ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)|求める人材と内定者ES
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最終更新日:2018年10月17日
近年、就職活動の軸の一つとして「グローバルな環境」をあげる学生が少なくない中、外資系企業の人気はますます高くなってきているように思います。そんな外資系企業の中でも最大手に位置付けるのが、ジョンソン・エンド・ジョンソンです。
今や絆創膏の代名詞となった"バンドエイド"や、コンタクトレンズの"アキュビュー"シリーズなどで知られる同社は、医療品や日用品を中心に世界でビジネスを展開しているメーカーです。
本記事では、ジョンソン・エンド・ジョンソンの採用ホームページのやエントリーシートの内容から、同社の求める人材がどのようなものであるかを考えていきます。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの働き方
ジョンソン・エンド・ジョンソンの採用ホームページを見ると、企業理念やビジョンなどに代えて「Our Credo (我が信条)」と呼ばれる文書が公開されています。
これは"顧客、社員、地域社会、そして、株主という四つのステークホルダー(利害関係者)に対する責任を具体的に明示したもの"と紹介されており、同社における行動指針の根本として半世紀以上にわたって重要視されてきたようです。
ここから読み取れる「社員に求められる資質」は、ジョンソン・エンド・ジョンソンを目指す就活生としても備えておくべき資質だと思いますので、この点を意識することは大切だといえます。
我が信条 1
顧客一人一人のニーズに応えるにあたり、我々の行なうすべての活動は質的に高い水準のものでなければならない。
適正な価格を維持するため、我々は常に製品原価を引き下げる努力をしなければならない。
顧客からの注文には、迅速、かつ正確に応えなければならない。
我々の取引先には、適正な利益をあげる機会を提供しなければならない。
第一の信条に挙げられているのは「顧客との関係」です。
顧客ありきのメーカーですので、いかに顧客と信頼関係を築き、相手の困りごとを自社の製品・技術で解決できるかが大切だといえます。
こうした力は、Unistyle関連コラム「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」で紹介されている「関係者と信頼構築、課題やニーズを引き出して解決できるという強み」に関連しているのではないでしょうか。
我が信条 2
社員一人一人は個人として尊重され、その尊厳と価値が認められなければならない。
社員は安心して仕事に従事できなければならない。
待遇は公正かつ適切でなければならず、働く環境は清潔で、整理整頓され、かつ安全でなければならない。
社員が家族に対する責任を十分果たすことができるよう、配慮しなければならない。
社員の提案、苦情が自由にできる環境でなければならない。
能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられなければならない。
我々は有能な管理者を任命しなければならない。
そして、その行動は公正、かつ道義にかなったものでなければならない。
第二の信条は「社員の働く環境」に関する内容です。
「全社員の意見が軽視されることなく、どの社員に対しても平等に機会が与えられる環境でなければならない」という内容のことが書かれています。ただしこれは裏を返せば、社員一人ひとりも「自身の意見をしっかりともち、チャンスがあれば掴もうとする気概」を持ち続けなければならないということではないでしょうか。
この信条から読み取れる「ジョンソン・エンド・ジョンソンにおいて求められる資質」には、「努力して個人として成果をあげられるという強み」(上記関連コラム参照)がよくマッチしているように思います。
我が信条 3
我々は良き市民として、有益な社会事業および福祉に貢献し、適切な租税を負担しなければならない。
我々は社会の発展、健康の増進、教育の改善に寄与する活動に参画しなければならない。
我々が使用する施設を常に良好な状態に保ち、環境と資源の保護に努めなければならない。
第三の信条は「社会全体との関わり」に関する内容です。
「社会やその構成員の生活をより良くするためには何ができるか」という高い目標を常に念頭において行動のできる能力や、現状をきちんと把握し、必要であれば率先して変革を起こす素質などが求められているのではないでしょうか。
「リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を達成できるという強み」や「(現状を良くするために)価値観や立場の異なる人とも協力して成果をあげられるという強み」(上記コラム参照)などがあれば、この第三の信条に沿った形での自己PRがやりやすいかもしれません。
我が信条 4
事業は健全な利益を生まなければならない。
我々は新しい考えを試みなければならない。
研究開発は継続され、革新的な企画は開発され、失敗は償わなければならない。
新しい設備を購入し、新しい施設を整備し、新しい製品を市場に導入しなければならない。
逆境の時に備えて蓄積を行なわなければならない。
これらすべての原則が実行されてはじめて、株主は正当な報酬を享受することができるものと確信する。
