スケジュールに関するコラム
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- 就活エージェントのメリットとは?丨就職エージェント neo 35,889 views 就職活動においては、ある程度自分一人で何とかしようとする学生も多いと感じます。転職活動においては、転職エージェントに企業との選考スケジュール調整や職務経歴書(ESのようなもの)の添削などを依頼するのが一般的です。しかし、新卒の就職活動でエージェント系のサービスを活用している学生はまだまだ少数派だと思っています。就職支援サービスを活用すると、企業の紹介から各種選考対策まで一貫してサポートが受けられるので、それを知らずにいるとしたら非常にもったいないと感じます。本記事のコンテンツ・学生がメリットしか受けない理由・一人で悩む就職活動は終わり・最後に(※本コラムはネオキャリア就職エージェントのPR記事です)学生がメリットしか受けない理由就職支援サービスは、専任のエージェントが内定獲得まで一貫したサポートを行うもので、学生はすべて金額負担ゼロで利用できます。これは、新卒採用を行う企業から、就職支援サービス提供企業へ報酬を支払うビジネスモデルとなっているためです。就職支援サービス提供企業は学生に内定してもらわなければビジネスが成り立たないため、必然的に学生の適性をみて内定可能性の高い企業を紹介+選考過程での手厚いサポートを行うことになります。エージェントが紹介した企業のビジネスについては事前に説明してくれるため企業研究の手間がほとんどなく、ES添削・面接練習などのサービスも受けられることは学生にとって大きなメリットだと言えます。また、個別の選考フローの対策よりもさらに大きな枠組みで、どんなキャリアを歩みたいのか、自分はどのような仕事に適性があるのかといった相談にも乗ってくれることでしょう。一方で、三菱商事や電通など、自社単独で優秀な学生を集められるような企業を紹介してくれることは期待できず、紹介企業としては、事業は急激に伸びているなど優れた企業にもかかわらず知名度の低さのために優秀な学生を独力で集められずにいるようなベンチャー、中小〜中堅企業が多いと思います。また、エージェント経由で1社内定を得たときに、本当はさらに志望度の高い企業があるにもかかわらず一時の喜びから視野が狭まり以降の就職活動がおろそかになってしまわないように注意が必要だと言えるでしょう。このように注意すべき点はあるものの、学生にとって非常に有用なサービスだと感じます。ここまでの内容をまとめると以下のとおりです。メリット・自分に合った企業の紹介を受けられる・選考に向けたES・面接対策が受けられるデメリット・大企業はあまり紹介されない・内定を得た際にその後の就職活動が疎かになる人もいる多くの学生が利用するナビサイトはエントリーやセミナー予約のためのツールであり、就職支援サービスは内定可能性を高めるツールだと言えるでしょう。▼下記は大手就職支援サービスのネオキャリア就職エージェントで、早慶レベルの学生も利用しているので是非ご覧ください。一人で悩む就職活動は終わり就職活動をしていると、ESの書き方がわからない、面接の受け答えにもしっくりこない、そもそも自分の志向性もわからないなど、誰しも各フェーズで悩みがちだと思いますが、一つでも当てはまる学生は就職支援サービスを利用するべきだと思っています。紹介先企業のESについては随時担当のエージェントが添削してくれる上、面接対策も行ってくれます。志向性については、エージェントと話す中で企業選びの軸や自身の適性が見えてくることもあるでしょう。就職活動を始めたばかりの学生の視野は狭く、単なる憧れだけで受検企業を選びがちだと感じます。エージェントから様々な業界・規模の企業を紹介してもらう中で幅広い業界を見られるようになると、無内定のリスクを低減できるだけでなく、納得のいくキャリア選択ができる可能性も高まると思っています。各業界のいい面悪い面両方を踏まえた一段深い志望理由を用意する上でも、視野を広げることは重要です。また、「トップ企業を紹介してくれないから意味がない」と考える学生もいるかもしれませんがそんなことはなく、業界や企業規模にかかわらず評価される人材には共通項があるため、就職支援サービスの添削などを通して得た知見はトップ企業の選考でも活かせると思っています。参考:面接に慣れる意味でも、企業を紹介してくれる就職支援サービスは有用だと言えます。例年場数を踏まないまま志望度の高い企業の面接を受けて、結果玉砕してしまう学生も多くいると感じます。最終的にトップ企業から内定を得る学生でも面接に不慣れなうちはバンバン落とされます。自分ではそれなりに話が上手い方だと思っていたとしても、友人とカジュアルに話すのと初対面の社会人から評価されながら話すのとではまるで性質が異なるというのはよく意識すべきでしょう。最後に自ら主体的にOB訪問などを重ね万全の準備で就職活動を行い望む結果を手にする学生もいる一方で、悩んでしまってなかなか前に進めないという学生も多いと思っています。そうした学生にとって就職支援サービスは背中を押してくれるいいツールだと言えます。本記事におけるメリットをまとめると、・自分に合った企業の紹介を受けられる・幅広い企業を紹介されることで、より良いキャリア選択ができる可能性が増す・選考に向けたES・面接対策が受けられる・別企業の際にも活かせる添削・アドバイスを、選考を通じてもらえる上記について詳しく扱ってきました。また、高学歴な学生ほど就職支援サービスは不要と切って捨てがちかもしれませんが、もったいないと感じます。学歴はあくまでスクリーニング基準であり、ESを通過した段階で学歴の優位性はほとんどなくなります。その後の面接では場数も非常に重要なため、面接対策を行ってくれる就職支援サービスはやはり有用だと言えます。自分は他者の助けは必要ないなどと思わずに、最良の結果を得るためにも使える武器は使うべきでしょう。photobyU.S.Army
- アマゾンとメルカリ、経団連に加盟。就活生にはどのような影響がある? 12,115 views アマゾンジャパンやメルカリなど、今後の第四次産業を牽引する企業が経団連に加盟したのが話題になりました。参考:アマゾンとメルカリ、経団連に加盟”就活ルールの廃止”などで話題になっている経団連。本稿では、今回のIT企業やベンチャー企業の加盟は、就活生にどのような影響を与えるかを解説していこうと思います。20年卒の就活生の就活には、大きな変化はありませんが、日本経済を根幹から支える経団連について理解しておいて損はありません。また、21年卒の就活生から現行の”就活ルールの廃止”により、「21年卒以降の就活生が、これからの就職活動を見据えて今やるべきことは何か」について解説していきますので、ご覧ください。経団連とは?そもそも、経団連(日本経済団体連合会)とは何なのでしょうか。就活生としては、「選考開始時期などの就活ルールを決めている団体」というイメージがあると思います。間違ってはいませんが、実はそれだけではなく日本経済を根幹から支えているといっても過言ではないくらい、日本経済に大きな影響力を持っています。まずは、経団連のHP「経団連について」を参考に見てみましょう。経団連は、日本の代表的な企業1,376社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などから構成されています(いずれも2018年5月31日現在)。その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。このために、経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけています。同時に、政治、行政、労働組合、市民を含む幅広い関係者との対話を進めています。さらに、会員企業に対し「企業行動憲章」の遵守を働きかけ、企業への信頼の確立に努めるとともに、各国の政府・経済団体ならびに国際機関との対話を通じて、国際的な問題の解決と諸外国との経済関係の緊密化を図っています。引用:経団連HPつまり、経団連とは、政府とは異なる経済界からのアプローチで、日本経済の発展のために、活動している団体です。時には、政府や行政などに働きかけ、必要があれば新制度の提案なども行います。日立製作所や三井物産など、日本を代表する企業や団体が軒並み所属しており、日本社会に与える影響も絶大です。