業界研究・企業研究に関するコラム
133 件
- 就活生が知らない、融資の視点から見るメガバンク3行の違い 28,760 views メガバンク内定者です。読者の皆様は銀行の仕事と聞いて何を思い浮かべますか?多くの方が「融資」という回答を想定したのではないでしょうか。今回の記事はその「融資」がテーマです。金融商品は形がない分差別化が難しく、そこで差をつけるためには銀行員と顧客との信頼関係が大事というのが就活生の通説です。筆者自身も学生時代の信頼関係を築いた経験を基に話を展開し、内定を得ることができたと思っています。しかし、今現在継続して銀行員として働いているOBや就活時のリクルーターの方の話を振り返って整理してみると、融資の仕方や価値観に違いがあるのではないかと感じます。今回は私が就職活動当初から今までお会いしたメガバンク勤務の銀行員の話を参考に、融資の視点から見るメガバンク3行の違いを見ていきたいと思います。赤の融資の特徴:「厳格な審査がもたらす絶対的な安心感」赤というと、説明会では国際業務が強いということがフォーカスされ、多くの就活生がこれに魅力を感じるケースが多いように感じます。融資の仕方という視点に立った場合、赤の銀行員いわく「なかなか融資できない」そうです。これは決して悲観的に捉えることではなく、「お金が返ってくる見込や確実性がある程度担保されていないと融資しない」という堅実な姿勢を象徴したものとなります。「上司からはんこをもらう回数は他行よりも圧倒的に多いはず」とのことでした。しかし厳格な審査を経る分、融資できるとなった時のやり甲斐は大きいとおっしゃっており、「赤が融資する」という実績が他行の融資姿勢を引き出すこともあり、取引先企業にとっては赤と取引することによって有利に働く側面もあるようです。その面では他行の一歩先を歩いているという自負がその銀行員に垣間見えたように感じられました。青の融資の特徴:「困ったときには助けてくれる信頼感」青い銀行には、他行と比べると取引企業数が圧倒的に多いという特徴があります。これは「三菱系の会社はメインバンクとして赤と取引し、旧財閥系の三井や住友が土台となる緑とは取引をしたがらない。そこで青に白羽の矢が立つ」という実情が根底にあります。青の社員曰く「盤石な顧客基盤があるからこそ顧客の信頼感も高い」とのことでした。そして特筆すべきは、(これは青の銀行員も笑いながらおっしゃっていましたが)貸し剥がしや融資対象が他行よりも甘い(=見捨てない)とのことでした。「「晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」のがメガバンクの実態であるけれど、企業の経営が揺らいでも担当の銀行員が一生懸命財務諸表と睨み合って、分析して、実現性ある再建案を呈示することでリターンがあると判断できた場合は、融資できる可能性が他行よりも高いはず」とのことでした。経営が厳しい時に他行から見捨てられたが、現在は確固たる地位を築いている某教育会社や某ホテル経営会社、経営破綻から回復した某航空会社には、青の存在があります。そして最近ではシャープの再建は青と赤が関わるというような事例からも、上記の融資の特徴には納得感も説得力も十分に感じられました。このメリットの裏返しとしてのデメリットは、焦げ付き(=お金が回収できない)ということが挙げられますので、その点もおさえておいてほしいと思います。緑の融資の特徴:「他行の先手を打って融資できるスピード感」就活生の間では体育会系の印象が強い緑ですが、これは業務の達成ノルマが高いことや、厳しくつめられるということが一つの要因として考えられます。この要因は融資の仕方にも顕れていると言えます。業務の達成ノルマとは、例えばどれだけ取引企業に融資できたか(融資残高)という指標が存在しますが、このノルマが厳しいというのはすなわち「多くの取引顧客にできるだけ多くお金を貸さなければならない」と言い換えられます。この特徴が「スピード感」を生み、他行の銀行員は「緑はすぐ貸せる」とぼやいており、緑の銀行員も「お客様のニーズにスピード感を持って応えられているのは間違いなく緑だろう」とのことでした。青や赤からすると、すぐに貸せる緑のおかげで自行の取引が危うくなる、最悪の場合取引解消になるという影響があるとおっしゃっておりました。一方で、スピード感の裏返しとなりますが、経営基盤が揺らいだ際の貸し剥がしは他行よりも厳しいとのことでした。業務の達成ノルマが厳しいことの、取引顧客にとってのメリットとデメリットが顕著に顕れていると言えます。まとめ:顧客から融資をお願いされた時の3行の対応例さてそれではまとめとして、メガバンクの銀行員がおっしゃっていた「融資をお願いされた場合の、各行別の象徴的な対応の仕方」を紹介して終わりたいと思います。顧客:「融資をお願いします」赤:「いったんその案件は引き取って、再度検討の上返事を致します」青:「融資できるよう最善を尽くします」緑:「お貸しします」最後にいかがでしょうか。「説明会やOB訪問では融資にフォーカスされた話はされない傾向にあり、就活生もまた質問しないので、多くの新入社員がギャップを感じるんだよね、僕もその一人だった。」とお話を聞いた銀行員の方もおっしゃっていました。確かに説明会では「国際業務が強い」・「投資部門理解ワーク」といった銀行の華やかな一面を押し出している場合が多く、銀行員の主要業務といえる「融資」についてはあまり触れられないという印象を受けます。この記事は融資の視点から見た各行の特徴ですが、上記のメリット・デメリットを踏まえて、読者の皆様が納得のいくキャリア選択をする一助となれば幸いです。メガバンク各行の求める人材については、以下の記事を参考にしてください。参考:「みずほ銀行のESと採用HPから考えるみずほ銀行の求める人材」参考:「三井住友銀行のESと採用HPから考える三井住友銀行の求める人材」参考:「三菱東京UFJ銀行のESと採用HPから考える三菱東京UFJ銀行の求める人材」photobyMartinThomas
- 3名の証券業界勤務経験者との対話から考える、証券営業の光と闇 29,478 views こんにちは、16卒の金融内定者です。就職活動を始めた当時から金融業界に漠然とした興味があり、インターンでは証券・損保・生保・銀行と金融業界の中でもほとんど全ての領域の業務に関する知識を吸収していました。その中で、唯一証券業界だけはどうしても自分には務まらないと思い、就職活動時は断念しました。断念する過程に大きな影響をもたらしたのは3名の証券業界に関わった方々です。今回の記事では、この3名から実際にお聞きした話を基に、どのような就活生が証券業界に向いているのかについて考察していきたいと思います。考察の前提として、以下の記事を参考にしました。【参考】「野村證券のESと採用HPから考える野村證券の求める人材」(1)某証券会社の支店長筆者が某証券会社のインターンをしていた際、業務理解の一環として全国の中でも抜群の結果を残す支店に訪問し、話を聞くことができるという機会がありました。いかにも歴戦の覇者というような独特のオーラを発している方だったのですが、支店長になるまでの道のりは決して楽なものではなかったとのことです。お客様に買ってもらった銘柄が暴落し、雨の中玄関で土下座したり、怒号を浴びせられ続けながら毎日お客様のもとに謝りに行って、また新たな銘柄を買ってもらえるように懇願しにいったものだという強烈なエピソードを披露しておりました。どんな苦境にも自らの目標のために我慢し、乗り越えていける人を待っていますとおっしゃっておりました。