PEファンドへの転職を狙え ―転職実績から流入経路を探る―

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最終更新日:2023年10月31日

PEファンドへの転職を狙え ―転職実績から流入経路を探る―

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新卒就活の先を見据える、unistyle転職シリーズ。
これまでの転職コラムでは、学生に人気の高い4つの業界をピックアップしたうえで、「人気企業をファーストキャリアに選んだ方々が、そこからどのような転職ルートをたどるか」というポイントを考察してきました。


 
これらを踏まえたうえで、今回より複数回では「転職を経てエリートポストにたどり着いた方々が、それ以前にどのような企業に勤めていたか」という視点にスイッチし、転職キャリアについて考察します。
 
すなわち、これまでのコラムが「ある企業からの転職」=「人材の流出経路」をテーマにしていたのに対し、これから複数回では「ある企業への転職」=「人材の流入経路」について考えていくことになります。

「転職」シリーズ第5回、今回のテーマはPEファンド(Private Equity Fund)。
 
PEファンドの多くは、基本的に新卒採用を行っていません。
そのため就活生には馴染みのない業界である一方、最優秀層の学生の皆様にとっては、将来的な転職先候補のひとつとして非常に魅力的に映るであろう業界です。
 
本記事では「そもそもファンドとは何か」等の基礎知識から確認しつつ、「将来的にPEファンドに転職したい場合、新卒就活ではどの業界/企業を選ぶべきか」という論点までカバーします。

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転職データのリサーチ

unistyleでは「人気企業に新卒入社したあとに転職して辿り着くエリートキャリア」を考えるため、
 
・PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)
・VC(ベンチャーキャピタル)
・戦略コンサル
・ベンチャー企業の創業者、役員
 
以上4つの集団の現職者に対象を限定し、これに該当するビジネスエリート計1302名のキャリアをリサーチすることで「一流転職市場のリアル」に迫りました。
(なお、全ての情報は各社有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです)

PEファンドとは何か

なかなか学生には縁がないエリート業界、「PEファンド」。
新卒就活生の間で話題に上がることはありませんが、unistyleを利用する皆さんのような学生にとって、非常に魅力的に映るであろうキャリアのひとつです。
 
まず、業界全体を簡単に理解しておきましょう。
 
【”ファンド”の定義と分類】
 
PEファンド(Private Equity Fund)とは何か。
それ以前に、そもそも「ファンド」とは何か。
これらの問いにクリアに回答できる学生はあまり多くないように推察します。
 
広義の「ファンド」とは、「投資家から資金を集め、それを運用するスキーム」としてシンプルに定義できます。
 
そしてファンドは、その投資の対象によっていくつかに分類できます。
経済産業省の討議資料による分類をベースに、代表的なものを以下にまとめました。


  ※経済産業省「経済成長に向けたファンドの役割と発展について」に基づいて作成

ひとくちに「ファンド」と言っても、その投資対象や投資手法は様々だということが分かるでしょう。
 
なお、本記事ではそれぞれの転職傾向の違いから、VC(ベンチャーキャピタル:ベンチャー投資に特化したファンド)をPEファンドから意図的に区別して考察します。
つまり、本シリーズでの「PEファンド」とは、表中における「バイアウトファンド」及び「再生ファンド」のことを指しており、VCは含まれていません。

PEファンドの定義と魅力

本記事テーマである「PEファンド」は、表中の通り「非上場株式に投資するファンド」として定義されます。
「未上場ベンチャー企業や上場廃止企業の株式を取得したのち、その企業価値を高めてから株式を売却してキャピタルゲイン*を得る」というビジネスモデルとして理解しておきましょう。
 
*キャピタルゲイン=資産価値の上昇によって得られる利益のこと。ここでは特に、「株式取得時の株価」と「売却時の株価」の差額を指す。
(例)A社の株式を100円で取得したのち、経営参画を通じてA社の企業価値=株価を上昇させ、120円で株式を売却した。このとき、120-100=20円のキャピタルゲインを得る。

キャリアとしてのPEファンドの魅力のひとつに、投資先企業の経営に参画できる点が挙げられるでしょう(いわゆるハンズオン手法)。
単なる資金供給にとどまらず、大口株主として投資先企業の意思決定に関与する、ファンドメンバーを取締役として派遣してマネジメントを握る等、企業の経営に深く入り込むことで企業価値の最大化を狙います。
 
したがって、PEファンドの業務は単なる投資決定に終始せず、「様々な業界の企業に入り込み、実際に経営の舵取りを担うことで業績改善を果たす」ことまでが求められます。
このポイントはいわゆる投資信託などとは一線を画する点であり、また他業界で経験を積んだエリートたちがPEファンドへの転職を志す理由のひとつだと考えられます。