直近の経団連は、人口減少・少子高齢化に伴い、IoTやAI、ロボットなどの革新技術を最大限活用して人々の暮らしや社会全体を最適化した未来社会、Society5.0の実現を目指しています。詳しくは後述しますが、今回話題になったメルカリとアマゾンジャパンの経団連加入も、この取り組みに関係があります。なぜ世の中で話題になっているのか?さて、なぜメルカリとアマゾンジャパンの加入は世間を賑わせているのでしょうか。結論から先に述べると、長い歴史を持つ経団連を構成していたのは、自動車や鉄鋼など高度経済成長を支えたいわゆる「重厚長大産業」などの製造業の大手が中心でしたが、最近になり新興企業も加盟し始めているためです。米グーグル、米アップルの日本法人は加盟済みのため、今回のアマゾンジャパンの加盟により、巨大IT企業「GAFA」のうち米フェイスブックを除く三企業は加盟したことになります。これまでの毛色とは全く異なるIT企業の相次ぐ加盟の発表に世の中の人たちは驚いているというわけです。それこそ、メルカリは設立が2013年ということもあり、いわゆる設立年数が浅いベンチャー企業なので尚更です。加入の背景としては、産業構造の変化により、製造業の存在感が低下し、一方でIT企業やサービス業が台頭していることが影響しています。経団連としては、今回の事例のように、今後もIT企業やベンチャー企業の加盟を増やし、AI(人工知能)技術やIoTなどを活用し、経済発展や社会課題の解決を促すSociety5.0の実現を目指していることがわかります。就活生に与える影響は?経団連は就活にどのような影響力を持っているのでしょうか。テクノロジーの活用や、先進的な働き方を取り入れている企業の加盟は、行政への働きかけや経団連としての新たな取り組みなどに直接的な影響を及ぼすとは思いますが、就活生に大きな影響を及ぼすことはないと思います。しかし、間違いなく言えることとしては、日本の就活は大きな転換期を迎えているということです。中でも直近のメイントピックは、今年9月頭にニュースとなった、"就活ルール"と呼ばれる採用スケジュールの廃止でしょう。参考:経団連、就活ルール廃止決定=政府主導の新方式に-21年春入社は現行通り"就活ルール"とは、企業によって採用の時期が異なると学生の本分である”学業”が疎かになる恐れがあるため、企業に広報・選考活動の時期的制限を設けたものです。採用選考活動開始時期学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動については、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降選考活動:卒業・修了年度の6月1日以降なお、活動にあたっては、学生の事情に配慮して行うように努める。引用:一般社団法人日本経済団体連合会採用選考に関する指針とりあえず、21年卒の就活生から現行の「採用選考に関する指針」は廃止されることになったため、現在就活中の20卒の就活生の皆さんには直接関係することではないので、さほど気にする必要はなさそうです。現時点では、現状維持の方針のようですが、21年卒以降の就活生には何かしらの影響があるかもしれません。就活ルールの廃止により、どのような変化があるのでしょうか?"就活ルール廃止"のメリット・デメリットunistyleでは、"就活ルール廃止"による学生への影響について以下のように考察しています。それぞれのメリット・デメリットの詳細については、「」をお読みください。▶メリット【1】チャンスの増加【2】海外留学をする学生への門戸の拡大【3】キャリアについて考察する機会が増える▶デメリット【1】就活の超早期化【2】学業への影響【3】情報の氾濫参考:上記の記事で述べている通り、就活ルールの廃止は、学生の捉え方次第でメリットにもデメリットにもなり得ます。これからの"就職活動の形"改めて、"就活ルール"の廃止がもたらす変化を、就活スケジュール関するものに絞って挙げると、大きく以下の3つにまとめられます。こちらに関しても「就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)」で述べていますので、詳しくは記事をお読みください。【1】通年採用の一般化【2】就活の長期化【3】就活の超早期化引用:就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)"就活ルールの廃止"により、企業はいつでも採用をすることができるようになるため、大学1・2年生の時点から内定を出す企業も増えます。そのため、21年卒以降の就活は、早期化・長期化が予測され、「自分が志望している企業にエントリーしようと思ったら、既に内定を出し切っていてエントリーすら出来なかった。」という可能性も将来的には考えられます。そのような事態を回避するために、入念に就活の準備をする必要が今後は出てくるでしょう。21年卒以降の就活生が今からすべきこと最後に、上述した"就活ルールの廃止に伴う就職活動の変化"を見据えて、21年卒はどのような行動を取れば良いのか解説します。詳細は、「就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)」に記載しておりますが、下記を参考にしてみてください。【1】自分と向き合う時間を増やそう【2】多くの学生・社会人との接点を作ろう【3】就職活動に正解を求めるのはやめよう引用:就活ルールの廃止|これからの就活。(1・2年生、21卒以降の学生がやるべきこと)上記のポイントで共通する点としては、とりあえず行動を起こすことです。”就活ルールの廃止”の捉え方は、学生にとってプラスにもマイナスにもなり得ます。”就活ルールの廃止”は、”自発的な行動が求められるようになる”ことの裏返しでもあります。今までは就活ルールがあったからこそ、周りの就活生と足並みを揃えて自己分析や企業研究などの就活をすることができました。しかし、ルールがなくなったことにより、「行動する人」と「行動しない人」の格差はより大きくなることが想定されます。「将来どんな仕事をしたいのだろう?」「世の中にはどんな企業があるのだろう?」「自分にはどんな仕事が向いているのだろう?」全ては足を運び、知ることから始まります。就職活動には絶対的な正解はなく、人によって考え方はそれぞれです。自分なりの正解を見つけるために、「戦略的自己分析のやり方|内定に近づく効果的な自己分析の方法」を参考に、上記の3つのポイントを意識しながら、大学生活を送ってみましょう。最後に本記事では、経団連が就活生に与える影響を踏まえて、未来の就職活動を見据えた1・2年生が何をすべきなのかについて考察をおこないました。ぜひ、本記事を参考にして頂ければ幸いです。
- 「死んだら動くな」19卒内定者が語る、趣味を突き詰めたら、就活にも活きたという話 7,537 views こんにちは、19卒内定者です。突然ですが、みなさんは何か趣味はお持ちですか?私は大学入学後に囲碁を始め、今では趣味を聞かれれば一番に挙げるほど好きなゲームです。そんな囲碁の世界にはたくさんの格言があります。面白いことに囲碁の数々の格言が就活でも自分を助けてくれることが多々ありました。そこで今回の記事では、囲碁の格言を4つご紹介しながら、それがどう就活の場に活かされたのかをご紹介します。皆さんもご自身の趣味で学んだ考え方に近いものはないか、思い返しながら読んでみてください。そもそも囲碁ってどういうゲーム?近くは一年ほど前に、囲碁の井山裕太九段と将棋の羽生善治先生が国民栄誉賞を同時に受賞されました。参照:「羽生・井山両氏に国民栄誉賞授与首相『感動与えた』」そんな囲碁・将棋ですが、将棋に比べて囲碁がどういうゲームなのかをご存知の方は少ないと思います。なので、まずは簡単にルールをご紹介して、以下の文章を読んでいただければと思います。囲碁は陣地取りゲーム囲碁というと、「見ていて何をやっているのかがよくわからない」という声をよく聞きますが、おそらく勝敗の決め方がわからないからではないでしょうか。囲碁では、黒と白の石を使い、互いに一手ずつ碁盤の線と線の交点に石を置きながら、最終的に自分の石で囲った陣地の中の交点の数で勝敗を決めます。(画像出典:日本棋院)例えば上の画像では、黒が囲った陣地は青い×印がついた所で、白が黄色の×印がついたところです。この場合、黒の方が×印が一つ多いため、黒の勝ちとなります。また、囲碁においては基本的にどこに打ってもいいため、初手から自由に考えながら陣地を作っていくことが可能です。