支店長を任される、最大の秘訣は?という質問には「会社の利益に貢献すること・日本経済に貢献すること」とおっしゃっておりました。文章からだけではただの怖い人と思われるかもしれませんが、実際は笑顔が素敵で、優しそうな人に見えました。(2)証券会社を寿退社した主婦証券会社でのインターンが決まり、そのことを両親に報告したところ、「インターンに参加するのはいいけれど…」と後ろ向きな反応を示されたことを今でも覚えています。怪訝な顔をする筆者に、両親は証券会社を寿退社した主婦の方を紹介してくれました。十数年ほど前に会社を退社しているので、環境は変わっているかもしれないが、話を聞く分には問題無いだろうとお会いし、実際に話を聞きました。その当時、女性ではあるもの営業ノルマは男性と変わらず与えられていたようで、担当地域の顧客数や資金状況を考えると理論上は達成可能だが、実現するとなるととてつもなく難しいと考えられるものであったようです。女性であったため上司の方も比較的優しく接してくれていたようですが、同年代の男性社員には毎日上司の怒号が飛び、日に日に弱っていく男性社員を見ることが辛かったとのこと。また、自身のノルマ達成のために「0円になる商品を高齢富裕層の方に売らなければならない」という意識が根底にあったようで、これもまた自身を苦しめていたとのことでした。「彼らが大金を使わずに持っているくらいなら0円になる商品を買わせてもいいじゃないか」という上司の意見に納得できず、早く会社を円満に退社したかったこともあり、早く結婚したかったとおっしゃっていました。「お客様を3人殺してしまって一人前」という強烈な名(迷)言を残してくださったことが今でも印象的です。(3)証券会社を3年で辞めた先輩最後に、筆者の先輩で某証券会社を3年で離職した方の「退職理由」を紹介したいと思います。インターンの最中もフォーカスされていたことですが、新卒社員には年次が数年上の先輩社員が1人付き、仕事内容からプライベートまで様々な相談に乗ってくれる環境が備わっているとのこと。その先輩にも、年次が3つ上の先輩がついていたようなのですが、箸の持ち方から礼儀の角度、お礼状における文字の書き方、身に付けるものはブランドで固める、とありとあらゆる礼儀作法を叩きこまれ、働いていく毎に自身の個性が上塗りされていくようだったとおっしゃっておりました。自他共に認める優しい先輩だったので、銘柄をお客様に断られたらそれ以上販促することができなかったようで、結果ノルマが達成できず、しょっちゅう上司の怒号を浴びせられていたとおっしゃっておりました。そうした仕事環境に耐えられず、その先輩は会社を辞めてしまいました。結論:証券業界で生き残る人以上の話を基に、証券業界で出世すると考えられる人物像を整理してみました。にもあるように、個人として努力し、成果をあげることができる顧客と一対一の信頼関係を築き、顧客の要望にこたえることができることは最低限備わっているべきものであると考えられます。それに加えて、会社や日本経済のためと割り切って、例え怒られようと土下座を強要されようと富裕層のお客様に対して商品を販促し続け、営業ノルマを着実に達成していく人が出世していくと考えられます。一方で、お客様の損失の上に成り立つ生活には耐えられないと考える社員にとっては居心地の悪い環境であると考えられます。0円になる商品は売らず、上司の怒号に耐えきることに了承し、一般社会人よりも高い給与水準で生活できることに納得できるならば、上記の例に限りません。最後に筆者はインターンに参加後証券業界への就職を断念したので、説明会の内容を詳しくは知りません。しかし周囲の証券業界に就職する友人の話を聞くと、「大きな額の商品を扱って日本経済に貢献できる」「富裕層の方を相手に仕事するから人間的な成長を期待できる」とプラスの側面しか見ていないようで、説明会ではプラスの側面しか見せていないのでは?と少し不安に感じてしまいます。証券業界を志望する学生に限ったことではありませんが、業界には必ずと言っていいほどプラスマイナス両方の側面があると思いますので、それらを考慮の上納得のいく就職活動にしていただきたいと思います。
- 総合商社に内定する人の共通点〜三菱商事、人事部採用チームリーダーから学ぶ〜 32,229 views こんにちは。16卒の総合商社内定者です。先日、日経ビジネスオンラインで三菱商事の人事部採用チームリーダーがインタビューされていた記事を読んだのでそれを踏まえた上で総合商社に内定する人の共通点を内定者の立場からも分析し、書きたいと思います。総合商社は今や就職人気ランキングの上位に食い込む業界です。倍率も非常に高くなっています。やはりその倍率を勝ち抜いてきた学生にはそれなりの理由があります。三菱商事の人事部採用チームリーダーの下村氏は以下のように語ります。三菱商事に内定する人の共通項記者「御社に内定する人の共通項はありますか?」下村「求める人物像には信・力・知を備えている人と言っています。それらを体現する人の人物像は3つほどあります。1つ目は、自分で物事を切り開いた経験のある人。例えば、震災ボランティアを経験している人はけっこういます。ただ、ボランティア活動を客観的に観察して、効率的な運営ができていないと感じた。だからこそ自分でNGOを立ち上げて活動したという人が該当すると思います。2つ目は、高めの目標にストイックに挑むことができる人。これは仲間と共に部活動に真剣に取り組み、何事かを成し遂げた経験を持つ人などを想定しています。3つ目は、海外経験や国籍などまったく異なるバックグラウンドを持つ人です。例えば、フランスが好きすぎて、留学してフランス語がペラペラになって帰ってきた人とか。中東で何年も暮らした経験がある人なども該当します。」引用:三菱商事、「臆さずどんどん受けてほしい」人事部採用チームリーダーの下村大介氏に聞く下村氏が求める人材像として挙げている信・力・知を備えている人に関しては賛成ですし、三菱商事に限らず他の総合商社の内定者と接していてもそれらを兼ね備えている人は非常に多いように感じます。よく体育会、帰国子女でないと総合商社は受からないのではないかと考えている就活生がいますが、そのような肩書きが大事なのではなく、その経験において信・力、知が育まれているからこそ、それが総合商社の求める人材像とマッチし、結果的に総合商社の内定者における体育会比率や留学経験比率が高くなるのだと分析できます。また下村氏は同社のホームページで信・力・知に関して次のように話しています。「信・力・知」とは?三菱商事では、社員を最大の資産と捉え、OJT、OFF-JTを絡めた充実した研修制度や、新入社員の為のインストラクター制度を整えています。研修では、「信」・「知」・「力」という3つの観点から人材育成に取り組んでいます。「信」は社内外から信頼される人間性。「知」は問題解決のための知識や知恵。「力」は物事に粘り強く向き合い、やりぬく力を指します。また、インストラクター制度では、新入社員一人ひとりに指導役の先輩社員がつき、1年間、ビジネスの基礎能力を徹底的に教育します。引用:三菱商事HP「採用メッセージ」同じく信・力・知に関しては同社の人材育成においても重視していると下村氏は語っています。ただ、私はここにもう一つの要素を付け加えたいと思います。それは対人能力の高さです。総合商社のビジネスモデルは製品を持たない為、会社にいる人材が非常に重要となってきます。たとえ最初は会社のブランドを使って仕事が取れるのだとしても、ゆくゆくはその社員の名前で仕事を取ってくるぐらいの実力が必要となるのは目に見えています。