あなたの志望動機が共感されないのは自分の経験に根ざしていないから?
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最終更新日:2025年05月26日

1.なんの経験もないのに壮大な夢を語っても説得力はゼロ(志望動機)
こちらは志望動機の基本的なフレームワークになります。
志望動機で最も重要なのは、ここで説明する「きっかけとなる経験」です。いくら立派な「成し遂げたいこと」を語ったとしても、経験に基づくものでなければ何の説得力もありません。
例えば、旅行で海外に行ったことのあるだけの人が、「海外で仕事がしたい」と志望動機で話してもまったく説得力がないでしょう。
きっかけとなる経験とは下記、下線部の部分を指します。
「健康という価値を多くの人に届けたいと考え、貴社を志望しています。①障害を抱えた両親の元で育ったことから健康に対して人一倍関心が強く、②大学時代も健康雑誌の編集アルバイト、スポーツジムのインストラクターとして健康を届けてきたことからこのような思いを抱いています。」
この食品業界内定者のESでは、①で自分自身の生い立ちから成し遂げたいことを語り、さらに②で大学時代の自分自身の行動から健康に対する興味を伝えることができているため、「成し遂げたいこと」の説得力がどちらか一方で語る以上に強くなっています。
「成し遂げたいこと」と「きっかけとなる経験」はセットで語るべき内容です。この「成し遂げたいこと」と「きっかけとなる経験」の一貫性が志望動機の評価の多くを占めることになります。
よりよい志望動機を語る上でも、数多くの内定者・社会人の「成し遂げたいこと」と「きっかけとなる経験」に触れて欲しいと思います。
ここで実際に大手企業の選考に通過した志望動機を見てみましょう。自分の志望動機を作成する際に活かせる部分が見つかるかもしれません。
選考通過者のES例文(志望動機):日清オイリオグループ
弊社のどのような点に興味を持ち、どのような事業・仕事に携わりたいかを記入してください
場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
選考通過者のES例文(志望動機):明治安田生命(総合職地域型キャリアW)
志望理由(200文字)
「大切な人を守りたいという愛を形にした保険商品を通して、お客様の人生を支えられる存在になりたい」という想いから生命保険業界を志望している。私はマネージャーとして選手目線で考えることに妥協せず、周囲との...○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
選考通過者のES例文(志望動機):三菱UFJ銀行(総合職)
当行を志望した理由を、200字以内で記載してください。
貴行が、「アジア新興国と日本企業を繋ぎ、アジア全体の発展に貢献する」という私の目標を達成するために最適な環境だと考えたためです。私はアジア中を旅した経験から新興国市場に興味を抱き、アジア全体の活性化に...それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。 大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、
選考通過者のES例文(志望動機):博報堂・博報堂DYメディアパートナーズ
志望動機について
「様々なメディアを使ってビジネスの仕組みを創ることができるから」もともと経営者である叔母に憧れており、若くして独立できる公認会計士試験に挑戦していた。しかし試験に落ちたことで真剣に考えた結果、本当の...
また私の個人的な意見としては報道だけでなく、実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。 かつては総合商社を滑り止めにしてメガバンクを目指す学生が多かったように。
実際に自分の足を使って社員と会い、社風や企業の方向性感じとっていくことが重要だということを述べておきたいと思います。
2.単純に自分の経験に結びついてればいいわけではない(志望動機)
経験に基づいていれば何でもいいかと言うとそういう訳でもありません。
例えば下記の様な「浅い」経験では採用担当者の共感を得ることは難しいというのは容易に想像できるでしょう。
「CMが大好きで、CMを見て感動したことがあるから広告代理店を志望している」
「お菓子が好きで、お菓子を食べる幸せを届けたいから食品メーカーを志望している」
さて、これらの経験も確かに「CMを見る」、「お菓子を食べる」という経験に根ざしているので一見良さそうに見えますが、どちらも自分から動いた主体的な経験ではなく、あくまで一消費者として経験した受動的な経験になります。
企業が欲しい人材はあくまで企業の利益に貢献できる人材であり、自ら積極的に動いた経験で仕事に繋がる経験であることが重要です。経験に根ざしていれば何でもいいわけではないので注意が必要です。
多くの学生のESが上記の様な「単純な経験」に根ざした志望動機となっており、面接官もかなりうんざりしています。その他、「海外経験があるので海外で仕事したいから総合商社がいい」、「田舎で育ったために田舎の街作りに興味がありディベロッパー志望」など単純経験の志望動機を挙げるとキリがありません。
自分自身の志望動機が単純経験からの志望動機になっていないか常にチェックするようにしましょう。
3.「成し遂げたいこと」、「きっかけとなる経験」を固めるために(志望動機)
出来る限り早めに、志望動機の根幹となる「成し遂げたいこと」及び「きっかけとなる経験」は固めておきたい所です。
この二つを固めるためには、やはり、内定者や実際に働く社会人の「成し遂げたいこと」「きっかけとなる経験」に数多く触れることが重要です。
また、自己分析を並行して行っていく事も重要です。自分が「何時」「何処で」「何を」「何故」成し遂げたいと感じた経験があるのか自己分析を通して明らかにしましょう。そして、その経験をどう社会人として活かしていけるのか、いきたいのかといった要素を志望動機に盛り込めれば自他共に納得感のいくモノが出来上がる筈です。
unistyleのESやOB訪問を駆使しながら多くの「成し遂げたいこと」、「きっかけとなる経験」に触れながら自分自身のオリジナルの志望動機を作り上げて欲しいと思います。