デンソーの特徴を解説|業績や社風から見る就活対策・企業研究

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最終更新日:2021年02月25日

自動車の製造原価のうち、社外から調達した部品・資材の代金は、約5割を占めると言われており、自動車業界を考える上で自動車部品は切り離せない存在です。

今回は日本の自動車部品業界首位のデンソーについて紹介したいと思います。1949年にトヨタ自動車から分離独立して発足したデンソーは、依然としてトヨタ自動車が主要顧客となっていますが、海外自動車メーカーも含めより広範な顧客との取引拡大を行っているようです。

そのデンソーの業績や社風、選考対策について詳しく解説していきます。unistyleに無料会員登録することでES、インターン選考情報を含むデンソーの情報をご覧いただけます。デンソーのコンテンツは下記リンクをご覧ください。

本選考とインターンの締め切り情報

デンソーの業績




※デンソーIR情報よりUnistyleが独自に作成​

2015年度は海外での生産増加や拡販に加え、円安の影響により、売上収益は、4兆5,245億円と増収になりました。北米や欧州の事業が好調なため、デンソーの売上はここ数年連続して増収となっているようです。

営業利益は、コストダウンや生産性向上による合理化努力に加え、売上増加による操業度差益があったものの、将来の成長のための研究開発費や新製品立ち上げ費用の増加により、減少傾向となっています。
 



こうした設備投資・研究開発費増大の背景には、製造業とIoTを巡る状況の急速な変化があります。IoTの活用に予知業界の既存のルールなどさまざまなものが破壊され、製造業は大きな変革を迫られており、同社もIoTを生産性向上に生かすための体制を整えているようです。

また、自動運転の実用化に向けた動きも、研究開発費を押し上げる要因となっています。デンソーと東芝は自動運転車や安全運転支援システム向けに人工知能(AI)技術を共同開発することで合意したと発表し、今後スタンダードとなるであろう自動運転の開発競争は今後も続く見込みです。​

参考:日経テクノロジー デンソーはなぜ工場のIoT活用を急ぐのか
→日経テクノロジーの一記事です。「ダントツ工場」という工場にIoTを取り入れる構想について、目標や理由などを詳しく説明されています。
参考:日本経済新聞 デンソーと東芝、自動運転向けAI技術開発
→こちらはデンソーと東芝が深層学習を取り入れた技術を共同開発することに関する日経新聞の一記事です。他の企業とも協力することによってITを推し進めようとしていることが伺えると思います。

事業内容から考えるデンソーが求める人材

ここからはデンソーが就活生に求める素質について、「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を参照しながら考えていきましょう。

現在、私は営業として、本田技研工業様を担当しています。最前線に立ち、お客様の発展を支え、寄り添うパートナーになること。そして売上げと採算に責任を持つ営業としてミッション達成をめざすこと。そのために、お客様の期待、競合動向、自動車産業等の市場動向を掴み、ビジネス拡大の営業戦略を立案し、デンソー全社を牽引していくことが私の役割です。

 

お客様のニーズと社内のニーズ、双方にとって最善の解決策を模索し実行に移すことは並大抵ではありません。それゆえ、新入社員のころから「お前はどう考えるのか?」「なぜを3 回繰り返したか?」と常に問われ続けます。きちんと考え抜いた内容であり、道筋に間違いはないと判断されれば、年次に関係なく、その考えは尊重され、その考えで全社を動かしていくことになります。苦労が多くとも、そのダイナミズムは営業として働く醍醐味でもあります。

 

引用:デンソー 新卒採用サイト 

今回紹介した事例は、営業として顧客と社内をつなぎ、解決策の提案・実行に携わるプロジェクトでした。デンソーの営業の仕事は、上記のように最前線に立って顧客のニーズを掴むとともに、社内に向けて情報発信し今後の方針を判断していかなければいけません。

顧客・社内双方からの信頼関係の構築や、ビジネスを前にすすめるためにリーダーシップを発揮していく姿勢が求められます。さらに、顧客の求める情報を得るために、自社の様々な部門とやり取りし、社内一丸となって顧客の問題解決に取り組むため、社内ネットワークにも精通していなくてはなりません。

以上のことからデンソーでは、下記の能力を持つ人材を求めていると考えられます。

  • 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる

  • リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる

  • 価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる

デンソーの社風について

全員が成長し、チームワークで取り組んでいこうとする姿勢は、世界各地で活躍するデンソーの社員にとって、変わることのない共通の価値観です。このスピリットに共感し、チームワークを大切にしながらも、自分の意志を持って主体的に行動し、成長しようとする人材を、私たちは求めています。