内定者と接しているとその場を楽しませ、また会って話したくなるような人が多くいます。これこそが商社マンの本質なのではないかと私は思っています。このような学生がなぜ多く採用されるのか私なりに考えました。そして先ほど紹介した日経ビジネスの記事にヒントがありました。コンピテンシー面接記者「面接でもそういった人材を見つけるようにしているのですか。」下村「そうですね。活動実績は素晴らしくても、本当にその人が主体性をもってやり遂げたのか、信念や問題意識を持って取り組んだのかなどを掘り下げて聞くようにしています。」引用:三菱商事、「臆さずどんどん受けてほしい」人事部採用チームリーダーの下村大介氏に聞く私が就活を通して感じたのは、総合商社の面接が基本的にコンピテンシー面接であるということです。コンピテンシー面接とは「成果の再現性」を見る為の面接手法です。実際にその学生が学生時代に取り組んできたことへの姿勢やそこから得られた成果は入社してからも再現可能なのかどうかを次々と掘り下げる質問をしていくことで測っています。つまり、履歴書上は客観的に素晴らしいと思われる経験や成果を出していたとしても、マグレの可能性やチームにおいて雑務のみをやっていた場合にはコンピテンシー面接をすることでメッキが剥がれてきます。私が総合商社の内定者と話をしていく中で感じたのはほとんどの学生に一本の筋が通っているということです。総合商社に入社する理由は人それぞれですが、基本的には一つの信念の下に総合商社というフィールドを選んだ学生が多いように感じます。また一人で何かを成し遂げたという人は少なく、体育会ではもちろんのこと、留学や起業においても周囲を巻き込みながらチームにおいて重要な役割を担いながら成果を出したという人が多くいます。最後に総合商社を志望する人には内定がゴールだと考えて欲しくないと思います。自分が将来成し遂げたいことがあって、それを実現できるフィールドで勝負する為の一つの手段が総合商社への入社であると私は考えています。そして将来成し遂げたいことに大小はあれど、面接はその大小で決まるような勝負ではありません。一本の強い筋を持った人がこれから総合商社を受けにきてくれて、そういう人たちと一緒に働けることを楽しみにしています。photobyTheLEAFProject
- 4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡 54,080 views こんにちは。今年就活を行い、日系証券会社の投資銀行部門から内々定を頂いた14卒文系大学生です。今回は就活生にとってあまり馴染みがないと思われる、日系の投資銀行への就活について書かせて頂きます。外資系投資銀行との違い、また総合商社との違いなどについても触れますので、これらの業界を志望している就活生にとって少しでも参考になれば幸いです。日系投資銀行とはまず日系投資銀行の概要をご説明させて頂きます。一般的に投資銀行というと、ゴールドマンサックスをはじめとする外資系証券会社の投資銀行部門を思い浮かべる方が多いでしょう。高給・激務・グローバル…こうしたイメージから就活生にとって大変人気の業界です。一方で日系の証券会社(野村、大和、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガンスタンレー等)の中にも投資銀行部門が存在します。証券会社の業務には大きく分けて個人を顧客とするリテール部門、また事業法人や機関投資家を相手とするホールセール部門の二つがあり、ホールセール部門はさらに投資銀行業務(IBD)とマーケット業務の二つに分けることができます。一般的に投資銀行というと、これら二つの業務を行う証券会社のホールセール部門のことを指します。ちなみに外資系の証券会社は日本でリテール業務を行っていないため、そのまま外資系投資銀行と呼ばれているようです。これらの証券会社は主にコース別という形で投資銀行部門の採用を行っています。各社とも数名から数十名と、募集人数としてはかなり少ないと言えます。ただし初期配属がリテール部門となる日系証券会社のオープン採用からも、入社後の適正や本人の希望次第で投資銀行部門へ移ることも多いようです。同じ投資銀行といっても、外資系と日系の間では「働き方」という点で大きな違いが存在するようです。例えば給与。日系投資銀行が他の日系企業のように年功序列的な給与体系に近いのに対して(業績に応じてボーナスの差は大きいようですが)、外資系の投資銀行は完全な成果主義といえるようです。また、日本で新卒採用を募集している外資系投資銀行は当然ながら各々の日本法人にあたります。すなわちあくまで勤務地は日本であり、海外オフィスで働くチャンスという意味では必ずしも恵まれてはいないのではないかと思います(もちろん携わる案件や個人のパフォーマンス次第では海外で働くこともあります)。一方で日系投資銀行は各社とも現在海外拠点を拡充しており、若手のうちから海外のオフィスで働く社員も多くいらっしゃいます。ぜひ単なる業務内容だけではなくこうしたリアルな側面も比較しながら就活を進めて頂きたいと思います。良く言われるように外資は選考が早いので、日系を中心に考えている就活生も積極的に受けることをお勧めします。私自身の就活私自身日系の投資銀行という選択肢が最初からあったわけではありません。実はずっと総合商社を第一志望として就活を行ってきました。ところが結果は五大商社すべて敗退。最後の一駒だった某商社に最終面接でお祈りを頂いたときのダメージは相当なものでした…そこから総合商社のことばかり考えていた自らの就職活動を反省し、改めて金融・メーカーをはじめとして幅広い業界に挑戦してみようと考えたのです。その中で投資銀行という道に出会いました。具体的な業務と総合商社との比較就活を終えた今、総合商社を志望する就活生にとって外資・日系問わず投資銀行というのは選択肢として持っておくべき業界であると考えています。というのも、その業務内容には少なからず近い部分があるためです。上述したように、投資銀行部門は証券会社に中でも事業法人や機関投資家を顧客とするホールセール業務を行っています。投資銀行部門を細分化すると、投資銀行業務(IBD)とマーケット業務に分けることができます。投資銀行業務は発行市場を舞台に活躍しています。主な業務は株式・債権の引き受け、そしてM&Aのアドバイザリーです。一方、投資銀行部門の中でも流通市場を舞台に活躍するのがマーケット業務です。ここでは投資銀行業務に絞って総合商社との比較を行いたいと思います。投資銀行業務を一言で表すと、「顧客の企業価値を最大化すること」と言えるでしょう。顧客である事業法人が設備投資などのために資金を必要としているとします。このとき、企業が新たに有価証券を発行するサポートをするのが投資銀行の主たる業務です。顧客の事業戦略や財務戦略などに応じて最適な資金調達手段を提案し、それが採用されると実際に案件を執行します。また、顧客の成長戦略に応じてM&Aのアドバイザリーを行うのも投資銀行業務の役目です。近年は日系企業の海外進出に伴いクロスボーダーM&Aや海外での株式発行など、グローバルな案件が非常に増えているのも特徴です。一方で総合商社の業務においても投資がかなりの割合を占めるようになっています。エネルギーをはじめとする資源の権益獲得をイメージするとわかりやすいですね。一説によると今では商社の収益の約7割が投資による配当利益だそうです。「投資」・「グローバル…このあたりのキーワードは投資銀行と総合商社に共通しているものと言えそうです。