2016年度総合商社上期決算レビュー【unistyle業界研究ニュース】

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最終更新日:2023年10月31日

2016年度総合商社上期決算レビュー【unistyle業界研究ニュース】

2016年度上期の総合商社の決算状況が出揃いました。
2015年度決算に続き、上期実績および年間見通しでも伊藤忠商事が総合商社首位の座を守っています。そこでunistyle独自の視点から2016年度の総合商社の上期決算を振り返ってみたいと思います。

2016年度も伊藤忠商事が首位を堅守

2016年度上期実績および年間見通しは下記の通りとなり、伊藤忠商事が上期実績でも年間見通しでも首位となりました。三菱商事は昨年度の大幅赤字からV字回復を果たしています。一方で、2年連続の減損をしたにも関わらず、住友商事は資源分野で上期でまだ赤字を出すなど苦戦を強いられています。

各社の2016年度上期実績

  三菱商事 三井物産 住友商事 伊藤忠商事 丸紅
資源分野 590 522 ▲107 282 ▲116
非資源分野 1,195 709 653 1,242 935
その他修正 13 ▲11 111 498 ▲13
合計 1,798 1,220 658 2,022 805

※各社IR資料よりunistyleが独自作成

本選考とインターンの締め切り情報

各社の2016年度年間見通し

  三菱商事 三井物産 住友商事 伊藤忠商事 丸紅
資源分野 1,210 900 20 510 ▲90
非資源分野 2,080 1,100 1,450 2,460 1,620
その他修正 10 200 ▲170 530 ▲230
合計 3,300 2,200 1,300 3,500 1,300

※各社IR資料よりunistyleが独自作成

三菱商事:資源価格の上昇を見込み、32%上方修正

三菱商事は資源価格の上昇を踏まえて、年間の純利益見通しを2500億円から3300億円に上方修正しました。昨期大幅に減損を行った効果が早くも出ています。その他非資源分野も堅調に推移しており、業績予想は3300億円と、伊藤忠商事に迫っています。期末までこのデッドヒートが続くことが予想されます。

    2016年度上期 年間見通し
資源分野 エネルギー事業 259 410
  金属 331 800
非資源分野 地球環境インフラ 154 210
  新産業金融 157 330
  機械 255 250
  化学品 162 250
  生活産業 467 1,040
その他・調整   13 10
合計   1,798 3,300

 

三井物産:資源価格の上昇を見込み、10%上方修正

三井物産も三菱商事同様に、昨年大幅な減損をしたことおよび資源価格が上昇したことから、年間の見通しを2000億円から2200億円に上方修正を行いました。一方で、年間の見通しでも非資源分野の純利益合計が1100億円と総合商社5社の中で最も低いなど、これまで資源分野に偏ったポートフォリオを築いてきた影響が響き、三菱商事および伊藤忠商事とは1000億円以上純利益で差がつく見通しとなっています。

    2016年度上期 年間見通し
資源分野 エネルギー 9 150
  金属 513 750
非資源 機械・インフラ 342 550
  化学品 72 150
  生活産業 206 250
  次世代・機能推進 69 100
  鉄鋼製品 20 50
海外   266 550
その他調整   ▲277 ▲350
合計   1,220 2,200

 

住友商事:2期連続減損にも関わらず資源分野は苦戦傾向

住友商事は2014年度、2015年度と二年連続で資源価格の下落を受け、未だ資源分野で大幅な利益を出すには至っていません。非資源分野についても、5大総合商社の中で4位と低迷しており、2016年度の最終利益の見通しも丸紅と同じ1300億円となっています。財閥系総合商社として三菱商事、三井物産に続く第三位の座を堅持していましたが、近年は伊藤忠商事に完全に水を開けられた形となってしまっています。

    2016年度上期 年間見通し
資源分野 金属 20 80
  資源・化学品 ▲127 ▲60
非資源分野 輸送機・建機 230 470
  環境・インフラ 102 260
  メディア・生活関連 321 720
非営業等   111 ▲170
合計   658 1,300

 

伊藤忠商事:2年連続純利益首位の見通し

昨年度、創業以来初めて総合商社首位の座を奪った伊藤忠商事は2016年度の上期実績および年間見通しでも首位の座につきそうです。三菱商事、三井物産に比べて資源分野は及ばないものの、非資源分野では首位を守っています。特に食料分野が非資源分野を牽引し、非資源分野合計で2460億円の純利益予想となっています。

