内定辞退したい!内定辞退のマナーやメールの送り方・電話の仕方を紹介
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最終更新日:2020年11月27日
「第二志望の企業から先に内定を貰えたけれど、第一志望も内定を貰えたから、第二志望の企業の内定を辞退しないと…」
このようなことで頭を悩ませている方は少なくないのではないでしょうか。
「オワハラ」という言葉からも、就活生の皆さんの中に内定辞退をすることに対して不安を抱えている方が多いことがうかがえます。
本記事では、そのような不安を抱える方向けに、内定辞退にまつわるマナーを解説していきます。
- 本記事の構成
- 内定辞退ってできる?
∟内定承諾後でも内定辞退はできる!
∟内定辞退の期限はいつまで?
∟内定辞退を受理してもらえない時 - 内定辞退の基本的なマナー
∟内定辞退は場合にあった方法を選択する
∟「サイレント辞退」は絶対NG
∟内定が出てから1週間以内に伝える
∟はっきりと意思を伝える - 電話で内定辞退を伝える
∟事前に伝えるべき内容をまとめる
∟誠意ある態度を心がける
∟電話による内定辞退の伝え方 - メールで内定辞退を伝える
∟基本はビジネスメールと同じ
∟電話で伝えられなかったことを謝罪する
∟返信が来なかったら再度連絡する
∟メールによる内定辞退の伝え方
内定辞退ってできる?
内定辞退とは、その名の通り、一度企業からもらった内定を辞退するというものです。内定辞退をする理由の多くは、「企業を見直したときに従来のイメージと異なった」、「志望度の高い企業から内定が出た」など、自分のキャリアをより望ましいものにするためのものです。
内定辞退についての正しい知識を得ることは、就活生の皆さんの就活後のキャリアにとって重要です。ここでは内定辞退の実態について解説します。
内定承諾後でも内定辞退はできる!
「一度内定を承諾したら、もう撤回できないのではないか」と思っている方もいると思います。
しかし、日本国憲法第三章第二十二条で「職業選択の自由」が保障されているため、面接の場で内定を承諾した、もしくは内定承諾書や入社誓約書などの書類を提出した後でも、内定辞退をすることができるのです。
内定承諾書には、『貴社への入社取り消しなどの行為は一切しないことをお約束します』などの文言がありますが、書類にどんな内容が書かれていたとしても、法的な拘束力はありません。
内定辞退の期限はいつまで?
民法627条1項では、入社の2週間前まで内定辞退ができると定められています。
逆に言えば、この期限を過ぎると入社後予定していた労働時間分の損害賠償を請求されたり、内定を辞退しようとしていた会社に入社しなければならなくなり、本命の会社に入社できなくなったりする可能性があるので、なるべく早めに連絡しましょう。
内定を辞退するタイミングの目安としては、内定通知をもらい内定承諾書を提出する前や、内定式の前があります。
法的には問題がなくても、企業側の都合を考えない直前などのタイミングでの内定辞退は、採用担当者に迷惑をかけることになります。倫理的な問題を考慮し、円満な内定辞退ができるようにしましょう。
内定辞退を受理してもらえない時
企業によっては内定辞退を断られたり、反応が返ってこなかったりするケースも考えられます。
民法627条1項では、「内定辞退の申し入れから2週間経過すれば、解約が成立する」と定められているので、内定辞退を受理してもらえない時は、届け出を直接会社に提出するか、郵送で対応しましょう。
また、「一度会って話し合おう」と言われることもあります。
話し合いの場を設けられた場合には、引き止めようと説得されるケースがほとんどですが、最終的に内定辞退を受諾したうえで進路に対するアドバイスを貰えることもあります。さらに、謝罪の意を伝える場を設けていただいたということで、相互に軋轢を残さないよう、呼び出しにはできるだけ応じましょう。
採用担当者はほとんどの場合、内定辞退が法律で認められていることを理解しています。それでも尚引き止めたり説得を試みたりするということは、それだけ人事の方も膨大な時間とお金をかけて採用を行っており、できるだけ辞退をしないでほしいと思っているということです。
このことを頭に入れたうえで、一度「一緒に働きたい」と思ってもらい、内定を貰った身として、最後まで誠意をもった対応を心がけましょう。
内定辞退の基本的なマナー
内定を辞退する意志が固まったら、できるだけ企業に誠実な態度でその意思を伝えることが重要です。ここでは、実際に内定辞退をする際に付きまとう疑問にお答えします。
内定辞退は場合にあった方法を選択する
内定辞退の適切な方法は誰の視点から考えるか、またどういう状況かによって異なってきます。
内定辞退はできるだけ早めの連絡が企業への迷惑が掛からないため、迅速かつ確実に伝えられる点では電話がよいでしょう。しかし、人事の方が忙しく連絡がつかない場合や精神的な負担を考えると、就活生にとってはメールでの連絡がよいです。思いや感謝をきちんと伝える点では直接会うのが一番ですが、お互いの時間的拘束がネックになります。
このように、どの方法でもメリット・デメリットがあり、状況に応じて適切な選択をする必要があります。
この記事では、内定辞退の方法として考えられる、電話・メール・直接会う、それぞれの方法に関してメリットとデメリットを整理したうえで、様々な状況での適切な方法をまとめています。
また、どの方法においても、注意しなくてはならないのは連絡する時間帯です。電話もメールも営業時間内に連絡することを原則として、早朝や夜遅く、お昼の時間帯は避けるのがベストです。
誠意を込めてお詫びの気持ちを伝えるために手紙を送りたい、という方がいるかもしれませんが、手紙だけでの内定辞退は絶対に避けましょう。手紙は受け取るまでに郵送する時間が必要となり、電話やメールに比べて時間がかかりすぎるため、迅速かつ確実に伝えなければならない内定辞退には不適です。