ただし投資銀行が文字通り「投資」を生業としている一方、総合商社は事業投資とトレードの双方で成り立っているビジネスモデルです。「川上から川下まで」と呼ばれるバリューチェーンを構築し、その価値を最大化するために総合商社は投資を行うのです。この点は総合商社と投資銀行の大きな違いと言えると思います。私が元々総合商社を志望していた理由は、「日本経済の発展に貢献する」というものでした。あらゆる分野でバリューチェーンを構築し、その至るところで日系企業へビジネスチャンスを提供できる総合商社でこそ、上記の目標に挑戦できると考えていました。日系投資銀行に進路が決まった現在もこの目標は変わっていません。クロスボーダーM&A等を通じて日系企業が世界で活躍するサポートをすることは、手段は違いますが私が総合商社で挑戦したかったことに非常に近いと考えています。またこのように「日本」という視点を大切にしたい私にとっては、外資系ではなく日本にヘッドクォーターを置く日系投資銀行という選択は結果として正しいものだったと思っています。日系投資銀行という選択肢について個人的に投資銀行で働くことの最大のメリットはその専門性の高さにあると思います。マーケットに精通するとともに数多くの金融商品への専門性を身につけ、また自分が担当する業界に対しても深い見識を養わなければなりません。そのため、知的好奇心が強く、様々な専門性を身につけたいという学生にとっては大変魅力的な業界だと考えています。実際にはその専門性を活かして同じ会社で長く活躍される方、外資系投資銀行に転職される方、異業種へ転職される方、起業される方、様々な方がいらっしゃいます。また、MBA取得へのサポートが手厚い会社が多い業界でもあると思います。こうした特徴からか、内定者の多くは専門性指向が強く、また将来のキャリアビジョンを具体的に思い描いているタイプの学生であるように感じました。終わりに最近の株価の乱降下をご覧になればわかる通り、日々変動するマーケットと向き合い続けなければならないこの業界は決して安定した世界とは言えないと思います。ただしその一方、世界を舞台にダイナミックな仕事ができることもまた間違いありません。就活成功のためには様々な業界を見ることがとても重要だと思いますので、その中の一つにぜひ日系投資銀行という選択肢を入れて頂ければ幸いです。皆様の就職活動が実りあるものとなりますことを祈念しております。photobyrobertagovoni
- 外資系投資銀行・国内証券会社志望者が読んでおきたい5冊 40,666 views 外資系投資銀行や、国内証券会社がどのような仕事をしているのかを知るために読んでおきたい本5冊を紹介します。1.ジョン・ロルフ/ピーター・トゥルーブ『ウォールストリート投資銀行残酷日記—サルになれなかった僕たち』ウォールストリート投資銀行残酷日記―サルになれなかった僕たちアメリカのビジネスエリートの代名詞でもあるアイビーリーグでMBAを取得し、一流投資銀行ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットに入社した2人の著者が、やがてその現状に失望して、会社を辞めるまでのドタバタ劇を描いた作品。すべてがこの通りというわけでもなく、投資銀行を去っていった人間からの視点という部分には多少の注意も必要だが、投資銀行の実情を知るには非常によい作品。2.真山仁『ハゲタカ』新装版ハゲタカ(上)(講談社文庫)2004年に刊行された経済小説。当時「ハゲタカファンド」と呼ばれた、短期的な利益獲得のみを目的とした投資ファンドと、それを取り巻く人や金を描いている。ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦が、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、斬新な再生プランを披露し、業績を上げていくという話で、企業買収、再生の真実を克明に描いている。テレビドラマ化、映画化もされた。3.黒木亮『巨大投資銀行』巨大投資銀行(上)(角川文庫)週刊ダイヤモンドに連載後、2005年に単行本が刊行された経済小説。旧態依然とした日本の都市銀行を飛び出し、ウォール街の投資銀行、モルガン・スペンサーに転職した桂木英一。外資流のビジネスに翻弄されながらも、巨額のM&Aや証券引受で勝機をつかみ、一流のインベストメント・バンカーへと駆け上っていくという話。作品で登場する竜神宗一は、実在する伝説のトレーダーで元ソロモン・ブラザーズ副会長・アジア地区の最高経営責任者の明神茂がモデルである。4.高杉良『小説巨大証券』小説巨大(ガリバー)証券(徳間文庫)経済小説・企業小説の第1人者である高杉良による、証券業界を扱った作品。本書で描かれている時代は、昭和60年代から平成2年くらいの、いわゆるバブル絶頂期。日野一という日和証券の証券マンを通して、「1強3弱」と言われる証券市場の不合理性を抉り出している。丸野証券という、明らかに野村證券をモデルとした巨大証券会社が登場するが、当時の日本の証券業界を理解するために必読の書。5.藤沢数希『外資系金融の終わり』外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々金融日記でおなじみの人気ブロガー藤沢数希による著書。「複雑すぎて潰せない」ために注がれる多額の税金。顧客との利益相反のオンパレード。人事、報酬、キャリア、リストラの生々しい実態などが赤裸々に、シニカルかつコミカルに描かれている。また、世界同時金融危機からユーロ危機に至るまでの流れを、何がどのように起こっていたのか、外資系投資銀行は何をしていたのかを非常に分かりやすく解説している。2012年までの直近の経済動向や、外資系投資銀行の仕事を知るには必読の1冊。↓野村證券の社会人インタビューはこちら↓野村證券3年目Sさん【無料会員向け記事】↓野村證券のES・内定者インタビューはこちら↓野村證券ES・インタビュー一覧↓外資系投資銀行のES一覧はこちら↓外資系投資銀行ES・インタビュー一覧↓証券会社のES一覧はこちら↓証券業界のES・インタビュー一覧外資系投資銀行の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に外資投資銀行志望者向けグループでは、選考や企業に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。