他のゲーム同様いくつか細かなルールもあるのですが、最終的な勝敗は上述の通りになっています。さて、どこに打ってもいいからこそ、「起こりうる盤面の数が星の数ほどある」とも表現され、いざ打ち始めるとどう打っていいのかがわからないことが多々あります。そこで、囲碁の世界には上達を促し、対局の際のアドバイスとなる格言が多く存在します。そういった格言や考え方が囲碁の世界を離れ、私自身の就活でも役に立ったので、ご紹介していきたいと思います。「岡目八目」岡目八目意味:第三者は当事者よりも情勢が客観的によく判断できるということ。引用:weblio辞書元々は対局している当人よりも、観戦している人のほうが八目先まで読めるという意味で、比較的世間一般でも認知されている言葉ではないでしょうか。この言葉がどう就活に活かせるのでしょうか?そもそも、ESや面接で評価をするのは自分ではなく、あくまでも他者です。自己PRがどれだけ自分の満足いくものだったとしても、それが正しく評価者に伝わっていなければ意味がありません。だからこそ、「岡目八目」という言葉が大切になってきます。自己PRしかり、志望動機しかり、自分のアウトプットの内容を周りの人に評価をしてもらったり、アドバイスをもらいましょう。unistyleの「戦略的自己分析のやり方|内定に近づく効果的な自己分析の方法」でも書かれていますが、自己分析だけでなく、他己分析をすることで今まで気付かなかった新たな一面に気付くことができるかもしれません。関連記事:「周りからどんな人と言われるか」に対する内定者回答集何気ない母の一言がきっかけで就活がうまくいくように私自身が「岡目八目」の大切さを痛感した話をさせてください。当時の私はあまり誰かに相談したりすることはありませんでした。友人達と私とでは就活の軸も異なりましたし、たまに会っても愚痴を一緒に吐き出すぐらいでした。大学3年の3月~5月はとにかく日程が合って少しでも興味があれば説明会に行ってみるというスタイルでした。平日5日間はもちろん、土曜日や祝日にも説明会に行っていました。そんな私を見て母が一言。「毎日がんばってるね、今日はどこ行くの?」と声をかけてくれました。母からしたら、特別な意味もなく、単に今日も就活に行く私に何気なく聞いた言葉だったと思います。それに対して私は、今日のスケジュールを答えて家を出たのですが、電車の中で手帳を開き、業種もバラバラな各企業の名前と時間が書いてある手帳を見つめました。「果たして私はいくつの会社が説明会止まりだったろうか。」準備不足だった私はただ、頑張っている風であって、中身のない就活をしていたことに母の言葉から気付かされました。そこで私はそれまでに説明会を受けた会社のうち、どういった会社は選考を希望したのか、それらにどういう共通項が見出せるのかを考えました。その結果、以前よりもより具体的な就活の軸を手に入れることができました。家に戻りそのことを母に告げると、母は「私が毎日いろんな企業に行き、そこでの話を食卓で話すのを聞いて、色々な企業に行っていることはわかるが、どの企業の話なのか混乱してしまうことがあった」と話してくれました。母の何気ない一言が私の就職活動を前進させてくれました。もしあの時母が声をかけてくれていなかったら、私はいつまで非効率的な就活をしていたのか。自分のことは自分が一番わかっていると思っていましたが、まさに「岡目八目」という言葉の通り。客観的な視点の大切さを学びました。「前の石の顔を立ててあげる」囲碁というゲームでは、最終的に盤の中で作った陣地の広いほうが勝ちです。対局者は一手ずつ交互に打つため、互いに同じ数しか盤に石を置けません。同じ数しか石を置くことができないため、一番陣地を多く囲えたり、相手の陣地を狭める手を考えることが重要になります。そこで具体的な手を考えるヒントになるのが、「前の石の顔を立ててあげる」という考え方で、それまでに置いた石を活用して陣地を作ろうというものです。当初想定していた目的と異なったとしても、新たな意味・意図を加えて既存の石を有効に使うことでより効率的に陣地を囲おうという柔軟な考え方です。では、この考え方が就活にどう活きるのか。まずは私の例をご紹介したいと思います。教師という道は経たれたが、経験や学びは活かすことができる私は教員を志していた時期があり、大学生の頃はその夢の実現に向けた努力に時間を使いました。ただ、残念ながらその夢を叶えることはできず、民間企業への就職活動を始めました。どういった業界があり、どういった会社があるのかを全く調べずに始まることになった就活。とりあえず、自分の過去を振り返ってみました。・なぜ教員をそもそも志したのか・そこに向けてどんな努力をして、何を学んだのか・未来の子どもたちのために、どんな社会課題を解決したいのか教師を目指していた頃は当然のごとく民間企業への就職は1mmも考えていませんでした。しかし、こういった過去の出来事を改めて考えると、点が線になるイメージで、民間企業でも実現したいことができました。その結果、選考にも熱い想いを持って臨むことができました。過去は変えることはできませんが、未来なら今から行動すれば変えることができます。囲碁で言えば、「ここまでどんな手を打ってきたのか。これまで置いてきた石をどのように活用しようか」という考えは、まさに就活でも同じ。「前の石の顔を立ててあげる」この格言を知っていたことで、今後のビジョン形成に役立てることができました。関連記事:自己分析とは?|これで攻略間違いなし!自己分析の目的と進め方「死んだら動くな」非常に物騒な見出しとなってしまいましたが、囲碁においてはある条件を満たさないとせっかく置いた石がとられてしまいます。この状態を「石が死んでいる」と表現します。この格言は、その条件を満たせないことがわかっているのにもかかわらず、その石に手を加えることを戒めるものです。手を加えたところで取られてしまうことが確定している石に一手を使っては、相手にターンをプレゼントしてしまうことになります。ですので、石が死んでしまったら残念ながらその石には見切りをつけて他の場に目を移す必要があります。ただ、囲碁は一局を打つのにたくさんの手数が必要なので、どこかで失敗してもそれですぐ降参をすることなく挽回の機を狙うことができます。この格言が私の就活でどう活きたのか、ご紹介したいと思います。第一志望のお祈りを乗り越えて5月下旬、第一志望企業の最終選考がありました。リクルーターの方とも準備をし、最終選考を受けました。その結果、一週間後に不採用の電話が来ました。今までにないほど時間をかけた企業だったので、その電話を受けたときには非常にショックでした。心の底から入社したかった企業だったので、他の企業の選考も受けておらず、持ち駒がゼロに。リフレッシュにはちょうど良い機会だと思い、しばらく説明会には参加しないでおこうと考えていました。数日後、大学で後輩と囲碁を打っていたときに、後輩の石が死んでしまい、そこで後輩が降参をしました。しかし私はその場で「まだ碁はこれからで、ここでした損は取り返せるんだからあきらめる必要はない」とアドバイスをしました。対局終了後に、ハッと自分が言った言葉を思い返しました。まさに今の自分の就活のようだなと。確かに第一志望には落ちてしまいました、しかしまだまだ採用活動をしている企業はたくさんあります。その中には第一志望を上回る企業があるかもしれません。後輩に言った言葉のとおりで、まだまだ就活はこれからで、後悔している時間はないのだとその時感じました。すぐに説明会の予約を始め、就活を再スタートさせました。結果、心から行きたいという企業に出会え、当初の第一志望よりも私の持っていた軸に合致した企業より内定を頂けました。関連記事:面接での「第一志望か?」という問いで嘘をつかずに高評価を得る答え方無闇に「第一志望」と答えるのは危険!面接で答えづらい質問と回答「打ちたいように打つ」ここまでいくつかの格言や考え方に触れながら、私が就活で直面したことをご紹介してきましたが、囲碁は決して堅苦しいゲームではございません。色々な格言はありますが、あくまでそれはアドバイスであり、打ち手である自身が好きなように好きな場所へ打つことができます。それが囲碁の魅力であり楽しむコツでもあります。そして、やっていくうちに自分の好きなスタイルというものが見つかります。自分の好きな打ち方が見つかると、今度はその状況に持っていけるように打ちますし、実際にそうなると非常に気持ちよく打つことができます。では、こういった考えは就活にも出てくるものなのでしょうか?幸せな瞬間の追求こそが就活私自身はこの考えも非常に大切なのではないかと思っています。