総合商社の配属リスクと総合商社におけるタテヨコ議論

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最終更新日:2023年10月20日

総合商社の配属リスクと総合商社におけるタテヨコ議論

総合商社には「配属リスク」があるという話は聞いたことがあるかもしれません。「ラーメンからミサイルまで」というキャッチフレーズは総合商社を志望する人は一度が聞いたことがあるのではないでしょうか。

商材の範囲の広さを表現したものですが、確かに幅広い商材を扱っておりそれがゆえに総合商社の事業内容を理解するのが難しいと感じている就活生の方も多いかと思います。

一方で、事業内容の幅広さに惹かれて総合商社志望しようと思ったら、「総合商社は一度配属された部門で過ごすことが多いため、配属リスクが高いよ」といったOBの言葉に迷ってしまうなんて方もいるでしょう。

今回は総合商社における配属リスクについてと、総合商社の内部でたびたび議論されている人材育成の「タテヨコ議論」について紹介しようと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

総合商社では一度配属された部門から異動できない?総合商社の背番号制について

多くの総合商社においては、「背番号制」という一度配属された部門が自分自身の背番号となり、食糧部門に配属されたら例外がない限りずっと食糧部門で会社人生を進んでいくことになります。社内公募により、手をあげて他の部署に進むことも出来なくはないのですが、数としてはかなり少数です。

そのため、例年、ファッション関連の部署に行きたかったのに食糧部門に配属された、エネルギー関連の部署に行きたかったのに総本社の経理部に配属されたと涙する新入社員が一定数出ることになります。

こういった配属リスクや背番号制を知らないまま、総合商社は様々な商材を扱っているから様々なビジネスに関われるのだろうと勘違いをして志望動機を構成してしまう就活生がかなり多く存在しています。

総合商社は中小企業の寄せ集め!?出世も異動も部門の中で行われる

総合商社というと大企業だと多くの人が思っていますが、中で働いてみると、大企業であることは間違いないものの、中小企業の寄せ集めであると感じる人が多いように思います。

総合商社の一つの部門に所属する社員数は実はそこまで多くなく200名~500名程度です。部門の中でも部が明確に分かれており、部の間の異動も少ない場合は、100人ぐらいの部で、出世も異動も行われるため、一緒に働く人のことがかなりよくわかる環境であると言えます。

銀行などの金融機関の営業職になると、全国にある支店への転勤や本社営業部などへの異動もありえるため、かなり幅広い人と関わることがわかるかと思います。

総合商社はこのように中小企業の寄せ集め的な側面があるため、部署ごとにかなり雰囲気やライフスタイルが異なります。毎日のように接待、飲み会があるような部署もあれば、飲み会だけではなく業務によって夜遅くまで残る部署もあれば、仕事は時間内にさっと終わらせてワークライフバランスを重視するような部署も存在しています。

働き方という観点からも総合商社には配属リスクがひそんでいると言えるかもしれません。

総合商社におけるタテヨコ議論とは

このように総合商社では背番号制という一つの部門にずっと縛られる人材制度となっていますが、一方でせっかく様々な事業を展開しているのだからその特性を活かして様々な事業に精通した人材を育成すべきではないかという意見が総合商社の中でも起きたりします。

人材をヨコ(様々な事業領域)に広く経験させることで後半な知識を持った人材を育てた方が様々な事業に投資を行う総合商社にとってよいのではないかという意見です。

このヨコの意見に対して、総合商社が相手にするのは食糧部門であれば食品メーカーに20年勤めたその道のプロフェッショナルであり、その道のプロに対して説得力のある意見や提案を行うことを考えると、一つの部門(タテ)の中でその事業についての知見を深めなければ太刀打ちできないというタテの意見も存在します。

どちらの意見も説得力がある程度あり、どちらの意見が正しいとは言えないという状況で、総合商社の中にいる人でも意見は割れており、三井物産はどちらかというとヨコの意見に傾いており、人材のローテーションを実施しようと考えているようです。

ヨコの意見も広がりながらも、まだタテの育成が総合商社の中では主流なことを考えると、その事業領域のプロフェッショナルを育てることが、投資の際の目利きや事業育成には重要なのかもしれません。もちろん5年後、10年後には総合商社において様々な事業を経験させるヨコの育成が主流になることは否定できないでしょう。

最後に

総合商社を志望している就活生の方は、早めに「総合商社だから何でもできる」という勘違いから脱してほしいと思います。そして上記のようなリスクがありながらも、なぜ総合商社を志望するのかを考えることができると、配属リスクあるけどそれでも総合商社に入りたいの?といった総合商社の面接で頻出の質問にも答えやすくなるでしょう。