- 総合商社社員が関連会社への出向で劇的に成長する3つの理由 38,585 views 総合商社の社員となると、海外駐在だけでなく関連会社への出向もかなりの割合ですることになります。割合としては大体ではありますが、本社勤務が4割、海外駐在が3割、関連会社への出向が3割といった感じになっています。出向というと銀行のような出世の終わりといったネガティブなイメージを抱く人が多いかもしれませんが、総合商社における出向、特に若手のうちの出向はポジティブな意味合いが強いものだといえます。今回は総合商社社員が関連会社への出向を通じて成長する3つの理由について説明したいと思います。関連:半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例出向先社員からの厳しい視線総合商社で関連会社に出向する際には、出向先の優秀な社員の厳しい目にさらされることになります。総合商社から関連会社に出向する場合には、関連会社の若手社員と同じような営業の現場に出るケースは少なく、本社の経営企画部や新規事業の部署などに配属されるケースが多いです。関連会社の本社の経営企画部や新規事業の部署には基本的に、関連会社の中でもエース級の仕事が出来る社員が集まります。一方でエース級で仕事が出来る社員とはいっても、給与水準で総合商社にかなうケースは少なく、給与に関しては「出向してきた総合商社社員>>関連会社のエース社員」になります。プライドの高いエース社員ほど、この現実に対して厳しい目線を投げかけます。つまり、「おれより高い給料もらってるんだから当然仕事もできるんだよね?」という目線でみてきます。会社に入るとよくわかりますが、会社員は誰が仕事ができて誰が仕事ができないのかということに恐ろしいほど敏感です。そして自分より仕事ができないのに高い給与をもらっている人に対しては厳しい態度で接してしまうものです。総合商社という同じ会社の中であれば、仕事の出来る出来ないと給与にはある程度の相関性があります。(もちろん下記のコラムで紹介したような仕事ができないが高給をもらう人もいますが。。。)関連:総合商社の窓際族ウインドウズ2000の哀愁総合商社の社員として、こうした関連会社の社員と協力して目標を達成するためには、彼らに認められる仕事を常にして、信頼してもらう必要があります。常に厳しい目線にさらされていることを理解しながらストレッチして仕事をすることで、同質性の高い同じ会社で勤める社員の中で仕事をするよりも、早く成長することが可能になります。年齢の割に高い役職総合商社から関連会社に出向する場合には、年齢の割に高い役職につくチャンスが多くあります。関連会社の社員であれば40代でマネジメント職につくのに、総合商社から出向することで30代のうちにマネジメント職につくことができるといったケースが多々あります。関連会社が非常に小さい企業である場合には、30代のうちに役員として出向するケースもあります。総合商社本社において、マネジメント職である課長につくには40代前後ですが、20代、30代のうちから出向先にてマネジメント職としての経験を積むことができます。もちろんマネジメント職になる上でも、前述の通り、エース級の社員を束ねる必要があり、役職がついているからと無条件で信頼してもらえるわけではなく、出向先で信頼されるマネージャーになる上では通常よりも高いリーダーシップが求められるといえるでしょう。社外でも通用するスキルの習得部署異動があるとは言っても、ずっと同じ会社で仕事をし続けると、社内ルールにやたらと詳しくなるばかりで、社外でも通用するスキルと社内だけで通用するスキルの見分けがきかなくなりがちです。基本的にはどの職場においても、人に協力してもらうために大事なことやリーダーシップを発揮する上で大事なことは変わりません。関連会社に出向してガラッと仕事のやり方や、社内ルールが変わる中で、こういった仕事を成功させる上で大事な考え方という本質的な部分を考えることができると、どんな職場でも通用する考え方、スキルを身に着けやすいです。社外でも通用するスキルというと、語学や技術、資格などのハードスキルに目がいきがちですが、そうではなく「リーダーシップ」、「信頼関係の構築」や「多様な価値観のメンバーとの協力」といったソフトスキルを身に付ける上で、出向先というのは非常によい環境であるといえるでしょう。最後に出向というと、ネガティブなイメージを持つ人が多いのですが、総合商社における出向はこのように劇的に成長する上で大事な要素が詰まっているものです。自分のキャリアを積む上で「ソフトスキル」をどう積み上げるかは非常に大事なもので、出向することで劇的に高めることが可能です。総合商社を志望していない方についても、自分自身のキャリアを考える上で、どのようなソフトスキルを積み上げたいと考えているか、このコラムを参考に考えてみていただければと思います。photobyTheMarmot
- 出世したけりゃ土日は勉強!死ぬ程勉強する銀行員の実態 69,547 views こんにちは、以前にUnistyleでインターンしていた都内支店勤務の銀行員1年目です。入社してはや4ヶ月が経ち、仕事にも慣れてきました。いや語弊がありました、「勉強漬けにも慣れてきました」の間違いでした。今回の記事では、某銀行の入社1年目のスケジュールを例に、「いかに銀行員が勉強するか」ということや、番外編として「土日は何をしているのか」について書いてみたいと思います。1年間のうち3ヶ月は研修、担当先を持つのは1年目後半メガバンクであれば、研修を実施する期間に差こそあれど、1年スパンで見ればトータルの研修期間は3ヶ月位です。財務・簿記・外為・内為・法務・証券など、1年目に学ぶことは大量にあり、研修期間は(人によっては)睡眠時間を削って死ぬほど勉強します。研修が落ち着く頃には担当先を持ち、お客様回りをすることになります。銀行によっては年度末にセンター試験のような、上記科目のまとめ試験があり、そこでの成果が1年目の成果と言われるところまであります。筆者の銀行はだいたい1ヶ月毎に研修があるパターンなので、それを例としてこれまでの生活を振り返ってみます。平日:業務中も勉強、帰ってからも勉強サブタイトルの通りなのですが、平日はとにかく勉強します。業務中は銀行内で扱う処理やプロセスの勉強、タスクが与えられていないときは研修の事前課題と銀行にかかってくる電話を取る電話番という感じです。業務中は研修の事前課題が進まないことが多いので、定時ちょっと過ぎに帰社して、友達と飲みに行く誘いを泣く泣く断って疲れた身体に鞭を打って家に帰って勉強します。「いや筆者さん勉強しすぎでしょ。」と思うかもしれませんが、大学生の勉強やテストと一緒にしていると痛い目を見ます。大体の銀行では研修中に理解度テストがあるのですが、その点数は研修中貼りだされるだけでなく、支店の管理職にも還元されます。研修で悪い点数を取った行員には罵声が浴びせられ、同期からはバカの烙印が押され、支店に帰ったら上席から詰められたりと、単位を落としても来年取ればいい大学生とは違って銀行員の場合、自分のキャリアがかかっています。ちなみに他の銀行の友達の言うところによると、そのテストに落ちると次回の研修で追試があり、どんどん勉強量がかさんでいき、負のスパイラルと言っていました。故に死ぬ程勉強する(やつもいる)のです。では休日はどうか。ここまで読み進めている皆さんはもうその答えがわかっていそうですが、実際は想像の斜め上を行っています。休日:勉強、ときどき社会貢献活動・ゴルフ平日の延長線上で、土日も勉強します。事前課題が終わっても簿記やFPの勉強をします。しかし、勉強がしたくても勉強できないときがあります。それが休日返上で支店の属する地域のお祭やゴミ拾いに参加するケースです。これはかなりの曲者で、某支店では花火大会の場所取りのために1年目が朝6時から河川敷に場所取りを命じられたり、この暑い中神輿を担いで10km行脚する同期もいました。他にも支店のゴルフ大会に参加するため1年目が車で参加者を送り迎えしたりと、2ヶ月に1回くらいのスパンで土日が消え去ります。銀行員も大変だなと感じた瞬間でした。勉強も終わり、行事もないとき、初めて遊ぶ時間が生まれます。それだからか、最初のうちは同期の多くが大学時代に付き合っていた相手方と別れたなんて話をよく聞きます。勉強を耐えぬいたその先この記事を読んでいる方の中には「テストは追試にならない程度にちゃんとやれば遊べるのでは?」と考えている方もいるでしょう。実際筆者の周りにもそうやってうまくやっている奴や、事前課題を横流しさせて適度にサボっている奴もいます。