働くのはほかの誰でもない自分自身です。自分は何が好きなのか、得意としているのか、何をしていきたいのか、それをしっかりと自分なりに考えることが大切だと考えています。好きなことをしていたり、友達といる時間など、自身にとって好ましい時間というのはきっとあると思います。極端な話ですが、打ちたい手をずっと打ち続けることができればその対局は気持ちよく打て、それが勝利に結びつけば最後まで気持ちのよい対局となります。実生活の中でも「自分好みの局面」は何であるのか、そしてそんな局面が多くあるキャリアとは何なのかを考え、実現するための努力をするのが就活なのではないかと私自身就活をやっていて感じました。例として私自身の経験を書くと、誰かの役に立っているなと感じる瞬間が好きです。また、集団で何かをしている時間も好きなのですが、自分の部屋で一人で趣味に打ち込む時間も好きでした。そのため、「社会貢献性が高く」、「チームで取り組みながら」、「お休みがしっかりもらえる」、そんな仕事に就きたいと考えていました。関連記事:ESや面接で問われる「将来の夢・実現したいこと」に出会うための方法企業選びの軸の定め方と注意すべき3つのポイント企業選びの軸の選定法とは?ガクチカや自己PRを活かした軸の作り方おわりにいかがでしたでしょうか、なかなか馴染みの薄いであろう囲碁の考え方にも、就活に応用できそうなものがいくつかありました。それらはどれも就活対策本を開けば書いてあることかもしれません。しかし、趣味とリンクさせることで、それらはただ読むよりもずっとわかりやすく身につくと思います。まだまだご紹介したいものもありますが、ぜひ皆さんも趣味や日ごろの生活の中で教わったことや大切にしていることを思い返してみてください。そういった場でできたことならきっと就活でもできますし、気づかせてくれるものも見つかるかと思います。
- 就職支援サービスは使える?早慶生が「就職エージェント」を実際に利用して感じた3つのコト 23,952 views 16卒早慶の就活生です。日系企業の採用情報解禁から数ヶ月が経つと、みなさんそれぞれ自身の将来について深く考え、就活を進めている頃と思いますが、どんなにエントリーシートが通過しても、どんなに面接が進んでも、内定を得るまでは就活に対する「漠然とした不安」を抱えて迷走している方、実は多いのではないでしょうか。迫り来るエントリーシート締切メールに焦り、内定が欲しいあまりに本当は興味のない企業にまでエントリーをしていませんか?自己分析や企業研究の足りなかった部分が、今になってエントリーシートや面接で詰めの甘さとして現れていませんか?本コラムではそんな困った状況にある就活生のみなさんに「就職エージェント」という1つの解決策を提案したいと思います。本コラムをお読みの上位校学生のみなさんにとっても、非常に得るものの多いサービスだと思っています。本記事のコンテンツ・就職エージェントとは?・早慶就活生が体験して感じた就職エージェントを利用する3つの大きな利点・実際の面談でいただいたアドバイス:「企業選びの軸」について・まとめ就職エージェントとは?「就職エージェント」とは、学生一人ひとりにあった企業(主にベンチャー・中小企業)を紹介し、学生がその企業から内定を得るまでの過程を一貫してサポートするサービスです。自身に合った業界・企業選びからES添削や模擬面接指導、さらには選考スケジュールの調整までのサービスが、全て無料で提供されます。新卒採用市場での浸透度はまだまだ低いように感じますが、こうしたエージェントのサービスは、転職市場においてはかなり一般的に利用されているようです。「就職エージェント」の詳細な紹介をしている関連記事はこちら◆企業紹介からES・面接対策、内定まで一貫してサポートしてくれる就職支援サービスを使わないのはもったいない自分の就活のやり方にイマイチ自信のない方、必死でがんばっているつもりなのに就活がなんだかうまくいっていない方、はたまた大手企業を受ける前に内定を1つ持っておきたいという方にとって、就職エージェントの利用は非常におすすめできるものと考えることができるでしょう。早慶就活生が体験して感じた就職エージェントを利用する3つの大きな利点それでは、16卒の就活生である筆者が実際にこの就職エージェントを体験的に利用して感じた、大きな利点3つをご紹介したいと思います。(筆者はグローバル志向の強いメーカー志望で、今回はそのような内容を中心にご相談させていただきました)①「適社内定」が「早く」できるサービスのおおまかな流れは「キャリアカウンセラーとの面談→カウンセラーが学生の適性を踏まえた上で企業紹介→(学生がその企業に関心を持った場合は)紹介企業の選考を受ける」というものです。私自身キャリアカウンセラーの方との面談を通じて、自身の過去から現在にかけてやってきたことや考えてきたことを深く掘り下げてもらうことができ、本当に自分の性格や資質に適した企業だけを紹介してもらえていると感じました。例えば、筆者の場合は「留学先での経験」や「国際機関での長期インターンシップで新たな提案をしてきた経験」などをお話ししました。その結果「海外シェアの大きい企業の海外営業」や「若手にも裁量権のある企業」などの条件をもった日系3社を紹介していただきました。さらに学生側が紹介された企業の選考を受けると決めた場合、ES・面接対策はエージェント側が引き受けてくれるうえ、内定を得られるまでの選考期間は長くて1.5ヶ月というかなりの早さです。これで不安ゆえに闇雲にエントリーする就活をしなくて済むようになるうえ、「無内定」という状況に焦ることもなくなるだろうと思いました。②就職活動の選択肢を広げられる今回の面談では私が現在興味のある業界「メーカー」以外にも、私の適性を考慮した上で「総合商社・専門商社」という全く別の業界を提案されました。私自身、商社業界は「興味はあるけれど、雰囲気が合わないかも…」と食わず嫌いをして真剣に考えていなかったため、自分一人で就活を進めていたら選考を受けることはなかったと思います。しかし実際にキャリアカウンセラーの方に指摘されて、確かに自分の適性や実現したいことによく合っている業界だと改めて気付かされました。また面談後の企業紹介でも、3社のうち1社は専門商社を提案いただきました。これまで、自分なりに「メーカー」に対する志望理由や思いをもっていたつもりでしたが、裏を返せば最初から「メーカー」にこだわりすぎて少し視野が狭くなっていたかもしれないと反省しました。客観的な視点で新たな業界を提示されることで、無内定のリスク回避につながるだけでなく、広い視野で本当に納得のいく就職活動ができると感じました。③トップ企業の選考で活きる「自分なりの就職活動の指針」を固められるエージェントサービスのひとつの弱点として、大手企業の紹介はあまり期待できないというものが挙げられます。なぜなら、そういった大手企業は自社の力だけで優秀な学生を集めることができるためです。紹介先は主に「事業は伸びている優良企業であるにもかかわらず、知名度の低さゆえに優秀な学生を集めることのできないベンチャー・中小企業」と考えておくと良いでしょう。一方で、大手志望の学生であってもこのサービスを利用するアドバンテージがあると思います。それは、このエージェントサービスを利用し、実際に企業の選考を受けることで「自分なりの就職活動のやり方」を固められるためです。私自身も企業研究や志望動機にまだ甘い部分があると感じていましたが、面談の際には論理的な回答を組み立てるヒントをいくつもいただきました。また、キャリアアドバイザーの方々は、現職の前に複数の職務経験を持っているケースも多く、いろいろな業界・業種について実体験を交えたお話が伺えます。例えば私も面談の際にエージェントの方の前職の話になりましたが、私を担当してくださった方は三井住友海上出身とのことでした。その他にもNTTデータや明治安田生命など、学生からの人気の高い大手企業出身のアドバイザーも多数在籍しているとのことで、大手志向の学生の気持ちも踏まえて話をしてもらえるのではないでしょうか。こうした、ある意味OB(社員)訪問のような機会を通じて、自身の就職に関する知見もより深められると感じました。ESや面接を突破する力は一朝一夕につくものではありません。こうしたサービスを積極的に利用し、プロからのサポートを受けることで、自分自身でも納得のいく就職活動のやり方が見つけられると思います。実際の面談でいただいたアドバイス:「企業選びの軸」についてエージェントの方から具体的にどのようなアドバイスをいただけるのかの参考に、私とエージェントの方とのやり取りの一部を下記します。