トヨタ自動車の採用情報から考えるES・テスト・面接対策

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最終更新日:2023年09月12日

トヨタ自動車のSPIのボーダーは?

・多くの内定者が「7割は必要なのでは」と語っている

・トヨタ自動車の通過率に関しては明らかにはなっていない

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日本トップクラスのグローバル・カンパニーであり、世界トップクラスの自動車メーカーとしても名高いトヨタ自動車。

自動車というプロダクト自体の魅力はもちろん、「カンバン」等の生産方式や「”なぜ”を5回くり返せ」と説く思考法など「トヨタ式」業務スタイルへの評価も世界的に高まっており、まさに日本経済のトップに君臨する一流企業であると言えます。

当然ながら就職活動生からの人気も極めて高く、優秀な学生がこぞってエントリーするトヨタ自動車の選考はまさに激戦。

選考に向けて綿密に準備を重ね、高いパフォーマンスを見せた学生だけが内定を勝ち取っています。

本記事では、以下4つのポイントを解説することで、トヨタ自動車から内定を獲得するための選考対策プランをお伝えします。

① トヨタ自動車のビジネスモデル

② トヨタ自動車の求める人材像

③ トヨタ自動車の選考の全体像

④ 各選考ステップで重要になるポイント

この記事さえ読めば、トヨタ自動車の選考を突破するために最低限必要な知識・心構え・スケジュール感覚を網羅することができるはずです。

【本記事の構成】
・トヨタ自動車のビジネスモデル

・トヨタ自動車が求める人材像

・トヨタ自動車の本選考フロー、採用数

・トヨタ自動車のエントリーシート対策

・トヨタ自動車の筆記試験対策

・トヨタ自動車の面接対策

トヨタ自動車のビジネスモデル

まず、トヨタ自動車のビジネスモデルについて、①収益源、②商材・サービス、③商材・サービスの提供方法、以上3つの切り口から解説します。

トヨタ自動車の収益源

ご存知の通り、トヨタ自動車は自動車メーカーです。したがって、収益の大半は「完成車の製造・販売」によって稼ぎ出されます。

トヨタ自動車の商材・サービス

繰り返すようですが、トヨタ自動車の主な商材は完成車です。

「プリウス」などのトヨタ車に加えて高級ラインの「レクサス」を展開するほか、主に軽自動車を手がける「ダイハツ」を完全子会社に抱えており、これらがトヨタ自動車のメイン商材であると言えます。

また、本業のクルマ製造のほかにも、トヨタレンタカーや自動車メディア「GAZOO」などの自動車ビジネスを展開しています。

トヨタ自動車の商材・サービスの提供方法

トヨタ自動車は、国内外に数多くの生産・販売拠点を構えており、このグローバルなネットワークを活かしてクルマを製造・販売しています。

トヨタ自動車HPによれば、2016年12月末の時点で28ヶ国/地域に53の海外の製造事業体を展開しており、海外の170ヶ国/地域以上でトヨタ車が流通しているとのことです。

また、トヨタ自動車は「トヨタグループ」の中核企業でもあり、以下のようなグループ企業と連携して強大な規模感と支配力を持ったビジネスを展開しています。

【トヨタグループ企業(例)】
デンソー(自動車部品:同市場で世界シェア1位)
アイシン精機(自動車部品)
豊田通商(総合商社)
豊田自動織機(機械・部品)

トヨタ自動車の求める素養

上記のビジネスモデルを踏まえて、トヨタ自動車がどんな素養をもつ人物を求めているか、考察してみましょう。

トヨタ自動車は、その採用HPのなかで2つのポイントに絞って「求める人材像」を定義しています。

以下では、トヨタ自動車が公表している2つの「求める人材像」をベースに、トヨタ自動車のビジネスモデルとunistyleからのアドバイスを絡めたかたちで解説します。

① 高い目標を掲げて主体的にやり抜く力

いわゆる「やり抜く力」が1つめに挙げられます。

これは(トヨタ自動車の社員に限らず)ビジネスパーソンとして持っておくべき一般的な素養とも言えますが、トヨタ自動車が採用HPでわざわざ言及していることから、同社がこの「やり抜く力」を特に重視していると考えてよいでしょう。

近年、自動車業界はいわゆる「CASE*」のトレンドによって大変革を迎えています。

*Connective(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動)の4つのキーワード。

参考:自動車の未来、4つの論点。三井物産が欧州EV事業に参入【unistyle業界ニュース】
→テクノロジーの発展や生活スタイルの変化により変革期を迎えている自動車業界。参考記事では時代の変化に応じた自動車メーカーや総合商社の動き、自動車業界の未来について提示します。

これまで「トヨタ・ブランド」を武器にグローバル市場でトップシェアを誇ってきたトヨタ自動車も、従来のビジネスモデルに依存したままでは衰退の一途をたどることになりかねません。

フォルクスワーゲン(VW)などの自動車メーカーはもちろん、GoogleやAppleのようなIT企業との競争(あるいは協業)までも念頭において、果敢に新規ビジネスを切り開いていく必要があると言えます。

