【東宝のES解説】求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ
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最終更新日:2024年06月28日
東宝は邦画三社(東宝、東映、松竹)の中でも圧倒的な興行成績を誇り、今日の日本映画を語る上では欠かすことのできない存在となっています。
また、その存在感と人気作品の多さゆえ、非常に多くの志願者が集まるのも特徴で、激しい競争率の中、一体どういった点が重視されているのかと思う人も多いのではないでしょうか。
今回は、東宝の採用HPとESの設問から、採用側が欲しい人材というのを考えていこうと思います。また一連の設問に対して内定者の回答を載せていきますので、志望動機や強みの言語化にお困りの方も、そちらと併せて是非参考にしてみてください。
東宝の求める人材
19卒の採用HPの「採用ポリシー」には、必要な人材の要件として、「プロフェッショナル志向」、「引き出しとアンテナ」、「プロデュース能力」、「自分を磨く力」の四点が挙げられています。
この四点に関して、HPを引用しながら具体的内容を見ていきます。
「プロフェッショナル志向」とは、
「(前略)
東宝がこれからも使命を果たし、発展し続けていくために必要としているのは、愛着や憧れを超えて「プロになりたい」という強い気持ちを持っている人材です。
また、夢や感動を提供する企業であるからこそ、その担い手には、裏方、つまり現実的な視点から物事を考えられる人材が必要です。
「たくさんのお客様に楽しんでいただきたい」という顧客志向と、「映画・演劇業界を舞台にビジネスパーソンとして活躍したい」という現実的なビジネス志向。この2つを併せ持った「プロフェッショナル志向」のある人材を求めています。」
というように説明されています。
ここから考えられる東宝の求める人材というのは、今の時代にお客様が求めているエンターテインメントのニーズをつかむこと、かつ東宝のビジネス上の課題をつかむことができ、それに向かって関係者と信頼関係を構築し、実現を目指せる人だと考えられます。
これはunistyle関連コラムの「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」で紹介されている「関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」強みに関連していると言えるでしょう。
「引き出しとアンテナ」「自分を磨く力」においては、求められる人材の要件としては共通するものがあると思われます。
まず、「引き出しとアンテナ」に関しては、
「(前略)
自分自身(あるいは他者)が見聞きし経験してきたことを、多くの「引き出し」として蓄積していること、必要に応じてそれらを引き出せること。
世の中のあらゆる物事に興味・関心を持ち、常に「アンテナ」を張って新しい情報を取り込めること。この2つの力を生かして、時代の半歩先にあるニーズを掴むことが、不確実性の高い映画・演劇ビジネスにおいては重要なのです。
(後略)」
というように説明されています。
次に、「自分を磨く力」は、
「(前略)
新しい知識を吸収し、新しい経験と向き合い、働く力を身につけていきたい。そんな強い向上心を持った人と共に働きたいと思っています。
映画・演劇業界を取り巻く環境は、日々めまぐるしく変化しています。その中で、東宝が新たな作品やサービスを創造し続けるためには、現状に満足することなく、絶えず自分を成長させる、自分を磨く力のある人材が不可欠なのです。」
と採用HPに記述してあります
この二つからは、「常に会社の利益を生み出すために必要なことを考え、それを実践して自分を向上させていける人材」が求められている、ということがわかります。
これは、unistyle関連コラムの「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」で紹介されている「個人として努力し、成果をあげることができる」という強みに関連しているといえるでしょう。
「プロデュース能力」については、
「新たな作品やサービスを創造するためには、社内外のリソース(人・モノ・お金)をあらゆる場面で結集しなくてはなりません。
そのために必要となるのは、このようなリソースの力を最大限に引き出して繋ぎ合わせ、総合的に調整・交渉・説得・問題解決にあたる能力です。そのような能力を私たちは「プロデュース能力」と呼んでいます。
(後略)」
という説明があります。
つまり、リーダーシップを持ち、立場の異なる人同士の利害を調整し、プロジェクトを成功に導く力がある人が求められると言えそうです。
これは、unistyle関連コラムの「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」で紹介されている「価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」という強みに深く関連していると言えるでしょう。
ここまで、採用HPから見る東宝の求める人材を見てきました。
ここからはESの設問から、東宝に必要とされる人材の要件を考えていきます。
東宝の設問
◆学業で力を注いだこと(2行)
◆学業以外で力を注いだこと(インターン・サークル・アルバイトetc)2行
◆あなたが“いちばん”好きなこと(もの)や、”いちばん”得意なことについて率直に記述してください。
◆学生生活の中で、あなたの経験した「変化」はなんですか。その時の状況を説明し、その「変化」をどのように受け止め、どのように行動したか記述してください。
◆映画・演劇業界を志望する理由と、その中で当社を選んだ理由を記入してください。その上で、希望する職種でどのような仕事がしたいのか。また、そこであなたのこれまでの経験やキャラクターがどのように活かされるのか、具体的に記入してください。
◆好きな映画を3つ
◆これまでみた映画の中から作品をひとつ選んで感想
一つ目の設問
