トヨタ自動車のインターン体験記とES選考攻略法|合格者ES付
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最終更新日:2022年05月09日
トヨタ自動車のインターンシップは、夏の場合は期間も一ヶ月と長期に及びますが、冬・春の場合は1日のものや長くても2週間程度のものです。
しかし、本選考を前にトヨタ自動車のビジネスを体感できたり、OB訪問に向けてコネクションを作るという意味では、期間にかかわらず是非参加したいインターンです。
夏のインターンに関する記事ですが、19卒のレポートやES設問からインターンの雰囲気やトヨタ自動車の求める素養について理解を深めていただき、21卒の夏インターンまたその先の選考に臨んでいただければと思います。
トヨタ自動車とは
「トヨタ自動車」と聞いて名前を聞いたことがない日本人はおそらくいないでしょう。日本を代表する自動車メーカーとして、国内外問わず多くの人に親しまれている企業です。
トヨタと聞くと完成車メーカーのイメージが強いですが、近年ではMaaS(Mobility as a Services)の分野に力を入れ、メーカーからモビリティーサービスの会社へと変化を遂げようとしています。
参照:自動車業界とは?構造・市場規模・職種・仕事内容を解説
トヨタは関連会社を多く持つことでも知られています。部品メーカーのデンソーやアイシン精機などの名は聞いたことはあるのではないでしょうか。
デンソーやアイシン精機の様な、トヨタ自動車を中心とした集まりを「トヨタグループ」といいます。最近では、デンソーの取締役にトヨタ自動車の豊田章男社長が就任したりと、更にグループ間の繋がりを強めています。
トヨタ自動車を中核とするトヨタグループは上記だけに収まらず、各種工場・教育機関・金融・スポーツ事業などにも多く関連会社を構えているのが特徴です。
また、これら多くの系列会社が誰もが一度は名前を聞いた事ある程有名であることに加えて、多くの企業が本社を愛知県に構えています。これだけ名だたる企業があるならば住み慣れた地を離れて働く必要がないと言われることにも納得できてしまいます。
参考:トヨタ王国と就活〜トヨタ神話に関するアレコレ〜
トヨタ自動車 インターン体験記
ここでは、uninstyleに寄せられたインターン体験記を掲載し、トヨタ自動車のインターン内容についてご紹介していきます。
なお、今回はハイブリッド領域に参加された方のレポートの一部抜粋してご紹介致します。unistyleではこの方以外のインターンレポートや、その他本選考ES・レポートを掲載していますので、下記リンクより併せてご参考ください。
インターンの内容
2日目+3日目午前
全体研修。概要説明が主。トヨタで働く意義、インターンでの目標の記入など、個人ワークとグループワークを行った。
3日目午後~終了2日前(計16日間)
各部署での実習や業務体験。部署ごとに内容は大きく異なっている。私は電気機器の計算機シミュレーションの効率化を主に行った。ミーティングや工場見学などにも参加させてもらえる。
多くの部署が成果発表の機会を設けており、私の場合は実習終了前日の15日目に行った。
最後の2日間
全体研修。最初の研修で掲げた目標の達成、各自の成果の共有などの、個人ワークとグループワークを行った。
インターンの雰囲気
私の配属された部署は比較的忙しくない部署のようで、インターン担当者とも逐次進捗を共有しながら、和やかに進めることができた。
途中問題が発生したときにもチームで共有する機会をもらい、有用なアドバイスを頂くなど非常にやりやすかった。
メンター含む社員との交流
各インターン生に、配属部署内の社員が1名、担当者として付く。基本的にその担当者がテーマを進めるサポートをする。
前述したように部署や社員ごとに忙しさが大きく異なるため、私の担当者は一日に何度もサポートしてくれたが、中には放置気味な学生もいた。
毎日の業務では基本的に担当者が進捗を見てくれる。また、多くの部署では懇親会が開催され、チーム内の社員の方と話すことができた。
また、最終日にはインターン生全体での懇親会も用意されており、インターンを企画した社員の方や、面接官とも会話することができた。
インターンを通じて成長した点
また、インターンの実習期間は1つのことを達成するには非常に短いため時間に追われる苦労もあったが、業務を効率的に遂行するためにどう行動すればよいか、深く考えさせられた。
この点も、その後の研究において常に考えながら物事を進めていく意識を身に着けることができたように思う。
インターンを通して内定は出るか、またインターン後に企業からアプローチがあったか
