題・ゼネコン各社の大規模談合...2017年下半期は相次ぐ日系大企業の不祥事が話題になりました。

中でもインパクトが強かった不祥事の一つが神戸製鋼所の性能データ改ざんではないでしょうか。
鉄道・航空機など人々の命にも関わる分野で強度・耐久性データが改ざんされていたことは、日本のモノづくりプレゼンスの根底を揺るがす事項だったと言えるかもしれません。

さて、そんな神戸製鋼所が属する鉄鋼メーカーで、国内最大の粗鋼生産量・売上高を誇る企業が新日鐵住金です。
新日本製鉄と住友金属工業が合併して設立された同社は、一般に「体育会系の社風」とも呼ばれるなど業界内でも特徴を発揮しています。

世界的な供給過剰など先行きが不透明な点もある鉄鋼メーカーですが、冒頭のような背景もあり業界内では19卒で同社の人気が高まる可能性も考えられるでしょう。

以下では、新日鐵住金の本選考フローをくぐり抜けるうえで必要な事前知識や攻略法について紹介していきます。

本選考とインターンの締め切り情報

新日鐵住金が掲げる、求める人材像

当社は、技術革新の一つとして、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けCO2削減に資する環境調和型製鉄プロセス技術開発を主導し推進しています。
(中略)

私たちは、持てる英知を結集し、こうした技術革新を長期的な視点で一つひとつ積み重ね、困難な課題の克服にチャレンジしていきます。

 

(中略)

私たち新日鉄住金は、創業以来、数々の大きな環境変化と対峙してきました。
その度に問題を分析し、対策を立て、一丸となってそれを実行し、課題を解決するというプロセスを、愚直にそして熱意をもって取り組み、成長を持続してきました。

 

自らの可能性を最大限に発揮し、安全・環境・防災・コンプライアンスを基本に、今よりももっと人々の生活を豊かにする技術・製品を生み出し、よりグローバルなステージで社会に貢献していくことを目指してまいります。

 

出典:新日鐵住金 トップメッセージ

2018年2月時点では、採用担当者が直接述べるような求める人材像は明確には打ち出されていませんでした。

ここでは進藤社長のメッセージを引用しながら求める人物像を抽出します。
トップメッセージをまとめれば、

以上の3つの素養を持った人材が、新日鐵住金では求められていると考えられます。

新日鐵住金のビジネスモデル

ここでは、素材メーカーという括りにおける新日鐵住金の立ち位置を確認したうえで、扱う商材とその提供方法について解説していきます。

"素材メーカー"の業界分類

トップ企業研究」によると、新日鐵住金は"素材メーカー"に分類されています。

例えば"自動車メーカー"と言われれば自動車を商材として扱うメーカーであることは想像がつくでしょう。一方、素材メーカーは一口に"素材"と言ってもその言葉が指す領域は広く、まずはその業界の位置付けを把握しておく必要があるでしょう。

この図によると、新日鐵住金は素材メーカーの中でも鉄鋼メーカー、さらにその中で高炉メーカーに属することになります。

素材メーカーでは基本的に、原料の調達→商材の生産→取引先メーカーへの提供という流れでビジネスが展開されており、新日鐵住金もその例外ではありません。

新日鐵住金の収入源、扱う商材

当然ではありますが、鉄鋼メーカーの扱う主要商材は"鉄"です。

先ほどの「原料の調達→商材の生産→取引先メーカーへの提供」の流れに沿えば、「鉄鉱石・石灰石・コークスなどの原料を調達→鋼材の生産→取引先メーカーへの提供」というビジネスフローになるでしょう。その取引先メーカーから支払われる対価が、新日鐵住金の核となる収益になります。

鉄鋼メーカーの中でも高炉メーカーは、原料から最終鋼材まで一貫して自社で携わることになります。すなわち、モノづくりの上流と言われる素材メーカーの中でも、上流中の上流から商材に携わることになります。

商材特性として、基礎材料を生産する素材メーカー一般ではプロダクト・ライフサイクルが比較的長く、素材からイノベーション創出の研究成果を出すためには長い年月を要します。中でも高炉メーカーに属する企業の業績を表す際に、「粗鋼生産量」という量的な指標が用いられる点からも、比較的規格変更がなされにくい(差別化しにくいとも言えるかもしれません)商材性質が窺われます。