 

引用:採用担当者メッセージ

社風として、チームワークを重視する風土があるようです。デンソー入社式でも、加藤社長から「チームワークを大切に」というメッセージがあり、チームでの働きがデンソーでは基本となっているようです。

また、デンソーでは、「全社運動会」を導入し、職場の一体感醸成を目指しています。予選段階で延べ1万人を超える社員が参加し、役員と直接接する機会が少ない社員にとっては役員を身近に感じる貴重な場になっているようです。

エントリーシート通過者のES解説

ここからは実際にデンソーのエントリーシートを通過した就活生が書いた内容を参考にして、同社が求める人材像を考えていきたいと思います。

まず実際の設問を確認してみましょう。

1. 大学生活での大きなチャレンジ内容をご記入ください。
①目標をお答えください。
②その目標に取り組んだ理由を教えてください。
③その目標を達成するために、どのように考え、行動しましたか?
④結果はどうでしたか?また、得たものはありましたか?

2. あなたはゼミ・サークル等のグループの中で、どのような役割を担うことが多いですか。その役割を発揮した具体的エピソードをお答えください。

3. 当社への志望理由をご記入ください。

 

参考:デンソーのエントリーシート

デンソーのESは設問が実質3つとなっており、特に設問1については内容を具体的に詳しく書くことが求められます。

それでは各設問毎に見ていきましょう。

設問1:大学生活での大きなチャレンジ内容をご記入ください。

最初の設問では、学生時代のチャレンジについて書くことが求められています。取り組んだきっかけや具体的な行動内容、結果に分かれています。最後の結果については得られたものが今後入社後にも活かせるような、再現性のある強みであると、入社後に活躍できる人材としてイメージしやすいのではないかと思います。

実際に就活生が書いた内容について見ていきましょう。

◆大学生活での大きなチャレンジ内容をご記入ください。

 

①目標とその目標に取り組んだ理由を教えてください。

 

新歓活動における「幽霊部員の復帰」と「新入生の獲得」の達成に取り組んだ。1年次の12月の段階で練習に来る同期が5名を下回っており、サークルの存続が危ぶまれた為である。そこで私は、サークルの規模拡大を至上命題と捉えた。幽霊部員の同期を無視し、新入生獲得にのみ注力する方法もあったが、単純に幽霊部員の復帰が活動の人手になる事、大好きな同期と一緒にサッカーがしたいという強い想いを理由に、上記の「幽霊部員」、「新入生」の両方にアプローチし、規模拡大に努める方法を選択した。 

 

②その目標を達成するために、どのように考え、行動しましたか?(1文字以上300文字以下 )

 

「幽霊部員の復帰」→「新入生の獲得」という順序で、両者を達成できると考えた。幽霊部員に関しては「密に呼びかけを行えば協力を得られるだろう」と安易に考え、闇雲に呼びかけたが大失敗した。負けず嫌いの私はここで考え抜き、自身の経験も踏まえ「組織での存在価値が見出せていない事」が問題だと仮説を立てた。信頼を得る為には「期待値を超える提案をする必要がある」、前例のない仕組みとして【幽霊部員に新歓活動を委任する制度】を導入した。主要メンバーからの反発もあったが、持ち前の「情熱と論理」で説得した。最終的には、幽霊部員を中心にマネージャー、プレイヤー、先輩、OB、多くの関係者を巻き込み、活動をやり遂げた。

 

③結果はどうでしたか?また、得たものはありましたか?(1文字以上150文字以下)

 

従来とは異なる柔軟な考えを活動に反映させる事が出来、前年比1.8倍の35名の新入生を獲得出来た。また7名の幽霊部員が組織に復帰した。私はこの経験から、【多様な価値観、背景を持つ人を仮説を持って理解し、同じビジョンに向かって巻き込む力】を培った。そして何より、一生涯付き合う最高の同期を得た。

 

引用:デンソー エントリーシート

こちらのESでは、組織の活性化を通して多様な価値観・背景を持つ人との協働には仮設を立てた上で打ち手を考案し、共通のビジョンに向かって行くことが出来たエピソードについて書かれています。

チームワークというのは先に紹介したデンソーが学生に求める資質やデンソーの社風にも合致しており、この点をアピール出来ており評価できます。

また、仮説を持って取り組むことは、異なる背景を持つ人との協働に限らず正解のない問題に対して初めて取り組むケースでは有効な手段だと思われます。ビジネスでも未知の問題について取り組むことの連続であるため、この就活生が実際に働く姿が面接官に印象付けることが出来たのではないでしょうか。

