メガバンクは学歴で決まる!?内定者が赤裸々に語る採用選考の実態

134,451 views

最終更新日:2023年10月17日

メガバンクは学歴で決まる!?内定者が赤裸々に語る採用選考の実態

企業研究シートをプレゼント

16卒のメガバンク内定者です。

内定式も終わり、他の内定者との交流の機会も増えてきました。unistyle就活意識調査でも上位を賑わせている人気企業ですが、採用人数が多い分多種多様な学生が志望することが人気の一因だと感じます。

一方で、16卒の就職活動ではゆうちょ銀行のセミナーでの学歴フィルターがあったということが話題となりました。実際、私自身も金融機関の選考活動では学歴フィルターを感じる瞬間が多々ありました。

今回は金融機関の中でもメガバンクでの学歴フィルターについて考えていきます。

企業研究シートをプレゼント

早慶の多くはメガバンクへの就職は楽勝だと思ってる

筆者は早慶出身なので、「メガバンクは滑り止め!?慶應生による慶應生の就職活動の実態」に書かれているような「メガバンクは採用人数も多いし滑り止め感覚」というのは少なからず共感できました。私の周りでも「一応早慶だし三色のうちどっかしら引っかかるだろう」と考えている学生は非常に多いように感じました。

私も周囲の友人に「メガバンクに行きたいんだ」と相談した際は、「(早慶なのに)メガバンク行くの?もったいないからとりあえず総合商社受けとけよ」と言われたことを今でも覚えています。

赤と緑は説明会への参加が重要?説明会も学歴で括られる!?

16卒では3月1日の就職活動解禁日から説明会の予約が解禁され、上記の理由から多くの学生が「とりあえず」メガバンクの説明会やセミナーに参加したことと思います。

上記のゆうちょ銀行の例ほど露骨ではないですが、私は早慶の学生として何気なく説明会やセミナーに参加するものの、赴いた会場で前後ろ左右の学生と互いに自己紹介すると皆早慶だった、というような学歴フィルターはザラにありました。

このような括りで採用が進んでいったので、内定式まで「学歴が自分より低い学生」に出会ったことがほとんどなかったです。「企業が学歴差別をする理由」にも記載の通り、「高学歴による安心感」や「学歴差別を助長する学生側の意識」が根底にあるのでしょう。

参考までに、私自身がメガバンク三色の選考で感じた学歴偏重傾向を以下に示します。

青の場合:

説明会やセミナーの名前の一部に「先輩行員」といった触れ込みがあるものが多く、「早慶」「MARCH」「東大・一橋・東工」「日東駒専」というようなフィルターが存在していたことが考えられます。このような触れ込みのない少人数座談会への参加経験もありますが、同じ席に座った他の学生の学歴は早慶・東大でした。私の東大の友人が説明会に参加した際も、周囲は自分と同じような学歴の学生が集まっていたと言っていました。

特筆すべきは学歴よりも説明会への参加回数が重視されているということです。参加回数によってリクルーター面接のフローに乗ったり、8月1日の面接解禁日以降の面接回数が大幅に減るようでした。コース別採用を行ってはいるものの、人事担当者いわく昇進スピードに違いはないとのことですが真偽は不明です。

緑の場合:

SMBCラウンジ(セミナー名)では参加学生が全員私と同じ大学、少人数座談会では周囲の学生は自分と同じ学部、リクルーター面接では面接官の大学学部が自分と同じという徹底ぶりでした。

「ラウンジに2回参加しないとリクルーターがつかない」という信憑性のあるようなないような噂が囁かれます。確かに私はこのラウンジに2回参加した後にリクルーター面接の電話がかかってきました。露骨にリクルーター面接が5回前後実施され、私の友人の内定者も8月1日前に採用活動がほとんど終わっていたと言っていました。東大や一橋の学生はSMBCラウンジがそれ以下の学歴の学生より早い日程で行われていたようです。

赤の場合:

メガバンク三色の中で唯一説明会の参加回数を数えていないと考えられ、面接解禁日からの面接回数が人によっては10回程に及ぶ場合もあることで就活生の間では有名でした。リクルーター面接がメガバンク三色の中で唯一ないことも面接回数が10回に及ぶ理由でしょう。