総合商社のブランドや現在の人気だけでなく、悪い点やデメリットにも目を向けた上で志望してほしいと思います。

【参考】三井物産内定者のES回答「志望理由」

『日本の強みを活かし、日本・世界を豊かにすること』が私の夢です。


この想いはこれまで40カ国訪れた海外経験が起因しています。訪れた先々で自分が日本人である事を誇りに思い、日本・世界の豊かさに貢献したいと思いました。
 

日本・世界を豊かにすること、内需と外需の両方に携わり、かつその規模が大きい総合商社を志望しています。その中でもOB訪問を通じて感じた仕事への強い責任感と誇りに共感し、貴社を志望しています。

【参考】丸紅内定者のES回答「丸紅での仕事を通じて成し遂げたい夢(300文字以内)」

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【参考】総合商社内定者のES回答「あなたが仕事を通して成し遂げたい目標は何ですか。 今までの経験やご自身の考えをふまえて、そのように考える理由と併せて教えてください。(250 文字以内)」

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【参考】三菱商事内定者のES回答「あなたが三菱商事で挑戦したいこと、実現したい夢について教えてください。その際、特に興味のある分野や職種があれば、具体的に触れて頂いても構いません。(全角 250 文字以内)」

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総合商社の業界・企業研究に役立つunistyleの記事

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外資系投資銀行・国内証券会社志望者が読んでおきたい5冊 外資系投資銀行・国内証券会社志望者が読んでおきたい5冊 外資系投資銀行や、国内証券会社がどのような仕事をしているのかを知るために読んでおきたい本5冊を紹介します。1.ジョン・ロルフ/ピーター・トゥルーブ『ウォールストリート投資銀行残酷日記—サルになれなかった僕たち』ウォールストリート投資銀行残酷日記―サルになれなかった僕たちアメリカのビジネスエリートの代名詞でもあるアイビーリーグでMBAを取得し、一流投資銀行ドナルドソン・ラフキン・ジェンレットに入社した2人の著者が、やがてその現状に失望して、会社を辞めるまでのドタバタ劇を描いた作品。すべてがこの通りというわけでもなく、投資銀行を去っていった人間からの視点という部分には多少の注意も必要だが、投資銀行の実情を知るには非常によい作品。2.真山仁『ハゲタカ』新装版ハゲタカ(上)(講談社文庫)2004年に刊行された経済小説。当時「ハゲタカファンド」と呼ばれた、短期的な利益獲得のみを目的とした投資ファンドと、それを取り巻く人や金を描いている。ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦が、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、斬新な再生プランを披露し、業績を上げていくという話で、企業買収、再生の真実を克明に描いている。テレビドラマ化、映画化もされた。3.黒木亮『巨大投資銀行』巨大投資銀行(上)(角川文庫)週刊ダイヤモンドに連載後、2005年に単行本が刊行された経済小説。旧態依然とした日本の都市銀行を飛び出し、ウォール街の投資銀行、モルガン・スペンサーに転職した桂木英一。外資流のビジネスに翻弄されながらも、巨額のM&Aや証券引受で勝機をつかみ、一流のインベストメント・バンカーへと駆け上っていくという話。作品で登場する竜神宗一は、実在する伝説のトレーダーで元ソロモン・ブラザーズ副会長・アジア地区の最高経営責任者の明神茂がモデルである。4.高杉良『小説巨大証券』小説巨大(ガリバー)証券(徳間文庫)経済小説・企業小説の第1人者である高杉良による、証券業界を扱った作品。本書で描かれている時代は、昭和60年代から平成2年くらいの、いわゆるバブル絶頂期。日野一という日和証券の証券マンを通して、「1強3弱」と言われる証券市場の不合理性を抉り出している。丸野証券という、明らかに野村證券をモデルとした巨大証券会社が登場するが、当時の日本の証券業界を理解するために必読の書。5.藤沢数希『外資系金融の終わり』外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々金融日記でおなじみの人気ブロガー藤沢数希による著書。「複雑すぎて潰せない」ために注がれる多額の税金。顧客との利益相反のオンパレード。人事、報酬、キャリア、リストラの生々しい実態などが赤裸々に、シニカルかつコミカルに描かれている。また、世界同時金融危機からユーロ危機に至るまでの流れを、何がどのように起こっていたのか、外資系投資銀行は何をしていたのかを非常に分かりやすく解説している。2012年までの直近の経済動向や、外資系投資銀行の仕事を知るには必読の1冊。↓野村證券の社会人インタビューはこちら↓野村證券3年目Sさん【無料会員向け記事】↓野村證券のES・内定者インタビューはこちら↓野村證券ES・インタビュー一覧↓外資系投資銀行のES一覧はこちら↓外資系投資銀行ES・インタビュー一覧↓証券会社のES一覧はこちら↓証券業界のES・インタビュー一覧外資系投資銀行の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に外資投資銀行志望者向けグループでは、選考や企業に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 39,483 views
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