    2016年度上期 年間見通し
資源分野 金属 148 300
  エネルギー・化学品 134 210
非資源分野 繊維 120 330
  機械 260 600
  食料 494 700
  住生活 192 430
  情報・金融 176 400
その他および修正消去   498 530
合計   2,022 3,500 

 

丸紅:すっかり総合商社5番手が定着してしまった丸紅

ここ10年間、総合商社5番手が定着してしまった感のある丸紅は今期の業績見通しも住友商事と並んで総合商社ビリとなってしまっています。非資源分野の見通しは、得意の紙パルプ、電力・プラント事業の貢献から1620億円と3番手となるものの、唯一、年間見通しで赤字となっている資源事業が足を引っ張る形となっています。

    2016年度上期 年間見通し
資源分野 エネルギー・金属 ▲116 ▲90
非資源分野 生活産業 301 550
  素材 159 270
  電力・プラント 291 500
  輸送機 184 300
全社および消去等   ▲13 ▲230
合計   805 1,300

 

最後に

資源価格を落とせるときにしっかりと落としてきた、三菱商事・三井物産が資源価格の回復とともに浮上してきたとともに、伊藤忠商事が首位をキープした上期決算となりました。今後、資源価格がさらに上昇を続けると、伊藤忠商事の首位を三菱商事が脅かすことになると考えられます。