コンテンツに通じる話題であるとベターだと思います。
しかし、そういったものがなくても、自分なりに頑張ったと言えること、どう頑張ったかを論理立てて言えそうなものをチョイスするといいと思います。
面接で聞かれたときに、その選考についてまったくわからない人にも説明できるように用意できる話題がいいと思われます。
内定者の回答
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二つ目の設問
後に続く設問と関連づけたものであるほうがいいでしょう。
2行と短いことから、どういった役職だったかなどに簡単に言及しておくとよいと思います。
内定者の回答
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三つ目の設問
その人のありのままの性格を見ていると言ってよいでしょう。
ただし、「旅行」や「ゲーム」など「表面的に好きなこと」よりかは、人との関わり方でどういった関わり方をするのが好きかを書くというのがいいと思います。
これまでの人生経験を棚卸ししてみれば、他人との関わりにおいて何がモチベーションになっているかが見えてくると思います。いくつか共通する要素を抽出して考えてみるとよいでしょう。
採用側からすれば、「好きなこと」には「その人の欲しいもの」が表れるので、この設問の答えを見れば、「仕事においてその人が何をモチベーションに取り組んでいくのか」がイメージできると言えます。
特に映画の製作、宣伝、配給というのは一回一回様々なプロフェッショナルのメンバーが集まっては解散するプロジェクトであり、毎回とにかく多くの人と新しく関係づくりをしなければならないことも多いです。
そんな仕事において、自分はどのように他人と接していくのかを読み手がイメージできるように書くとよいのではないでしょうか。
内定者の回答
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四つ目の設問
訊き方をひねってはいますが、要は「学生時代頑張ったこと」を聞いていると考えてよさそうです。問題解決のプロセスを見ることで、ビジネスマンとして必要な能力を見ていると考えられます。
「変化」は他人によって引き起こされた、組織の目的達成を阻害するような問題などを選ぶとよさそうです。
内定者の回答
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五つ目の設問
・映画・演劇業界を志望する理由
これについては、自分のこれまでの人生経験と絡めつつ、映画や演劇が観客にもたらすよい影響をふまえて書くことがよいと思います。
・その中で当社を選んだ理由
これは、他社と比べて東宝の強みと言われていることから書くと良いと思います。とはいえ、他社の悪口を書くことはNGですので、そこは気をつけましょう。
・希望する職種でどのような仕事がしたいのか
例を挙げるとすれば、好きな作品を挙げて見たら全部東宝の配給作品だったので、こういった職種でこのように貢献していきたい、などの文体で書ければよいのではないでしょうか。
OB訪問などで、希望職種で具体的にどのような仕事をしているのかというイメージを膨らませておくと書きやすくなると思います。
・そこであなたのこれまでの経験やキャラクターがどのように活かされるのか
四つ目までの設問の中で書いてきたことに結びつけて書けると読み手がイメージしやすいと思います。
かつ、採用HPから見た東宝の求める人材が持つ強みの中で、「関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」または、「価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」のどちらかを持っていることをここでアピールできるとよいのではないでしょうか。
とは言え、これをそのまま書くのはいただけません。この強みにつながる自分の特徴を抽出し、それを伝えることができれば、読み手が勝手に想像してくれますので、その戦法をとることをおすすめします。
この設問はまさに「志望動機」を聞いていると言えます。このフレームを使えば面接の際にも志望動機として使える良問と言えます。
採用側からすれば、多すぎる志望者を絞るためには、志望動機の具体性で見るのがやりやすいやり方です。
この設問でバシッと決められるかどうかが、ES通過に関わってくると考えてよいでしょう。特にこの設問は書き終わったら映画業界のOBなどに見せることをおすすめします。
内定者の回答
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六つ目の設問
東宝の作品を挙げたほうが安全だと考えられますが、別の会社のものでもいいと思います。その場合は、3つの作品に共通するものは何かということを自分なりにイメージした上で挙げたほうがいいでしょう。
面接で聞かれた時に、スムーズに答えることができますし、自分がどういった価値観で映画を観ている人間かというのが採用側に伝わりやすいと思います。
内定者の回答
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七つ目の設問
単に「面白かった」ではなく、見る人にどういう感想を抱かせたくて作られた映画なのかということを考えつつ、感想を書けるとよいのではないかと思います。
宣伝方法などにも触れられるとベターでしょう。
内定者の回答
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最後に
いかがでしたでしょうか。
採用HPから求められる人材の要件をしっかり押さえつつ、東宝の作品も観た上でESに取り掛かるというのがベストだと思います。
特に、志望動機や自身の強みに関する質問は他業界でも必ず聞かれるものですので、各回答とその解説を参考にして頂けたらなと思います。
ESをもとに面接で質問されるということをしっかり念頭に置いたうえで、設問の答えを練っていってほしいと思います。