IR資料を参考に、新日鐵住金の2016年度経常利益のポートフォリオを示すと以下のようになります。2016年度決算説明会資料」をもとにunistyle作成

鉄鋼メーカーは世界的な需要量がそのまま生産量・収益に影響するだけでなく、鉄鉱石を始めとした原料価格の影響も強く受けることになります。これより「景気の変動を受けやすい」とされる同業界ですが、上記のグラフにもあるように、新日鐵住金では経常利益の約8割を主要事業である製鉄で稼ぎ出していることからもこの傾向は顕著に出ると考えられます。この点で、例えば「複合経営」を強みとして打ち出す神戸製鋼所とは性格が異なると言えるでしょう。

複合経営でグローバル競争に打ち勝つ
大手鉄鋼メーカーにおいて、鉄鋼事業以外の事業の割合が最も大きいのが、KOBELCOだ。

 

出典:KOBELCOの強み

新日鐵住金の商材・サービスの提供方法

先述の通り、新日鐵住金のクライアントは鋼材を用いた製品を製造する他社メーカーが中心になります。
「産業の米」と称されることもある鉄はあらゆる産業の基盤となる商材であることから、それだけクライアントの業種は多岐に渡ります。

商材の納入を担う営業担当では、新規営業先を積極的に広げていくというよりは、相手方の需要に沿った安定供給を工場の生産能力なども加味して実現していくことが肝心になります。

新日鐵住金が求める素養

ここまで紹介したビジネスモデルから、進藤社長のトップメッセージから抽出した求める人物像の意味を探っていきます。

①技術革新を起こすうえで、長期的な視点を持てる人材

東レの採用情報から考えるES・テスト・面接対策」でも述べたように、素材からイノベーションを起こすためには長年の研究期間を要します。

また、景気変動や政治・社会情勢に業績の影響を受けやすい鉄鋼メーカーでは、時代を先読みする視点や、取引先メーカーの商材を実際に使うユーザー視点にまで意識を向けるべきだと言えるでしょう。「長期的な視点」にはこういった意味も込められていることから、研究開発職に限らず求められる素養だと考えられます。

私たちは、お客様と常に情報交換を行い、10年、20年先を見据えた研究に取り組んでいます。

 

出典:新日鐵住金採用情報 研究開発

②環境変化に対してメンバー一丸となって対応できる人材

社会の変化がダイレクトに事業にとっての環境変化となりうる鉄鋼メーカーでは、その環境変化に沿った柔軟な対応が求められます。広く見れば鉄という商材自体は限定されますが、クライアントのニーズに沿って提案の内容や現場の動かし方を常に変化させていく必要があるでしょう。

また、以下の社員の声にあるように、工場生産能力や出荷場の状況などモノづくり携わる複数の立場・役割の利害を調整し、横断的に連携していくことが、円滑に事業を遂行していくうえでは不可欠になります。

営業というのは、注文を獲得すればいいという仕事ではありません。
 

工場の生産能力はあるのか、どの順番で作るのが一番効率的なのか、製品を輸出(出荷)するための港は空いているのか等の項目を満たしたうえで、お客様の希望納期に間に合わせるべく、商社、工場、物流部門の人たちと相談しながら注文を受ける必要があります

 

出典:新日鐵住金採用情報 営業(国内)

③課題に対して提案から実行まで熱意を持って行える人材

採用HPの「ビジネスモデル」にあるように、一つのプロジェクトで見ても、商談から納入後のフォローまで一貫して各職種がそれぞれの役割から携わることになります。

原料調達の段階から最終鋼材まで一貫して携わる高炉メーカー、特に新日鐵住金では最終加工まで自社で実行することによるトータルソリューションを打ち出していることから、最後までやり切る姿勢というのは特に重視されていると推測できます。

そして、自分たちの働きかけが、あらゆるプレーヤーの仲介を経て最終的に社会の豊かさに貢献するという思いから、熱意を持ってトータルソリューションに自らの役割から携わることが求められているのではないでしょうか。

鉄鋼製品の最終加工は、一般に、お客さま側で行われることがほとんどです。

 