私:就職活動をしていると自分自身の企業選びの軸がよくぶれてしまい、本当にこれで正しいのかどうか、ときどきわからなくなってしまうんですよね…志望している業界も就活を始めた当初とは全くちがうものになっているんです。エージェント(以下エ):そうですか。でも、就職活動を進めていく上で志望業界・企業が変わることはよくあることですよ。ただ、ひとつ企業選びをする上でかならず念頭に置いておきたいのは「自分の強みがその会社で生かせるかどうか」ということです。私:「自分の強みが生かせるかどうか」ですか。エ:はい。自分の強みに基づいて会社を選ぶことができれば、自然と志望する理由も強いものになってきますし、何よりも入社した後に得意なことを活かして活躍することができますよね。そうした軸を常に意識していれば、必ず自分に合った会社選びができるはずです。私:なるほど、その通りですね。エ:一方で、自分の「やりたいこと」と「やれること」をしっかりと分けて考えることも必要だと思います。就活生はよく「やりたいこと」と「やれること」を履き違えてしまう人が多いんです。会社に入った後は自分のやりたいことだけをできるわけではありませんので、やりたいことだけを追いかけて会社を選んでしまうと、入社後にギャップを感じてしまう場合があると思います。私:確かに、私自身もあまり「やりたいこと」と「やれること」はあまりきちんと区別できていないかもしれません。少し考え直してみたいと思います。エ:ただ「やれること」が「やりたいこと」につながっていくことも忘れないでほしいと思います。私自身、これまでのキャリアでは最初からやりたいことをやってきたわけではありません。その時の自分に「やれること」から始めて、努力していく中で「やりたいこと」ができるようになっていったんです。私:そうなんですね。そういった長期的な視点で将来の仕事選びをしてくことも大切ですね。私自身、特に就職活動を始めて間もない頃は、企業への憧れに基づいて夢見がちな志望理由を結構書いていたように思います。多くの就活生を支援してきたプロとして、また、一人の社会人の先輩としてのエージェントの方の言葉はとても参考になりましたし、もう少し早くこのサービスを使っていてもよかったなと感じました。まとめいかがでしたでしょうか。私自身もこれまでは「敷居が高い…」と感じていた就職エージェントのサービスでしたが、実際に利用してみると自身の就職活動をもう一度見つめ直す本当に良い機会となりました。自分の就活にまだ漠然とした不安のある方、まだまだ視野を広げたい方、本当に自分にあった会社を見つけたい方は、ぜひ利用を考えられてはいかがでしょうか。このサービスで得るものは、あなたが今後も就職活動をしていく上でプラスになること間違いないと思います。▼就職エージェントサービスを受けてみたいという方はこちらからphotobyVictor
- 採用したいと思う人材に共通しているものとは|ネオキャリア 宇田川奈津紀|unistyleインタビュー 18,127 views 企業の人事が「採用したい」と思う人材に共通しているものはなにか。一言で言うならば「優秀である人」が採用されると思いますが、”優秀さ”とは人によっても異なるものだと思います。今回は様々な業界で様々な人材の採用をし続けてきた株式会社ネオキャリアの宇田川奈津紀さんに、採用したいと思う人材についてお聞きしてきました。あだ名は、“メスライオン”。大学卒業後、大手旅客サービスの乗務員として入社し、その後大手人材系企業にて営業として勤務。ヘッドハントにより大手福祉系企業へ移籍するも2年後、解散により退職。広告業界での新規事業の立上げを経て再び人材業界へ戻る。IT企業をメインクライアントとして営業として活動後、人事として人材業界で培ったノウハウを活かしダイレクトリクルーティングの確立や新卒・中途採用、採用ブランディングを統括。また、人材会社にて社内向け営業研修セミナーや年間約1500社が受講した人事向け採用セミナーの講師を務める。2018年4月にネオキャリアに入社。CEO直属の特命採用責任者兼中途採用責任者として高難易度の採用に挑戦し続ける。◆株式会社ネオキャリアHP◆メスライオンと呼ばれる理由目次・優秀な人材=”能力の高さ”だけではない・理論武装は本質的ではない。”本音かどうか”を人事は見抜いている・心にもないことを言って内定をもらっても幸せにはなれない・最後に伝えたいこと優秀な人材=”能力の高さ”だけではないこれまでのストーリーと未来のビジョンを語れるか私はこれまで新卒・第二新卒・中途・専門職(エンジニア、クリエイター等)など多様な採用を長年してきましたが、「採用したい人材の共通点」を挙げるとすれば、「これまでの人生を語れる人」や「こうなりたいという未来を描けている人」に対しては採用意向度がぐっとあがります。もちろん、これまでのスペックや経験もある程度大事ですが、結局採用している人は、こうなりたいという「未来」を描いていて、その未来と企業を重ね合わせて考え、語れる人なんですよね。このあたりが語れると、極論ですが採用しない理由がなくなっちゃうんです。言い換えるなら、採用したい人=興味があるからこそ質問をたくさん持ってくる学生といったところでしょうか。手当たり次第企業研究をしてくださいと言っているわけではありません。自分の未来と重ね合わせて考えてきている学生は、「こうありたいんですけどその会社でどんな経験が詰めますか」「この会社に本気で入りたいので会社についてもっと教えて下さい」といった前のめりな姿勢でくるんです。やはりこういう学生にはこちらも向き合う姿勢が前のめりになりますね。いつも学生と話す際に「就活って何だと思いますか?」って聞くんですが、多くの学生を見てきて思うことは、「世間一般で言われる”こうあるべき”」という固定概念が先行しているんです。聞きたいことがあっても落とされたくないから当たり障りのないことを語ったり質問したりこれでは本質がお互いに見えないと思います。私は”それは個性を重視する会社をみてないだけなんじゃないか?”と思っていて。自分の聞きたいこと、挑戦したいことをぶつけてみてそれを受け入れてくれる会社を探す、というのが人事経験を積んだ私が思う”正攻法”なんじゃないかなと思っています。苦しいけど、自分について愚直に考え続けることが近道繰り返しになりますが、自分の将来をどうしたいかについて真剣に向き合っている人を採用したいと思っていて、それができている人は過去とも向き合っているし、就活で出会う企業に対しても真剣に考えています。自分自身の中にある答えが合っているかは分かりませんが、愚直に考え続けるということは想像以上に大変なことですし、大切なんですよね。そしてきっと、真剣に考えて出した答えであれば、後悔もないと思います。20年間の人生において就活は一番自分について考える時間だと思います。自分の人生と向き合うことってとても辛いこともときにはあると思いますが、そこで考え抜けないで「このへんでいいや。」といい加減に意思決定してしまうと、入社した後にも「これでいいのか?」と迷って転々としてしまう。そんな人がたくさんいます。キラキラした目で「御社に入りたいです!」と言われたら「なんで入りたいの?」という質問をします。この質問に会社と自分の将来を重ねて答えられたら、次は「一緒に働こう!インターンして自分の目で確かめてみる?」ってなるわけです。チャンスを手に入れるかどうかは、最後は情熱が大切だなってつくづく思いますね。興味があること全てを書き出してみることが、最初の一歩私はどの学生と話しても必ず1回では決めつけないようにしています。「少し的はずれなことを言っている。」「就活で疲れているのかな。」そんな違和感を覚えたら(聞いてはいけないことを除いた)パーソナルな話をするようにしています。そもそも何に興味を持っているか、友人関係、何に対して劣等感を持っているか、などあらゆることを人事としての目線ではなく”一人の人”として話すんです。興味を全部書き出してあげて、それを元に二回目は大学に私が出向いて話したりします。採用面接は基本的に企業に学生が赴いて行われることがほとんどだと思うんですけど、それだとこちらのテリトリーになってしまってなかなか本音で話してくれたりしない。でも、学生のテリトリーに入ると段々心を開いてくれて、今何に悩んでいるか、本心が分かるんです。少し私の人事としての採用テクニックのような話になってしまったんですが、伝えたいこととしては、優秀さとは能力の高さだけではなく、自分の未来に対してどれだけ真摯に向き合って考え抜いているかだと思います。