志望動機の書き方を生産技術・製造技術・生産管理・品質管理職別にES例文付きで解説
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最終更新日:2024年10月04日
研究職や開発職の次なるステップを担うのが、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職です。研究職と開発職が生み出した「技術・知識」と「製品」を基に、製造工程を向上させ、製品の質を支えています。
就活生の中には、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機を書く際、「業務内容の違いが分からない…。」「志望動機で何を書けばいいのか不安…。」といった悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機を書く際のポイントを、エントリーシート(ES)例文付きで解説します。
各職種の違いや業務内容、求められる素養も紹介しますので、エントリーシート(ES)を書く際の参考にしてください。
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- 本記事の構成
- 生産技術職と製造技術職とは?違いや業務内容を解説
- 生産管理職と品質管理職とは?違いや業務内容を解説
- 生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に求められる素養
- 志望動機の書き方
- 生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機を書く際のポイント
└業界と職種を選んだ理由を明確にする
└研究で得た能力や知識をアピールする
└選んだ職種においてどのように活躍したいか述べる - 生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機のエントリーシート(ES)例文
└生産技術職の志望動機:大正製薬
└プロダクトエンジニア(サプライチェーン、生産技術)職の志望動機:資生堂
└生産管理職の志望動機:富士フイルムビジネスイノベーション
└品質管理職の志望動機:ヤクルト本社 - 最後に
生産技術職と製造技術職とは?違いや業務内容を解説
まず初めに、製品の生産工程や生産力に関わる生産技術職・製造技術職の違いや業務内容を紹介します。
生産技術職と製造技術職の違い
はじめに、生産技術職と製造技術職の違いを解説します。
・「生産技術職」:生産ラインを生み出す
・「製造技術職」:生産ラインを支える
生産技術職は生産ラインを「生み出す」、製造技術職は生産ラインを「支える」という点が大きな違いです。
生産技術職は生産ラインの設計・管理を行い、製品を作る工程を生み出します。その一方で、製造技術職は製品の品質を保持させるために、生産ラインにおける製造業務や設備の修理をします。
生産技術職と製造技術職、両者とも製品を生み出す「生産ライン」に関わる業務を行っているため、企業によっては生産技術職の業務に製造技術職の内容が含まれている場合もあります。
生産技術職と製造技術職の業務内容を詳しく見ていきましょう。
生産技術職とは
生産技術職の業務は、製品の生産ラインの設計・管理です。製品を生産する工程の設計や機械設備の導入、人員の配置などが役割です。
生産ラインのオペレーションや機械のメンテナンスによる製品の安定供給の実現や、既存設備の改善・提案を通して生産体制の向上を行っています。
研究職や開発職が生み出した製品を製造するための生産ラインの設計・管理をすることが役目になります。
大正製薬|Recruiting Page|職種相関図|生産技術職
日清食品|新卒採用サイト|職種紹介|生産技術
タイズテックメディア|生産技術と製造技術の違いとは?業務内容や必要なスキルを解説
製造技術職とは
製造技術職は、生産技術職が設計した生産ラインを支える役目を担っており、製造業務や設備の修理・点検を行っています。
生産工程にトラブルが発生した際の対処を行い、製品の安全性を保つことが役目です。製品の品質を保持・向上させるために、生産ラインの整備をします。
製品の「品質確保」を目的としているため、生産技術の業務に内包される場合もあります。
生産管理職と品質管理職とは?違いや業務内容を解説
次に、製品の品質保持に関わる生産管理職と品質管理職の違いや業務内容を紹介します。
生産管理職と品質管理職の違い
生産管理職と品質管理職には、以下のような違いが挙げられます。
・「生産管理職」:生産全体の統括
・「品質管理職」:製品の品質保持
生産管理職は「生産全体」の統括、品質管理職は製品の「品質保持」をしている点が違いです。
製品の生産全体をコントロールする生産管理職に対して、品質管理職は製品の製造工程に焦点を当て、製品の機能や安定性を評価します。
生産管理職と品質管理職の業務内容を詳しく見ていきましょう。
生産管理職とは
生産管理職は、品質や原価、数量、納期など生産に関わるすべてに携わります。本社部門での生産戦略立案、各工場での生産体制の管理、新製品を生み出すための試験など、生産全体の統括が役目です。
生産活動のすべての工程を見つめなおし、コストの最適化や品質の保持などを目的とした管理をします。
品質管理職とは
品質管理職の役目は、顧客のニーズに応える製品を保持することです。製品の機能や信頼性、製造環境を精査し、製品の品質維持を実現しています。