 PEファンドによる投資案件の具体例

実際の案件例として、ここではPEファンド・アドバンテッジパートナーズによる株式会社コメダへの投資案件を見てみましょう。
 
皆さんご存知、名古屋発の喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」を展開する株式会社コメダは、2008年にアドバンテッジパートナーズからの投資を受けていました。
 
アドバンテッジパートナーズのレポートによると、同社は投資実行後に
・新社長の招聘を含む組織体制の刷新
・ブランド価値向上のためのマーケティング施策の実施
・新規出店戦略の立案と出店基準の策定
・M&A戦略策定〈ex.〉パン納入元企業の100%子会社化
などを敢行し、売上高(投資前の2倍強にまで拡大)や店舗数(318店から500店弱へと拡大)の増加を通じて企業価値の向上を実現したようです。
 

このように、PEファンドではあくまでキャピタルゲインに最終目的をおきつつも、投資先企業のトップマネジメントとして重要な意思決定に関わることができます。
この点において、極めて魅力度の高い選択肢であると言えるでしょう。

PEファンドへの流入経路

とはいえ、PEファンドは基本的に新卒採用を行っておらず、すでに他企業で経験を積んだ転職者にのみ門戸を開いているのが実状です。
それでは、将来的にPEファンドへの転職を望むとき、それまでにどんなキャリアを積んでおくべきでしょうか。
 
以下では、unistyleがリサーチした現職PEファンドメンバーの経歴をまとめ、そこから「PEファンドに転職する際に求められるキャリア」を明らかにします。

PEファンドメンバーの出身業界

 まずは、PEファンドメンバーの経歴を「業界」単位で分析してみましょう。
以下、業界ごとの出身者数をランキング形式にまとめました。

業界別でみると外資系投資銀行が頭ひとつ抜けてトップ、日系都市銀行*と戦略コンサルがそれに続く構図になりました。
とりわけ外資系投資銀行は計55名を輩出しており、今回リサーチした現職ファンドメンバーの約3人に1人が外資系投資銀行での業務経験を持つことが判明しました。
 
*日系都市銀行=メガバンク及びその母体となった旧銀行を指す。
 
以下、この数字から読み取れるポイントを3点挙げます。 

〈ポイント①〉ファンドへの転職は「銀行」が強い 

外資系投資銀行、日系都市銀行がそれぞれ上位を占めていることから、「銀行での業務経験は、ファンドへの転職を見据えるうえで強みになる」という仮説が立ちます。
 
外資系投資銀行にて資金調達やM&A案件に奔走してきた人材が、PEファンドの業務に対しても高い親和性を持つことは比較的イメージしやすいでしょう。
一方、メガバンクでの融資業務も「資金需要とカネの動きを掴む」という点で重要な学びを得られるフィールドであると考えられます。

 〈ポイント②〉戦略コンサルはオールラウンドな転職力を持つ

前回の転職コラムにて、戦略コンサルのアルムナイが様々な業界で活躍していることをお伝えしました。
上記のデータでも相当のボリュームを持っていることから分かるように、彼らにとってはPEファンドもまたメジャーな転職先候補のひとつに数えられるようです。

〈ポイント③〉総合商社人材は評価されにくい?

現在、就職人気ランキング上位を独占する総合商社。
しかし、上記ランキングでは上位3業界に大きく水を開けられる結果となっています。
以前よりunistyleでお伝えしてきた通り、「総合商社人材は、転職市場においては評価されにくい」という仮説をサポートする結果だと言えるでしょう。

PEファンドメンバーの出身企業

では、次にPEファンドへの流入経路を「企業」単位で分析してみましょう。


前項の業界単位での分析とはまた異なる示唆が得られます。
ポイントを4つ挙げます。  

〈ポイント①〉マッキンゼーの人材力は突出している

業界単位では外資系投資銀行が輩出人数トップになったものの、企業単位で最多となったのはマッキンゼー・アンド・カンパニーでした。
優秀な人材が集う戦略コンサル業界においても、やはりマッキンゼーは頭一つ抜けているのが実態のようです。

 〈ポイント②〉総合商社のなかでも、三菱商事は異質である

総合商社出身者が少ないPEファンド業界において、三菱商事だけはマッキンゼー、ゴールドマン・サックスに次ぐ3番目のポジションを占めています。
前述の通り、総合商社5社の合計PEメンバー輩出人数は16人、このうち11名を三菱商事OBが占めている(同グループである丸の内キャピタルは除く)という事実に注目しましょう。
ここ最近、三菱商事・伊藤忠商事・三井物産の3社を純利益ベースで比較する議論が再燃していますが、ことファンドへの転職においては三菱商事が別格の地位を占めているようです。