理論武装は本質的ではない。”本音かどうか”を人事は見抜いている就活テクニックは多く存在していますし、特に上位校の学生はロジックの通った自己PRや志望動機を作るのは得意だと思いますので理論武装をして面接に臨むことが多いように思います。でも、実はその武装は人事には簡単に見抜けてしまうんですよね。人事も就活を経験し「人」のスペシャリストとして多くの学生に会ってきているので。今は限られた期間の中で集中的に企業を受けなければならないようなスケジュールになっているので一つ一つのステップを進めていくことが大変であることも理解しています。ただ本当に自分がどうなりたいかを考えているかいないかはすぐ分かります。要するに「自分の本心はどうなのか/何をどう伝えようとしているのか」を人事の私は見ています。求人票に乗っているような質問をされると、本心としてはうちに興味がないんだろうなと思ってしまいます。自分の将来を見ていれば会社の将来と重ねるのは当然だと思いますし、調べればわかるようなことも聞かなくなるはずです。もっと前向きな質問がたくさん出てくるはずなんですよね。そして「生き生きしているかどうか」も重要視しています。「3年営業をやってそのあとマネジメントしたいです。」といったよくあるフレーズを聞くと「それ楽しい?」と思っちゃうんですよね。本心でそう思っているのであれば問題ないと思いますが、その会社のロールモデルのような人に感化されて「そうならないといけない」という思考が働いている場合は、根本的に生き生きしているとはあまり思えないんですよね。心にもないことを言って内定をもらっても幸せにはなれない内定はゴールじゃない私は就活と恋愛は似ているとよく言います。「失恋」しないためにも、嘘はつかないで欲しいと思っています。なぜなら、嘘をついてまで人と付き合ったとしても、おそらく幸せにはなれないと思うからですね。個人的には、企業側もできるだけ嘘になるようなことは控えないといけないと思っています。就職も同じで、自分の気持ちに嘘を付いてまで入社してもきっと幸せになれないです。自分が情熱を持っているかどうかを何よりも大切にして欲しいです。心にもないことをいって入っても、その後嘘のオーバーラップが出てしまうのは目に見えていますから。ですので、重要なことは、その先の人生が最も大切であり、内定そのものはゴールじゃないということを正しく理解することだと思います。興味のアンテナを高く掲げることでリスクを最小化する一点集中には、集中するあまりチャンスを逃してしまうリスクもあるんです。よくある失敗談としては、志望業界を一つに絞ってしまってうまくいかなかったケースですね。時既に遅しで、周りを見渡すと大抵の企業が募集を終了しているんです。私自身もその経験をしているのですが、だからこそ伝えたいのが、”興味はないけど一度行ってみること”が大事で、常にアンテナは高く掲げておいて損はないと思っています。昔話になりますが過去に慶應義塾大学の学生と就職相談でお会いしたのですが、彼は金融を志望していました。ご両親も金融業界に勤めておられ、ゼミの先生も金融を勧めている。幸か不幸か彼は金融にしか目がいかなくなり、金融しか知らないまま選考に行ってみたら全部落ちてしまって、この先どうすればいいかわからなくなってしまった学生がいました。彼にはそのとき「例えばIT×金融も金融だよね」と視野を広げるお手伝いをしたんです。第一希望の企業から内定をいただければ問題ないかもしれませんが、固定概念やあるべき論を強烈に持ってしまうことは一歩間違えるとリスクにしかならないと思います。また、視野が狭まっていると友人は受かったのに自分は落ちたということに引け目を感じて気持ちが沈んでしまったりするんです。そんな学生には自分が落ちたという引け目じゃなくて「将来で勝負してほしい」と提案しています。特定の業界への固執を解くことで生まれる新しい可能性はたくさんありますからね。最後に伝えたいこと1社に骨をうずめろとは言えないですが、「この会社だ!」と思えた会社に入社してほしいと思っています。自分が「これだ」と思える会社に出会って欲しいですし、出会うために行動できているか?ということをもう一度考えてみてほしいですね。そして、人生でこれだけ自分のことを考えられる時期なんてなかなかないです。とても苦しいことだと思いますが、自分自身の未来を突き詰めて考えられる機会はそうそうないので、この時間を大事に楽しんで欲しいですね。
- 就活だけが唯一の選択肢ではない。理想のキャリアを実現するために就活を辞めたとある学生|筑波大学 齋藤侑里子|unistyleインタビュー 17,373 views 就活における「成功」とは何でしょうか。unistyleでは、自分の理想のキャリアから逆算して考えたベストな企業選びをし、その企業から内定を獲得できることだと考えています。そしてそれは必ずしも、日本特有の「型」にハマった就職活動を行うことでしか実現できないことはないと考えています。今回は理想のキャリアと目の前の就職活動にギャップを感じ、「型」にハマらない行動をとった齋藤侑里子さんを紹介します。今20卒の皆さんの目の前に迫っている「就職活動」を行うことだけが唯一の選択肢ではない、ということを理解していただければと思います。筑波大学4年。1996年10月9日静岡県で生まれる。大学1年生のときに筑波大学のキャリア支援団体に加入。所属団体の先輩・OGの影響で就職やキャリアについて考えるようになる。OGの紹介により大学2年生時にサンフランシスコで短期インターンを経験。サンフランシスコで感じたことを元に、日本に帰国後、スタートアップ企業で実務を中心とした長期インターンを開始。併せてシアトルで5週間ほどの「リーダーシップ・内省プログラム」にも参加。同プログラムの協賛企業への憧れが強くなり本選考へ参加するものの、そこで大きな挫折と、自分自身が在りたい姿を見つめ直す機会を得る。その後就活を辞め、大学3年生時にエストニアへ交換留学。サンフランシスコ、シアトル、日本、エストニアを経て感じたこととは。いわゆる「就職活動」は大学1年のときからはじめていた|unistyle|はじめまして、unistyleの中村と言います。今回齋藤さんのコラムを拝見し、是非unistyleでも取り上げさせていただきたいと思って、お声がけさせて頂きました。急な連絡にも関わらずお時間いただきまして、ありがとうございます。|齋藤|いえいえ、とんでもないです。こちらこそ取り上げていただき、ありがとうございます!|unistyle|早速ですが、まずは齋藤さんのいわゆる「就職活動」についてお聞きしたいと思っています。齋藤さんが就職活動を始められたのはいつからですか?|齋藤|どこからを就活と区切るかがわからないですけど、大学一年生の時から筑波大学のキャリア支援団体に入ってました。キャリアを考えたり行動し始めたことを就活のはじまりと呼ぶのであれば、大学一年かもしれないです。|unistyle|一般的な学生と比較するとかなり早いですね。そもそも、一年生の段階でキャリア支援団体に入ってるのがまず非常に早いし珍しいなという印象を受けました。大学に入学してすぐにキャリア支援団体に入ったんですか?|齋藤|いや、入ってすぐではないんですよね。私はあまりお金がなかったんで稼がなきゃと思って、入学直後あたりはアルバイトしかしてませんでした。大学一年の秋くらいまではアルバイト漬けの日々で、そうすると「自由なお金はあるが、私は何に時間を投資しているんだ?」と思うようになって。育ってきた家庭環境もあり(齋藤さんは母子家庭)幼い頃からしっかりお金を稼がないといけないっていう強迫観念に近いものが元々あったので改めて考え直してみたんです。ただアルバイトするだけでは一時的なお金を蓄えられても長期的な稼ぎや自己投資にはならないだろうなという結論に至り「このままだとよくないな」とキャリア支援団体に入ることに決めました。なんでキャリア支援団体なのかというと、筑波大学って結構僻地にあるじゃないですか?(笑)僻地なんで都心に出る度結構なお金がかかるので、じゃあお金をかけずに都心に行けて人との繋がりを生んでいく方法は?と考えた結果、社会人や面白そうな学生さんと会えそうなキャリア支援団体かなぁっていう、最初は少しノリや勢いに近いところもあって入りましたね。(笑)|unistyle|なるほど、そうだったんですね。キャリア支援団体となると高学年の学生ばかりで構成されている印象なんですがどうでしたか?