(アプローチに関しては)採用選考にてリクルーターと接触するまで、とくに連絡はなかった。
志望度の変化
もともと入社志望度は非常に高かったが、実際に社員と同じ場で業務を行なえたことで、入社後に働くイメージを固めることができたのが大きな理由。
また社員の方は優秀な方が多く、実習初日などは少し実力の足りなさも感じていたが、その後は必死に考え続けてある程度成果を出すことができたので、自分でも今後努力すれば活躍できる職場であると感じることができた。
インターン選考のための準備
ESでしっかりまとめておくと面接での質問も事前に想定どおりに進むことが多いので、面接直前はとにかく堂々と話すことを意識しました。
インターン参加を希望する後輩へアドバイス
選考内容はインターンとはいえ、採用選考と遜色ないレベルです。特に集団面接はESに基づいてしっかり練習して臨むことをお勧めします。
トヨタ自動車 インターンES設問
ここからは、技術部門(エンジン設計部・技術系)のESについて、設問の解説と合格者の回答・解説を掲載していきます。その他のコースに関しても、設問はあまり変わらないので、参考にしていただければと思います。
※現段階では、21卒の募集要項が発表されていないので19卒のインターンシップの設問を元に解説を進めていきます。
◆学生時代に頑張ったこと(300文字以内)
設問1
設問の意図
ここではシンプルに志望動機とそこで成し遂げたいことが問われています。文字数が200字程度と非常に短いため、簡潔に述べる必要があります。
また、インターンシップに参加してもらうにあたって、自社理解を深めてもらうといった意図があります。
そのため、業界・企業研究、自身の強みなど書く必要はあまりないでしょう。しかし、早期選考ルートに乗り、就職活動を円滑に進めるためにも、夏のインターンシップで企業理解を深めることは必要です。
意図をふまえた回答方針
トヨタのビジネスモデルを簡潔に書くと、自動車を開発しそれを売って利益を出すというものです。
ですが、自動車を開発する際にはマーケティングを行い、現在顧客が何を求めているのか、どのような機能がほしいのか等を調査して開発に繋げています。
また、自動車の部品を供給している工場に価格交渉をしたり、生産技術を開発したりと様々なことを行い一つの製品を作り上げていきます。
では実際どのようなことをトヨタ自動車は行っているでしょうか。
当該車種約6万台分を契約している保険会社による約2500件の事故データを調査した結果、踏み間違い(ブレーキとアクセルの踏み間違い)事故件数は約7割減少し、後退時事故件数については約4割減少という結果を得ることができた。
参考:トヨタ自動車ニュースリリース
これはトヨタ自動車が開発した衝突事故被害軽減装置に関する記事です。
自動車が原因になり事故が起こっていることは自動車が開発されて以来の問題になっています。これを解決するために以前から運転者側の交通安全対策などは行われていきましたが、近年の技術向上により自動車側の安全対策ができるようになってきました。
今回は自動車につけられた装置によって事故が減少したという記事ですが、事故がなくなってほしいというのは社会全体の願いともいえます。この大きな問題をトヨタ自動車は解決しようとしています。
内燃機関に比べてエネルギー効率が高く、加えて、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を実現するとともに、3分程度の水素の充填で充分な走行距離を得られるなど、ガソリンエンジン車と同等の利便性を備えている。
水素は、様々な一次エネルギーや下水の汚泥からの製造に加え、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用して水からの生成も可能。
さらに、電気に比べてエネルギー密度が高く、貯蔵や輸送も容易であり、家庭や自動車用の燃料のみならず、発電への活用も期待されるなど、幅広い用途への利用が可能な将来の有力なエネルギーの一つである。
水素を燃料として自ら発電して走るFCVは、将来の水素社会の一翼を担い、エネルギー多様化への対応をさらに加速させるものと期待されている。
参考:トヨタ自動車ニュースリリース (一部中略)
これはトヨタが手がけている燃料電池車のMIRAIの記事です。
燃料電池車とは燃料電池を搭載して走る車で、従来のガソリン車とは違い環境負荷が少ない車です。現在、地球温暖化問題が積極的に叫ばれている中、環境負荷の高いような車は一般に好まれません。
ただ、このような従来とは異なった車を開発することは今までの仕組みを変え開発するということなので困難が伴うと言えます。
