野村證券の選考フロー別対策|ES・Webテスト・面接まで
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最終更新日:2024年11月14日
メガバンクとの資本関係を持たない独立系証券会社であるにも関わらず、国内の証券業界トップを独走する野村證券。
紛れもなく日本を代表する一流企業のひとつである一方、「数字は人格である」といった格言からもわかる通り、社員個人の営業成績が重視される環境としても名高い企業です。
そうした環境下で生まれた特徴的な逸話も、枚挙にいとまがありません。
最近では、オリンパスの粉飾決算に関与したとして逮捕・起訴された野村證券OBの著書『野村證券第2事業法人部』も大きな話題を呼びました。
本記事をしっかりと読み込んでいただければ、野村證券から内定を勝ち取りためにやるべきことを漏れなく網羅できるはずです。
野村證券のビジネスモデル
まずは野村證券のビジネスモデルについて、(1)収益源、(2)商材・サービス、(3)商材・サービスの提供方法、以上3つの切り口から解説します。
野村證券の収益源
2017年3月期決算によれば、野村證券の収益は主に3つの部門によって稼ぎ出されています。
※数値は税引前当期純利益
1つめは、「営業部門」です。株式や債券など、さまざまな金融商品を個人や中小企業に提供することで販売手数料を得ています。
2つめは、「アセット・マネジメント部門」です。個人投資家や機関投資家などのクライアントに対し、投資信託や投資顧問などの資産運用サービスを提供しています。
3つめは、「ホールセール部門」です。「グローバル・マーケッツ」と「インベストメント・バンキング(IBD)」の2つのビジネスによって構成されており、金融機関や機関投資家、大手企業などの法人が顧客になります。
前者は株式や債券、為替、各種デリバティブの販売・トレーディングを、後者は株式引き受けやM&Aアドバイザリーなどの投資銀行業務を行っています。
これら3つの事業が、野村證券の収益源になっています。
野村證券の商材・サービス
上記でも触れている通り、野村證券は(1)金融商品の販売、(2)金融サービスの提供の双方を事業展開しています。
前者は株式・債券や為替、デリバティブなどの金融商品を販売するビジネスであり、後者は株式の引き受けやM&Aアドバイザリー、財務コンサルティングなどの金融サービスを提供する事業です。
野村證券の商材・サービスの提供方法
野村證券は、強靭な営業力と国内外のネットワークを組み合わせることで、多くの個人・法人に向けて金融商品・金融サービスを提供しています。
自社の金融商品や金融サービスによって大きな収益をあげるうえでは、野村證券の圧倒的な強みと言われる「営業力」がモノを言います。株式などの金融商品は、商品そのもののクオリティで他の証券会社と差別化することが難しいため、営業力がより重要なファクターになります。
「数字が人格」とも言われるほどに徹底した競争環境のもと、各社員が個人・法人に対して営業を行うことで、自社の金融商品・金融サービスを普及させています。
また、日本全国に全158支店を構えるとともに世界各地に事業拠点を展開しており、あらゆる個人・法人とのコンタクトを保持しています。
野村證券の求める人物像
上記のビジネスモデルを踏まえて、野村證券がどんな素養を持つ人物を求めているか、考察してみましょう。
ここで指摘しておきたいのは、以下の2つのポイントです。
(1)個人として成果をあげるためのやり抜く力・タフさ
野村證券では「数字は人格」という熾烈な競争環境のもと、個人としての営業成績が徹底して要求されます。
個人としての成果を数値というエビデンスによって示さなければならないため、個人として自走してやり抜く力やタフネスが重要になるでしょう。
自己PRのエピソードには、部活動などで個人として努力を継続し、具体的な成果をあげることができた経験などをチョイスするとよいでしょう。
(2)信頼関係をもとに顧客のニーズに応える関係構築力・提案力
営業活動のなかで高いバリューを発揮するためには、クライアントと信頼関係を築くこと、そして彼らのニーズに応えるような提案を行うことが重要になります(「営業」と聞くと泥臭いイメージばかりが思い浮かぶ方も多いかもしれませんが、そもそも顧客は信頼できない人から不要なモノを買ったりはしないでしょう)。
関係者のニーズを満たしたことで価値を発揮した経験などをPRし、さらにそれを志望動機へと結びつけることができれば高評価に繋がるはずです。
特定コース志望者に求められる素養
また、インベストメント・バンキング(IBD)コースやグローバル・マーケッツコース、リサーチコースの採用枠では、上記2つの素養に加えて、その職種にマッチするような強みをアピールすべきです。
企業の財務戦略を扱うことになるIBDコースでは論理的思考力や課題解決力が、高度な金融業務を担当するグローバル・マーケッツコース、レポート作成などの専門的業務を行うリサーチコースでは数理能力や専門性が選考のカギを握ることになるでしょう。
野村證券の本選考フロー、採用数
続いて、本選考における内定獲得までのフロー、及び採用数を確認します。
本選考フロー
まずは本選考フローについてです。
野村證券の本選考は営業部門(総合職A)と地域営業職(総合職B)と投資銀行部門(総合職C)に大きく分かれています。ここでは営業部門と投資銀行部門の選考フローを説明します。
エントリーシート
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(リクルーター面談)
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面接(複数回)
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最終面接
営業部門では計算問題の筆記試験、投資銀行部門ではWebテスト(玉手箱)が選考の途中で実施されるようです。その他のフローについては両者に大きな差はないようです。
また、インターンに参加するとリクルーターがつき、 選考を有利に進められることもあります。
採用数
2019年度の就職四季報によると、職種別の採用実績は下記の図のようになっています。
