帝人のES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ
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最終更新日:2021年01月05日
大手素材メーカーとして名高い企業である帝人。
1918年創業と長い歴史を誇っており、18卒の就活生は創業100周年の節目の年に入社することになります。近年は著名な繊維事業にとどまらず、ITやヘルスケアといった事業にも力を入れており、バランスの取れた収益ポートフォリオを形成している印象があります。
素材メーカーは特に専門知識が少ない文系学生にとっては働き方がイメージしづらい企業の一つかと思われます。果たしてどのような人材が求められているのでしょうか。
まずは事業内容と採用HPから考察していきましょう。
事業内容と採用HPから考える帝人の求める人材
電子部品や自動車から、身近な包装材やラベルまで、幅広い用途に使われ、膨大な種類があるポリエステルフィルム。それらを担当先の商社を介して、数百件のエンドユーザーに提供していく。それが、私の仕事です。
営業の役割は、単に注文を取って、それをさばくものではありません。お客様からの増産や仕様変更の要求等の対応窓口も担います。とはいえ、決められた生産計画のもと動いているため、社内を説得して、計画を変更してもらうことは簡単ではありません。お客様の在庫状況や、そのビジネスが持つ『意味』をしっかりと関係部門に伝え、納得して動いてもらう。そのために、代理店である商社とその先にいるエンドユーザーからの的確な情報収集を日々心がけています。
参考:社員の声(フィルム事業本部)
こちらは2012年入社の、ある営業担当社員の言葉です。
営業というとただモノを売り込むだけとイメージしてしまう方も多いかもしれません。しかし、顧客からの増産や仕様変更の要求等を会社に伝えるという現場からの声を伝える役割も担っています。ここでは『決められた生産計画のもと動いているため、社内を説得して、計画を変更してもらうことは簡単ではありません。お客様の在庫状況や、そのビジネスが持つ『意味』をしっかりと関係部門に伝え、納得して動いてもらう。
そのために、代理店である商社とその先にいるエンドユーザーからの的確な情報収集を日々心がけています。』の部分に注目してみましょう。ここからも読み取れるように、営業は立場の異なった人々との協力が不可欠であり、それ無しでは顧客の切実な要望に向き合うことが出来ません。
また、顧客の要望を聞き出すには相手との信頼関係が構築が前提になります。信頼関係が構築されていないと、、的確なニーズの引き出しが出来ず、そもそも話を聞いてもらえないという案件が起こってしまうかもしれません。さらに、製造の部門、素材を調達する商社に情報を伝えられなくなってしまい、円滑な企業運営に支障をきたしてしまう可能性も考えられるでしょう。
以上の内容を『人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み』をもとに考えてみると「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」能力が帝人では求められていると言えるでしょう。
現在、アラミド繊維を中心とした高機能繊維と樹脂を組み合わせたソリューション営業として、入社前からの夢だった自動車に携わる仕事をしています。現在テイジンでは、軽くて丈夫な素材、炭素繊維複合材料(CFRP)を用いた自動車ボディの研究開発を進めています。しかし、実はボディ以外にも軽量化の余地がある部品が数多くあるのです。
例えば、ギヤ。
自動車の構成部品の中でも重量比率が大きいギヤの素材を新開発することが出来れば、更なる軽量化が実現可能です。しかし、ギヤにはボディとは比べ物にならないほどの負荷がかかるので、強度を備えた素材の開発が必要不可欠。そのような素材をどのように創り出し、どうやって市場に発信していくか。高機能繊維事業単体で取り組むのは難しいので、樹脂事業や社外も巻き込み、開発部門、生産部門と共に、開発からマーケティング、営業に取り組んでいる真っ最中です。
参考:社員の声(高機能繊維事業本部)
こちらも同様に営業担当社員ですが、扱う商材が異なり、高機能繊維本部所属です。素材販売を通して車の軽量化を図っているようです。
『高機能繊維事業単体で取り組むのは難しいので、樹脂事業や社外も巻き込み、開発部門、生産部門と共に、開発からマーケティング、営業に取り組んでいる真っ最中です。』の記述からもわかるように、自分が属する部門に限らず、他の人々と協力して製品を生み出しているということが分かります。
これからも分かるように上記と同様、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」能力が必要ということが分かります。事業内容から考えても、モノづくりの上流を担う素材メーカーでは、取引先の商社、開発部門、営業など様々な価値観の異なった人々とも協力して仕事をしていかなくてはなりません。その点からも同様の素質を持った人材が求められていると言えるでしょう。
以上より事業内容と採用HPからは、
「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」
「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」
の2つが、帝人の求める人材を理解するうえでは必須であることが分かりました。
では続いて、ESからはどのようなことが読み取れるでしょうか。見ていきましょう。
帝人のES
(1)学生時代に力を入れてきたことについて、学業と課外活動それぞれを踏まえて具体的な取り組み内容をお答えください。(なぜそれを取り組んで、何が大変でどのように乗り越えてきたかなど)(600字以内)
(2)あなたが就職活動において大切にしていることや、企業選びのポイントを教えてください。(200 文字以内)
参考:帝人の企業情報
設問(1)「学生時代に力を入れてきたことについて、学業と課外活動それぞれを踏まえて具体的な取り組み内容をお答えください。」について
文字通りですが、学生時代頑張ったことについての設問です。
学生時代頑張ったことは、そのエピソードから導かれる学びや強みが当該企業の求める人材と合致しているかどうかがポイントになります。今回は「なぜ取り組んだか」「何が大変だったか」「それをどう乗り越えたか」と指定があり、「ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-」で説明しているフレームワークの②動機・③目標と困難・④取り組みと結果、について直接的に問われています。
この点について指定してきたということから、「困難が発生したときにどのように課題設定し、それを解決に導く働きかけができるか」という課題解決力をより深くみたいという意図が考えられます。それを乗り越えたアプローチについて述べていく中で、先ほどの2つの強みに該当する素質を持った人材であることをアピールするようにしましょう。
設問(2)「あなたが就職活動において大切にしていることや、企業選びのポイントを教えてください。」について
志望動機について聞かれている設問です。
これは『【例文6選】エントリーシート(ES)の志望動機の書き方!独自調査を基に人気業界ごとに解説』に則って書いていくと良いでしょう。就職活動において大切にしているという点は、自分の将来の夢や成し遂げたいことをもとに作られていると思います。また、企業選びの軸も成し遂げたいことをを達成するために選んでいると思います。なので、まず第一にどのような夢があるのかを定めて書いていくと伝わりやすいESになると思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
メーカー一般の働き方として必須の「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」能力だけでなく、帝人の場合は営業担当で特に「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」能力も重要になってくるということが読み取れました。
メーカーの中でも特に「何をやっているのかわからない」という声も多い素材メーカーですが、他のメーカーとも求められる素質は共通している点は多いと思われます。unistyleの以下の他記事も参考に企業に対する理解を深めていっていただければと思います。