こうした状況のもとでは、「高い目標を掲げて主体的にやり抜く力」がさらに重要になると考えられるでしょう。

なお、先日トヨタ自動車が発表したモビリティEV「e-Pallete」も話題を呼びました。

② 多様な価値観を尊重して関係者を巻き込む力

2つめに、多様な価値観を持った関係者を巻き込み、ビジネスを推し進める力が挙げられます。

一般的に、乗用車1台は約30,000点の部品が組み立てられることで完成すると言われています。

このような複雑な製品をグローバルに生産・販売するためには、価値観や国籍、年齢を問わずあらゆる人びとを巻き込んで業務を遂行することが求められると考えられます。

このことを考えると、トヨタ自動車の選考では、多様な価値観を持った人びとを巻き込んで共通のゴールを目指した経験などをアピールすべきだと言えるでしょう。

トヨタ自動車の本選考フロー・採用数

本選考フロー

次に本選考フローについて見ていきましょう。

トヨタ自動車の募集職種は事務系コース・技術系コース・業務職コースの3つに分かれており、今回は事務系コースと技術系コースの選考フローについて解説していきます。

技術系・事務系共に選考フローは例年下記の流れが一般的です。

リクルーター面談(4〜6回)

エントリーシート

テストセンター

面接1~2回

内々定

技術系の場合、基本的に学校推薦形式で受ける事になります。学生によっては面接1回で合否が決まる場合もあるそうです。

また、トヨタ自動車はリクルーター制度を採用しており基本的にリクルーター面談を突破した学生にしか内定を出しません。学校別説明会やOBOG懇親会を通してリクルーターが目を付けた学生が徐々に選抜されていくようです。
そのため、ただの企業理解の場だと軽んじず座談会で逆質問を積極的にしたり、アンケートでもトヨタへの想いをびっしり綴るなど積極的にアピールしていく姿勢が重要だと言えます。

また、そのためにも主催されるイベントには出来るだけ参加し、志望度の高さを示せると良いでしょう。

採用数

上記でも述べた通り、トヨタ自動車では下記の3つのコースに分けて募集しています。

①事務系コース
②技術系コース
③業務職コース

採用人数ですが、2019年度の就職四季報によると以下の通りでした。(2018年度は公開されていませんでしたが、例年並みだと考えられます)
こちらは男女文理別の採用実績です。

トヨタ自動車では、大卒に関しては文系の割合の方が多いようです。修士に関しては殆どの割合を理系が占めている事を考えると事務系コースは大卒、技術系コースは院卒といった傾向があると推測出来ます。

そして、こちらが男女職種別の採用実績です。

このように、いわゆる総合職に分類される採用が多くを占めており、業務職採用は女性 に限定されるようです。

トヨタ自動車の本選考エントリーシート対策

2018年卒のトヨタ自動車のエントリーシート(ES)の主な設問は、以下の4つでした。

① 大学時代に最も力を入れて取り組んできたこと〈概要15字+詳細400字〉


② 大学時代にチームを巻き込んで成果を出したエピソード〈概要15字+自分の役割15字+詳細400字〉


③ トヨタの志望動機とやりたい仕事〈400字〉


④ 身近な人から、あなたはどのような人だと言われますか。またそのように言われる理由を具体的に教えてください。〈内容30字+その理由150字〉

以下、対策方針をお伝えします。

ES回答にあたって注意すべきポイント

どれもオーソドックスな内容になっています。学生時代頑張ったこと、自己PR、志望動機の3つを完成させておきましょう。

また、志望動機以外の設問では、まずエピソードの概要などを短い字数で要約し、追ってその内容を詳細に説明する形式がとられています。

ESを作成する前に自分がアピールしたい内容の要旨をシンプルに短く表現しておけば、ES全体のまとまりが良くなるはずです(その意味では、非常に書きやすいフォーマットになっているとも言えます)。

学生時代頑張ったこと・自己PR ・志望動機を書く際には以下の記事を参考にしましょう。

求められる素養を踏まえたES回答プラン

いずれの設問でも、上述の「トヨタ自動車が求める2つの素養」を反映させましょう。

①「大学時代に最も力を入れて取り組んできたこと」ではシンプルな「学生時代頑張ったこと」が問われているのに対して、②の設問では回答内容が「チームを巻き込んで成果を出した経験」に限定されています。

したがって、②の設問では「求められる2つの素養」のうち「多様な価値観を尊重して関係者を巻き込む力」をアピールできるような経験を述べることになります。

このことを考えると、①「学生時代頑張ったこと」、④「どのような人だと言われるか」の2つのいずれかでは「高い目標を掲げて主体的にやり抜く力」のほうを意識した内容を盛り込むとよいでしょう。