photo by Dave Dugdale

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上場企業本部長が語る、エリートの中で唯一英語もできない牛丼屋のアルバイトを採用した理由 上場企業本部長が語る、エリートの中で唯一英語もできない牛丼屋のアルバイトを採用した理由 こんにちは、16卒の慶應生です。先日、ゼミのOBの方で日系重電メーカーで営業本部長として活躍され、新卒採用の面接にも携わっている方にお話を聞く機会がありました。その方は文系のエースを採用する面接官で、人事と社員二人、学生一人の面接を行い、20名を約半分にして最終面接まで上げているそうです。日本を代表する企業ということもあって、その20名は全員が早慶以上、TOEICスコアは平均880点、トリリンガルや留学生も3割程度いたみたいです。ただ、その中でも、某大学のTOEIC660点、学生時代頑張ったことは牛丼屋のアルバイト、という学生を上に通したことが自分でも印象に残っている、という話をして頂いたため、本日はそのことについて書きたいと思います。本記事のアウトライン・採りたい学生とは?・絶対にする質問「いつも何してるの?」・就活生と社会人、意識の違い・現場の目線、人事の目線・多角的に自身を表現する採りたい学生とは?「こいつなら自分自身の元で働かせて育てたい。」その方が面接で見ていることはこういう学生であるかどうかということだそうです。そのための要素として、素直か、ガッツがあるか、言ったことをしっかりと自分で考えながらやれるか、仕事をやめないかの4点を上げていました。実際に新卒2年目の社員で「思っていた仕事と違った、俺がやりたいことはここではできない」と言ってつい最近やめたことがあるそうです。能力が高いことは間違い無いけれども、若い頃は下積みなのだからな…と思ったとのことです。特に重電系メーカーの製品は文系だと勉強することが多く、若手の下積み時代に言われたことをしっかりとやる、という姿勢ができていない社員が増えてきていると嘆いていました。絶対にする質問「いつも何してるの?」「例えば国際交流のイベントって期間が決まってるわけでしょ?多分準備もやって3ヶ月〜半年くらいな気がするんだけど、その他のいつもの時間って何してたの?」こういった質問をその方は必ず投げかけていたそうです。この質問を投げかけると多くの学生は、「他大学との交流だとか…」とお茶を濁したような回答をしていたようです。そうなると、「こいつは、普段はあんまなんも考えずに生活してきたのかな?」だとか、「就活のために用意してきたエピソードなのかな?」という風な印象を持ってしまうようです。就活生と社会人、意識の違い「実際大学生って基本的な生活は授業出てサークルやってバイトして飲み会して…って感じでしょ?それだったらその生活の中でその人がどんなこと考えて、どんな風に他の人と関わってるかを聞きたいんだよね。」ここまで来た学生が能力が高いことは間違いない。つまり、イベントがあってそれを何が必要で、と実行できる力があることはわかっている、だからこそそういうイベントが無い時こそ、その人がどんなことを考えてどんな人間関係を築いて、どんな問題意識を持っているか、ある意味本来のその人自身が出てくるということです。実際体育会系の学生が就職活動で強いと言われてるのは、下積みの1年生の時から、最高学年の4年生まで、どんな状況立場でも日々勝利のために試行錯誤して、自身の役割を認識し泥臭く頑張ってきている、それが特に仕事を始めたばかりの新入社員には必要なマインドだからだよ、とおっしゃっていました。現場の目線・人事の目線「牛丼チェーン店の子は、与えられたことをしっかりやりながらも、どうやったらもっといい店になるだろうかというようなことを考えていた。普段の生活、例えばゼミの話とかを聞いていてもそれが伝わってきたよ。少し抜けてる部分はあるけど、こいつなら俺が面倒みてやるから通してあげようよ、って言ったんだよね。」これが、所謂ハイスペックと言われるような学生たちがひしめく中で、先に題名でも述べた通り、英語も全くできない、吉野家のアルバイトのアピールをしてきた学生を通した理由です。参考:ただし、人事の方とは最後までもめたともおっしゃっていました。二人の意見が一致して間違いなく通そう、となった学生は20人中2人、それ以外の学生は誰を通すかで意見が割れ、吉野家の学生についても人事は△を出していたとのことです。どうやら現場と人事が見ている視点は異なっているようで、現場の人は「こいつが自分の部下なら面倒を見たい」と思う学生を、人事は「将来的に経営層として能力を発揮できるのか」という学生を評価しているようです。多角的に自身を表現する上記はあくまでも一例です。ただ特に最終面接近くにになると、その人が一貫した価値観を持っているか、ということが問われていることは私自身も感じます。今まで受けた面接でも、「君の強みとそれを生かしたエピソード何個か教えてもらえるかな?」であるとか、「さっき君ってこういう風な人間ですって言ってたけど、それって今話してたエピソードと矛盾してない?どういうこと??」というように、一貫した人物像をよく問われます。単発のイベントだけでなく、普段の日々の行動を振り返りながら一貫した自分自身を様々な角度から表現することが大切なように思います。【参考】 56,428 views