このように、採用人数全体の9割以上が営業部門・地域営業職で占められており、投資銀行部門は狭き門だと読み取れます。
また、総合職A・Cでは男性、総合職Bでは女性の割合が高く、ある程度職種ごとに男女のターゲットを絞っている印象があります。
メガバンクや他の証券会社と同じように、毎年多くの新卒社員を採用していることが分かります。
性別で見れば男女をバランス良く採用していますが、学部卒・院卒で見れば圧倒的に前者の割合が高い点が特徴でしょう。
野村證券のエントリーシート対策
2018年卒の野村證券のエントリーシート(ES)の設問は、以下の通りでした。
※なお、グローバル・マーケッツコース、リサーチコースの両コースについては、本記事では割愛させていただきます。
■ 総合職
◆野村證券だからこそ実現できると考える、あなたの夢や目標について記してください。 〈300文字以内〉
◆最近(3ヵ月以内)関心を持っている出来事、ニュースについて、関心を持っている理由を記入してください。〈400文字以内〉
■ インベストメント・バンキング(IBD)コース
◆野村證券への志望動機を記述してください。〈300字以内〉
◆志望コースを選択した理由を記述してください。〈300文字以内〉
◆最近(過去6か月以内)発表もしくは報道されたM&Aや資金調達(株式、債券、CBなど)の1つを選び、それに対するあなたの意見を記述してください。特に、評価する点と、問題・課題と考える点も挙げるようにしてください。(知識を問う質問ではありませんので、ご自身の自由な意見をお聞かせください。)〈500文字以内〉
◆他人にはないであろう自分のアピールポイント・魅力について記述してください。なぜそれが自分のアピールポイント・魅力だと思うのかも併せて記述してください。〈500文字以内〉
◆あなたは将来どのような人生を送りたいと考えていますか。将来の夢、展望について教えてください。また、「社会人になる」「働く」上で、あなたが一番大切にしたいと思うことはどのようなことか併せて記述してください。〈500文字以内〉
以下、対策方針をお伝えします。
ES回答にあたって注意すべきポイント
「総合職」のESは非常にシンプルです。
1つめの「野村證券でどのような『生き方』を実現したいと考えていますか」は、自己PRと志望動機を組み合わせてシンプルに回答することができれば問題ありません。
時事問題を問う2つめの設問では、面接のときに追加質問を受けることを想定し、あなたが興味がある、あるいは詳しく知っている分野からピックアップするとよいでしょう。
一方「IBDコース」のESは、ややヘビーなものになっています。
志望動機については、「野村證券への志望動機(1つめの設問)」と「IBDコースへの志望動機(2つめの設問)」の両方が問われています。
それぞれを「将来の夢、展望(4つめの設問)」や「自分のアピールポイント・魅力(5つめの設問)」の内容と結びつけ、一貫性のあるESに仕上げる必要があります。
また、「最近のM&Aや資金調達に関する意見」では、実際の出来事について分析・検討し、自分なりの仮説や意見をロジカルに伝えることが求められています。
日常的に経済・金融分野のニュースメディア(日本経済新聞やBloomberg、NewsPicksなど)をチェックしておくとよいでしょう。
一貫性のあるESを書くために以下の記事を参考にすることをおすすめします。
求められる素養を踏まえたES回答プラン
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野村證券のWebテスト、筆記試験対策
野村證券では投資銀行部門ではWebテスト、営業部門では計数問題が筆記試験として課されるようです。
Webテスト
投資銀行部門の採用ではエントリーシート提出と同時にWebテストが課されます。
自宅で受ける形式のWebテスト(玉手箱)です。
unistyle上の本選考レポートによると難易度はそこまで高くないようです。ですが、テストで落ちてしまうのはもったいないかつ他企業でも受験する可能性が高い形式ですので、対策を怠らないようにしましょう。
玉手箱の対策は以下の記事を参考にすることをおすすめします。
→玉手箱に出題される全8形式の例題と、対策方法につて解説しています。
筆記試験
こちらは営業職のみ、二次面接前に課されるようです。内容は簡単な計算問題(分数、小数)です。
「数字は人格」とも言われる野村證券の営業において、この試験でも数字を向き合い1問でも多く姿勢が見られていると推測できます。
野村證券の面接対策
野村證券の選考フローでは、リクルーター面談(リクルーターがつかないケースもあり)と複数回の面接が課されます。
→リクルーター、及び面談を解説した記事です。企業側の意図、またそれらを踏まえた対策や心構えを解説しています。
問われる内容はほとんどがESの内容に沿ったもののようですが、とくにIBDコースの面接では逆質問の時間が極めて長く取られているようです。
野村證券の本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。
リクルーター面談の内容
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一次〜四次面接の内容
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最終面接の内容
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最後に:野村證券に評価されるために
野村證券の選考では、以下の2つのことが重要になります。
第一に、
- 個人として成果をあげるためのやり抜く力・タフさ
- 信頼関係をもとに顧客のニーズに応える関係構築力・提案力
以上2つの素養を分かりやすくアピールすること。
第二に、「なぜ野村證券か」「なぜその仕事がしたいのか」を明確に示せるような志望動機を完成させ、野村證券で働く覚悟と情熱を伝えること。
野村證券の強烈なカルチャーに共感を示しつつ、その環境下で活躍できる人材であることを分かりやすくアピールしましょう。
▼野村證券のES・選考レポートは下記からご覧ください。▼
野村證券の本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。