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大企業と中小企業の採用格差
最終更新日:2018年03月28日
就職活動期になると、ほぼ全ての学生が大企業から受け始めます。受験のように明確な基準がないために、もしかしたらという気持ちで受ける学生が多いため、有名大手企業では倍率が100倍を超えるところもざらにあります。但し、有名大企業に入れるのは学生の中でも一部であり、多くの学生にとっては中小企業に入社するのが現実です。
今回は大企業と中小企業の採用格差について話をする中で、予め中小企業にも目を向けることの重要性について話をしたいと思います。
1.今も昔も大企業は狭き門
有効求人倍率という言葉は耳にしたことがあるでしょうか。(有効求人倍率=求人総数/民間企業就職希望者数)で計算され、倍率が低いほど、求人数に対して入社したい人が多い、つまり企業に入るための競争が厳しいことを意味します。
リクルートワークスの発表によると、2012卒の大卒有効求人倍率は、1,000〜4,999人以上の大手企業で0.74倍・5,000人以上の大企業0.49倍に対して、300人未満の中小企業で3.35倍と圧倒的な差があります。1,000人以上の大手企業の中でも就職人気ランキングのトップ100などの企業はもっと低い求人倍率になっているでしょう。
この傾向はリーマンショック後の就職氷河期だからここまで低いのではなく、基本的には1倍を常に下回っています。直近で最も採用が盛んと言われる2008卒の1,000人以上の有効求人倍率は0.77倍と、2012卒の0.65倍とそこまで大きな差は見られません。
就職氷河期と呼ばれる前も大企業への就職は一部学生のための狭き門であることがデータからわかります。
2.人集めに苦労する中小企業
今も昔も狭き門である大企業に対して、中小企業は人が集まらないことに苦労しています。
就職氷河期によって、求人数が落ち込んだこと及び学生の目が中小企業にも向くようになったこともあり、2010卒に8.43倍であった有効求人倍率は2012卒で3.35倍とミスマッチは解消傾向にありますが、依然として圧倒的な売り手市場であり、多くの学生にとって関わりの大きいのは日本企業のほとんどを占めると言われる中小企業なのです。
3.「大手病」と「燃え尽き症候群」
ほとんどの学生が学歴や学生時代の経験などに関わらず、初めは大手企業へ入社することを夢見て就職活動を始めます。いわゆる「大手病」と言われるものです。そして多くの大手企業に内定を得られなかった学生が、大手企業の採用が一段落するゴールデンウィーク明けから本格的に中小企業も見始めるようになります。
しかし一方で、大手企業の就職活動に落ち続ける過程で就職活動に疲れてしまう「燃え尽き症候群」に陥る学生も少なからず存在します。特に大手に内定を得られなかった高学歴の学生に陥りがちな現象で、本来であれば大手企業のすぐ後に募集する中小企業に内定を得られるレベルの学生がこの期間、燃え尽きてしまっているために就職するチャンスを失っているのを多数見てきました。
燃え尽き症候群に陥ることを防ぐには上記のデータ、つまり大企業への就職はかなり厳しく多くの学生が中小企業に就職するという現実を予め直視すること。その上で大手の就職活動がうまくいかなかった場合も想定して、リスクヘッジのためのエントリー戦略を立てることが重要になります。
4.大手企業に入れるのは一部、だけど学歴で全て決まる訳ではない
以上大手企業に入社するのは厳しいということについてつらつらとデータを基に説明しました。
こういったことを書くと自分の学歴やスペックに自信のない学生さんは「やっぱり大手企業には入れないんだ」と落胆してしまうのですが、そういうことが言いたいのではありません。実際多くの大手企業が高学歴とは言えない層からも学生を獲得しており、時には聞いたことのない大学からでも採用しています。
しかも大手企業の採用は中小企業の採用に先立って行われますので、誰でもチャレンジすることが可能です。就職活動は受けてみなければ受からない試験です。受けたいと思ったのであれば、その気持ちを大事に受けてみる事が大事です。もちろん中小企業もしっかりと選択肢に入れることも重要です。
このことは「達成計画の策定」にて詳しく説明します。
今回のまとめ
・今も昔も大企業に入社するのはごく一部の学生、大半は中小企業に入社する
・中小企業は就職氷河期と言われる現在でも人手不足
・いわゆる「大手病」と「燃え尽き症候群」には要注意
・大企業も受けたいと思うならまずは受けてみることが大事
photo by Sam valadi
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