また、③「トヨタの志望動機とやりたい仕事」では、トヨタ自動車の業務内容と「学生時代頑張ったこと」の内容とをリンクさせた志望動機を述べられると高評価に繋がります。

トヨタ自動車の本選考筆記試験対策

トヨタ自動車ではリクルーター面談後に筆記試験が課されます。

試験の形式はテストセンターで受験するSPI3という形式の問題です。恐らく学生の皆さんが就職活動において最も受験する機会の多い形式でしょう。

トヨタ自動車の通過率に関しては明らかにはなっていませんが、多くの内定者が「7割は必要なのでは」と語っておりボーダーは比較的高いと考えられます。

またテストセンターでの受検のため、他社で通過した結果を送ることが出来ます。

外資系コンサルや外資系投資銀行などはボーダーが高いとよく耳にするため、そういった企業の試験を通過した結果を保持しておくと安全に突破する事が出来るでしょう。

トヨタ自動車の本選考面接対策

トヨタ自動車の選考フローでは、多くの場合は複数回の大学別リクルーター面談と1〜2回の面接が課されるようです。

以下では、トヨタ自動車のリクルーター面談や面接で実際に問われた内容をまとめるとともに、それらへの対策プランを提示します。

参考:トヨタ自動車のエントリーシート・選考レポート
→トヨタ自動車の本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。

リクルーター面談の内容

トヨタ自動車は基本的に大学ごとの選考経路を設けており、大学のOBが主導するリクルーター面談(場合によってはGDも課される)によって3〜5月のうちから選考が進むようです。

以下、リクルーター面談での質問内容です。

◆過去の経験に対する質問

・大学時代に一番力を入れたことは何か。 

・なぜその活動に力を入れたか。 

・そこで直面した困難は何か。

など、学生時代頑張ったことを徹底的に深堀りされる。

◆あなた自身に対する質問

・自己紹介

・自己PR

◆志望動機に対する質問

・トヨタ自動車への志望動機

・就職活動の軸は何か。

◆その他の質問
・逆質問

どれも非常にオーソドックスなものですが、そのぶん「学生時代頑張ったこと」「自己PR」「志望動機」の3つについては徹底して深堀りされることになります(ここでもトヨタ式の「なぜ?を5回くり返す」が活用されています!)。

厳しい深堀りに対してもクリアな回答を提示できるよう、上記の3つのポイントについてはリクルーター面談に臨む前に必ず「5回のなぜ」を自問自答し、整理しておくべきでしょう。

【例】野球部の主将として新しい制度をつくった

Q. なぜそのようなやり方をしたか?

A. 〇〇が課題だと考えたから

     ↓

Q. なぜ〇〇が課題だと考えたか?

A. チームが××だと感じていたから

     ↓

Q. なぜ××だと感じていたか?

A. △△という出来事があったから

     ↓

to be continued….

また、リクルーターは基本的に大学のOBであるため、このあとの役員面接へ向けた準備として「こうやって説明したほうが分かりやすい」などのフィードバックをくれたり、一緒にアピール内容をブラッシュアップしてくれたりするようです。こうした機会はぜひ有効活用しましょう。

リクルーターについては以下の記事で詳しく説明しているので、そちらを参考にしましょう。

最終面接の内容

大学別のリクルーター面接を突破できれば(ほとんどの場合)残すは最終面接だけ、となるようです。

ここでは大学OBではなく役員クラスの社員が面接官になるようですが、質問内容自体はこれまでと同様のものが中心です。

ここまで磨き上げてきた「学生時代頑張ったこと」「自己PR」「志望動機」について自信を持って語ることができれば、内定獲得はもうすぐそこです。

◆過去の経験に対する質問

・大学時代に一番力を入れたことは何か。 

・なぜその活動に力を入れたか。 

・そこで直面した困難は何か。

など、学生時代頑張ったことを徹底的に深堀りされる。

◆あなた自身に対する質問

・自己紹介

・自己PR

◆志望動機に対する質問

・トヨタ自動車への志望動機

・就職活動の軸は何か。

・トヨタ自動車が第一志望か。

・トヨタ自動車から内定が出たら就活はやめるか。

◆その他の質問
・逆質問

ご覧の通り、これといって目新しい内容はありませんが、トヨタ自動車への志望度や入社意思については繰り返し確認されるようです。

ここで内定を獲得するためには、これまでのリクルーター面談でブラッシュアップしてきた「学生時代頑張ったこと」「自己PR」「志望動機」のロジックだけでなく、「トヨタで働きたい」というパッションを伝えることが重要になるでしょう。

最後に:トヨタ自動車に評価されるために

トヨタ自動車の選考では、2つのことが重要になります。

第一に、
① 高い目標を掲げて主体的にやり抜く力
② 多様な価値観を尊重して関係者を巻き込む力

以上2つの素養を、分かりやすくアピールすること。

第二に、
「学生時代頑張ったこと」「自己PR」「志望動機」の3つについて、トヨタ式の「5回のなぜ」に耐えられるだけの完ぺきな準備を行うこと。

トヨタ自動車のリクルーター面談は、早ければ3月ごろから始まるようです。

上記の2つのことを念頭において、早い時期から思考を整理しておくことが内定獲得の秘訣になるでしょう。

▼トヨタ自動車のES・選考レポートは下記からご覧ください。

参考:トヨタ自動車のエントリーシート・選考レポート
→トヨタ自動車の本選考ES・レポート、インターンES・レポートを掲載しています。

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