「赤の説明会行くなら他の色の説明会行って参加回数稼いどけよ」と揶揄されますが、メガバンク三色の中で最も人気が高いという矛盾が存在します。このことから、友人の内定者も説明会には他の銀行と比べると足を運んでいないと言っていました。説明会や選考の際も学歴が重視されたことはなかったと感じましたが、OB訪問をした東大の行員いわく学歴がモノを言うのは入行後であり、昇進スピードに差があるとのことでした。

このような偏った採用活動から、私自身はメガバンクでは学歴が大事なんだ、入行後も学閥に左右されるのではないかという先入観に囚われていました。学歴や説明会参加回数によって面接回数が異なるようなメガバンクの採用活動の不透明さ故に、この先入観は拭えずにいます。幸い早慶出身なので、私も内定者も「ある程度のとこまでは出世できるだろう」という根拠の無い自信を少なからず持っていると思います。

参照:企業が学歴差別をする理由
→度々問題視される企業の学歴差別。本記事では「企業が何故学歴差別をするのか?」そして「学生はどう対応すればいいのか?」解説しています。

懇親会も学歴に応じて役員が参加したりしなかったり?


ご縁があって三色のうち二色から内々定を頂き、そのうちの一色の内定者懇親会に参加しました。

選考活動も落ち着いた頃に内定者懇親会に参加しました。懇親会は本社で行われ、参加者は30名ほどでした。

採用人数の多さから考えると氷山の一角であることは明らかです。参加内定者は男性:女性=7:3ほどで、役員や人事担当者も参加していました。

ここで驚いたことは、全員が早慶という括りで集められ、会社が早期に内定が出した学生ということです。内定式の隣に座っていたMARCHの内定者と交流した際には役員の方はいらっしゃらなかったと言っていたので、後になって手厚く歓迎していただいたことがわかりました。

東大レベルの学生の内定者懇親会にはもしかしたらより多くの役員の方が顔を見せていたのかもしれません。このような学歴偏重傾向は学生の間にも浸透しているようで、内定式の際の自己紹介では学歴が早慶以上の学生は最初に大学名を名乗るという傾向があるように感じました。

三井住友銀行内定者の回答

このコンテンツは会員(無料)の方のみご覧になれます。
また、会員(無料)の方は77622枚のエントリーシートを全て閲覧可能になります。
(無料会員登録はこちら)

三菱UFJ銀行内定者の回答

このコンテンツは会員(無料)の方のみご覧になれます。
また、会員(無料)の方は77622枚のエントリーシートを全て閲覧可能になります。
(無料会員登録はこちら)

みずほ銀行内定者の回答

このコンテンツは会員(無料)の方のみご覧になれます。
また、会員(無料)の方は77622枚のエントリーシートを全て閲覧可能になります。
(無料会員登録はこちら)

最後に

如何でしょうか。「とりあえず内定がほしいからとにかく説明会に行こう」、「高学歴だし、たぶん内定は取れるから受けよう」というような意識を持った学生は少なからずいると感じます。

そのような意識を持って入行する学生も存在し、入行後にそのような学生と差をつけてキャリアを歩んでいきたいという思いを私自身が持っているからこそこの記事を書きました。

銀行での働き方を研究し、明確な目標を持って選考活動に臨んでほしいと思います。働き方については以下の記事を参照してください。

参照:三菱UFJ銀行|求める人材と解説付き内定者ES

参照:三井住友銀行のES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ

参照:みずほ銀行|求める人材と解説付き内定者ES
→3大メガバンクのES対策記事です。社員インタビューから各社の求める人物像を考察し、ESで書くべき内容を提示しています。