|齋藤|その団体には4年生しかいなく、1年生なんて当然私だけで。「ここにいればいろんな情報や人との繋がりを得られるだろう」と考えていたら自然と就活も意識するようになりました。そんな中インターンとかもしてみたいなと思ったのが大学二年の春ですね。たまたまキャリア支援団体のOBで私のことをめちゃくちゃかわいがってくれていた先輩から「齋藤ちゃん、こんなところに一年生からいるんだからこういうのもやってみない?」と誘っていただいて、それがサンフランシスコでの2週間のインターンだったので、貴重な機会だしサンフランシスコいってみよう!といった感じで英語全然ダメなんですけど(笑)サンフランシスコのベイエリアでインターンという名の会社訪問をすることにしました。会社訪問が中心だったのでいわゆる実務系のインターンをしていたというよりは、主にスタートアップ界隈の起業家と会ったりカンファレンスやイベントに参加していましたね。2週間ではありましたけど、これまで見たことがない新しい世界と出会うことができ、日本に帰ってきて「次どうしようか」となった時に、インターンとはいえ手を動かしていたわけではなく、同時に今の自分の能力の無さから「実働しないと!」という危機感もあったので、日本のスタートアップ企業でインターンをすることにしました。そのあたりでマイナビさんとかがやっている就職イベントにも行ったりしましたね。時期にしてだいたい大学二年の冬あたりです。スタートアップでインターンしていたのもあってベンチャー系の企業を中心に見ていました。ベンチャーパークというベンチャー特化イベントだったと思います。なので、ちょっと長くなってしまったんですけど、スタートはいつか?と聞かれると一年生かもしれないし、俗に言う”日本の就活”みたいなのを基準とするなら二年の冬かなという感じですね。サンフランシスコで感じた”危機感”サンフランシスコにて。スタートアップ企業の会社訪問やカンファレンスに多数参加。|unistyle|就職支援団体やサンフランシスコでの経験が今の齋藤さんの働くことに対するスタンスやキャリアの考え方に近いものをつくっていったのかなと思うんですがどうですか?|齋藤|確かにスタートアップ企業とかからかなり刺激を受けたっていうのはあります。向こうの人達、もちろん大学生もみんな確固たる夢を持っていて、「将来何したいの?」って聞くと必ず「これがしたい」っていうのが返ってくるんです。向こうの人達って「確固たる何か」を持っているんですよね。強いパッションとビジョンと言えるようなもの。私はその時何もないし、とりあえずお金稼がないとなーって感じでアルバイトをして、でも長期的に得られるものが少なそうだと思ってアルバイトを辞めてキャリア支援団体に入って、縁あってサンフランシスコにきた、ぐらいの感じだったので、「確固たる何か」をもった上で行動していかないと後で苦労しそうだっていう危機感をアメリカで強く覚えました。あのとき感じた危機意識が「日本に帰ったら何かをはじめて、確固たる私をつくろう。自分のパッションに従ってアクションを取っていこう」という姿勢に変わって、スタートアップでインターンを始めた、っていう形ですね。|unistyle|とりあえず自分も何かを実践して、スキルや経験を積まないといけないという危機感が大きかったんですね。|齋藤|そうでもしないと今後やっていけないなという危機感、、、いつも危機感に触発されて私は行動しているという感じなんですよね。出来ないからやる、不安だからやる、、、いつもそんな感じです。それがよくも悪くもモチベーションになるんですよね。モチベーションだけでは足りない|欠落していた”why”(左)日本でのスタートアップ企業インターン(右)シアトルでの内省プログラム|unistyle|なるほど。ありがとうございます。日本に帰国してスタートアップで実務を行うインターンをして大学2年の冬にマイナビとかの合説に参加して、、、そこからどういう流れで就活に突入していくんですか?|齋藤|日本でスタートアップ企業のインターンをしながら、5週間位シアトルでソーシャルイノベーションプログラムというものに参加しました。そこではとにかく”内省”をしまくるんですよね。これまでの私の人生をとことん省みました。参加した理由は、それまでは「とりあえずやらなきゃ」でなんとかこれたんですけど、「なぜやるのか」が自分の中で明確じゃなかったんですよね。というか、なかった。だから”なぜ”を掘り下げるためにこのプログラムに参加しました。「なぜやるのか?」「私は何がしたいんだろう?」を深堀っていく中で自分のバックグラウンドからすごい影響されてるなと思ったんです。こうあるべきだ、お金を稼がなきゃいけないっていうネガティブなのかポジティブなのかわからない状況が自分を突き動かしてることに改めて気付いて、同時に「じゃあ私は社会に何をもたらしたいか」を考えたときに、母子家庭で決して裕福とは言えなかった経験もあって、女性を中心とした社会的自立を求める人達に対して「大丈夫、できるよ」と支援してあげられることがやりたいなとなったんです。「なぜやるのか?」「私は何がしたいのか?」を徹底的に考えることによって"why"の部分から進路を考えられるようになり、女性向けのサービス提供や支援をメディアを通じて行っている企業のインターンにも行くようになりました。|unistyle|もう一つインターンに行ったんですね。ということはインターン2つ掛け持ちしながら・・・|齋藤|そうです、でも最初のインターンはいわゆるマイナビとかが公開される6月のタイミングで辞めることにしました。|unistyle|就職サイトを使ってのインターン、俗に言う1dayとか5daysと言われるようなものには参加したんですか?|齋藤|はい、自分の中で”日本の会社に就職するためにはやらないといけないこと”みたいな位置付けで認識をしていたのでとりあえずやってみたというくらいではあったんですけどね。義務的に参加していたようにも思います。なのでいろいろと応募はしました。IT企業を中心に受けましたね。(複数の某有名IT企業)とかを受けてその中からいくつか参加させていただきました。|unistyle|IT系企業を中心に受けていたんですね。誰もが知るような有名企業がずらりという所感です。|齋藤|直接の1:1のコミュニケーションも大事だと思いますけど、社会全体に広くリーチしていくにはテクノロジーの力が必要だなと。しかも大企業のほうが露出やインパクトもあり根本からアプローチできそうだと思いサマーインターンに参加していました。で、いくつかインターン行く中でたまたま内定を頂いて・・・。|unistyle|またしても早いですね。|齋藤|周りも「え、齋藤内定?はや」という感じではありましたけど、「だから私すごい」とかいう感情は全くなくて。むしろ「こんな簡単でいいのかな」くらいに思いながら「本当にやりたいことではないし」といった複雑な気持ちでした。内省プログラムの後だったから、余計に違和感を覚えていたのかもしれません。「就活」によって失われかけた自分3年生のサマーインターンにて。IT系企業を中心に複数参加。|unistyle|ここまでは挫折とかネガティブな意味での「就活ってなんだ?」みたいなのはなかったように思いますがどうですか?|齋藤|ここまではそういった感情は確かになかったです。当たり前のように就活しなくてはいけないと思って、サマーインターンも参加していたし、ありがたいことに夏に内定も頂いたりしましたし。|unistyle|その後に何があったんですか?|齋藤|先ほどお伝えしたソーシャルイノベーションプログラムの協賛企業が外資系のIT企業だったんですよ。プログラムがよかったのもあるんですがそこで出会った人たちやビジョンに惹かれ、その後5ヶ月ほどその企業の長期インターンにも参加させてもらうことになりまして。するとその企業への憧れがどんどん強くなっていって、当然入社意欲もどんどん強くなっていって、そのまま本選考を受けたんですよね。色んな社員さんから「斎藤さん、うち来るんでしょ?」とか言って頂いたんですが、選考初期のグループディスカッションで落ちたんですよ。そのグループディスカッションは人事の方が選考官ではなかったんですが、元々人事の方とは仲が良かったので落ちてしまったこと伝えると「もう一回受けてみて」って再チャレンジさせていただけることになって。特別にもう1回受けさせていただいて、で、また落ちました。そのときに、「あ、経験があったり熱量持って取り組んだことは役に立たなくて、一方で、戦略的に準備してきた人とかは熱量や経験に関わらず突破してしまうんだ」って感じてしまったんですよね。