〈ポイント③〉かつてのエリート銀行員がファンドに流入している

バブル崩壊後に経営破綻に追い込まれたかつてのエリート銀行=日本興業銀行(現・みずほFG)、日本長期信用銀行(現・新生銀行)の出身者数も目を引きます。
80〜90年代、銀行こそがエリートキャリアの代名詞だった時代に新卒入行した最優秀層が、現在ではPEファンドに移って活躍していると考えられます。
一方、メガバンク統合後に新卒入行し、その後にPEファンドに転じた層は極めて少ないとも言えるでしょう。

〈ポイント④〉外銀のなかでもゴールドマン・サックスが突出している

マッキンゼーに次いでファンド転職者が多いゴールドマン・サックス(GS)も、やはり転職市場においては一線を画するポジションにあると言えるでしょう。
戦略コンサル業界のなかでも優位性を持つマッキンゼーと同様、GSも業界トップの人材力を備えているという仮説が立ちます。
なお、シティグループなど他の米系・欧州系投資銀行も一定数のファンドメンバーを輩出しており、やはり業界全体としてPEファンド転職への親和性は高いようです。

 最後に

以下、本記事のサマリーをまとめておきます。
 
①PEファンドは投資先企業の経営に深く関与する
PEファンドのメンバーは、キャピタルゲインの最大化を最終目標にしながら、社外取締役等のポストから投資先企業の経営に参画できる。

②銀行業務の経験はファンド転職に活きる
現職ファンドメンバーには外資系投資銀行の出身者が多く、次いで日系都市銀行の出身者も多い。但し、後者のうち大半はメガバンクではなく、統合前の旧銀行に入行した層である。

③PEファンドに行くなら:McKinsey、GS、三菱商事
マッキンゼー・アンド・カンパニー、ゴールドマン・サックス、三菱商事の各社は、優秀な人材が集う各業界のなかでも突出した人材輩出力を誇る。
  
PEファンドは新卒入社を受け入れておらず、それゆえ学生には馴染みの薄い業界です。
しかし、いまや新卒入社後の転職が一般的な選択肢になりつつあること、そして、業務内容が極めて魅力的であることから、将来的なキャリア候補として検討しておくべきでしょう。
 