おすすめコラム 4 件

【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記vol.5|2018.11 interview 【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記vol.5|2018.11 interview 今回は早稲田大学教育学部のあとむくんに2018年11月にインタビューした内容を掲載します。↓↓↓あとむくんのこれまでのインタビュー記事はこちら↓↓↓7月分インタビュー8月分インタビュー9月分インタビュー10月分インタビュー早稲田大学あとむくんの履歴書あとむくんの履歴書◆性別└男性◆大学└早稲田大学教育学部に一年浪人ののち一般受験で合格。早稲田の政治経済学部が第一志望であったものの不合格。◆趣味└映画鑑賞(主にアメコミ)◆サークル└広告研究会。プロモーションの統括を担当するなど積極的にコミット。あとむくん所属の広告研究会運営メディア→早稲田を広告する、webメディア「WASEAD」◆アルバイト└塾講師(大学1年から)として働いている。また、報道系ベンチャー企業で長期インターン中(大学3年から先輩の紹介で)。◆留学└旅行以外での海外経験なし。ただし、社会人の半分以上の期間は海外で働いてみたいと考えている。◆資格└柔道二段・TOEIC720点◆就活をはじめた時期└2018年6月頃◆志望業界└現段階で、広告、戦略コンサル、PRの3つに絞っている。◆希望職種└企画・プランナー。ゴリゴリの営業をしたい訳ではない。本インタビューはunistyle編集部のむたか(@mutaka_unistyle)とくらもん(@esquestion)にて行っております。10月の活動を振り返って自分の活動量・内容について「10月の就職活動について教えてください。」「10月は特に就活ができず・・・。以前お話したお笑いイベントや長期インターン、あとは就職イベントや毎年恒例の学祭の運営活動が忙しかったので。ただ、11月に電通PRの1dayインターンでに参加しました。ES提出は必要でしたが、面接はないものでしたね。ベクトルを中心としてPR系の企業にわりと絞っているので、自分の中で大切にしたい価値観などをまとめた質問内容を作りこみ、当日はいろいろ聞きました。あとは、ベイカレント・コンサルティングの本選考にも参加しました。選考経験を積むという観点で受けたことがキッカケではありますが、今も選考中ですね。あとは、選考とかではないですが、長期インターン先からもお声をかけてもらっていて、興味はあるという感じです。」「なるほどね。なかなか量はこなせていないものの、一歩ずつ着実に前に進んでいるという感じなんだね。いろいろなイベントをやり遂げながらの就活は本当大変だろうけど、いつも頑張ってるね。」自分の行動量・内容まとめ・企画しているイベント・長期インターンが多忙だったため就活はそこまでできていないが、着実に前進はしている感じがこちらからも見て取れた。周りの活動量・内容について「周りの学生はどう?広研やインターンで出会った方々などは行動してる?」「電通PRのインターンに参加して感じたことは、意外と業界を絞っていないというか、広く見たいという考えの人が多いなと思いました。1dayをうまく活用して浅くとも幅広く知識を吸収し、それを元にどこを深めるのかを見極めていっている人が多いように思いました。今更ながらもっと夏に1dayに参加しておけばよかったなと思っています。5dayなどになると実質選考が入ったりして、こちらもそれなりの準備をしておかないと痛い目を見るという観点からも、1dayは侮れないなと思いましたね。」「インターンで出会った学生達の行動量はどうだった?」「比較的多いように感じましたね。この時期にもなると安定して動いている人は動いていますね。」周りの行動量・内容まとめ・行動量は比較的多いという印象を持っている様子で、5daysなどの長期のものではなく、1dayなどの単発のものに多数参加し、浅いかもしれないが幅広く見ているらしい。10月と11月を比較した変化企業選びの軸「就活そのものはあまりできていないとのことだけど、日頃の私生活や学校生活、その他の活動を経て企業選びの軸などに変化はあった?」「大きな軸の変化はないです。が、必要以上に今はあえて考えないようにもしていて、理由は考えすぎると客観性がなくなってしまうと思うからです。忘れた頃にもう一度考え直してみて、それが元々考えていることと同じだとすれば、それが本心なのかな?といった感じで今は考えています。