新日鉄住金は、素材そのものの品質向上とともに、加工技術等も含めたトータルなソリューションの提案を通じて、お客さまの製品の品質向上に貢献しています。

 

出典:トータルソリューションの提供

新日鐵住金の本選考フロー、採用数

次に新日鉄住金の本選考に関する情報を確認していきます。

本選考フロー

新日鉄住金の浸透採用は事務系総合職と技術系総合職の2つの職種を募集しています。
それぞれの本選考フローは下記のようになっています。

【事務系総合職】
合同イベント
 ▼
新日鉄住金主催イベント
 ▼
エントリーシート+Webテスト
 ▼
リクルーター面談(複数回)
 ▼
最終面接

【技術系総合職】
合同イベント
 ▼
新日鉄住金主催イベント
 ▼
エントリーシート+Webテスト
 ▼
リクルーター面談(複数回)
 ▼
最終面接

各選考の対策方針は後ほど詳しくお伝えするので、ここでは概要についてお伝えします。

◆合同イベント
合同イベントや大学別で開催されるセミナーなどのイベントです。採用HPには『選考に関係ありません』と記載されていますが、大学別セミナーではたいていリクルーターがつくので、参加するようにしましょう。

◆新日鐵住金主催イベント
18卒の採用では「シゴト発見セミナー」、「One-day steel college」、「エントリーセミナー」(事務系向け)、「製鉄所見学」(技術系向け)などのセミナーが開催されました。こちらのイベントでもリクルーターがつきます。特に技術系向けの「製鉄所見学」は、選考の大きなウェイトを占めるので、それを意識してイベントに臨みましょう。

【工場見学】 
公式では明記されたいないが、リクルーター曰く選考に対して非常に重要なウェイトを占めているとのこと。 

 

工場は地方であり、技術者との交流がメインになるが、その活動を通したイメージ・人柄などが本社の人事に報告され、最終選考に非常に影響を与えるらしい。(内々定を獲得し、リクルーターからフィードバックをもらった友人談)

 

工場見学中の説明に対する質問の姿勢等、参加の姿勢をよく見られている。

 

工場見学の後に懇親会があるが、これが非常に重要である。 
この場で技術者兼人事も参加するのでアピールしておくべきである。

 

参考:新日鐵住金 本選考レポート(生産技術)

◆エントリーシート
新日鐵住金では、リクルーター面談や面接が多く実施されるため、エントリーシートはその頭出しとなる設問が多いです。
その後の面接を意識した回答を心がけるべきでしょう。
また技術系の採用の場合、学校推薦で選考を受ける場合はエントリーシートは免除されます。

◆Webテスト
SPI形式のテストです。unistyleに寄せられたレポートを見るとあまり重要視していないとの声が多数あります。
こちらも学校推薦の場合は免除されます。

◆リクルーター面談
新日鉄住金ではだいたい5〜6回のリクルーター面談があります。多い人は11回も面談を行ったようです。
この面談で実質の内定が出るようなので、心して臨みましょう。

参考:リクルーターとは?役割や導入企業、面談時に気をつけるべきポイントを解説
→リクルーター、及び面談を解説した記事です。企業側の意図、またそれらを踏まえた対策や心構えを解説しています。

◆最終面接
リクルーター面談で内定を確約してもらい、最終面接では握手だけという方も一定数いらっしゃるようです。
しっかり面接をされた方もいるので、対策を怠らないようにしましょう。

採用数

では次に新日鐵住金の採用数を確認しましょう。
職種は事務系と技術系で分かれて採用がなされていますが、業種自体はまとめて総合職として採用されています。



鉄鋼業界ということもあってか男性の比率が高くなっています。

次に男女・文理別採用実績をみ見ていきましょう。



理系の採用が大多数を占めています。

毎年度一定の採用割合を取る方針が窺えます。

新日鐵住金の本選考エントリーシート対策

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最後に

リクルーター面談を実施する企業は選考の時期が早い企業が多く、新日鐵住金でも本選考解禁を待たずして面談がスタートします。

同社での選考経験が他社の面接でも活きたという話は多かったため、少しでも関心がある場合はまずは合同イベントに参加してみてもいいかもしれません。

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