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【業務時間の15%はイノベーションの創出に充てる】丸紅の新人事制度「15%ルール」から考察するこれからの副業のあり方 【業務時間の15%はイノベーションの創出に充てる】丸紅の新人事制度「15%ルール」から考察するこれからの副業のあり方 安倍晋三首相が提言した働き方改革の取り組みに伴い、大手企業が副業を解禁し始めたことが話題になっています。その中でも総合商社の一つである丸紅が「15%ルール」という新たな取り組みを始めたのは、総合商社に興味がある人のみならず、様々な人の興味を引いたことでしょう。今回は、一部報道で「社内副業」と呼ばれている丸紅が取り組んでいる「15%ルール」という新しい形の働き方について、副業についての考察を深めながら記事にしました。最近よく聞く”副業”とはそもそも「副業」とは、最も広い定義で考えると、本業とは別に収入を得ることです。そのため、自宅での内職や株式・FX投資、ネットオークションでの販売、クラウドソーシングでの記事やイラストの作成、アルバイト、別の会社で社員として働くダブルワーク、起業など色々な副業の形があります。狭義の意味だと、本業に支障が生じたり、会社に侵害を与えるものが副業となります。一昔前までは副業は本業に支障をきたす可能性があると考えられ、本業に集中することが主流でした。そのため、副業を禁ずる企業は珍しくありませんでした。しかし、昨今企業によっては副業を解禁し始めました。なぜなのでしょうか。企業が副業を解禁し始めた大きな理由として、政府が主導している「働き方改革」による影響が大きいです。「働き方改革」とは、人口減少、少子高齢化に伴い衰退している日本経済を立て直すべく、日本の企業文化、日本人のライフスタイル、日本の働くということに対する考え方そのものに着手する改革です。労働力人口が減少する中、働き方の多様化が求められるようになり、副業解禁はまさにその第一歩となります。例えば、政府が「働き方改革」の一環で行なった「モデル就業改革」の改定と「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の公表があります。参考:モデル就業規則について|厚生労働省副業・兼業-厚生労働省この「モデル就業規則」の改定では、以前にあった『許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。』という規定が削除され、『労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。』という規定が新設されました。この規定により、副業がしやすくなりました。経済不況や年金システムの危うさによる終身雇用や年金に対しての不安、クラウドソーシングの普及により、副業が身近なもので気軽に始めることができるようになっているため、今後ますます副業をする人は増えていくでしょう。このような社会的背景によって、優秀な人材はどんどん副業するようになり、仮に副業を禁止している企業があれば、優秀な人材が自社から離れてしまうリスクを抱えることになります。優秀な人材には、所属している会社を通さずに仕事が依頼されるケースがあったり、自社ではビジネスにならないが他の友人や知人、他社とであればビジネスになる話もあります。優秀な人材であれば、外部で月に数万~数十万の報酬を得る事は不可能ではありません。そのため、企業は副業を解禁することによって、優秀な人材を他社に引き抜かれる可能性を防いでいます。大手企業での副業近年では、大手企業でも副業を解禁するケースが増えてきており、リクルートやLINE、ヤフー、メルカリ、サイバーエージェントなどのIT・webサービス企業、花王、ソニー、パナソニック、日産といったメーカー業など、様々な企業が副業を解禁しています。参考:【大企業編】2018年は副業解禁元年?副業OKの会社一覧珍しい事例としては、オンラインショッピング事業を手がけているエンファクトリーは「専業禁止」という方針を掲げており、専業に加え社員自身で別の事業を持つよう推進しています。社員が副業を主業として取り組む事で、キャリアを主体的にデザインするとともに、会社にイノベーションを与える力にもなっています。また、IT企業のサイボウズでは、副業が認められていますが、本業との区別が付けづらいため、複業とも言われています。「100人いれば100通りの働き方」を掲げ、複(副)業を認めるだけでなく、複業採用を行なっています。複(副)業をしている人を集める事で、多様性のある組織となっております。企業によって様々な規制がありながらも、本業とのバランスを考慮しながら副業が行われています。副業によるメリット副業が認められるようになったのは、副業を許可することにメリットがあるからです。個人のメリットと企業のメリットをそれぞれ挙げてみます。副業をすることによる個人のメリットは、スキルや経営力の向上、コネクション構築、節税に使うことができるなどがあります。副業は個人で活動を行うものであり、より高い報酬を得るためには、個人のスキルアップが欠かせません。起業をした場合には、財務や広報、営業など全てを自分で行う必要があります。そのため、経営者としての力を身につけることができます。また、独自の情報やコネクションを得ることができ、本業に役立つよう利用することができます。さらには副業による収入により、ビジネスに関わるものを経費化できるため、税制的に大きなメリットとなります。一方、企業側のメリットとしては、社員のスキルアップや優秀な人材の確保、自立心やモチベーションを促せるなどがあります。