過度な自己分析は思い込みにも繋がったりしそうなので、やりすぎないようにしようと思っています。」志望業界・職種「前回は、広告、戦略コンサル、PRの3業界に絞っているということだったけど、ここについても変わらない?」「変更はないですね。一応金融や不動産なども視野に入れていろいろ調べたり、友人からの話を聞いたりして取っていましたが、それらの情報をもとにではありますが、自分には合っていないんじゃないかと思いました。合っていないというか、他業界を知ることで、ますますなぜPRに興味があるのか?なぜやりたいのか?が明確になる部分もあったりして、違った形で業界研究に深みがでたような気もします。」ガクチカ・自己PR「ガクチカ、自己PRのネタについては困らないと思うんだけど、今何かやらないといけないなと考えていることはある?」「伝えたいことは同じですが、この半年だけでも多様な経験をしてきたので、エピソードは常に最新のものを高い粒度で取り入れるようにしています。新しくエピソードを探そうという意識は持たずとも、できてるという感じなので、このあたりについてはあまり苦労はしていませんね。あとは話し方・伝え方だなと感じています。」12月にやろうと思っていること「12月は何をしようとしてるの?」「ベンチャー系が集まり、即日内定が出たりもするイベントに参加して場数を踏んでいきたいと思います。早期内定はやはり余裕が生まれたりすると思うので。インターンには特に参加予定はないですが、リクナビなどのビッグイベントなどにもこのタイミングで参加しバランスよく幅広く見つつも、絞るところにも時間を割いていきたいと思っています。」「なるほど。知る場から実践の場にどんどん身をおいていく感じなんだね。」12月にやろうと思っていることまとめ・インターンよりも実際の面接の場を優先しつつ、このタイミングでビッグイベントなどに参加し再度バランスよく業界を見ていきたい今就活で悩んでいること「今就活で困っていることとか悩んでいることはある?」「ウェブテですね。。。前々からずっと課題ではあったんですが、最近めっきり受験機会もなく、勉強もできてないので・・・課題意識は強くあるんですが、フタをしていました。やらないとまずいとは思っています。。。」今就活で悩んでいることまとめ・ウェブテ勉強不足がこのあとどう影響していくのか不安に感じている。unistyle編集部よりあとむくんへのフィードバックあとむくんは多様なイベントを同時進行でこなしつつ、長期インターン・学業と多忙すぎるが故に就活にあまり専念できていないかと思いきや、一つひとつの活動から自分自身を知る努力を行っているため、結果的に一般的に就活をする中では得られない何かを常にキャッチアップしているように感じました。とはいえ、就活をする上で必要なスキルは就活を通して身に付けていくことが大事にもなってくるので、時間の使い方・優先順位を見直し、企業と接点を持つことに時間を使っていくことも重要になってくるでしょう。また、以前よりWEBテストに課題があると話していましたが、こちらについては今もあまり手付かずのようですので、早急に取り組むべきでしょう。いくら優れた経験を持っていたとしても、WEBテストで足切りされていては本末転倒です。自主自立の精神で日々できることを最大限やり切っているあとむくんですので、あまり心配はしていませんが、WEBテストは一長一短でどうにもならないところもあるため、不安を覚えています。一日でも早く対策を行うことを推奨します。あとむくんへのオススメ記事・→適性検査の種類をまとめている記事です。テストごとの特徴を知り、対策を進めるのに役立つと思います。・→SPIに関してまとめた記事になります。SPIは最も出題頻度の高い適性検査になりますので、本記事より大枠をキャッチアップして対策を取るとよいでしょう。▼20卒限定のunistyle主催イベントを企画しました。詳しくはこちら。 5,514 views