「総合商社、辞めました。」76人の商社マンの転職キャリアを追う 「総合商社、辞めました。」76人の商社マンの転職キャリアを追う 2017年10月ごろ、unistyle創業者・樋口のツイートが話題になりました。三菱商事・三井物産・伊藤忠商事の上位3社を中心に、「新卒就職人気ランキング」の類では上位を独占している総合商社。近年は業界全体として好調をキープしており、2月初めにリリースされた2018年3月期・第3Q決算では、各社とも従来年度を大きく上回る純利益を稼ぎ出しています。参考:しかしその一方で、樋口のツイートにもあるとおり、一部の総合商社では20代の若手社員の離職率が高まっており、人材流出の加速が懸念されています。本記事のテーマは、「総合商社を退職したあとの転職キャリア」。■PE(プライベートエクイティ)ファンド■戦略系コンサルティングファーム■VC(ベンチャーキャピタル)■ベンチャー企業(役員クラスのみ対象)■スタートアップ起業以上の5つのキャリアへと転じた76名の「元・商社パーソン」を追うことで、「総合商社を退職した人材は、どこに転職しているのか」という論点を考察します。【index】■転職データのリサーチ(条件定義)■総合商社の離職率が「高い」は誤り■示唆①:年齢・実力次第で多様な転職キャリアがある■示唆②:各総合商社ごとに、転職傾向が異なる■最後に:総合商社の転職・離職をどう捉えるべきか▼なお、総合商社からファンドへ転職するケースに絞って考察した以下の記事も、多くの方にご覧いただいています。参考:転職データのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあと、転職してたどり着くエリートキャリア」について理解を深めるため、■PE(プライベートエクイティ)ファンド■戦略系コンサルティングファーム■VC(ベンチャーキャピタル)■優良ベンチャー企業*以上の4つの集団に対象を限定し、これに該当する1,332名のビジネスエリートのキャリアを独自に調査し、データベースを作成。「一流転職市場のリアル」に迫りました。*各ベンチャー企業のなかでも役員クラスのポジションのみ対象、起業したケースも含む。また、株式未上場の場合、直近5年以内に1億円以上の資金調達を行っていることが選定条件。なお、全ての情報は有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです。前提として:総合商社の離職率が「高い」は誤り本記事の冒頭でも述べたように、近年、一部の総合商社では若手の離職率が高まっており、各社の人事戦略上の懸念材料のひとつになりつつあるようです。ただし、総合商社の若手離職率はあくまで「これまでの水準と比較すると相対的に高まっている」というのが現状であり、「総合商社の離職率が高い」わけではないということには留意しておきましょう。そもそも、総合商社は離職率が低いことで知られる業界のひとつです。『就職四季報』2019年度版で開示されている「入社3年目までの離職率」は、伊藤忠商事6.7%、三井物産6.5%、住友商事2.7%。厚生労働省の統計によれば、新規大卒就職者の入社3年目までの離職率は平均32.2%ですから、これと比較すると総合商社の離職率が極めて低い水準にあることがわかります。以上のことを前提としたうえで、以下では実際のデータをもとに総合商社からの転職ルートについて考察します。示唆①:年齢・実力次第で多様な転職キャリアがあるunistyleがリサーチした5つのキャリア、■PE(プライベートエクイティ)ファンド■戦略系コンサルティングファーム■VC(ベンチャーキャピタル)■ベンチャー企業(役員クラスのみ対象)■スタートアップ起業のなかの総合商社出身者数*は、それぞれ以下のようになっています。*主要6社(三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅・双日)の合計。ただし、双日は前身の日商岩井・ニチメンも含む。5つのカテゴリすべてに一定数の「元・商社マン」が在籍していることが分かります。あくまで当人の実力次第ではあるものの、総合商社からほかの業界に転職する場合、それなりに幅広い選択肢が用意されていると言えそうです。ただし、年次が上がれば上がるほど転職市場価値は失われていくのも事実のようです。具体的には、新卒入社してから5年目(年齢では20代後半)前後までに決断しなければ、理想的なキャリアチェンジを実現するのは難しくなっていくと考えられます。さまざまな業界への転職ルートが開かれているのは事実ですが、それもあくまで「当人の実力と年齢しだい」という条件付きだということには留意すべきでしょう。参考:また、以下の2点も興味深いポイントです。(1)総合商社からベンチャー役員への転職も多い総合商社というブランド企業の名刺を捨て、ベンチャー企業へと転職していく層もかなり多いことが分かります。給料やブランド、安定感などに見切りをつけ、裁量の大きさやスピード感、自分の興味などを優先した決断だと考えられます。参考:また、彼らの多くはCFO(ChiefFinancialOfficer)などの専門的な知見が求められるポジションではなく、COO(ChiefOperationOfficer)や”ヒラ”の取締役・執行役員、あるいは海外拠点長など、特定の領域に特化していない「なんでも屋さん」的ポストに就いていることが多いようです。「」でも触れたように、総合商社の出身者の多くは一人で幅広い業務を担ってきたゼネラリストであるため、転職後も「なんでも屋さん」としての立ち回りを期待されていると考えられます。(2)総合商社から起業するケースも一定数見られる今回の調査対象(上場済みベンチャー+1億円以上の資金調達を経験したベンチャー)のうち、7社が総合商社出身者によって起業されたスタートアップでした。そもそも総合商社の業務の本質は「ビジネスをつくる」ということにあり、過去には総合商社発の社内ベンチャーが成功した事例もあります。SoupStockTokyo(三菱商事)やeGuarantee(伊藤忠商事)などが好例でしょう。