それもありだと思うのですが、結局は自分に返ってくるのだなと考えています。どういうことかというと、テストや事前課題だけできても、それらを業務で活かすとなるとまた話は違っていて、業務に活かすレベルで習熟させるとなるとおそらく死ぬほど勉強しなければ無理だと思います。お客様を持った後も、死ぬ程勉強していればそれだけ彼らのニーズに応えられる適応範囲も多いでしょう。しっかり勉強しただけやはり教えてもらえる業務の理解度も違うなと感じるこの頃なので、筆者としては1年目は死ぬ程勉強したほうがいいのかなと思っています。余談ですが、地方配属の方がテストの成績が良かったりします。同期はいつも地方では友達もいないし勉強以外やることがないとぼやいていますが、誘惑の多い首都圏で働く同期との点数の違いはやはり勉強しているかどうかなのかなと感じます。最後に勉強を苦だと感じない、自分のキャリアのために欲を捨てられる修行僧のような方が銀行には向いています。大学の理系だったということではない限り、勉強量は大学生の時よりも格段に増えます。これから銀行に入行される方も銀行を志望する方も、上記のことは気に留めて覚悟して銀行に入ると、入行後にギャップを感じることも少ないのではないでしょうか。photobykathryn
- 初回配属からが勝負?メガバンクの「内定後」の実態 80,804 views 16卒のメガバンク内定者です。4月1日の入社が着々と迫っており、入社前の取得が望ましいとされる証券外務員の勉強に勤しむ毎日です。私の就職活動時の面接では、「もし入社することとなれば、都市部と地方のどちらで働きたいですか?」「入社するとなった場合の入社後10年間のキャリアプランを教えてください」と聞かれたことが何度かあります。内定取得後の人事社員との近況報告会では、「日本全国にあるメガバンクの支店のうち、どの地域で働くことを希望するか?」ということが聞かれ、いよいよ現実味を帯びて配属を考える機会が多くなったように感じます。周囲のメガバンク以外に内定した友人も同様の状況のようで、下記のリンクのように背番号制の総合商社の内定者の中には行きたい部署に配属されるためにアメリカの関係部署の人に会いに行く方もいるようです。今回は特にメガバンクの「内定後」にフォーカスし、都市部と地方での働き方や1カ店目配属後のキャリアについて考えていきたいと思います。17卒以降の方にとっては、この記事が「銀行という業界が自らの社会人人生に適しているかどうか」という判断を下す一助となってほしいと思います。前提として、都市部とは東京や大阪、名古屋といった人口密集地帯、地方とは県に支店が都市部ほど多くない地域とします。参考:「お悩み解決!就活探偵団2016就活は終わらない次は「ハイカツ」」初回配属に対するメガバンク人事部の見解読者の方は「メガバンクに就職した場合、初回配属が地方なら出世コース」という噂を聞いたことがありますか?どこで得たのか私はこのような先入観を持っている就職活動生でした。ところが実際は、内定先の人事部の方曰く「初回配属は内定者の配属先希望や就職活動時に面接官が感じ取った内定者の適性と、支店特有の雰囲気や都市部や地方での働き方をすりあわせて最も活躍できそうな支店に配属する」とのことでした。都市部と地方の支店では何が違うのかではここで、都市部や地方の支店での働き方について考えていきたいと思います。銀行員の方曰く「規模の大きさに由来する裁量や営業の仕方」が違うとのことです。【都市部の支店の場合】都市部は地方の支店と比べると規模が大きい場合が多く、更なる規模拡大のためのライバルはその他のメガバンク2行。そのため、話を聞いた銀行員の方は初回配属後すぐに担当する会社先を先輩銀行員から引き継ぐだけでなく、自らベンチャー企業に営業をかけて担当する会社先との事業でのマッチングを促すということもされていました。1日3件中小企業取引先をスケジュール通りに回り、支店長や支店の先輩に直接指示を仰ぐ、必ず許可を得るといった働き方から、地方でも働いたことのある銀行員の方にとっては「裁量は(地方と比べると)小さい分、銀行独特の文化の中で着実に成長できる仕組みは整っている」とのことでした。規模が大きい分、自分のロールモデルとなる先輩も見つけやすいのではないかとのことです。また、都市部の支店でも、例えば銀座支店に口座を持っているが会社の所在地は新潟県といったケースもあるようです。土地のブランドなどといった要因で、お客様が敢えて特定の支店に口座を開設しているとのことでしたが、このようなお客様に対しても片道5時間ほどかけて営業しに行ったこともあるとおっしゃっていました。【地方の支店の場合】営業におけるライバルは地銀であり、取引顧客数や信頼関係、ATMの数などでメガバンクは後塵を拝している場合が多いようです。担当する会社先を以前担当していた先輩は他の支店に異動している場合もあり、頼りとなるのは引き継ぎ資料のみ。既に地銀との取引を行っているお客様に営業をかけることはある程度の根気が必要で、頼れるのは自分とおっしゃっていました。働き方としては、1日何件のお客様を訪問するか・どの程度の頻度で訪問するかは自分の判断に依る場合が多いようです。自らの裁量が都市部と比べると大きい分、担当するお客様数は少ないようです。話を聞いた銀行員の方の言葉を借りると、「規模が小さい分、支店に勤務する銀行員も多くないので都市部と比べると家族のような雰囲気がある。」とのことでした。この銀行員の方は現在は都市部の支店で働かれているとのことでしたが、初回配属先の支店長が出張で都市部を訪れた際には必ず飲みに誘ってくれるとにこやかに話していました。いかがでしょうか。都市部と地方の働き方に差があることから、実際の内定者懇親会で内定者にどちらで働きたいか聞いて回ったところ、意見が分かれておりました。一方で共通点としては、初回配属先の支店では内定者全員が中小企業取引を担当することや、融資残高といった数値で自らの成績が厳しく評価されること、1年目はキャリアアップのための簿記やFPの取得に忙殺されるということをおっしゃっていました。いつ何時も配属された先での評価が次の配属先を決めるではメガバンクにおける出世競争はいつから始まるのか?これに関しては現場の銀行員の方曰く、1カ店目の成績からとのことでした。つまり、前項の都市部や地方での働き方を意識した上で希望を伝え、最も自分の力を発揮できる支店で働くことがその後のキャリアの良し悪しにつながるといえます。2カ店目以降も、その時々の支店での自らの成果によって次の配属部署や支店が変わり、最終的に役員にまで上り詰めることができるのは同期で5,6名とのことでした。16卒のメガバンクの総合職の内定者数は500人前後ということを考えると、たった1%しか出世競争に勝ち残れないということになります。残りの99%はどうなるかと言えば、出向や転職、離職して競争から脱落していくとのことで、銀行業界の厳しさを垣間見ました。半沢直樹でお馴染みの「片道切符の島流し」や「一度×がつけば銀行員人生終わり」というのはこのような背景があるということを考えれば納得できます。「半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例」にあるように、これらの言葉は銀行員人生の数ある側面の一端であることはご理解ください。最後に「内定後」にフォーカスしてきましたが、どんなに希望を伝えてもそれが叶う確証はありません。初回配属は比較的自らの希望が叶いやすく、その後のスタートダッシュの良し悪しを決める重要なものだと捉えることができます。17卒以降の読者の方は、以上のような働き方の一例を踏まえて面接の場でキャリアプランを語っていただけると幸いです。photobyessygie