最後の信条は「株主に対する責任」に関連したものです。
ここでの対象は株主に限定されていますが、「人々の役に立つ革新を起こし続ける」ことは、世界展開するリーディングカンパニーとしていつでも持っているべき気概なのかもしれません。
「今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現できるという強み」や既出の「関係者と信頼構築、課題やニーズを引き出して解決できるという強み」(上記コラム参照)などはこうした趣旨によくあっているのではないでしょうか。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの設問
それでは、上記で確認した「ジョンソン・エンド・ジョンソンの求められる人材」を踏まえながら、エントリーシートの設問を考察します。
・ジョンソン・エンド・ジョンソンに入社して、どのような仕事がしてみたいですか?会社選び/仕事選びにおけるあなたのこだわりを踏まえ、教えてください。(400文字以内)
・ジョンソン・エンド・ジョンソンは医療業界の中で「新たな価値の創造」や「変革」をリードしてきました。あなたがこれまでに主体的に「変化」を起こした経験について教えてください。(400文字以内)
・あなたが入社することで、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「どこ」が「どのように」変わると思いますか?変わる理由を明確に記入してください。(400文字以内)
一つ目の設問
ジョンソン・エンド・ジョンソンに入社して、どのような仕事がしてみたいですか?会社選び/仕事選びにおけるあなたのこだわりを踏まえ、教えてください。(400文字以内)
まずは自分自身で企業研究を重ね「ジョンソン・エンド・ジョンソンという企業の社会的役割」や「同社にはどのような職種があり、それぞれ具体的にどのような仕事をするのか」などをきちんと理解しておきましょう。
その上で自分の経験や適性上どのようなことをやりたいと思っているのか、同社においてはその夢をどのような形で叶えられるのかについて触れられると良いと思います。
ただしこの設問で「どのような仕事がしたいか」という問いを必ずしも「どのような職種につきたいか」に置き換える必要はないと思います。
例えば「新しい価値を創造することに関心があり学園祭実行委員を頑張ってきた経験」に触れた上で、仕事選びの軸を「新しい価値創造の出来る場所」とし、「ジョンソン・エンド・ジョンソンが社会に新たな価値を与え続けている点(具体的にそう感じたところも挙げる)に共感した」という構成をとるのも一つの手です。
ただし、職種について具体的に触れずエントリーシートを書く場合は、内容が抽象的になりすぎないように気をつける必要があります。
内定者の回答
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二つ目の設問
ジョンソン・エンド・ジョンソンは医療業界の中で「新たな価値の創造」や「変革」をリードしてきました。あなたがこれまでに主体的に「変化」を起こした経験について教えてください。(400文字以内)
上記の「我が信条」においても「新たな価値の創造」に関連した内容の言葉が出てきましたが、「変化の激しい消費財業界」と「進歩し続ける医療業界」でビジネスをする同社にとっては「変革あるいは革新(イノベーション)」が一つのキーワードとなっているようです。
あなた自身にも現状に満足せず、より良いものを目指して変革を起こした経験はありませんか? そうした自身の経験が同社のスタンスに通ずるような部分を見出し、そのような経験について簡潔に書くことが大切だと思います。
内定者の回答
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三つ目の設問
あなたが入社することで、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「どこ」が「どのように」変わると思いますか?変わる理由を明確に記入してください。(400文字以内)
イノベーションを大切にしている企業であるからこそ、イノベーションによってもたらされる変化の内容も重視しているのではないでしょうか。
ただ新しいことをやればいいのではなく、あなたが同社で働きイノベーションを起こすことでどのような「良い変化」が起こると考えているのか、具体的に書けると良いと思います。
その際、あなたが起こす変化をただつらつらと並べるのではなく「会社の強みまたは弱み」に即して書くことができると、企業研究の成果がよく見せられると思います。
内定者の回答
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
採用ホームページの一部とエントリーシートという情報源だけからでも、これだけ企業の特徴が見えてきます。
エントリーシートや面接は「自身の強みをひたすら披露する場」ではなく「自身の強み・考え方と企業の理念やカラーがどのようにマッチしているのかを相手に納得してもらう場」と考えたほうが良いと思います。
採用ホームページやエントリーシート以外にも企業研究の材料はたくさんありますので、できるだけたくさんの情報に触れながら、自身と企業の共通点を見つけていければよいのではないでしょうか。
photo by Martin Thomas