全国転勤?地域限定?一般職?女子金融志望者が一度は悩む道 全国転勤?地域限定?一般職?女子金融志望者が一度は悩む道 16卒の女子金融内定者です。私は就活の当初から、金融業界を志望していました。行きたい業界は決まっていたのに、私の頭を悩ませたのは「働き方選択の問題」でした。就活中に女子会をしても、この話題はいつも盛り上がったので就活女子は誰でも1回は悩むことがあるのではないかと思います。そんな将来の働き方、職種に悩める女子たちにこの記事を読んで頂きたいと思います。まず、どんな働き方が存在するのか例外はありますが、金融業界の多くの企業は3つから選ぶことができます。①全国型総合職世界を含め全国転勤があります。男子は主にこの職種であり、女子は少ないです。(金融業界の中でも銀行は比較的女子の割合が高く、損害保険会社は割合が低いと感じました。)②地域型総合職働く地域を限定することができ、会社によっては2つの地域の併願が可能だったりします。仕事内容は全国型総合職と変わらないという文言を掲げる企業が多いですが、企業によって差があります。③一般職地域型総合職と同様に地域を限定した働き方ができます。しかし上2つの総合職とは仕事内容が大きく異なり、主に事務・窓口などで働きます。企業によっては、入社後何年間は変更できる企業もあります。私は、就活を始めた当初は地域型総合職を希望していたのですが、途中で考え方が大きく変わり、全国型総合職を中心に就活をするようになりました。地域型総合職にも内定を頂き、すごく迷ったのですが結果的に全国型総合職として入社することを決めました。職種を決めるときに何がポイントなのかズバリ「将来の自分を描くこと」です。・ライフスタイル(転勤の有無)・仕事の裁量(本当に仕事内容は一緒なのか)・昇給スピード・給料・入社の難しさ比べるポイントはたくさんあるあります。その中で自分は将来、「何を大切にして生きていくのか」を深く見つめなおす必要があります。両方の職種の女性社員に話を聞くといいと思います。私が重視した点は、「仕事の裁量」です。これは個々の感じ方があると思いますが、私は全国型と地域型で仕事の幅が違うと感じました。女性として会社を引っ張っていく存在になりたいと思っていたので全国型を志望しました。面接でも「なぜその働き方なのか?」は絶対聞かれるここは、私が経験した全国型総合職社員採用での面接のお話をします。全国型総合職の面接ではほとんどの場合、「うちには地域型の働き方もあるけど、転勤ある全国型でいいの?本当に続けていけるの?」という質問をされました。ここはきっちり答えたいところです。私は以下の2つの理由を述べていました。①海外で働きたいから海外で働くことは、全国型総合職の特権です。(ただし会社によって異なるので、企業研究をしっかりしてください)また、なぜ海外で働きたいのかを論理的に答える必要があります。②私の人物像に当てはまったのは全国型社員であるから1だと多くの人とかぶってしまうと感じたので、私はこの答えを強調していました。全国型・地域型両方の女性社員さんとお会いした印象を述べてから、「私のアグレッシブな性格は全国型総合職として活かせる」ということを主張していました。どの選択が正しいか、結婚や出産、育児など実際その時になってみないとわかりません。あまり考え過ぎず、「その時になったらかんがえよう」という気持ちも大切だと思います。 28,747 views
東大法学部卒メガバンク役員手前で窓際族の悲哀を描いた小説「終わった人」 東大法学部卒メガバンク役員手前で窓際族の悲哀を描いた小説「終わった人」 窓際族、定年などは就職活動生にとっては身近な話題ではないでしょうし、今から考えることではないかもしれません。転職活動ではたまに「どんな状態であれば定年した時に成功といえるか?」という質問がでることがありますが、定年の時にどんな状態でいたいのかというのはキャリアを考える上では有用だと思います。参考:総合商社の窓際族ウインドウズ2000の哀愁今回は、定年するまでにどのようなキャリアを描くのか、そしてさらにその後の老後にどんな未来が待っているのかを示唆してくれる小説の「終わった人」の紹介です。参考:終わった人終わった人のあらすじ終わった人は東京大学法学部を卒業し、メガバンクに入社、その後もエリート街道を進んだものの役員一歩手前で無念にも子会社への転籍を命じられ、子会社の役員として定年退職した男性の物語です。彼の老後生活を中心に話は進み、老後の生活を老人しかいないスポーツジムやカルチャースクールで過ごす中で、ひょんなきっかけからIT企業の顧問として働くことで大きく人生が動いていきます。主人公はエリート街道を進んできたものの、無念にも出世できなかったことから、自分の現状と自身のプライドの折り合いがついていません。プライドの高さは定年後の会話にも垣間見えます。「そんなもんですかねえ、田代さんほどの方でも。東大卒でしょう?」「ええ、まあ」「ご専攻はなんだったんですか」「一応、法科です」そう答えながらも、俺もこうなったかと思った。東大出身者には、なぜか「一応」をつけるヤツがいるのだ。「一応、東大です」とか「一応、法科です」とか言う。中には「一応、赤門です」と答えるヤツもいた。この「一応」は嫌らしいエリート意識の表れだろう。