新しい開発を行う際には技術者、工場の関係者、部品の調達を担当する人等様々な価値観を持った人々と協力していかなければなりません。
ですから、様々な価値観を持った人々と協力して仕事をしたいという人は向いていると言えるでしょう。
また、燃料電池車を代表としてトヨタ自動車は様々な車を開発しています。これらの車はMade in Japanの代表的製品であり日本の存在感を世界で示すものと言えるでしょう。
以上のことを踏まえ、トヨタ自動車の志望動機を考えると、
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
・日本のプレゼンスを高める仕事がしたい
といった軸を持った学生に適している会社と言えるでしょう。
合格者の回答
私は車が好きということもあり、私の専門分野と関連のある自動車の騒音問題に関心があります。貴社のクルマ作りを通してより良い生活を作ろうとする姿勢が私の問題意識とつながる点もあると思い、詳しく知りたいと思っています。
実習ではエンジンの音・振動解析に挑戦したいです。エンジンは自動車騒音の多くを占めるため騒音の抑制に直接的に関与することができると考えたからです。
未知の分野も吸収しつつ、私の専門性も活かしながら成果を出せるように取り組みたいです。
出典:トヨタ自動車インターン合格者エントリーシート
このESではインターンで学びたいことを軸に書かれているため、企業側の意図を汲み取った非常にわかりやすいものであるといえます。
また、自身の問題意識と企業の目標の合致を提示していることから読み手としても納得感の得られるものとなっていると言えます。
しかし、「成果を出せるように取り組みたい」と述べている点で、具体的に、「自分のどういったスキル」が「どのような成果として表せるか」というように述べることができていたら他との差別化となり更に良いでしょう。
設問2
設問の意図
いわゆる「ガクチカ」です。
企業がガクチカを聞く理由としては、貴方という人間がどういう人物であるかをみていると言えるでしょう。なぜそれを学生時代に頑張ったかという背景は勿論、貴方の意思決定の傾向や価値観といったものを知ろうとしていると言えます。
そのような企業の意図を踏まえて記述することを求められています。
また、文を述べるにあたって、ただ言いたいことを述べるのではなく、相手の立場になり要点を抑え端的にわかりやすく述べましょう。
選考官は大量のESを見なければならないため、あなたに対して何ら前提知識のない人間が、一目見てすぐに理解できるかという点については、常に注意を払う必要があります。
意図をふまえた回答方針
ガクチカを述べるにあたって論理的かつ明快な書き方をするには、以下の記事や動画で説明しているフレームワークに沿って書くことが近道になります。
②動機:なぜ取り組んだのか?
③目標と困難:どんな目標を掲げたのか?、目標を達成する上での困難は?
④取組みと結果:どのように取り組んだのか?。取り組みの結果はどうだったのか?
⑤人柄:活動の中であなたの性格がどのように活かされたのか?
⑥学び:取り組みを通じて何を学んだのか?、学びを社会にどのように活かすのか?
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。
初めてESを書くといった方も多いと思いますが、まずは上記の要点を抑えつつ、自分で何度も見返し、友人や先輩に見てもらいブラッシュアップするといいでしょう。
また多くの学生が、エピソードの規模感によってESの評価が下されると考えているように感じます。
確かに、エピソードにインパクトがあるものは選考官の目を引く可能性は高いでしょう。しかし、書き方が稚拙であったりただのエピソードトークで終わってしまうようなものでは評価されません。
エピソードそのものではなく、自分の能力や価値観をいかに共感し伝えられるかということに思考を巡らしましょう。
企業側は、エピソードの大小よりも、論理的な思考や目標までのプロセス、そしてそこから何を得たのかといったことを見ているように感じます。
合格者の回答
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最後に
トヨタは理系文系問わず、就活生に非常に人気があり、インターンはもち
インターンを通して早期に業界研究・企業研究を進めて、
本記事を通じて、トヨタのインターンの雰囲気や、ESの書き方を掴んでいただけたら幸いです。
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