副業を奨励することで、社員に主体性を持たせることができるため、社員が高いモチベーションで行動し、本業においても高いパフォーマンスを発揮できる傾向があります。このように、個人と企業にとってメリットが多いと考えられます。副業によるデメリットしかし、副業にはデメリットもあります。これも個人と企業に分けて考えることができます。副業による個人のデメリットは、副業に時間を取られてしまい、本業が疎かになってしまう可能性や、法定労働時間を越すことなどがあります。本業と副業の労働時間を合わせて1日8時間、週40時間以上となると、法定労働時間を超えているため、36協定の締結や割増賃金の支払いが必要となり、注意する必要があります。企業側としても、社員の副業によって取引先などに秘匿性の高い社内の情報が漏れた場合、企業の信用を失う可能性が無いわけではありません。また、社員の労働時間管理、健康管理が必要となってきます。個人としてのデメリットは本人のキャパシティーに依存する要素が大きいため、明確に副業が認められている場合、もしくは副業をしても本業を疎かにしない程度に行うことが重要となってきます。丸紅の取り組み大手総合商社の一つである丸紅では、イノベーションを促進し、新たなビジネスモデルを奨励するために「15%ルール」という勤務時間の15%を新しい事業の考案などに使うことを可能とする制度が適用されました。参考:【直撃・丸紅人事部長】「社内副業、義務付け」報道の真実丸紅は「商社の枠組みを超える商社」となるために「人材×仕掛け×時間」という柱で、イノベーションを促進する施策をパッケージ化し、実施しています。「15%ルール」では主に時間にフォーカスしており、社員一人一人が商品軸を超えたイノベーションの創出や創意工夫による業務改善を考え、行動する時間を全社的に確保するための取り組みです。担当業務にかかわらず、新たな事業や業務プロセスの企画立案に向けた活動に、業務時間の15%を充てられるようにしています。この副業ですが、本業の時間を削って社内で副業を推進しているため、副業とは言えないという考え方もあると思います。実際、丸紅も「社内副業」は本業と対比されて言われているだけで、あくまでも「15%ルール」であると言っています。そのため、本来の副業の目的が薄れ、企業のために新規事業を考えるための時間であるとも言えます。そうなってしまっては、企業が個人の考え方を奪ってしまうと捉えられる可能性もあります。ですが、この「社内副業」は丸紅グループの考え方には合致していると考えることができます。丸紅の経営計画では、世界中のプレイヤーとの競争に勝ち、地域経済や社会に貢献する企業となるために、強い「個」が集結したグループを求めています。丸紅の求める強い「個」は以下の3つです。・高い志と好奇心を持ち、常にチャレンジとイノベーションを追求する人材・自らのミッションを高いレベルで達成するプロフェッショナル人材・自ら考え、行動し、実行する主体性を持った人材参考:丸紅採用HP高い志と主体性を持って、難易度の高い課題に取り組める人材を求めていることがわかります。今回の「15%ルール」は正に丸紅の求める強い「個」をより多く輩出するための取り組みであると言えます。既存事業のみならず新規事業もますます増えていくため、皆さんのやりたい事を見つける、もしくは作り出すための環境は整っているでしょう。「新規事業に挑戦してみたいけど、ベンチャーでやるのは少し不安」と考えている人はぜひ丸紅についてもっと調べてみてください。もし皆さんが丸紅に入社を希望する場合、これらの要素が求められているのを把握した上で、さらにそれを伸ばしていく必要がある事を頭に留めておくといいですね。unistyleの見解今回取り上げた丸紅の「15%ルール」は、社員の時間の無駄を削減し、その時間を有効活用することで新たな価値を創造しようとする取り組みです。副業のデメリットであった部分を撤廃し、さらなるイノベーションを創出することは、働く社員にとっても丸紅にとっても双方にメリットをもたらすと思います。人生100年時代と言わている昨今、貯蓄を用意しておく必要性や今ある仕事がなくなる可能性がある事を明確に理解しておく必要があります。サラリーマンで本業を営み、安定した収入を得ることで安心感を得ることは可能です。しかし、これからの時代は一つの収入源だけでは安心感を得ることは難しくなると考えられます。副業は収入源を増やせるだけでなく、新しいスキルを身につけられるため、これからの時代に適応するための手段として当たり前になると考えられます。皆さんが就職活動をやっていく上で、大企業で退職まで勤め上げるという選択肢が最も現実的かと思いますが、常にその他の選択肢を用意しながら働くことも考えてみてください。副業を本格化し、独立することを許可してくれるのみでなく、サポートの段階までしてくれる企業を選ぶことも企業選びの要素にするのもありだと思います。副業を珍しいことと思わず、むしろ副業は必要なものだと考え、キャリアの選択肢を増やして就職活動を行ってみてください。まとめ副業は収入源が増えるだけでなく、個人としてのスキルアップや高いモチベーションの維持につながります。今回取り上げた丸紅の副業は本業の時間の15%をイノベーションの創出に充てる制度のため、本来の副業とは異なったものですが、高いレベルの「個」を作り出すための制度として、優れたものであると考えられます。皆さんがご自身のキャリアを考えていくにあたり、「副業」を選択肢の一つとして捉えていくことが現実的なことであることがお分かりになったと思います。パラレルワーカーになるのも一つの選択肢として、考えてみてはいかがでしょうか。 13,102 views