紹介や推薦状を経由した企業の内定を辞退する際など、どうしても誠意を示さなければならないため手紙を送りたいという場合は、一度連絡したあと、改めて手紙で連絡するようにしましょう。
「サイレント辞退」は絶対NG
内定を辞退するにあたって、何も連絡しない「サイレント辞退」は絶対にやめましょう。
企業には、事業計画に基づいた採用予定人数があり、内定者の中から欠員がでたら再度募集をかけなければならず、人員の調達までに長い時間が必要になります。
よって、入社の直前まで内定を辞退することを明言しないことは、企業に著しい損害を与えることになります。入社の意思がないのであれば、できるだけ早くその旨を伝えることが誠実な対応です。
内定が出てから1週間以内に伝える
企業に迷惑をかけないためにも、内定辞退は内定が出てから1週間以内に伝えることが理想です。
自分の中で検討する時間が必要という場合でも、内定承諾書の提出期限までには伝えるようにしましょう。文書にサインをし企業と約束を結ぶ前に入社意思がないことを伝えられるため、スムーズかつ円満に辞退することができます。
他企業の選考結果を待つなどで決断が遅れる場合も、どんなに遅くとも内定式が始まる前までに内定辞退の意思を伝えましょう。内定式後では、採用担当者と何度も顔を合わせ、信頼関係がある程度出来上がってからの辞退になるので、裏切られたと感じた担当者の怒りを買うなど、トラブルを生むこともあります。
なかには、コーヒーをかけられる噂は本当だった!内定辞退の恐るべき実情!「お前の人生潰したるわ」で紹介しているように、内定辞退に対して非常に激しく憤る担当者もいます。できるだけ円満な内定辞退を目指しましょう。
はっきりと意思を伝える
内定辞退を伝える場合、罪悪感から遠回しな言い方や曖昧な返答をしてしまうことは、採用担当者に辞退するという意思がはっきり伝わらず、誤解につながります。
固い意志をもち、理由を伝えた上で、内定辞退したい旨を明言しましょう。その際、内定辞退の理由は「一身上の都合」や「検討した結果」など、簡潔でも構いません。
この際、相手に対して角が立たないような理由が望ましいです。他社の名前を出すことは、「〇〇社でやっていることならうちでもできる」と説得の材料を作ることにつながってしまうため、避けたほうが良いでしょう。
また、企業規模や給与、労働条件を理由にして、間接的に相手企業を批難することも、採用担当者からの反発を買うきっかけにつながるため、避けた方がいいと言えます。
電話で内定辞退を伝える
ここまで、内定辞退をするうえで知っておきたい基本的なルールについてお話しました。しかし、いざ内定辞退を行おうとしても、具体的に何を気をつけるべきかわからないかと思います。
ここからは実践編として、内定辞退を実際に行う際に役立つテクニックを紹介します。まずは、電話での内定辞退を行う際の注意点と方法を解説します。
事前に伝えるべき内容をまとめる
電話で伝える場合、緊張して言葉が出てこなかったり、内容を忘れてしまったりする可能性があります。あらかじめ伝えるべき内容をメモなどにまとめておくと、スムーズに対応できます。
誠意ある態度を心がける
「内定を辞退します」と結論を伝えるだけでは、印象を悪くしてしまいます。内定を出してくれたことへの感謝や、辞退に対する謝罪の言葉をしっかり伝えましょう。
内定辞退の理由を聞かれたら、伝えられる範囲で構わないので正直に回答しましょう。
電話による内定辞退の伝え方
電話で伝える場合、人事部に直通の番号に掛けます。もし直通の番号がない場合は企業の代表電話に掛け、人事部(採用部)に取り次いでもらいましょう。
▼こちらはトークの一例です。これ通りに話すのではなく、人事と会話することを忘れないでください。
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メールで内定辞退を伝える
電話での内定辞退が困難な場合はメールで内定辞退の意志を伝える方法があります。
ここでは、メールで内定辞退を行う際の注意点と方法を解説します。
基本はビジネスメールと同じ
「内定辞退のお詫び」など、一目でわかる件名が良いでしょう。
送り先・自己紹介・挨拶文などを記載してから本題に入ることをオススメします。あらかじめ内定辞退の理由も記載しておくことが望ましいです。
最後に署名を入れることを忘れないようにしましょう。
電話で伝えられなかったことを謝罪する
人事側の視点に立つと、内定辞退を電話で伝えるべきだと考える人もいる可能性があるので、メールでの連絡になってしまったことをまず文面で謝罪しましょう。
既に電話をかけており、担当者が長期出張などやむを得ない理由で電話に対応できなかったなどの場合は、メール連絡になってしまった経緯も記載しておきましょう。
返信が来なかったら再度連絡する
メールで伝える場合、返信が来ないと確認されたかどうかわかりません。数日経っても返信が来ない場合、再度メールを送るか改めて電話をかけ、確認をとることが確実な方法といえます。
メールによる内定辞退の伝え方
メールで伝える場合、直接会ったり、電話で伝えるよりも感謝の気持ちが伝わりにくいので、内定へのお礼と謝罪の言葉をきちんと丁寧に述べることを心がけましょう。
▼こちらはメールのテンプレートになります。メール作成をする際には参考にしてみてください。
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まとめ
複数内定を獲得し、どれか一つの企業を選ぶ際、内定辞退の問題が付きまといます。
しかし、その悩みは、その人が多数の企業から求められる人材であったからこそ生まれるもので、贅沢な悩みだと捉えることもできます。
内定は就活のゴールではないということを思い出し、悩んだ末に適切に内定を辞退することで、自分の納得のいくキャリアを実現できるかもしれません。