【ケース】日本の散髪屋の数を求めよ【野村総研過去問】
32,700 views
最終更新日:2023年10月24日
1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!
2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説
3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ
4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!
今回は過去野村総研戦略グループの面接にて出題された「日本の散髪屋の数を求めよ」という問題を解説したいと思います。
1.前提条件の確認とアプローチ方法の選定
【前提条件】
床屋も美容室も含めた「散髪屋」の数を推定したいと思います。
【アプローチ方法】
フェルミ推定の問題として有名なピアノ調律師の数の問題と同様に、人口ベースで総需要を求めて供給と釣り合うものと考えて計算する需要ベースで計算したいと思います。
2.実際の計算
散髪屋の数=①総需要(人口×年間散髪回数)÷②総供給(店舗当たりの従業員数×一日の担当件数×営業日数)で求めることができそうです。
①総需要
日本の人口を120百万人、平均寿命を80年、男女年代別どの層をとっても同じ数だけ人がいるものと仮定します。計算簡略化のため、全ての人が床屋もしくは美容院で髪を切るものと想定しています。男性は2ヶ月に1回、女性は3ヶ月に1回散髪をすると仮定すると、各年代ごとに下記の表の通り散髪回数が求められます。
男性:60百万人×6回/年=360百万回
女性:60百万人×4回/年=240百万回
合計:600百万回
②総供給
次に供給側を考えます。店舗当たりの従業員数は3名とします。一日の担当件数は、一人当たり準備も含めて約2時間、営業時間が10:00〜18:00の8時間、実際の稼働率が50%程度と仮定すると、8時間÷1時間×50%=4件となります。営業日数は、美容院の週休を2日と仮定し、計算簡略化のために360日間の2/3の240日間を営業日数と仮定します。
上記より総供給=3名×2件×240日間=1,440件/店舗当たりの年間件数となります。
以上より、散髪屋の数=総需要600百万回÷年間供給1,440件=約42万店舗となります。
3.検証
厚生労働省のHPによると、美容所が223,286店舗、理容所が130,755店舗で合計354,041店舗となっております。少し多めに出てしまいましたが、恐らく店舗当たりの供給数がもう少し多いのではないかと思います。美容室及び床屋と分けて考えると更に精緻な店舗数が求められたかもしれません。皆さん自身でもトライしてみて下さい。
※このページでは、美容室・床屋以外にもホテル・旅館、クリーニング店など生活に関連した施設の数の統計が発表されていますので、フェルミ推定の参考にしてみましょう。
【ケース問題を解く上で必読の3冊】
東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!
【余裕があったら読んでおきたい+2冊】
戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策
photo by brando