【旭化成のESを徹底解説】選考通過者のガクチカ分析
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最終更新日:2024年11月15日
日本有数の総合化学メーカーである旭化成。
「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献する」をコンセプトに、これまで時代のニーズに応じて多様な事業を展開してきました。
現在の事業領域を見てみると、繊維・化学品などのマテリアル領域、住宅・建材などの住宅領域、医薬品・医療品などのヘルスケア領域を行っており、サランラップ・ヘーベルハウスといった一般消費者向けの製品も手がけているため、多種多様な事業展開をしている企業と言えるでしょう。
2018年3月に行われた第3四半期決算説明会では、売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益の全てで過去最高値を更新しており、今後の動向に注目が集まる企業です。
この記事では、旭化成の求める人材像や、事業内容を参考にしつつ、本年度のESの回答方針について解説していきます。
旭化成の本選考ES設問
◆右の9つのワードのうち3つ以上のワードを用いて、自由に文章を作成してください。物語、詩、自分の考えなどどんな内容、表現方法でも結構です。(200字以内)
< 科学・工・挑戦・融・市・ヴァーチャル・月・億・ハート >
ESの設問は「学生時代についての自由記述」「キーワード作文」の2つになり、特に「キーワード作文」は他社の選考ではなかなか見られない珍しい形式の設問であるため対策は必要と言えるでしょう。とはいえ設問数が少なく、文字数も多くないため、そこまで困難なものではないと言えるのではないでしょうか。
設問1:「あなたの学生時代について自由にお書きください。」
設問の意図
学生時代に取り組んだことを通じて、学生の人となりや価値観を把握する意図があると思われます。
意図を踏まえた回答方針
「自由にお書き下さい」とありますが、学生時代に頑張ったことを書くのが無難でしょう。
頑張ったエピソードを選択する上では、「旭化成の仕事に通じる学び」の有無を基準に考えるとよいと思います。例えば企画営業の仕事は単なる販売とは一線を画し、素材や製品の機能や性能を最大限に発揮させるための市場調査を行い、研究所や工場の技術者を巻き込みながら市場を開拓していくことが仕事になります。
そのため、「関係者と信頼関係を構築しながら、課題を解決した経験」「今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現した経験」をアピール出来ると良いでしょう。自分ひとりで完結している経験よりも、周囲を巻き込んだ経験を伝えたほうが評価されやすいと考えます。
300字という文字制限の中ではありますが、以下の順序に沿って回答すると答えやすいでしょう。
①結論→②動機→③目標と困難→④取組みと結果→⑤人柄→⑥学び
また、以下の記事でガクチカの書き方に関して解説しているので、参考にしてください。
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。
内定者の回答と解説
参考:旭化成内定者エントリーシート
限られた文字数の中で先程の論理構成をきれいに当てはめたESだと感じます。
また、この内定者は国際交流イベントのリーダーとして外国人の日本に対する嫌悪感を払拭した経験を通じて、立場の異なる人物との交渉が求められる旭化成の事務職としての資質(他者との信頼関係を構築し課題を解決する力)を伝えられており、旭化成の仕事に通じる学びを上手くアピールできていると感じられます。
設問2:右の9つのワードのうち3つ以上のワードを用いて、自由に文章を作成してください。
< 科学・工・挑戦・融・市・ヴァーチャル・月・億・ハート >
設問の意図
なかなか見ることのないキーワード作文です。この設問には他社のエントリーシートの内容を使いまわすことが出来ない設問を課すことで、志望度の低い学生をふるい落としたいという意図を感じられます。また、学生の言語リテラシー・論理的思考力を試すものとも考えられ、一般教養がどのくらい身についているのかを見ていると考えられます。
意図を踏まえた回答方針
求められているルールを守りながら基本的な文章が書くことが出来れば問題ないでしょう。志望している業種に関連させた文章を書いた内定者もいますが、中には業界や職種と全く関係のない文章を作成し内定を獲得している学生もいるため、書ける内容そのものの自由度は高いものだと考えます。
志望度の高さや個性の強さをアピールすることも大切ですが、正しい日本語を用いて論理的に筋の通った文章を作成することに注意を払いましょう。
内定者の回答と解説
昨年度の、内定者の回答をもとに解説します。キーワードは、< 科学・熱・創造・結束・C・原理原則・大気・宿命・いぬ >の9つで、非常に個性的な文章となっています。旭化成の仕事との関係性は全くありませんが、論理構成はしっかりとしています。
参考:旭化成内定者エントリーシート
次は、MR志望の内定者の回答です。自身が希望する職種にちなんだ作文を作り上げています。
参考:旭化成内定者エントリーシート
最後に
旭化成のESは設問数が非常に少ないことから、面接で見えてくる人柄を重視した採用活動を行っていることが窺えます。とはいえ、コピーアンドペーストの出来ないキーワード作文を課すことからも分かるように、ES段階で本当に会社に興味を持っている学生だけに絞り込もうという意図も感じられます。
素材・建材といった商流の中間に位置する事業の性質から関わる人の数が多い旭化成だからこそ、多種多様な人と信頼関係を構築する力・巻き込む力をアピールできると評価を得られると思います。
この記事も参考にしつつ、設問の回答を考えてみて下さい。