新聞業界大手6社の違いとは【強み・事業・選考比較】
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最終更新日:2024年11月14日
今回は有名新聞社、紙媒体を発行していないものの新聞社と同様にメディアの役割を担っている共同通信社を取り上げて解説していきます。
新聞業界の事業内容・ビジネスモデル
新聞業界のビジネスモデルとしてはまず、新聞販売・広告収入が主な収入源となっています。
下のグラフは、全国の新聞社の総売上高からどのような比率で売り上げが上がっているのかを調べたものです。
その他収入のところには、大手新聞社で取り組んでいる不動産事業、出版事業等が入ってくるものと思われます。
(一般社団法人日本新聞協会よりunistyle作成)
合わせて8割程度を占める販売収入と広告収入に関しては、以下のグラフにあるように近年減少傾向が止まらず苦しい状況となっています。
こうした背景の中、朝日新聞社では今後の方針として、M&Aや不動産といった新規事業を行っていく方針をとっています。
渡辺社長は「中期経営計画の柱は、経営基盤の強化と成長事業の創出の2つ」とするが、この日の説明会では後者の「成長事業の創出」に焦点が当てられた。成長事業創出の手段として、中期経営計画で挙げられているのは、(1)多彩なコンテンツの活用(2)顧客志向のビジネス展開(3)新たな収益源の確立の3点だ。
「紙の新聞という意味ではダウントレンドにある」と渡辺社長も語るように、新聞の発行部数は年々減少している。
そんな状況の中では、特に「新たな収益源の確立」が重要となる。朝日新聞の中期経営計画では、新たな収益源として「不動産売上高の増大」「成長分野への事業拡大」「M&Aで新たな成長」の3つが掲げられた。
引用:BLOGOS編集部 朝日新聞、不動産とM&Aで「売上3000億円めざす」 渡辺社長「ベンチャーの気概で新しい時代に対応したい」
このように、今後は各社ビジネスモデルの変化が見られるかもしれません。
一方、共同通信社ではまた違うビジネスモデルを取っています。
共同通信社は新聞を販売するのでは無く、同社の記者が日本各地、世界各地で取材したものを編集・執筆し契約している会社に渡すというビジネスを展開し契約料を得るというのが収益構造となっています。
共同通信社は、いわば新聞記事の「卸売り業」をしている会社と言えるかもしれません。
採用HPから考える新聞業界が求める人材
続いて採用HPから新聞業界が求めている人材を考えていきます。
政策を進める議論や意思決定の過程、政治家同士の関係性などを丹念に追い続けるのが私の仕事です。
現在は自民党の政調会長の番記者をしていますが、そのほかに担当する政治家もいます。
早朝から政治家の宿舎前で待機し、出てきたところを取材したり、時には車に同乗し、話を聞くこともあります。もちろん、コメントを取れないことや水を向けても否定も肯定もされず曖昧な答えのことも珍しくはありません。
そんな時は、それまでの取材成果をもとに、彼らの目の動きや微妙な表情、言動から真意はどうなのか、読み取っていきます。
もっとも、その取材内容がそのまま記事になるわけではありません。他の記者が得た情報を合わせ総合的に判断し、キャップやデスクなどのチェックを経て読売新聞の取材成果として紙面に載ることになります。
引用:読売新聞社採用HPより
こちらは読売新聞社の記者職の方のインタビューから引用したものです。
この方が言うように記者職は朝早くから取材を行ったり、取材対象に密着して取材を行っています。
ここで相手の情報を引き出すために信頼関係を構築したり、相手の仕草から行動を読み取ったりと努力が必要です。
また、キャップやデスクが集められた情報をまとめて記事にしていると書かれています。記者それぞれによって得た情報が違いますし、同じ情報でも記者の考え方によって違ってくると思います。
このことから「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」を参考にすると「1.個人として努力し、成果をあげることができる」「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」人材が求められていると考えられます。
私の仕事は、「日経電子版」や「日経ビジネスオンライン」など日経グループのオンラインサービスを利用する際に取得していただく「日経ID」を活用した新しいサービスを考え、新規事業につなげることです。
すべてのプロジェクトは、日経ID会員750万人の「こんなサービスがあったら嬉しいね」というニーズを吸い上げることから始まります。
2013年5月、当時人事・労務部で採用を担当していた私は、「日経ID新事業ラボ」メンバーの社内公募に応募しました。テーマは「日経IDを活用した若者向けのサービスを考える」というものでした。
もちろん学生もターゲットですから担当業務にも活かせると思いましたが、それ以上に新しい仕事に挑戦してみたいという気持ちが私を突き動かしました。
他部署からこのプロジェクトに参加したメンバーと日経ID会員の属性を分析したり、インタビューをしたり、競合調査をしたりしながら、8カ月かけてようやく新規サービスの企画案を作りあげました。
