【塾講師・家庭教師の経験に基づく自己PRの書き方】内定者ES例文10選付

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最終更新日:2025年03月27日

大学生に人気のアルバイトランキング等でも常に上位にランクインする「塾講師・家庭教師」。

熱量を持って取り組む方も多く、それゆえにこうした経験をES(エントリーシート)での自己PRやガクチカで打ち出したい、と考える方も多いかと思います。

しかしその一方で、どう書いていいのか分からない、書いたは良いがこれで評価されるのかわからないと困っている就活生もいるでしょう。

そこで本記事では、塾講師・家庭教師アルバイト経験を書くための3つのアプローチ方法と、内定者のES回答を掲載しています。

自己分析シート

塾講師・家庭教師アルバイト経験を書くための3つのフレームワーク

塾講師の自己PR3つのストーリー

塾講師・家庭教師のアルバイト経験を自己PRなどESに書く際には、気に留めておくべき点が1つあります。それは、「成果としての数字アピールで終わらないようにすること」です。

「塾講師として数学の苦手な生徒を指導し、生徒の数学の点数を60点から85点まで伸ばした」

「学生時代は家庭教師のアルバイトに注力し、担当した生徒3名を全員志望校に合格させた」

このような自己PRは確かに学習指導者としての実力のアピールにはなりますが、採用側がより重視するのは結果を出すためにあなたがとったプロセス・取組みです。

例えば、実際に筆者自身もある外資系企業の面接において家庭教師アルバイトのエピソードをアピールしたところ、面接官からは「生徒の現状をどのように分析して、どうやってその子の抱える課題を解決したのか。プロセスを詳しく教えてください」と問われました。

ESであれ面接であれ、結果としての数字のみではなく「生徒の成績を向上させるためにあなたがどのような分析をし、どういったアプローチをとって結果を出したのか」をアピールするようにしましょう。

参考:【外資系メーカー内定者が語る】面接でされて困った質問とその対策
→実際の面接で家庭教師アルバイトのエピソードが深掘りされた方のコラムです。ESを完璧に書けたと思っても、面接の深堀りに対応できなければ当然先には進めません。どのようなことが聞かれるのか予め知っておく必要があります。

こうした「現状分析から課題点を発見し解決策を考案する能力」は、どの企業に就職したとしても必要とされる力です。あなたの塾講師・家庭教師としての経験が、志望企業でどのように活きるのかというところまで落とし込めるようにすると良いでしょう。

この点を意識した上で、自己PRやガクチカには塾講師・家庭教師のアルバイトの経験の中でも以下三つのものを入れると良いでしょう。

内定レベルの塾講師・家庭教師のアルバイトの経験をESに反映させる方法は、大きく分けて以下3つのものに分類することができると思います。

  • (1)生徒の課題を創意工夫して解決したストーリー
  • (2)生徒の保護者との間に信頼関係を築くことで課題を解決したストーリー
  • (3)(塾・予備校の場合、)他の講師との協力関係を築くことで課題を解決したストーリー

教育関連のアルバイトでは、上記のような経験をした方は多いと思います。

以下では、それぞれの経験をどう活かすのかについて解説していきます。また、実際のPR例に関しては、記事後半の内定者ESをご参考ください。

(1)生徒の課題を創意工夫して解決したストーリー

学習塾や家庭教師を利用する生徒には、学習に関して何らかの課題感を抱いている方も多いでしょう。

確立したメソッドを利用して画一的な指導をする場合もあると思いますが、中には指導者として、例えば生徒の性格にあわせ指導方法や学習計画を工夫した経験はありませんか?

あなたが生徒の性格や考え方を理解し、生徒と信頼関係を築いているからこそ実現できたことがあれば、そのプロセスを細かくアピールすべきでしょう。

ビジネスで言えば、取引相手や自社商材を分析し、抱える課題の解決に向けた取組みをした例とも言えるため、プロセスを詳細に語り、課題解決能力を自身が有していることがアピールできるでしょう。

(2)生徒の保護者との間に信頼関係を築くことで課題を解決したストーリー

自身が直接指導した生徒のみならず、その保護者などにも働きかけて結果を導き出した経験があれば、それは大きなアピールポイントになるでしょう。

社会人として働くようになると、さまざまなステークホルダー(利害関係者)と協力しながら課題解決や目標達成をするシーンは多くあります。

そのような中で、価値観も年齢層も異なる人と信頼関係を築き、課題を解決することが出来たエピソードは社会人としての適応を語るのに最適です。

一人だけで行う仕事というのは少なく、多くは周囲の人と協力したり、支えられたりして成り立ちます。ですので、周囲の人と協力して課題を解決する力というのはアピールするべき経験です。

(3)(塾・予備校の場合)他の講師との協力関係を築くことで課題を解決したストーリー

授業の中では一人で生徒と向き合っても、他の科目を担当する先生や、また塾全体で連携して目標に向かうことも多いと思います。

例えば、自身の考案した効率的な指導法などを他の講師たちに共有、または講師同士での情報交換など、周囲の講師たちとの協力体制で生徒を支えた経験はありませんでしょうか?

