資生堂(コーポレート企画)のES徹底解説!選考通過者の志望動機・自己PR・ガクチカ分析
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最終更新日:2024年07月04日
資生堂の2019卒・総合職のエントリーシート(ES)が公開されました。
化粧品会社として最大手の資生堂。木村文乃さんや篠原涼子さんなどの広告で有名ですね。
就活生の人気も高く倍率が約500倍と言われるなどかなり高くなっています。しっかりと対策を取り選考に臨みましょう。こちらの記事では、今年の資生堂の本選考ESの回答方針を解説します。
・資生堂の本選考ES設問(コーポレート企画)
・設問1:志望理由
・設問2:コーポレート企画志望理由
・設問3:最も専念した学業
・設問4:学業意外で自己PR
・設問5:コーポレートの視点から資生堂を強くするための対策法
・設問6:コーポレートの職域での活躍について
・最後に
資生堂の本選考ES設問(コーポレート企画)
2019年卒の資生堂のエントリーシートの設問は以下の通りです。
◆コーポレート企画志望理由(全角300文字以内)
◆あなたが学生時代に最も専念した学業(全角300文字以内)
◆学業以外で自由に自己PR(全角400文字以内)
◆コーポレートの視点から資生堂を強くするための対策法(全角400文字以内)
◆コーポレートの職域での活躍について(全角400文字以内)
全体的にボリュームが多くなっています。ここからは各設問について解説をしていきます。
設問1:志望理由
いわゆる志望動機を問いている質問です。
設問の意図
この設問では、回答から以下の要素を見極めようとしているものと思われます。
・資生堂の文化やビジョンと合っているかどうか
意図を踏まえた回答方針
年によってはエントリーシートの通過率が10%台などかなり厳しくなっているためこの設問で志望度の高さをアピールしましょう。
志望動機を書くにあたっては、「夢・実現したいこと」・「それを抱いたきっかけとなる経験」・「それが志望企業で成し遂げられるのか」という点が最重要項目だと考えます。
詳しくは以下の参考記事でご紹介していますが、これらを入れることで自然と「入社後のモチベーションの高さ」や「記載内容の信憑性」、「業界・他社比較」を述べることができます。
【新卒】3ステップで完成!通過率を上げる志望動機の書き方|ES例文付
→多くの学生を悩ませる志望動機の作り方について、企業の意図を踏まえながら解説してた記事です。志望動機作りに活用できるフレームワークを紹介しているので、ぜひご活用ください。
内定者の回答と解説
マーケティングを通じて多くの人々の生活に影響を与えることの出来る仕事をしたいと考えているためである。また日本経済の活性化に寄与したいとも考えており、そのためには日本企業で働きたいと考えている。その点に関し貴社は日本企業の中でも幅広い消費財エリアで商品を展開しており、優れたマーケティング力を有している。さらにグローバル展開に携わり今まで化粧品等を使ったことのない人にその価値を提供したいと考えている。
出典:内定者の回答
200字という字数制限の中で、「マーケティングを通じて人々の生活に影響を与えたい」「日本経済の活性化に寄与したい」という「夢・実現したいこと」が述べられています。
加えて「幅広い消費財」と「優れたマーケティング力を有している」という「志望企業で成し遂げられるのか」という点にも言及できているため、非常に説得力のあるESとなっています。
この場合は難しいですが、もし指定字数に余裕がある場合には、ここに「きっかけとなる経験」を書くことができると、回答者が前半の内容にどれだけの熱量を有しているのか、本気度が伝わるものとなって更に共感を得やすい回答になるでしょう。
私の夢は、化粧品を通じて、世界中の人々が心豊かな人生を送る社会の実現に貢献することだ。この思いを抱いたきっかけは、8年間取り組んだ新体操で、化粧をした大会では自信を持った演技で好成績を修められた体験である。私は以下の二点から、業界内でも特に貴社を志望した。
・掛川工場でのインターンシップや、社員の方のお話を伺って感じた「お客様の価値のためなら妥協しない」という誠実な熱意に共感したこと。
・世界中に製品を届けられるグローバルな市場を持つこと。
入社後は、国内外のお客様に満足感を与える化粧品の開発によって、世界における貴社のプレゼンス強化を実現したい。「チームで掲げた高い目標を達成するために、当事者意識を持って努力する」という強みと、大学での研究で培った生命科学の知識・実験工程を創意工夫する力を発揮して、様々な人と協働しながら技術を結集させる研究開発フィールドで活躍したいと考えている。
出典:内定者の回答
こちらの内定者の回答では、「夢・実現したいこと」・「それを抱いたきっかけとなる経験」・「それが志望企業で成し遂げられるのか」の全てが書かれています。
これにより、上述した「入社後のモチベーションの高さ」や「記載内容の信憑性」、「業界・他社比較」が書かれており、大変納得感のなる内容となっています。
また、夢の実現に向けて「入社後に取り組みたい仕事」にも触れられている点は高評価です。これにより「企業理解」ができているのかがわかります。
夢を持って入社してくれたのは良いが、具体的に取り組みたい仕事がない人材では、やはり入社へのイメージが漠然としすぎており、大きな活躍を見込めるかの判断は難しいです。
「企業理解」というと、やたらに企業の情報を語るような志望動機を見かけますが、これは「内定獲得」に向けてのモチベーションが高いだけで、入社後のモチベーションの高さがわからないという理由からNGです。
その意味で言うと、この内定者の回答は「夢」「きっかけ」「それが志望企業でできるか」「取り組みたい仕事」という、必要な情報が過不足なく書かれた回答だと考えます。
設問2:コーポレート企画志望理由
この設問では資生堂の中でも志望する職種の志望理由を問いています。