出世の観点から見る、高学歴の学生がメガバンクに入行する意義 出世の観点から見る、高学歴の学生がメガバンクに入行する意義 こんにちは、16卒のメガバンク内定者です。入社まであと少しとなる中で、働くことに対する不安を払拭したいという意味合いからも、就職活動を終えてから多くのメガバンクに勤務するOBに出会ってきました。今回の記事では、その中で見えてきた、メガバンクにおける出世と学歴に関する関連性について書いていきたいと思います。メガバンクにおける学歴の意味合いについては、以下の記事でも考察されているので参考にしてください。参考:「学歴がモノを言う!?メガバンク内定者が不透明な選考活動を切る」初回からエリート支店に配属される高学歴の学生筆者がOB訪問した方の中に、山手線・中央線沿線の支店で勤務する方が何人かおりました。「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」では、「メガバンクに就職した場合、初回配属が地方なら出世コース」という噂が言及されていますが、当初は筆者もこれを信じていました。しかし、OB訪問した先輩に言わせてみれば「本当に出世コースに乗るやつは未来永劫首都圏もしくは海外転勤でキャリアを終える」とのこと。つまり、「本当に人事部から出世を期待されている人材は、最初から東京23区の主要地区へ配属される場合が多いのではないか」とのことでした。働く前から目の前の学生が活躍するかというのは憶測の枠を飛び越えるわけがありませんし、憶測を少しでも確かにする判断材料が就職活動時にアピールした「部活での実績」や「学歴・成績・言語能力」というスペック重視になるはずです。これまでの学生の経歴が素晴らしいものであればあるほど、その学生はエリート支店に配属される可能性が高くなると言えます。参照:「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」早慶上智以上の学歴で構成される某支店「初回からエリート支店に配属される高学歴の学生」に関連して、そのような配属を行った先には、支店における社員の学歴はどのようなものになるのでしょうか。エリート支店は早慶上智以上の学歴を持つ社員で構成されるとのことでした。上記の筆者がインタビューしたOBが勤務する支店においては、総合職でMARCH以下の学歴を持つ社員は現在いないとのことです(ちなみにその支店は社員数80人ほどと中規模の支店です)。以前に学歴MARCHの総合職の男性が1人いらっしゃったようですが、その方は大学時代に駅伝部で重要ポストに就き、全国駅伝大会での走行経験があるという輝かしいキャリアを持ち合わせていたようです。官庁に出向し、着実にキャリアを形成していく東大OBさて極めつけは、日本の最高学府である東大を卒業したメガバンク社員はどのようなキャリアを歩むかについて述べます。「メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態」に書かれている内容から考えると、「せっかく東大出たのにメガバンク入社かよ」と考える学生も少なくないのではないでしょうか。では、自ら志望してメガバンクに入社した東大卒OBはどうなるのか。3名の東大卒OBにお会いして話を聞きましたが、キャリアの変遷は以下のようになります。東大卒OB①:中京地域の主幹支店→東京の主幹支店東大卒OB②:東京の主幹支店→ニューヨーク支店東大卒OB③:東京の主幹支店→人事部→某官庁出向花形中の花形とも思われるキャリアを若手のうちから歩むことができることがわかります。参照:「メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態」学歴が高くても仕事ができない社員は、いつ見放されるのかこの記事をここまで読み進めてきた方の中には、「高学歴で最初は下駄を履かせてもらっても、ずっと有利に立ち回れるわけではない」と考える方もいるでしょう。実際にそうであると考えられますが、問題は「高学歴の社員がいつどのような形で見放されるのか」ということです。既に某メガバンクを退職した、人事部で長く勤務された方のお話では、「入社後10年ほど(体感としては部署・支店異動を三度ほど)でもあまり見込みがない社員には、メンツを潰さないように役職を与えた上で地方に配属することもあった」とのことでした。これは裏を返せばGMARCHクラスの学歴を持つ社員の方でも、10年を目処に高学歴の社員に対して逆転のチャンスが与えられると言い換えられます。高学歴の社員は、どこまで上りつめることができるのかでは、入社後継続的に良い評価が下された場合は順当に出世していくわけですが、問題はどこまで出世できるのかということです。例として、メガバンク3行の直近三代頭取の学歴を見てみましょう。三菱東京UFJ銀行永易克典氏(東京大学法学部卒)→平野信行氏(京都大学法学部卒)→小山田隆氏(東京大学経済学部卒)三井住友銀行西川善文氏(大阪大学法学部)→奥正之氏(京都大学経済学部)→国部毅氏(東京大学経済学部)みずほ銀行齋藤宏氏(東京大学経済学部)→佐藤康博氏(東京大学経済学部)→林信秀氏(東京大学経済学部)東大・京大卒の就活生にとっては希望を持つことができ、早慶の学生にとっては自らの限界を悟ってしまう頭取の学歴の系譜となっております。では最終学歴が早慶以下の社員は頭取になれないのかということは誰にもわかりませんが、筆者の聞く話では出世を期待された某メガバンク勤務のGMARCHの社員は、自身の学歴を塗り替えるべく現在某有名大学院入学のための勉強を始めたようです。