自己PR・学生時代頑張ったことで最も重要な方法論に関する有名企業内定者の回答

40,578 views

最終更新日：2020年12月08日

自己PRや学生時代頑張ったことにおいて最も重要なことは、社会や仕事でも通用する価値観・考え方を持っているかという部分です。

多くの学生がリーダーシップがあることを示す際に、「部活動で主将を任されていました」、「ゼミで代表をしていたのでリーダーシップがあります」など実績を強調しがちです。

もしくは、「相手の立場にたって考えることが強みです」といったように何の根拠やどうすれば相手の立場にたてるのかといった根拠を示さずに声高にできるとだけ言い切ってしまう信憑性の低い話し方をしてしまいがちです。

一方で面接官や社会人が知りたいのは、あなたが人としてどのような価値観・考え方を持っているのか、その価値観に基づき、どのような行動をしてきたかということです。

前述のリーダーシップの例に当てはめると、主将や代表を務めてきた事実ではなく、リーダーや代表として心がけていたことは何か、リーダーや代表として周囲の協力を得るために大事なことは何かといった考え方の部分が最も知りたい部分です。リーダーや代表にも様々なタイプがおり、実績や強いカリスマ性の元に皆を引っ張るリーダーもいれば、メンバーの一人一人と親密な関係を築きながら押し上げられるようにリーダーになるような人もいるでしょう。

それぞれがリーダーとして心がけていることも違うし、どのようなリーダーシップをとる人間かは見た目の雰囲気や話し方である程度想像がつくでしょう。

「相手の立場に立って考える」ということも、相手が何を考えているかわからないからとにかく相手のためになる行動を積極的に取って相手の立場を探っていく人もいれば、慎重に相手が求めているものを考えながら徐々に関係性を構築するタイプの人もいるでしょう。

こういったタイプの違いや考え方の違いを示すことが、自分という個性を知ってもらうことであり、大事なことなのですが多くの学生が、「リーダーシップがあります」、「チャレンジ精神があります」、「相手の立場に立った傾聴力が強みです」といった誰もが同じ話をしてしまうのが現状です。

もう少し深い部分の個人の考え方や価値観に根付いた行動様式を知りたいというのが面接官や企業側の考えであることを理解した上で、今回紹介する内定者の回答を参考にしてもらいたいと思います。

参考：あなたの自己PRが嘘っぽく見えないために「方法論」を語るべき
本記事では、自分の強みを伝える際のポイントや構成の作り方について書かれています。過去の内定者のESも多く扱いながら解説していますので是非参考にしてみて下さい。

それでは、内定者のESをご覧ください。

メガバンク内定者の回答：周囲を巻き込む上で大事なこと

一番「あなたらしい」と思う取り組みを一つ選び、その状況を良く思い出して、行動事実を具体的に詳しく記載してください。(あなたが、いつ、どこで、何を、どうしたのか。その結果、何が起こったか等) （800文字以内）

初のフットサル早慶戦の発案・開催

両校共に体育会が無い中で、今年の冬にサークル同士の選抜という形で初のフットサル早慶戦を開催しました。

学生フットサルにはリーグこそあるものの、⑴選手が目指すべき、チャレンジできる舞台が少ない事、⑵体育会組織が少なくサークルが点在しているために学校を代表するという意識が希薄な事が発展を遅らせていると考えていました。

その中で規模が大きい慶應と早稲田が果たす役割は大きく、皆がその重要性を感じているものの、企画やコーディネートの煩雑さから誰も動かないという状況でした。そこで私は慶應唯一の競技チームの学生責任者として、それまで培った他チームや関係者とのネットワークやリーグ運営の経験を生かして、約一年前から今冬の開催に向け取り組んできました。

私はプロジェクトのリーダーとして試合の開催をき企画する他、チーム慶應のコーディネートに従事しました。最大の問題はサークル同士故の「早慶戦に対する温度差をどう埋めるか」でした。当初は自分たちの価値観で一方的に要望を押し付け、なかなか協力を得ることができませんでした。

そこで私は大きく２つの工夫をしました。⑴各サークルの選手をサッカーなど他の部の早慶戦に誘い各部員が早慶戦に賭ける想いや熱量を感じてもらう事、⑵様々な考えがある事を認め、何回もMTGを重ねる事で同じ視点でアイデアをすりあわせる事です。

それらを意識出来たからこそ、自分たちの本気の思いを汲み取ってもらうことができ、開催までこぎ着けられたと考えています。早慶戦だけではなく、「学校を代表して戦う」というコンセプトに他大学の協力も得ることができ、９校を巻き込んだ学校対抗戦の開催に成功しました。特別な才能や器用さがない私だからこそ、泥臭いタスクや皆がやりたがらない作業も厭わず行うことで、周囲を巻き込み大きな事を成し遂げる事が出来たと考えています。