出典:終わった人P48-49この「一応」問題は就職活動の時に気になっている人もいるかもしれませんね。このように過去の栄光と一歩手前で叶わなかった無念さから自分自身と折り合いのついていない元エリートの滑稽かつ悲しい立ち回りを中心に物語は進んでいきます。人は死ぬまで、誇りを持って生きられる道を見つけるべきだ主人公には東大文学部に入学し、一流商社を48歳でやめて、ボクシングのレフリーや雑誌の連載で生計をたてている高校の同級生がいます。その同級生は、非常に優秀な上司が人事で上のポストにつけず、何を比べてもろくでもない上司の同期がそのポストにつき、優秀な元上司が子会社に転籍し、本社の人間と宴席を設けても遠慮しがちで誇りがない様子を見て、「人は死ぬまで、誇りを持って生きられる道を見つけるべきだ」と思い、退職を決意します。「ジジババと一緒は嫌だ」と駄々をこねるだけで誇りを失っている主人公は、この言葉に胸を射抜かれるような気持ちになります。誇りをどこに持つかというのは非常に難しい問題で、学歴、会社名、年収などどうしても「人の評価」に頼って誇りを持とうとしがちです。エリートと呼ばれる人ほど、他人からどう見られるかを自分の幸せの主軸としておいてしまうことで、自分がわからなくなってしまいます。就職活動でも周りの評価を気にするあまり、一部上場企業でないと、ある程度の体裁が整う企業に入りたい、就職ランキングや企業口コミサイトの評価が気になってしまうなど、「人の評価」を主軸において活動してしまいがちです。こうした他人に幸せの評価軸を頼る生き方は楽だし、得られている間は心地よいものですが、死ぬまで誇りを持って生きられる道を探すということからは外れてしまいます。もちろん人からの評価を全て棄て去ることはできません。それでもバランスが重要で、今の自分は人の評価を気にしすぎている状態ではないか、振り返りながら行動するのは大事なことでしょう。人からの評価だけでなく自分軸で楽しいと思えることや誇りに思えることを考えることも非常に大事です。最後に多くの学生は他人からどう見られるかを気にしすぎて就職活動をしているように思います。上位校に通う学生ほど、上位校に進学したんだからこのレベルの企業には就職できないと考えがちであるように思います。「終わった人」は定年退職後のエリートを描く本ですが、上記で紹介した通り、仕事とは何か、キャリアとは何かを考える本でもあります。ひょんなことからベンチャー企業でも働くことになるので、メガバンクやベンチャーに興味のある人が手に取っても面白いと思います。キャリアを考える参考にぜひ手に取ってみてください。photobyMartinThomas 23,566 views
総合商社から転職する若手が増えているって本当?三菱商事から転職した人に「実態」を聞いてみた。 総合商社から転職する若手が増えているって本当?三菱商事から転職した人に「実態」を聞いてみた。 unistyleの読者で、総合商社を希望している人も多いと思いますが、最近総合商社から転職する若手が増えているらしいです。「終身雇用」や「高年収」の代名詞になっている総合商社。転職を前提に新卒で入社している人が総合商社には少ないイメージがあると思いますが、一体なぜ転職が増えているのでしょうか?参考:転職サイトに商社若手の登録が急増。なぜ彼らは“高給”を捨てるのかそこで今回は新卒で三菱商事に入社し約4年間勤務した後に、従業員数20名のベンチャー企業に転職した後藤さんから、その転職理由や若手の転職増加の実態について聞いてきました。慶應義塾大学出身。在学中は、体育会のアイスホッケー部に所属。大学卒業後、三菱商事にて約4年間勤務。入社後、米州/インドの工作機械販売会社の経営支援業務に従事。その後、タイ国総合大学に一年間留学。在学中、チュラロンコン大学卒の教授から教えを請い、タイ僻地の山寺にて出家。大学卒業後、三菱商事設立のタイ国内ベンチャーにて、農業機械の販売網開拓をリード。2018年3月に日本に帰国後、経営メンバーとしてキャディ株式会社に参画。三菱商事への入社理由は、経営を学びながらグローバルな社会課題を解決できるからーー本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、そもそもなぜ三菱商事に入社を決めたのでしょうか?元々自分は、「一度しかない人生だからこそ、社会に大きなインパクトを与える経営者になりたい」という想いを持っています。就活では「グローバルに社会課題解決に取り組んでいる」と「経営に携われる」という2つの軸を持って就職先を探していました。