- 自動車の未来、4つの論点。三井物産が欧州EV事業に参入【unistyle業界ニュース】 11,476 views 2017年10月26日。三井物産はダイムラー(DaimlerAG)と提携のうえ、ヨーロッパでEV(電気自動車)向け充電・電力事業を展開するベンチャー企業、TheMobilityHouseAG社への出資参画をアナウンスしました。参考:三井物産、ドイツのEV関連VBに出資(日本経済新聞)参考:電気自動車(EV)を利用した電力サービスの事業化に向け、独・TheMobilityHouse社に出資参画(三井物産・プレスリリース)TheMobilityHouseAGはドイツに本拠をおき、ヨーロッパ市場向けにEV向けスマート充電ソリューションを提供するベンチャー企業です。環境問題への懸念から世界的にEV移行が期待されていることを受けて、EV充電システムの開発・供給を手がける同社への出資を決めたものと考えられます。また、三井物産はこの出資参画を通じて「同社の成長を支援すると共に、三井物産が自動車・電力インフラ・エネルギー事業で培ってきた総合力の発揮により、再生可能エネルギーとEV導入が加速している欧州の先進的ビジネスモデルの事業化に取り組み、米国や日本等の他地域における事業拡大」を目指すとのことです。トヨタや日産、ホンダなどの完成車メーカーはもちろん、ブリヂストンやデンソーなどの部品メーカーも含め、長きにわたって日本の主力産業として発展し続けてきた自動車業界。就活マーケットにおいても学生からの人気が高く、各社とも多数のエントリーが殺到する状況が続いています。しかし、三井物産が出資を決定したEV事業に見られるように、テクノロジーの発展や生活スタイルの変化にともない、自動車業界も変革を迫られています。本記事では、自動車メーカーや総合商社をはじめとする企業の実際の動きを例に取りながら、自動車業界の未来について考えてみましょう。21世紀型の自動車ビジネス、4つの論点まず、自動車業界に訪れつつある変化の波を確認しておきましょう。ここでは自動車ビジネスの新しい動きとして、特に注目すべき論点を4つ解説します。論点①「EV」EV(ElectircVehicle:電気自動車)は、その名の通り、電動モーターによって走行する自動車のことを指します。従来のガソリンエンジンを搭載せずに電力で駆動するため、騒音の少ない快適な走行が可能になるとともに、大気汚染をはじめとする環境問題への対応策としても注目されています(ただし、「火力発電などに下支えされる以上、トータルなCO2排出量は減少しない」という議論も存在するようです)。既存の大手自動車メーカーがこぞって研究開発を進めていることはもちろん、シリコンバレーに拠点をおくTesla(テスラ・モーターズ)のように、EVに特化した新興企業も幅をきかせているマーケットです。世界の自動車全体におけるEVのシェアは0.2%(2016年)に過ぎないものの、同年のEVの世界販売台数は200万台に達するなど、今後も急成長が見込まれています。EVの生産・販売そのものの拡大が見込まれることはもちろん、EV向けのバッテリーや充電システムの開発など、周辺でも数多くの新規ビジネスが生まれています。そして、EVの普及は既存の自動車産業をおびやかす存在にもなり得ます。とりわけ、すぐれた技術力を武器にガソリン車市場を席巻してきた日本の完成車メーカー・部品メーカーにとっては、EVの普及は死活問題となるでしょう。参考:EV、世界で200万台販売中国がシェアトップに(日本経済新聞)参考:なぜトヨタは"EV参入"を決断できたのか(PRESIDENTOnline)論点②「自動運転」人間の操作を部分的に、あるいは完全に必要とせずに走行できる「自動運転」の技術も、高い注目を集めている領域です。自動運転は、搭載される機能によって0〜5のレベルが設定されています。レベル2までは走行コースの補正など「運転サポート」であり、すでに各社の製品で導入・実用化されています。レベル3からがいわゆる「自動運転」の領域となり、現在はこの実現のため、各企業によって開発競争が行われている段階にあります。トヨタやフォルクスワーゲンのような大手自動車メーカーはもちろん、海外ではGoogleやApple、Microsoft、Baidu、日本国内でもDeNAやソフトバンクなどの大手IT企業が次々と参入しており、各社とも莫大な予算を注ぎ込んで実用化を目指しています。参考:グーグル自動運転車、デトロイト3お膝元でも公道実験(日本経済新聞)参考:自動運転の基礎知識(Volkswagen・ホームページ)論点③「カーシェアリング」「カーシェアリング」は、個人・法人が所有するクルマを一定期間だけ他者に貸し出すことを指します。不動産の分野で「Airbnb(エアビーアンドビー)」が普及したように、自動車市場にも「シェアリングエコノミー」の波が到来しつつあります。例えば、DeNAが展開するカーシェアリング・サービス「Anyca(エニカ)」。スマホ上のアプリを通じ、個人間で自家用車を貸し借りできるC2C(CustomertoCustomer)仲介サービスです。レンタカーにくらべて価格が割安であること、車種が豊富(高級スポーツカーやいわゆる「痛車」もラインナップされている)であることなどから、2015年のリリース以来、都内を中心に利用者が増加しているようです。参考:Anyca(エニカ)”乗ってみたい”に出会えるカーシェアリングアプリ戦後の日本において「マイカー購入」は、一般的なサラリーマン世帯にとって大きなマイルストーンのひとつでした。しかし、レンタカーだけでなくカーシェアリングまでもが成長を遂げたとき、クルマを「購入」することは首都圏の消費者にとって一般的でなくなるのかもしれません。この消費スタイルの変化は、既存の自動車ビジネスの構造を根底から覆してしまう可能性を秘めています。首都圏の消費者が「所有」から「利用」へと移行しつつあるなか、従来の「自動車を作って売る」ビジネスはどれほど影響を受けるでしょうか。参考:広がるカーシェア長時間の遠出での利用も増加(日本経済新聞)論点④「大手メーカーに相次ぐ不祥事」長年のあいだ日本の主力産業として外貨を稼いできた自動車産業。しかし、ここ最近になって大手メーカーの不祥事が相次いで発覚し、国内メーカーのガバナンス、ひいては日本車の信頼が問われる事態に陥っています。2016年、三菱自動車が燃費データを恣意的に改ざんしていたことが発覚。また2017年10月には、神戸製鋼所が品質データを改ざんしていたこと(該当の部材がホンダなどに供給されていたことも判明)、日産自動車とスバルが無資格の従業員を製品検査にあたらせていたことが立て続けに判明しました。”MadeinJapan”ブランドへの信頼が大きく損なわれかねない不祥事。自動運転やEVの分野で遅れをとる国内メーカーにとって、ガバナンスの問題も大きな懸念事項になってしまいました。参考:三菱自動車が燃費データ不正遠のく信頼回復(日本経済新聞)参考:神鋼改ざん部材、ホンダ・三菱自も使用(日本経済新聞)参考:日産、3万8650台追加リコール無資格検査継続で(日本経済新聞)参考:日本車の信頼揺らぐスバル無資格検査メーカー任せ見直しも(日本経済新聞)総合商社の自動車ビジネス上記のように、自動車業界は決して安定しているとは言いがたい環境に置かれています。この業界の変革に対応すべく、各企業とも新たな商機をうかがって活動しています。