例えば、製薬会社の品質管理職では、製造された薬品が規格に適合しているかの評価などを行っています。
品質管理職の業務は、先ほど紹介した生産管理職のなかでも製品の品質により密接に携わっています。
生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に求められる素養
続いて、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に求められる素養について紹介します。
業界ごとに業務内容は異なりますが、以下の素養を持った方が、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に向いていると考えられます。
- モノづくりに対する幅広い興味がある
- 効率性を実現するバランス感覚
- リーダーシップ
- 責任感
現場で働く社員の言葉とともに紹介しますので、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に求められる素養を確かめてみましょう。
モノづくりに対する幅広い興味がある
1つめは、「ものづくりに対する幅広い興味がある」ことです。
専門性を追求する研究職・開発職とは異なり、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職は生産工程をすべてを相手にします。そのため、製品のみならず、生産工程の設計や設備、工場スタッフとの連携などモノづくりに関わる幅広い知識を活用することが求められます。
食品メーカーのハウス食品で働く生産技術職の方は、以下のように話しています。
使う人の安全性、異物混入の防止策など、設計で考えるところはたくさんあり、それをどこまで突き詰められるかが腕の見せ所だと思います。(私はまだ修行中です。)
効率性を実現するバランス感覚
2つめは、「効率性を実現するバランス感覚」です。製品の生産にかかる費用や時間を削減することで、さらなる利益を生み出すことができます。そのため、製品の品質維持を確保しつつ、生産性向上やコスト意識など、無駄を省くための思考が求められます。
精密化学メーカーの富士フイルムで生産管理職の方は、以下のように語っています。
日々、製造、販売状況にキャッチアップし、お客さまの要請に応えつつも、効率的な生産計画を組み、会社にとってベストな生産計画を立案/遂行することが生産管理のタスクであり、やりがいです。
リーダーシップ
3つめは、生産全体を指揮するための「リーダーシップ」です。特に、生産工程すべてを把握する生産技術職や生産管理職は、製造現場のみならず、営業や本社部門などとの連携が求められます。
そのため、生産計画や生産調整を指示し、生産全体を導く力が不可欠です。また、他部署や工場スタッフとの協力関係を生み出す協調性や調整力も欠かせません。
総合菓子メーカーのロッテに務めている生産管理職の方は、以下のように話しています。
生産管理課は、工場のさまざまな部署に働きかけながら、原料の調達から生産、出荷までの一連の大きな流れを管轄する「司令塔」のような役割を担っています。
責任感
4つめは、生産工程における不備や欠陥を許容しない「責任感」です。生産現場で生まれた製品は、顧客の安全や企業の信頼を左右するものです。
顧客にとって最高の製品を提供するという強い志のもとで、製品の品質は保たれています。
製薬会社の武田薬品工業で生産技術職として働く方は、以下の思いを言葉にしています。
私たちの仕事は患者さんの体内に入る医薬品を作るという、生命に直結する仕事ですので、少しの妥協や見落としも許されません。強い使命感をもって、どんな困難でも諦めず取り組める方と一緒に働きたいですね。
こうした生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に求められる素養を理解したうえで、志望動機の作成に取り組みましょう。
志望動機の書き方
生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職に必要な4つの素養を理解していただいたところで、志望動機の書き方を説明したいと思います。
志望動機を作成する方法としては、一般的に「成し遂げたいことに基づいて書く方法」と「自身の適性に基づいて書く方法」の2つのアプローチが存在しています。
どちらの場合も、「成し遂げたいことや適性が自身の経験に根差しているか」が一番の差別化のポイントであり、評価の分かれ道であると言えます。
- 成し遂げたいことに基づいて書く方法
- 自身の適性に基づいて書く方法
成し遂げたいことに基づいて書く方法
「成し遂げたいことに基づいて書く方法」のフレームワークは以下の通りです。
成し遂げたことに基づいて書く場合は、未来志向な志望理由となりますので、やりたいことやビジョンを明確に持っている就活生におすすめのフレームワークとなります。
自身の適性に基づいて書く方法
「自身の適性に基づいて書く方法」のフレームワークは以下の通りです。
自身の適性に基づいて書く場合は、自分の強みを明確に理解している就活生におすすめのフレームワークとなります。
「自身の強みというものがよくわからない…」という就活生は以下の記事も参考にしてみてください。
ここまで志望動機の書き方を2パターンに分けて説明しましたが、いずれも方法が違うだけで良し悪しは無く、ビジョンで語るのか強みで語るのか、自らが最も説得力を持って伝えることができる方を選択していただければと思います。