経営陣の前でプレゼンしてプロジェクトの継続にゴーサインをもらい、2014年3月、人事・労務部からデジタル編成局へ異動しました。
複数のプロジェクトの企画や進行を担当しています。新しい取り組みが日々、同時多発的に生まれる職場はとても活気があり、まるで新しい会社に入ったようです。
参考:日経新聞社採用HP
こちらは、日経新聞の日経IDを利用した新規事業を創出する仕事をしている方のインタビュー記事です。
先程述べたように、新聞業界は転換期を迎えており、本業以外の売り上げを作り出していくことが求められています。
具体的にはクラウドファウンディング、EC事業などを行っており、今までにあまりなかった事業を行っています。
このことから『ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?』を踏まえて考えてみると、「5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」人材も求められていることがわかると思います。
今後、新規事業を打ち出していく方針の新聞業界にとっては、この能力はかなり必要になってくるでしょう。
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大手新聞社6社の選考について
各社の選考フロー一覧です。
※下記に掲載している選考フローは、本記事執筆時点(2017年9月)の情報を基に作成しています。選考フローは年度によって変更があるため、参考程度にご確認ください。
読売新聞 | 日本経済新聞 | 朝日新聞 | 毎日新聞 | 産経新聞 | 共同通信社 | |
面接回数(回) | 3 | 3 | 3 | 3 | 4 | 3 |
筆記試験 | あり | あり | あり | あり(免除の場合も) | あり | あり |
実技試験 | なし | なし | あり | なし | あり | |
グループディスカッション | なし | なし | あり | なし | なし | なし |
特徴を左から一社ずつ見ていきましょう。
読売新聞の選考フローは、ES通過後、筆記試験+1次面接を同時に行うそうです。
その後2次面接、最終面接と進むようです。『unistyleの本選考レポート』によると1次面接では基本的なコミュニケーション能力を見て、2次面接では思考力を見られるように感じたそうです。
日経新聞は選考フローは、ES+SPIを最初に行い筆記試験、1次面接、2次面接、最終面接と進むようです。
「本選考レポート」によるとESと筆記試験の成績が重視されているようです。
朝日新聞は、ES提出後、筆記試験、1次面接、2次面接、最終面接と進むようです。
一次面接の際にはグループディスカッションも同時に課されるようです。ただ、筆記試験はかなり難しく入念な対策が必要だそうです。
毎日新聞の選考フローは、ES提出後、筆記試験、1次面接、実技試験、2次面接、最終面接と進むようです。
ただ、ニュース時事能力検定合格者には優遇があるそうで、2級以上合格者は書類選考と時事問題試験を免除、準2級合格者は書類選考を免除されるそうです。
この免除を受けると、6月以降は面接対策に専念できるので、毎日新聞志望者にとっては受けるべき試験だと思います。
また、実技試験として職種ごとに写真撮影、作文、校閲実技などがあるそうです。
産経新聞は、書類選考、筆記試験、1次、2次、3次、最終面接という選考フローを踏むそうです。筆記試験では作文と一般教養の試験が行われるようです。
グループワークを行うことがあるそうです。面接が多いことが特徴と言えそうです。
共同通信社は、エントリー面談を実施する場合と、しない場合で選考フローが分かれています。
前者の場合はES提出後、エントリー面談と筆記試験を1次選考として行い、面接と実技を2次選考として行っています。
その後、WEB適性検査と面接を行い内定となるようです。
後者の場合は面接を2次選考として行い、2次選考では筆記試験をおこない、以下3次、4次選考と進みます。
最後に
今回は新聞業界の同業他社比較を行っていきました。
様々な要素で見比べてみましたが、他の要素として社員の雰囲気、社風と言ったものがあると思います。
これらの要素は、実際に自分で行ったほうがかなり理解が深まると思うので説明会、OB訪問をされることをお勧めします。
また、新聞はかなり業務が分かれており文化活動を担う社員、校閲をするひとなど様々です。
その部署ごとによっても雰囲気が変わってくると思うので、積極的に社員の方と会い社風や他社との違いを感じていくことは重要だと思います。
また、unistyleには他にも新聞業界の記事があります。参考にしてください。
→日本経済新聞社の求める人材をESのと採用HPから考察しています。日本経済新聞社にとどまらず一般的な新聞会社の事業内容を理解できると思います。
→2019年で創立140年を迎える朝日新聞。本記事では朝日新聞の求める人材を採用HPとESから導いていきます。
→読売新聞の記者職に求める人材を考察しています。変わりゆく業界の中でどのような人物が求められているのか述べられています。
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