設問の意図
この設問でもやはり志望度の高さ、あなたの将来のビジョンを見ています。
職種の志望動機を問うているため職種に関する知識、実際に働く上で何がしたいのか、なぜしたいのかを見ています。
意図を踏まえた回答方針
まず大前提として資生堂の職種に関する知識を身に着けている必要があります。職種に関してはHPを確認し、職種ごとの違いを確認しましょう。
コーポレートは、HPによると業務内容として総務、人事、法務、ITなどの会社運営などを行う職種です。仕事内容を理解しつつ、自分がやりたいことはコーポレートで出来るのかを考え回答しましょう。また、この設問ではその職種を志望したいと思うきっかけとなった経験を述べると説得力が増します。
内定者の回答と解説
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設問3:最も専念した学業
この設問では学生時代に最も力を入れた学業について問いています。
設問の意図
学業を通しての「学び」を問うことで入社後も意欲的・積極的に仕事に取り組み、入社後に活躍する人材であるかどうかを問うています。
この設問においては高い専門性を見ているのではなく専攻内容を知らない人に対してもわかりやすく説明することが出来るかどうかを通して受験者の地頭力を見ていると言えます。
意図を踏まえた回答方針
学業についての説明は専攻内容を知らない人に対しても分かりやすく説明するように心掛けましょう。
また、以下の4つを要素を回答で示した上で、専攻していた内容と仕事内容の繋がりを示せるとよりよいでしょう。
・なぜ学業に取り組もうと考えたか
・その学業のどこに面白みを感じているのか
・直面した課題に対してどのように乗り越えたか
・その学業を学んだ結果得られたもの
学業への取り組みについての回答は、以下の記事を参考にして書くと書きやすいと思います。
→学問に対する取り組みを問う設問に対する、有名企業の内定者の回答をまとめました。
設問4:学業意外で自己PR
ここではシンプルに自己PRを問うています。
設問の意図
この設問を通してあなたの強みを知ると共に資生堂の求める組織に貢献できる考え方をもった人材であるかどうかを見ています。
資生堂の求める人物像については資生堂のES解体新書|設問から求める人物像を考察してみたを参考にすると良いでしょう。
意図を踏まえた回答方針
この設問に対してはご自身が資生堂の求める人物像であることを示しましょう。
自己PRは、以下の5つの素養のいずれかを示すことを意識しましょう。
②関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
③リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
④価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる
⑤今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現できる
→人気企業に内定する学生がエントリーシートに書いていることには一定の共通項があります。参考記事では、人気企業内定者が共通してアピールしていた企業が求めている「強み」を5つ、学生時代の経験も合わせて紹介したいと思います。
また、自己PRは自身の強みを分かりやすく論理的に書くことがキーポイントです。
論理的な自己PRを書くには、以下のフレームワークに当てはめて書くと書きやすいです。
②強みの原点:強みが形成されたきっかけ
③強みを表す具体的エピソード
④強みの方法論:強みを発揮するために意識していること
⑤強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かす?
フレームワークや書き方の詳細な説明は、下記の記事をご覧ください。
【例文35選】新卒就活で高評価を得る自己PRの書き方・伝え方を徹底解説
→内定レベルの自己PRを簡単に完成させる方法について解説します。上記のフレームワークの活用法についても、具体例を交えながら説明しているので、参考にしてみてください。
設問5:コーポレートの視点から資生堂を強くするための対策法
設問の意図
この設問を通してあなたが資生堂に貢献できる人材であるかを問うています。
また、コーポレートの視点からと記載されているため書くことはコーポレートで出来るあなたの入社後にやりたいことである必要があります。資生堂を強くすると記載されていることからは資生堂の現状(強み・弱み)を把握しているかを探っています。この設問でもあなたの志望度を窺っていると言えるでしょう。
意図を踏まえた回答方針
資生堂の現状を踏まえた上でご自身の入社後に実現したいことをこの設問では答えるように心掛けましょう。また、実現したいことが資生堂ではなくてはならない、コーポレートでなくてはならない、資生堂のコーポレートではなくてはならないことを示しましょう。
設問6:コーポレートの職域での活躍について
設問の意図
この質問も仕事内容の理解度、コーポレートとして活躍するために必要なことを問うています。コーポレート企画は要するに会社の「縁の下の力持ち」的存在です。
人事や総務など資生堂の社員のために働ける人材であるかを見ています。
意図を踏まえた回答方針
ご自身が思うコーポレートができることを考え、回答しましょう。また、コーポレート企画とは資生堂のために働ける人です。
自身がサークルやゼミなどで組織のために考え行動した経験を元に活躍について必要なこと、自身が活躍できる人材であることをアピールしましょう。
最後に
資生堂のESはかなり独特で分量が多いのが特徴です。
エントリーシートを通じてどういう人であるかを探ると同時に資生堂の業務理解度を強く問うているように感じました。志望動機を聞く設問の比率が高いこと、倍率がかなり高いことから冒頭でも述べましたが、企業研究をきちんと行う必要があると言えるでしょう。