前述の(2)の項目でも述べたように、周囲を巻き込んで生徒を支えたエピソードを用いることで、志望企業で活躍する将来のあなたの姿をより明確にアピールできます。

参考:「相手の立場に立って考える」だけで終わらない塾講師の受かる自己PR
→上記で触れた3点のほかにも「自身で家庭教師派遣団体を設立」「独自の方法で予備校で受験アドバイザーとして営業成績No.1」など、オリジナリティ溢れる回答も紹介しています。

塾講師・家庭教師経験を活かした自己PRの書き方

unistyleでは、自己PRの書き方として上記の書き方(フレームワーク)を推奨しています。

はじめに結論である自身の強みを簡潔に示し、それがどのように形成され、どのような場で発揮されるのか、そして最後にその強みをどう活かしていきたいのか、この順で書くことで、一方的ではなく、相手に十分に納得感を持ってもらえる自己PRを書くことが出来ます。

ポイントは、アピールしたい強みが志望企業にマッチしているのかということです。

極端な例ですが、個人での活躍が求められる企業で、集団で協力したエピソードを語っても評価はあまり高くないでしょう。どれほど強力な武器を有していても、使う場を間違えては意味がありません。

その意味では、まずは企業分析をきちんと行い、その企業で求められるものの中で、自身の塾講師・家庭教師経験の何がヒットしているのかを考え、そしてそれを上記フレームワークで語るというのが王道の流れでしょう。

参考:【例文35選】新卒就活で高評価を得る自己PRの書き方・伝え方を徹底解説
→上記フレームワークについて、詳細に解説をした記事です。それ以外にも、大手企業内定者が共通にアピールした内容や、内定者の実際の自己PR例など、自己PRに関することを網羅的にカバーした記事になっていますので、何を書いていいのか分からないという方も是非ご覧ください。

ダメなES例文

ダメなES例文

それでは、内定者の回答を実際に見る前にNGな自己PRの例文を見ていきましょう。

自己PRをしてください。

私の強みは責任感が強い点である。私は家庭教師のアルバイトにおいて高校3年の生徒を担当しており、その生徒が苦手だった英語の得点アップを目標に熱心に指導した。様々な指導方法を実践した結果、担当生徒を志望校合格へと導くことができた。この経験から私は仕事において責任をもって多くの方法を試すことの重要性を学んだ。

この文章は家庭教師のアルバイトにおいて熱心に生徒に教えようとしていることをアピールしてる一方、課題を解決したプロセスが盛り込まれていません。先に述べた通り自己PRを裏付けるエピソードにおいてプロセス・取組みを採用側は最重視しています。

成果としての数字アピールで終わらないようにすることプロセス・取組みを具体的に示すことを常に意識して自己PRを書くようにしましょう。

参考:【例文あり】良い自己PRを、悪い例から学ぶ|高評価を得られる自己PRとなるために
→本記事では悪い例から学ぶ良い自己PRの要素を解説しています。より良い自己PRを書くためには内定者の良い例だけを見るのではなく、悪い例を見て何が足りてないのか考えることも重要になります。

それでは塾講師や家庭教師のアルバイトの経験の強みをどのように自己PRに盛り込むのか、内定者の回答を実際に見ていきましょう。

日立製作所内定者のES例文

日立製作所内定者の解答と解説

自分のセールスポイントを教えてください。(200文字以内)

「挑戦」に対する熱意と粘り強さに自信があります。 
塾講師のアルバイトを始めて二年目に「生徒からの授業評価で全国一位を取る」という目標を立てました。達成するためには「自分にしかできない授業」の実現が必...
もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかということが大事です。話をより具体化するために数字を出すことが大切かと思います。その方が目に留まりますし。実際に私もESや履歴書には成果を具体的に書いていましたし、面接の際はわかりやすく伝えるようにしていました。「売り上げを増加させました」よりも、「売り上げを2倍にしました」の方がイメージしやすく、相手にも伝わりやすいですよね。 もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかという、
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。

キリンホールディングス内定者のES例文(予備校チューター)

キリンホールディングス内定者のES

大学時代に力を入れて取り組んだことを2つ

◇テーマ1 (50字以内)
●●大学体育会・男子ラクロス部での日々から得たことと今年の抱負
◇内容1 (500字以内)
私は現在、●●大学体育会の男子ラクロス部で「学生日本一」になるため、毎朝7時から...
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。