頭取にこだわらず、取締役・執行役の学歴という観点で見れば、最終学歴が早慶という方も見受けられます。出世コースに乗り続けた先に待つ闇出世することが全てでないと考える人もいれば、何が何でも出世してやると意気込む人もいるでしょう。留意すべきは、出世した先・出世コースから外れた先に何が待っているのかということです。出世コースから外れた先というのは、ドラマ半沢直樹を見て印象が強い出向によって、40代・50代で銀行の融資先に赴くというケースが想定されます。出向に関する考え方については、「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」の「いつ何時も配属された先での評価が次の配属先を決める」の章や「半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例」を参考にしていただけたらと思います。一方で、出世した先はどうかというと、一例として銀行員の花形出世コースとして人事部配属というキャリアがあります。定年まで銀行で働き続けられる理想的なキャリアとされますが、そこでの仕事内容は「同期に出向を命じる」ということが一つとしてあります。上記の既に退職した人事部勤務経験の方は、これが一番辛かったとのことでした。自分が出世の階段を上りつめるにつれて、ふと振り返ってみると他の同期を蹴り落としてきたからこそ今の自分があることを実感させられるとのことでした。参照:「初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態」参照:「半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例」最後に:メガバンク入行を目指す就活生へメガバンクにおける出世と学歴の関係について述べて参りました。高学歴の学生にとっては学歴によって下駄を履かせてもらえるという側面があるものの、同時に高学歴というプレッシャーと常に闘っていく必要があります。競争社会という意味合いが強い金融業界で働く意味をしっかり考えて頂き、読者の方が納得のいく就職活動を送って頂ければ幸いです。photobyMartinThomas 107,905 views
商工中金の不正融資問題を解説【unistyle業界ニュース】 商工中金の不正融資問題を解説【unistyle業界ニュース】 商工中金は中小企業支援を主要業務とする半官の金融機関です。「中小企業の発展に貢献したい」といった事業内容に即した志望者や、「金融の中でもホワイトそう」といった「なんとなく受ける層」も含め、例年就活生から一定の人気を集めている企業だと思います。そんな安定性が高いイメージを持つ方が多い商工中金について、問題のニュースが発表されました。参考:商工中金広がる不正融資問題ニュースの経緯2016年11月商工中金鹿児島支店における複数行員の財務諸表改ざんの発覚・発表2017年5月金融庁が行政処分→本店へ立ち入り検査2017年9月商工中金から継続調査完了延期が発表ことの発端は2016年11月、商工中金鹿児島支店において複数の行員が、取引先が融資審査を通るように試算表(=融資の際に参考資料として用いられる企業の業績表)を改ざんした問題の発覚でした。この問題に対し商工中金は、第三者委員会を設置して調査に乗り出しました。結果、鹿児島支店の件のほかに複数の案件で改ざんが発覚し、徐々に問題の規模の大きさが浮き彫りになっていきました。その後、2017年5月には金融庁より行政処分がくだり、不正融資の調査を目的に本店へ立ち入り調査が実施されることになります。当初2017年9月を見込んでいた第三者委員会の調査は、10月現在でも完了されておらず、全国の支店規模で同様の不正が蔓延していたことまで発覚されています。(ここまで大規模になると、各支店内で実質黙認状態だったという可能性すら考えられます)「危機対応業務」とは?商工中金の危機対応業務とは、「自然災害・金融危機といった企業にとっての緊急事態が発生したときに貸付を行う業務のこと」を指します。商工中金の場合、その対象が普段からの支援先である中小企業ということになります。この「緊急事態」という状態の基準が外部に対して曖昧であり、融資基準を満たしていることを証明するために先述したような試算表の改ざんが行われたと言えます。またこの融資制度では、商工中金は国から「利子補給」という補助金が支給され、他の金融機関よりも低利子で貸付を行えるという形が取られていました。今回の件はこういった国の制度を悪用し、財源となる納税者・競合先となる民間金融機関をはじめとした多くの関係者の強い反感を買ったという点で問題性が高いと言えるでしょう。なぜ不正が行われたのか?不正に携わった関係者が多いため一概には言えませんが、一番の原因は営業担当者個々人に対して課せれたノルマにあると考えられます。目先のノルマに達成に目が行き過ぎ、業績を悪く見せかけ「緊急事態」であることにするという不正が日常化してしまっていたと考えられるでしょう。もちろん、それを実行した個々の担当者だけでなく、融資を決裁した上司など、問題とみなされる関係者は多く存在します。「政府系はメガバンクと違ってノルマの厳しさがなくホワイトそう」というようなイメージを抱いていた就活生にとって、この背景にはある程度衝撃を受けることになったかもしれません。上記のようなイメージ先行の思考が危険であることについて、本件を通して気づきを得ていただければと思います。