これまでの経験とか熱量とかって選考の初期段階だと選考官の方に伝える機会ってあんまりないじゃないですか?仕方ないとは思うんですけど。しかももう一回来てって言われてもう一回行ったのにまた落ちる。大事なのは就活テクニックのようなもので、私の実力不足であることはわかっていながらも、何だこれって思ってしまったんですよね。|unistyle|そういう、”就活用の表面的なところ”と言ってしまうと語弊がありそうですが、これまでの経験とか熱量とかがなかなか判断材料にならないことに対して憤りにも近いものがあったと。これが齋藤さんの「就活」であり、この経験が「本当の理想のキャリア実現のための行動」に繋がったという感じでしょうか?|齋藤|そうですね、この一連の出来事で「もう留学行きます!」ってなって、留学することにしました。逃げの部分も多少ありましたけど日本で受けたいと思える企業もそんなになかったですし。私の思う”評価”を求めたところが大きいと思います。私の知っている海外でなら”評価”を得られるんじゃないか、って。再度、世界にステージを移してエストニアにて。理想のキャリアを実現させるため、”就活”を辞める。|unistyle|どこに留学に行ったんですか?|齋藤|エストニアです。インターン時にブロックチェーンに関する記事を読む機会があって、それで偶然エストニアを知りました。記事の内容は「世界最先端のデジタル国家として今後伸びるんじゃないか?」というもので、直感的に「よし、行こう」ってなったんですよね。|unistyle|エストニア・・・あまり日本人は馴染みのない国ですよね。サンフランシスコでいろんな人と出会い、日本でやりたいことをしながら就活で絶望し、その後エストニアに行ったことで気付いたことや感じたことはありますか?|齋藤|思ったのは、あのまま日本にいると大手ブランドに惹かれている自分や「あの憧れの企業の人になりたい」っていう想いがどんどん強くなっていただろうなって感じました。というのも今思えばなんですが、折角内省プログラムを5週間して帰ってきたのに、私もマイナビとか就活サイトを見てみんなと同じようにサマーインターンのエントリーとかしてる中で”why”よりも”how”ばかりをしてしまっていた自分に気付かされたんですよね。やっぱりサンフランシスコやエストニアで出会った人達は大前提パッションがあって、さらに”why”があるから今これをしているっていうのが明確で。日本に居続けて、内定を獲得するためのスケジュールなんかもしっかり組んで、とにかく戦略的に効率よくこなしていく就活をしていたら、「あー第一志望落ちたー。次どうしよう」みたいな”how”ばかりに目がいってしまいそうで。周りに合わせて大手から順番に受けるという感じになっていたかもしれませんし。エストニアに行って、やっぱり”why”が大切で、その先に"how”があるっていうことに改めて気付けたことが、一番よかったことなんじゃないかなって思います。|unistyle|改めて本質に気付けたというか、大切にしないといけないことが蘇ったという感じですかね。更にその上で、エストニアにいたときに気を付けたこととか取り組んだこととかはありますか?|齋藤|2つあります。1点目は、好きなことをやり続けることです。好きなことにやる気になれれば、知らない土地や知らない人とも実現できるっていう自信が自分の中で芽生えました。2点目は、ブランディングや流行りに寄りすぎないことです。エストニアがIT界隈ではブームなのもあるんですが、エストニアブランディングに寄りすぎるとまた似たようなことになるっていう自分に喝を入れるようにしています。要するに大手ブランドを持ってしまうみたいなところですかね。大手○○会社の私、みたいな。就活生に伝えたい、私が思うやるべき2つのこと|unistyle|今回お話をお聞きして、齋藤さんは自分のやりたいこととか不安な部分をうまく両立させて、それによって本質だったり”why”が見えてきたんだろうなと感じているんですが、実際にはほとんどの就活生は齋藤さんのように器用にできる人は多くないと思うんです。様々な経験をしてきて、酸いも甘いも知った齋藤さんだからこそ、就活生や近い将来キャリアを考え始める学生に対して、どんなアドバイスをしますか?|齋藤|まず1つ目は、友達とか家族とか恋人と自分自身について話す時間をつくることは大事なんじゃないかなって思っています。いわゆる就活でやるような自己分析を「就活だから」という理由でやるのではなくて、大学1、2年生のうちに自分について考える時間を作ったほうがいいなって思います。もっと言えば高校生くらいからやった方がいいんじゃないかって思っているくらいで!私の場合はサンフランシスコ、日本でのインターン、内省プログラムなどもありましたし、そもそも誰かとお互いの価値観を話し合うみたいなことが好きだったので自然と育まれていった部分もあります。性格的なところは個人差があると思いますが、やっぱりまずは「早い段階で自分自身について誰かと話す」ことかなって思います。2つ目は、「じゃあ自分って世の中に対してどうしたいんだろう」といったところもじっくり考えてみる時間を設けた方がいいと思っています。とはいえこういうのってなかなか出てこないと思っていて、それは”知らないから”だとも思うんですよね。「なるほど、そういう考え方もあるんだ」って知るキッカケがあれば考えるようになると思うし、キッカケがなかった人は考える余地を得られないまま”型”にハマってしまった就活をしてしまうんじゃないかなって。一言でいうと、情報と経験からくる刺激が必要なんだろうなって思っています。|unistyle|仰る通りですね。unistyleでも、就活のために自己分析をするのは違うと訴えていますし、何かのきっかけで気付きが生まれてアクションをとってみようとか、アクション取ってみた結果何か刺激を受けて考え方や動きが変わると、もっと将来の時間を有効に、大事な自分の価値観を守りつつも、とはいえ有意義にこれからの人生を過ごしてくれる人が増えるんじゃないか、って思うんですよね。|齋藤|そうですよね、その気付きのタイミングは重要だと思います。そういうのをどれだけ散りばめられるか。自分で掴みにいくのもそうだし、誰かに会って話すだけでも変わるし。私は多分幸いにも多い方だったと思いますし、だからこそこれから就活やキャリアを考えていく人にとってはこれだけは伝えられるんじゃないかなって思っています。|unistyle|齋藤さんは4月から学生を卒業し社会人になると思いますが、現時点においてファーストキャリアをどのようにされるおつもりですか?|齋藤|結論は正直まだ出ていません。キャリア選択に妥協したくないというのもありますし、やりたいことも多いと思っているので慎重になっていますが、実はインターン先の上司からオススメされた某IT企業を3年生の12月に受けたんですが、そこから内定を頂いておりまして。”理想も求めつつ現実的な足場も固めてキャリアを積んでいきたい”と考えたときに、これまでの経験から「ITやメディアを通して人の支援とコミュニティー作りがしたい」「海外での就職は今は考えていないけど将来的には可能性があると思っている」「常に新しいことへの挑戦ができる環境にいたい」「とはいえ足場も固めないといけない」という贅沢な私の中長期的な理想を満たせるものはなにかなと。なので、内定先の企業も検討しつつ、まだ卒業まで時間もあるのでじっくり考えてみたいと思います。ファーストキャリアはそのくらい考えて決めるべきことなんじゃないかなって思っています。最後に|unistyle編集部から誰もが必ず「自分の未来」について考える機会となる就職活動。描く未来は、本当に自分自身が腹落ちして、ワクワクしながら目指せる未来になっているでしょうか。また、そこから逆算して、新卒1社目の会社はどんなところに入社すればいいのか?を考えて企業選びができていますか?あるいは、前向きな意味で”就活をしない”という選択肢も視野に入れていますか?多くの就活生と接していると「そもそも夢・目標、やりたいことが見つからない」「就職活動のために作った夢・目標を掲げている」「周りに流されて自分のキャリアを決めてしまっている」という人が多いように感じています。そんな方にとって、本記事が「自分の未来」について考え直し、行動するきっかけとなれば嬉しく思います。齋藤侑里子さんとunistyleのコラボイベントunistyle×サイトウユリコ|限定コラボイベント人生100年時代を生き抜くための、自己発見セミナー