冒頭の三井物産のEV事業をふまえ、ここでは総合商社にフォーカス。総合商社の自動車ビジネスの実例を3つ紹介します。三菱商事:日産と提携、欧州EV電力供給事業三井物産同様、三菱商事もヨーロッパのEV市場に目を光らせています。2017年10月、三菱商事は日産自動車と提携し、オランダなどでEV向け電力ステーション整備に乗り出すことを発表しました。参考:三菱商事や日産、EVで電力安定供給(日本経済新聞)伊藤忠商事:輸入車販売のヤナセをTOB、子会社化2017年5月、伊藤忠商事は輸入車販売・国内最大手のヤナセに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、同社を子会社化することを発表しました。近年、輸入車市場は絶好調。ヤナセなどのディーラーを通じ、海外メーカーのクルマが日本市場に多数流入しています。これも国内の自動車市場を左右する要因のひとつになるかもしれません。参考:伊藤忠、ヤナセを子会社化TOBで7月にも(日本経済新聞)三井物産:シンガポールのカーシェア大手に出資三井物産は冒頭のEV事業だけでなく、自動車領域で複数の新規事業を推進しています。全社的な重点注力分野のひとつに「モビリティ」を掲げ、シンガポールでは2010年より現地カーシェアリング大手に出資するなど、新しいビジネス領域の開拓にも積極的に乗り出しているといえます。参考:三井物産クルマどっぷり「CASE」に商機脱・資源商社へ(日本経済新聞)最後に日本の主力産業のひとつ、自動車産業。その未来は決して安泰ではなく、テクノロジーの発展による物質的変化、消費スタイルの変容による文化的変化によって、業界全体が大きな変革期を迎えようとしています。自動車メーカーや総合商社の自動車部門は、既存のビジネスモデルでは収益を維持できなくなる恐れがある一方、EVや自動運転、カーシェアリングなどの領域での新規事業開発に関わることができるフィールドにもなるでしょう。自動車業界全体の現状をきちんと把握し、説得力のある志望動機を述べられるよう準備を重ねましょう。参考:参考:自動車・機械の業界研究photobymariordo59
- 2016年度総合商社上期決算レビュー【unistyle業界研究ニュース】 18,515 views 2016年度上期の総合商社の決算状況が出揃いました。2015年度決算に続き、上期実績および年間見通しでも伊藤忠商事が総合商社首位の座を守っています。そこでunistyle独自の視点から2016年度の総合商社の上期決算を振り返ってみたいと思います。2016年度も伊藤忠商事が首位を堅守2016年度上期実績および年間見通しは下記の通りとなり、伊藤忠商事が上期実績でも年間見通しでも首位となりました。三菱商事は昨年度の大幅赤字からV字回復を果たしています。一方で、2年連続の減損をしたにも関わらず、住友商事は資源分野で上期でまだ赤字を出すなど苦戦を強いられています。各社の2016年度上期実績三菱商事三井物産住友商事伊藤忠商事丸紅資源分野590522▲107282▲116非資源分野1,1957096531,242935その他修正13▲11111498▲13合計1,7981,2206582,022805※各社IR資料よりunistyleが独自作成各社の2016年度年間見通し三菱商事三井物産住友商事伊藤忠商事丸紅資源分野1,21090020510▲90非資源分野2,0801,1001,4502,4601,620その他修正10200▲170530▲230合計3,3002,2001,3003,5001,300※各社IR資料よりunistyleが独自作成三菱商事:資源価格の上昇を見込み、32%上方修正三菱商事は資源価格の上昇を踏まえて、年間の純利益見通しを2500億円から3300億円に上方修正しました。昨期大幅に減損を行った効果が早くも出ています。その他非資源分野も堅調に推移しており、業績予想は3300億円と、伊藤忠商事に迫っています。期末までこのデッドヒートが続くことが予想されます。2016年度上期年間見通し資源分野エネルギー事業259410金属331800非資源分野地球環境インフラ154210新産業金融157330機械255250化学品162250生活産業4671,040その他・調整1310合計1,7983,300三井物産:資源価格の上昇を見込み、10%上方修正三井物産も三菱商事同様に、昨年大幅な減損をしたことおよび資源価格が上昇したことから、年間の見通しを2000億円から2200億円に上方修正を行いました。一方で、年間の見通しでも非資源分野の純利益合計が1100億円と総合商社5社の中で最も低いなど、これまで資源分野に偏ったポートフォリオを築いてきた影響が響き、三菱商事および伊藤忠商事とは1000億円以上純利益で差がつく見通しとなっています。2016年度上期年間見通し資源分野エネルギー9150金属513750非資源機械・インフラ342550化学品72150生活産業206250次世代・機能推進69100鉄鋼製品2050海外266550その他調整▲277▲350合計1,2202,200住友商事:2期連続減損にも関わらず資源分野は苦戦傾向住友商事は2014年度、2015年度と二年連続で資源価格の下落を受け、未だ資源分野で大幅な利益を出すには至っていません。非資源分野についても、5大総合商社の中で4位と低迷しており、2016年度の最終利益の見通しも丸紅と同じ1300億円となっています。財閥系総合商社として三菱商事、三井物産に続く第三位の座を堅持していましたが、近年は伊藤忠商事に完全に水を開けられた形となってしまっています。2016年度上期年間見通し資源分野金属2080資源・化学品▲127▲60非資源分野輸送機・建機230470環境・インフラ102260メディア・生活関連321720非営業等111▲170合計6581,300伊藤忠商事:2年連続純利益首位の見通し昨年度、創業以来初めて総合商社首位の座を奪った伊藤忠商事は2016年度の上期実績および年間見通しでも首位の座につきそうです。三菱商事、三井物産に比べて資源分野は及ばないものの、非資源分野では首位を守っています。特に食料分野が非資源分野を牽引し、非資源分野合計で2460億円の純利益予想となっています。2016年度上期年間見通し資源分野金属148300エネルギー・化学品134210非資源分野繊維120330機械260600食料494700住生活192430情報・金融176400その他および修正消去498530合計2,0223,500丸紅:すっかり総合商社5番手が定着してしまった丸紅ここ10年間、総合商社5番手が定着してしまった感のある丸紅は今期の業績見通しも住友商事と並んで総合商社ビリとなってしまっています。非資源分野の見通しは、得意の紙パルプ、電力・プラント事業の貢献から1620億円と3番手となるものの、唯一、年間見通しで赤字となっている資源事業が足を引っ張る形となっています。2016年度上期年間見通し資源分野エネルギー・金属▲116▲90非資源分野生活産業301550素材159270電力・プラント291500輸送機184300全社および消去等▲13▲230合計8051,300最後に資源価格を落とせるときにしっかりと落としてきた、三菱商事・三井物産が資源価格の回復とともに浮上してきたとともに、伊藤忠商事が首位をキープした上期決算となりました。今後、資源価格がさらに上昇を続けると、伊藤忠商事の首位を三菱商事が脅かすことになると考えられます。photobyDaveDugdale