最後に「」でも述べたように、就活生は企業の業績を中心とした世の中の動きに敏感であり、今回の商工中金のニュースも19卒の就職人気に影響があることが推測できます。直近では、企業から聞き取りをせずに「中小企業月次景状観測」という調査書をある支店が作成したというニュースも新たに取り上げられました。不正融資と同様、本件も全国の支店規模の問題として浮き彫りになっていくのかもしれません。本件では「無謀とも言える数値目標に対して精神論や不正で解決しようとした」という点に根幹原因があり、ノルマ=目標予算を追う営利企業であれば商工中金に関わらず起こりうる話だと思っています。(今話題の神戸製鋼所のデータ改ざん問題にも近しい背景があると考えています)いずれにせよ、本件を他人事とは思わず、自分の所属する集団・組織で不正が発覚した際に当事者としてどう振る舞うのか。仕事に限らず身近なコミュニティと照らし合わせながら考えるきっかけにして欲しいと考えています。photobySLRJester 8,672 views
HPを制するものは就活を制す!志望動機・業界研究における企業HP活用のススメ HPを制するものは就活を制す!志望動機・業界研究における企業HP活用のススメ こんにちは、16卒の慶應生です。私自身は広告、メーカー、総合商社、人材、ゼネコン、テレビ局など幅広く就職活動を行っていました。そこで一番大変だったのが「業界研究」「志望動機」の作成です。恐らくどの就活生も「正直会社ごとの違いなんて分からないし…」と思っているのではないでしょうか。もちろんOB訪問を受ける会社全てこなして、違いを完璧に理解した上で面接に行く、という状態が理想であることは間違いありませんが、現実的にはツテもそこまでなければ、時間も限られています。私自身も第一志望の会社には25人ほどOB訪問をしましたがそれ以外の会社はしても2〜3人程度しかしていません、というより出来ませんでした。そこで本記事では、家でも学校でも電車の中でも見ることができるHPを使ってできる業界・会社研究並びに志望動機の作り方について考えてみたいと思います。そもそも志望動機とは【参考】志望動機というものを理解する上で、まず上の3つの記事を参考にするといいでしょう。そもそも業界研究とはなんのためにするのか、それは評価される志望動機を書くためだと思います。評価される志望動機は、「自分自身の経験に根ざした軸が企業にマッチしているか」ということだと思います。ただ口では綺麗事をいうことは非常に簡単です。しかしながらその背景に自分自身の経験があればオリジナリティが出て高い評価を得られるでしょう。こう言った視点で見ると、ただHPに書いてある基本情報、理念等をさらって、取ってつけたようにエントリーシートに書くということはあまり意味がありません。また、社員の方のインタビュー等をみて、「働いてる社員の方に共感を持ちました」とただ口で伝えることも意味がないでしょう。調べていることをアピールすることはできるかもしれませんが、他の受験者と比べていい評価を得ることはできないと考えています。上記から考えるHPの使い方【参照】「志望動機=自分自身の経験に根ざした軸が企業の働き方、向かっている方向性にマッチしているか」という風に考えた上で、上記エントリーを参考にすると、軸というのは(1)どんな価値を提供したいのか(2)その価値をどのように提供したいか(3)提供した価値の対価に何を得たいのかという方向性で考えるといいでしょう。私自身はこのような軸をHPにある事業内容、社員インタビューを見て一つ一つ検証していました。例えばゼネコンの営業職にフォーカスして上の3つの方向性に照らし合わせると(1)人々の生活を支える土台となる建物を(2)どのようなビジョンを持って建物を作りたいか顧客にヒアリングし、社外社内問わず様々なステークホルダーをまとめることで実現し(3)自分自身が0から何億円にもなるものを形にするやりがいを得られる。という風にHPを読んだ上で定義していました。そして1つ1つの軸を自分自身の経験から裏付けしていました。具体的には(1)震災に弱い地域出身かつ途上国への留学経験(2)(3)予備校で生徒、保護者、スタッフなど異なるステークホルダーをまとめて売り上げアップを図った経験というように話していました。多くの受験者は「HPの〜〜さんの仕事へのやりがいに感銘を受けました。」等、ただ上辺をさらっただけのような視点でしか見られていません。実際よく読んでみると、1日の仕事の流れやプロジェクト内での関わり方、そしてその果てにあるやりがいなどが多くの社員の方にパターンで書いてあります。そこにあるいくつかのパターンから上記の3つの軸を自分なりに定義し、経験に基づいて論証する、そしてその上でわからないことはOB訪問や面接等で質問しながら解消していくことで効率良く志望動機を作成することができると思います。最後にいかがでしたでしょうか。一般的な就活のパターンだと「自己分析→やりたいことを見つける→業界を絞って志望動機を作成する」という風なパターンが多いかと思います。しかしながら、「興味のある仕事を分解する→それを論証するための経験を自分なりに考える」という方法の方が多くの会社にエントリーできますし、結果としてフラットに業界の比較をすることができるため強固な志望動機を作ることができるように思っています。是非とも、「自分は絶対にこの会社なんだ!」であるとか「OB訪問してないから志望動機もかけない…」と思うのではなく、肩に力を入れず幅広い業界に触れてもらえればいいかと思います。 23,826 views

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