設問2:あなたはゼミ・サークル等のグループの中で、どのような役割を担うことが多いですか。その役割を発揮した具体的エピソードをお答えください。

設問2については、ゼミ等のグループ内での役割と入社後の姿を関連付ける必要があります。デンソーがチームワークを重視しているのは社風の項でも紹介したとおりで、この設問もデンソーの風土と合うかどうかを判断する大事な材料となるでしょう。

チーム内の役割と言うと、リーダー、サブリーダー、縁の下の力持ちポジションなど、多岐にわたりますが、デンソーのように仕事において多様な部門・人材との関わりが求められる企業の場合、どのような役割であってもメンバーとの密な連携や一体感の醸成に寄与するエピソードがアピールの上で有効だと推測されます。

この設問についても、就活生が書いた内容を見ていきましょう。

◆あなたはゼミ・サークル等のグループの中で、どのような役割を担うことが多いですか。その役割を発揮した具体的エピソードをお答えください。

 

ゼミでの5ヶ月間に渡る「共同論文執筆」だ。舵取り役を担った私は「早慶金融インターゼミでの優勝」を目標に「平等性」を重視してまとめたが、大失敗した。班員各々に「差」があり、期せずして一部に負担がかかっていた。ついには泣く人まで現れ、中間ゼミ内コンペでは最下位をとった。私はそこで猛省し「公平性」を意識すべきだと考えを改めた。個々の能力、時間的制約を鑑み、各人を得意作業のリーダーとする制度を構築した。私は「思考力」と「推進力」を活かし、論文の論理構成を考え議論を推進する役割を担った。結果、班員が長所を活かし、責任感持って取り組む事が出来、目標のインターゼミ優勝を実現した。

 

引用:デンソー エントリーシート

こちらのESでは共同論文制作にあたっての班員のマネジメントについてのエピソードが紹介されています。このESには書かれていませんが、中間コンペを期にマネジメント手法を方向転換した際にどうすれば一丸となって取り組めるかをメンバーと試行錯誤したと思われます。

このように、個性が豊かなメンバーをマネジメントした経験は他部門との協働が多いデンソーにおいて有効なアピールとなったと思われます。

設問3:当社への志望理由をご記入ください。

最後の設問は志望動機が聞かれています。特に、「自動車メーカーではなく自動車部品メーカーを選んだ理由」について問われる部分だと思われるので、その部分を説明できる説得力のある内容にしましょう。

学生が書いたESを例に見ていきたいと思います。

◆当社への志望理由をご記入ください。

 

忙しい両親に育てられた私にとって、車は単なる移動手段という道具ではなく、家族と同じ空間を共有できる製品であり、非常に強い想い入れがある。 
このような経験から、安全で快適、そして私が幼い頃感じたような、家族や友人などとの憩いの場である自動車を、多くの人に提供したいと考え自動車業界に興味を持っている。 その中でも、貴社を志望する理由は、自動車部品を通じて、広く社会に貢献したいからである。 自動車完成品メーカーであると、自社の製品しか社会に提供することができない。貴社であれば、国内外問わず、多くの自動車完成品メーカーに対し、圧倒的な取引実績を持っていることから、広く社会に貢献できると考え、志望している。

 

引用:デンソー エントリーシート

このESのように、「自動車メーカーではなく自動車部品メーカーを選んだ理由」を語ることはマストだと思われます。デンソーを志望する際は、この点を意識して選考対策を行うようにしましょう。

デンソーの本選考対策

ここからは、デンソーの本選考を突破するための対策について書いていきます。

◆本選考のフローについて結果連絡を含めて教えてください。

 

エントリーシート→一次面接(45分、個人面接)→最終面接(GD+個人面接)

 

引用:デンソー:2018年卒(総合職)本選考情報

デンソーでは個人面接が中心のオーソドックスな選考内容となっています。面接では学生時代頑張ったことの深掘りが中心で、なぜそれに取り組んだのか、どうしてそう思ったのか、ほかに考えなかったか、などについて問われたようです。

こちらの話に対しての深堀を矢継ぎ早にされたため、他社選考であらかじめ問われそうな部分について準備し落ち着いた受け答えができるようにしておくと良いのではないでしょうか。

最後に

いかがだったでしょうか。

今回は自動車部品業界大手のデンソーについて紹介させていただきました。好調と言われる自動車業界ですが、業界内の競争は一段と激しくなっていると推測されます。

今回の記事を参考に、業界内の動向について実際にOB・OG社員から話を伺うと、より業界理解が進むのではないでしょうか。

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