参考:また、三井物産も社内スタートアップ制度を新設するなど、「起業家精神」の喚起に努めているように見えます。参考:とはいえ、こうした成功事例はいまだレアケースであり、総合商社は必ずしも「自分の思い描くビジネスを意のままにカタチにできる環境」ではありません。組織的な制約を受けずに自分自身のビジネスを展開すべく、独立・起業という選択肢を選ぶケースが見られるのは、いわば当然のことです。以下、今回の調査対象(1,332名のキャリア)のなかから、総合商社出身者が起業した事例を2つピックアップしておきます。【起業例】sansan・寺田親弘氏(三井物産出身)名刺管理サービス「sansan」「eight」を運営するsansan社は、三井物産出身の寺田氏によって立ち上げられました。三井物産・情報産業部門で経験を積んだのち、入社8年目にあたる2007年に同社を退職、sansan社を設立されています。1999年3月慶應義塾大学環境情報学部卒業1999年4月三井物産株式会社入社情報産業部門に配属2007年6月Sansan株式会社代表取締役就任参考:役員紹介sansan【起業例】reblue・岡田英之氏(伊藤忠商事出身)サーフィン動画を配信するサービス「NobodySurf」を運営するreblue社。2018年1月、約2.3億円の資金調達を実施したことが報じられた同社は、元・伊藤忠商事の岡田氏によって創業されました。前職の伊藤忠商事では情報産業部隊に所属し、うち6年間はポータルサイトを運営するexciteへ出向。そこでスマートフォンアプリ事業に従事したのち、2014年にはreblue社の立ち上げを決断されたようです。ご自身の趣味でもあるサーフィンを、伊藤忠商事での業務経験と結びつけて事業化している点で、非常に興味深い(そして、ロマンのある)ケースだと言えます。慶應義塾大学環境情報学部卒業2001年伊藤忠商事入社2009年エキサイト(excite)へ出向2014年reblue設立参考:世界中のクールなサーフィン動画を集めたアプリ「NobodySurf」、運営のreblueが2.3億円の調達(TechCrunch)「Passion×Tech」ビジネスの最前線(COMPASS)なお、総合商社を退職して起業したケースについては、以下の記事も参考にしてください。参考:また、以下の記事では、伊藤忠商事を退職して当サイトunistyleを立ち上げた樋口のストーリーが綴られています。参考:示唆②:各総合商社ごとに、転職傾向が異なるまた、上述の転職データを各総合商社ごとに見てみると、主要5社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)にもそれぞれ転職傾向の違いが見えます。以下、このデータについて、2つのポイントに言及します。(1)業界上位のほうがエリート人材輩出数も多い今回の調査対象である5つの業界での在籍人数を各総合商社ごとに合計すると、三菱商事(25名)がトップ、これに三井物産(14名)、伊藤忠商事(14名)と続いており、住友商事(9名)、丸紅(3名)はそれぞれ少なくなっています。お気づきのとおり、この序列は現在の純利益ベースでの業界順位とピタリと一致しています。もちろん一概には言えませんが、この事実によって「業界上位の総合商社ほど、多くのエリート人材を輩出している」という仮説が説得力をもつことになるでしょう。(2)三菱商事はPE・VCへの転職に強い三菱商事は、PE(11名)とVC(5名)にひときわ多くの転職者を出しており、投資ファンドへの転職実績においては三井物産・伊藤忠商事と一線を画していると言えます。この点については、以下の記事にて詳細に考察しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。参考:最後に:総合商社からの転職・離職をどう捉えるべきか本記事では、unistyleが独自に実施した転職リサーチの結果をもとに、以下の2つのポイントについて考察しました。①総合商社には、年齢・実力次第で多様な転職キャリアがある総合商社は、調査対象とした5つの業界にそれぞれ一定の転職者を輩出しており、転職にあたっては比較的幅広い選択肢が用意されていると考えられる。ただし、転職市場での価値はあくまで各個人の実力・年齢によって大きく変動しうる。②各総合商社ごとに、転職傾向が異なる5つの対象業界への転職者数は各総合商社ごとに異なっており、その輩出人数の序列は現在の業界順位と一致している。また、「三菱商事が投資ファンドへの転職に強い」等、各総合商社ごとに転職傾向がやや異なっている。総合商社から転職すること、そしてその転職者が増加傾向にあることを、私たちはどう考えるべきでしょうか。「総合商社の業務が、若手社員にとって魅力的でなくなっている」「配属リスクなどの組織体質が、不満の要因になっている」などとネガティヴに解釈することもできる一方、「総合商社はチャレンジングかつ優秀な学生を採用できている」「雇用の流動性が高まり、各個人が自分なりの幸福なキャリアを追求できている」などとも捉えることができます。いずれにせよ、皆さんが「新卒カード」を使えるのはたった一度きり。目先の承認欲求や憧れだけで就職活動を進めるのではなく、長期的なキャリアビジョンやライフプランをしっかりと見据えたうえで、あなた自身が本当に納得のいく(≒将来、あなた自信が幸福になれる)ファーストキャリアを選びましょう。総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。▼総合商社のコラム記事はこちらから■■▼総合商社の選考対策はこちらから■■■■■ 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