阪急電鉄内定者のES例文(予備校チューター)

阪急電鉄内定者のES

最近あった出来事で友達に伝えたいことを具体的に教えてください。

私は現在、駿台予備学校でクラスリーダーという現役生対象チューターのアルバイトをさせてもらっています。このアルバイトを通して私は、自分の行いによって周りの人々が喜んでいる姿を見た時に最高の喜びを感じる人...
大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?きっと人事の方はこう言うでしょう。
それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。
大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、

YKK内定者のES例文(家庭教師)

YKK内定者のES

YKKを志望する理由を教えて下さい。また、あなたがYKKでやってみたいことを教えて下さい。 (400文字以内)

「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という御社の精神が、私の生き方と一致するからです。
私は2年前から不登校中学生の家庭教師をしています。私の役割は、彼が登校を再開する手伝いをするということでし...
かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように、学生の人気というものは年々変遷していきます。自分が将来成し遂げたいことはなんであって、そこに対して自分が就職活動で持つべき企業選びの軸はどこにあるのかを考えた。
また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。

三井住友トラスト・グループ内定者のES例文(予備校チューター)

三井トラスト・グループ内定者のES

これまであなたが取り組んできたことの中で、一番達成感が得られたこと、or やり遂げたことで充実感を得られたことを具体的に記入してください。(全半角400文字以内)

予備校での受験アドバイザーとして「年間営業成績で全国1位」を目指し取り組んだ。
非常に困難な状況だと感じたが、この状況をポジティブに捉え取り組んだ。当初、口頭で生徒を説得するアドバイザーが大半だったが...
もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかということが大事です。話をより具体化するために数字を出すことが大切かと思います。その方が目に留まりますし。実際に私もESや履歴書には成果を具体的に書いていましたし、面接の際はわかりやすく伝えるようにしていました。「売り上げを増加させました」よりも、「売り上げを2倍にしました」の方がイメージしやすく、相手にも伝わりやすいですよね。 もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかという、
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。

トヨタ自動車内定者のES例文(家庭教師)

トヨタ自動車内定者のES

大学時代に最も力を入れて取り組んできたことについて教えてください。

家庭教師団体を設立し運営しています。
現在20強の世帯との契約があります。始めた理由は塾でアルバイトをする中で、現状の塾教育・業界に不満を感じたからです。当初はその不満を感じる現状に対し、内部から変え...
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし
なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。

サントリーホールディングスのES例文(家庭教師)

サントリーホールディングス内定者のES

これまでの人生で最大限に頭と体を使ったエピソードを教えてください。(400文字)

家庭教師として生徒の偏差値を15上げ、志望校合格に導いた。部活動が多忙な生徒のため、私は「短時間で合格水準に達するには、疑問をその場で解決し、単位時間あたりの演習量を増やす事が重要だ」と仮説を立て、2...
大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?きっと人事の方はこう言うでしょう。
それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。
大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、

アクセンチュア内定者のES例文(家庭教師)

アクセンチュア内定者のES

どのような軸で就職活動を行っていますか(400文字以内)

「企業や社会への貢献を実感できること」を軸に就職活動を行っています。大学4年間、私は家庭教師として、多くの生徒の学習指導を行ってきました。生徒によって、学力向上のために解決すべき課題は異なります。まず...
かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように、学生の人気というものは年々変遷していきます。自分が将来成し遂げたいことはなんであって、そこに対して自分が就職活動で持つべき企業選びの軸はどこにあるのかを考えた。
また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。

デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)内定者のES例文(家庭教師)

デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)内定者のES

学生時代に頑張ったことを教えてください。(250文字以下)

私が学生時代に頑張ったことは、家庭教師のアルバイトだ。生徒の集中力欠如という課題があり、その原因を「保護者の干渉」と特定した。具体的には、指導中に保護者が生徒を叱咤し、生徒が苛立ちを覚えるという状況で...
もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかということが大事です。話をより具体化するために数字を出すことが大切かと思います。その方が目に留まりますし。実際に私もESや履歴書には成果を具体的に書いていましたし、面接の際はわかりやすく伝えるようにしていました。「売り上げを増加させました」よりも、「売り上げを2倍にしました」の方がイメージしやすく、相手にも伝わりやすいですよね。 もちろんプラスになることはあるが、一般的なことでも、何を考え、課題があった際にはどう向き合い、結果どうなったかという、
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。

最後に

塾講師や家庭教師のアルバイト経験をしている大学生はとても多く、だからこそ平凡な自己PRになりがちです。

しかし、冒頭で述べた3つのフレームワークを意識して書けば他の就活生と差をつけることは十分に可能です。

結果だけでなくプロセスが具体的に伝わるように自己PRを裏付けるエピソードを書くことを心がけましょう。

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