リクルート、野村證券、ATカーニーなども受けてはいたんですが、やはり総合商社は歴史もあり、社会に大きなインパクトを実際に与えてきた実績があります。なのでまずは総合商社の一員となり、ビジネスを学びながら、次のステップを考えるのも有りかなと思い志望しました。特に三菱商事は、総合商社の中で最も事業のスケールに限界が無いと感じ、入社を決めました。ーー実際入社してどうでしたか?結論としては、自分にとっては正解だったと思います。今、自分が就活生に戻ったとしても、三菱商事を選んでいます。三菱商事時代に製造業の現場で働いたことで、製造業のリアルな課題を認識することができました。それがまさに、今の仕事にも繋がっています。まず1~2年目は機械グループの産業設備チームに配属になりました。主に事業経営とトレーディングという2つの仕事をしていました。具体的にいうと、工作機械を日本からアメリカに持ってくるのが主な仕事でした。いわゆる、モノの供給ですね。市況などを気にしながら、「御社の価格だと、アメリカのマーケットと合わないので値段を下げてください。」といった値段の交渉もしていました。また、総合商社にはバリューチェーン(物流)のあらゆる側面にアプローチするという戦略があります。本社の仕事だけでなく、物流の下流を担う子会社に関連した仕事も関らせてもらいました。海外にある子会社の株主として、しっかり利益が出ているのかをチェックし、仮に経営状態が悪化している場合は、どうやって解決するかを新人なりに考え提案していましたね。2年間の現場での経験を通して、製造業のリアルな課題を感じることができたのは、自分の糧になっています。3年目になると、グローバルな知識と経験を身につけるために「グローバル研修生制度」に自ら手を挙げ、語学研修でタイのコンケン大学に行きました。1年間ビジネスから離れ、みっちり勉強に集中しました。4年目には、三菱商事が設立したタイ国内ベンチャーで日本のトラクターをタイの農機会社に売っていました。ひたすら地方の農家を回ったり、販売店拡大の経営支援をしたり、仕事内容は多岐にわたりました。海外で実際に働く経験を積めたのは、まさに総合商社の醍醐味でした。日本で働いていた時は当たり前で気にも留めなかった些細なことが、海外では実行が難しいこともしばしば。「これだと人は動かないよね。」と机上の空論ではなく、現場に立ち人の心を動かすリアルな経営を学ぶことができた良い機会でした。三菱商事時代を振り返ると、「モノづくりの知識」「グローバルな経験」「ビジネスや経営の基礎」を学ぶ4年間でした。入社して良かったなと思います。三菱商事から転職を決意したのは「0→1(ゼロイチ)」が次の自分には必要と感じたからーーそれではなぜこのタイミングで転職を決意したんですか?4年間働き、経営をある程度理解できるようになりました。総合商社の場合、部門が変わることはあっても、基本的には経営のメンテナンス、つまり10→100にするという仕事内容自体は大きく変わらないんですよね。僕としては、本当の経営者になるためには、ゼロからビジネスを生み出す経験が必要と感じたんです。もちろん、三菱商事にも社内ベンチャー制度はありますが、既存の事業との連携を求められる場合も多いです。なので、起業と転職を視野に入れるようになりました。そして、いくつかアイディアをもって色々な人と意見交換をしていた時に、今働いているキャディのCEO加藤との出会いがありました。ーーなぜ今の会社に転職をしたのでしょうか?今思うと本当にタイミングだったなと思いますが、「人」「事業」「スキル」全部良かったんですよね。まさに運命ですね。(笑)まずは「人」に関して。とりあえず、働いている人がめちゃくちゃ優秀だったんですよね。CEOの加藤はマッキンゼーアンドカンパニー出身で、CTOはApple出身。「一緒に働きたい!」と思える人との出会いがあったのは自分にとっては大きかったです。次に「事業」に関して。キャディの事業は産業の構造を変えるポテンシャルを持っていると感じました。まさに社会課題を解決するインパクトの大きい事業で、やり甲斐を感じれるだろうなと。製造業市場のなかでも「部品調達工程」という、120兆円規模の分野ながら、100年以上イノベーションが進んでいない世界に革命を起こそうとしています。発注者・受注者の非効率を解決するとともに、技術はあれど営業力がなく廃業する日本の町工場を救う、社会貢献性の高いビジネスです。実は三菱商事時代に、似たようなアイディアを新規事業として提案したんですが、実行されなかったんです。工作機械を担当した時から製造業に興味があったので、キャディの構想を聞いた時に心の底からワクワクしました。