ただし、いずれのパターンにも共通しているのは、伝えたいことが何であれ、それが過去のどのような経験によって生まれ認識したものなのか、また何故それは他職種・他業界・同業他社ではだめなのかを伝える必要があると言うことです。
過去の経験を語ることで、強みの再現性ややりたいことへのモチベーションを伝えることができ、比較を加えることで志望度の高さを伝えることができます。そのため、志望動機としていずれも欠かせないポイントと言えます。
生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機を書く際のポイント
次に、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機を書く際のポイントを説明します。
エントリーシート(ES)の設問で職種に対する志望動機を問われる際は、「その企業の中でなぜその職種を志望しているのか(=職種のみの志望動機)」と「なぜその企業を志望し、その上でなぜその職種を志望しているのか(=企業と職種双方の志望動機)」の2パターンがあります。
どのような構成で書くかは設問によりますが、いずれの場合にしろ、書く際のポイントにそれほど違いはありません。
今回はその中でも特に意識して欲しいポイントを3つご紹介します。
業界と職種を選んだ理由を明確にする
1つ目は、「業界と職種を選んだ理由を明確にする」ことです。生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職は食品・製薬・化粧業界など幅広い業界から募集があります。そのため、職種だけでなく、業界を志望する理由も伝えなければなりません。
志望する業界においてどうしてその職種を選んだのか、選んだ職種で働く上でなぜその業界を選んだのか、この2点を論理的に伝えられるようにしましょう。
研究で得た能力や知識をアピールする
2つめは、「研究で得た能力や知識をアピールする」ことです。
大学で取り組んできた研究内容が、志望企業の事業や業務でどのように活かせるのかをアピールすることで、説得力のある志望動機を作成することができます。企業研究を行うとともに、自分の研究を分かりやすく伝えることも不可欠です。
特に、専門性を追求する研究・開発職ではなく、モノづくりに対する幅広い興味が求められる生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職で活かせる能力や知識をアピールできるとよいでしょう。
選んだ職種においてどのように活躍したいか述べる
3つめは、「選んだ職種においてどのように活躍したいか述べる」ことです。
入社後に挑戦したいことを伝えることで、採用側は就活生の働く姿を想像しやすくなります。具体的な事業を挙げて、どんな業務に取り組みたいのか考えてみましょう。
また、選考通過者のなかには、継続力や粘り強さなど、研究で磨いた就活生の強みとともに、仕事に対する意欲を見せた方もいます。
生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機のエントリーシート(ES)例文
ここまで、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の業務や求められる素養について解説してきました。
そこで、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の志望動機のエントリーシート(ES)を紹介しますので、志望動機を書く際の参考にしてください。
生産技術職の志望動機:大正製薬
志望動機 (弊社・生産技術職を志望する理由)をお書き下さい。(500文字程度)
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プロダクトエンジニア(サプライチェーン、生産技術職)の志望動機:資生堂
<職域別エントリーシート(Product Engineer> あなたの強み・スキルを資生堂のサプライチェーンにどう活かし、どのようなINNOVATIONを起こしたいですか?(400)
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生産管理職の志望動機:富士フイルムビジネスイノベーション
「最も取り組みたい技術/業務」において,技術者として貢献できること(400)
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品質管理職の志望動機:ヤクルト本社
当社への志望動機と選択した職種で将来どのように活躍したいかを具体的に教えてください(300字)
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最後に
本記事では、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職を志望する就活生に向けて、業務内容や志望動機の書き方のポイントをお伝えしました。
研究職や開発職の次なるステップを担うのが、生産技術・製造技術、生産管理・品質管理職の業務です。企業ごとにその業務内容や範囲が異なるため、適切に企業研究を行ったうえで志望動機を作成することが重要です。
そして、志望動機を書く際には職種を選んだ理由だけではなく、業界や企業を志望する理由も伝えるようにしましょう。
以下の記事ではこれらを踏まえた上で、選考に通過するためのESの志望動機の書き方を紹介していますので、本記事と併せてご確認ください。