最後は「スキル」について。確かに、キャディでは総合商社で培った製造業に関する知識や、グローバル経験を活かせることも魅力でした。しかし一番の魅力は、三菱商事では経験できなかった0からベンチャーを立ち上げる経験を積むことができることです。他のベンチャーなら転職しなかったかもしれませんが、自分の経験を活かしながら、社会貢献性の高い事業を0から立ち上げることにより、圧倒的な成長を期待できると感じ、入社を決意しました。今はキャディのパートナーとなる工場を新規開拓する責任者として全国を飛び回っていますが、寝る間も惜しいくらい仕事が楽しいです。同世代で転職や起業を考えている人も複数人いたーーちなみに同世代の人たちはどうだったんですか?三菱商事の場合、自分以外にも同期で退職している人は実際にいますし、退職している人が増えているのは事実です。あくまでも感覚ですが、同期が170人くらいいるうちの2割程度は辞めています。転職先の内訳としては、6割が外資コンサルと外資金融。残りの4割は起業やベンチャーですね。退職理由としては、大きく2つあると思います。①培ったノウハウを早く活かして、新たに挑戦したいから②転職のハードルが下がっているから1つ目は、僕が転職した理由と似ていると思います。総合商社で3,4年働いていると仕事をある程度理解できるようになります。大企業ゆえに3,4年でもまだまだ若手で可愛がってもらえますが、与えられる裁量には限界があります。配属部署や配属地域などによって変わるので一概には言えませんが。三菱商事で学んだことを活かして新たに挑戦したいと思う人が一定数いると思います。2つ目は、昨今の時代背景が影響していると思います。終身雇用の時代が終わりつつあり、転職が当たり前になっているのが今の社会です。また、インターネットの普及により、他社の情報を簡単にキャッチアップできるようになってきたこともあります。その結果、総合商社で働いている人の転職のハードルが下がっているのだと思います。もちろん、グローバルでスケールの大きい仕事にやり甲斐を感じ、三菱商事で邁進し続けている同期もいます。三菱商事はこの現状に危機感を覚えているーー三菱商事は転職や起業する人が増えていることに関して、どのように考えていると思いますか?危機感を感じていると思います。やはり、三菱商事を含め総合商社にとっては「人」が一番の資産です。元来、総合商社は社員の成長への投資は惜しみません。三菱商事としてもこれから色々な施策を走らせようとしていると思われます。その一環として、2018年11月の「中期経営戦略2021」で発表がありましたが、「経営力の高い人材の育成」を課題と捉え、人事制度を改革しようとしています。具体的には成長曲線を向上させるために、成果主義や若手の人材登用などを考えているようです。僕は既に転職をしてしまいましたが、今後三菱商事に入社する人はもしかしたら、僕と同じ理由で転職することはなくなるかもしれませんね。unistyle編集部よりいかがだったでしょうか?総合商社のビジネスは時代の変化に合わせ、その形を変えてきました。トレーディングを中心としていた時代から、事業投資へと変わり、今は事業経営へとシフトをしています。それらの変化に伴い、求める人材も変化しつつあることが本記事から感じていただけたのではないでしょうか?特に三菱商事に関しては、「中期経営戦略2021」で述べているように、経営人材を育てようとしています。それはつまり、経営人材になりうる人材を採用したいということです。三菱商事社長の垣内氏は、「経営人材」の3つの条件として、「構想力」「実行力」「高い倫理観」を掲げています。三菱商事に興味がある方はぜひ、参考にしてみてください。参考:【垣内社長】三菱商事は、経営者の「道場」になる後藤さんが働いているキャディに興味を持った方へ本記事をお読みになり、後藤さんが働いているキャディに興味を持った方もいるかもしれません。残念ながら、現在新卒採用をしていませんが、学生インターンは募集しています。マッキンゼー、Apple、三菱商事出身の社員と一緒に働くことができるため、世界トップクラスの仕事術を身近で体感できるので、長期インターンを探している方は応募してみてはいかがでしょうか。長期インターンの応募はこちらから:1年で10億円調達!元マッキンゼーの社長直下で成長したいインターン生募集! 15,542 views

現在ES掲載数

77,622

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録