GAFAの敵がついに出現!その正体とは?~就活生に必要なGAFAの基本知識~

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最終更新日:2023年11月01日

GAFAの敵がついに出現!その正体とは?~就活生に必要なGAFAの基本知識~

「GAFA」、ネット広告やITサービス系の企業を志望している就活生なら必ず一度は耳にしたことがあるでしょう。

これは、Google、Amazon、Facebook、Appleの4社を総称した言葉です。

この4社の登場によりビジネスの世界だけでなく、私たちの生活も大きく変化しました。

実際に、Googleで検索したり、Amazonで商品を購入したり、Facebookで友達の近況を見たり、そうしたことをAppleのiPhoneで見る、というのが私たちの生活の当たり前になっています。

さらに、IoTという言葉が登場したように、今後はどんなモノにもインターネットが接続される時代になっています。「私はメーカー志望だからGAFAは関係ない」なんて言っていられなくなります。

志望業界を問わず、全就活生の最低限の基本知識としてGAFAについて分かりやすく説明していますので、ぜひご一読ください。

GAFAとは?

GAFAとはGoogle、Amazon、Facebook、Appleの4社を総称した言葉です。

ビッグデータを応用した巨大IT企業であるこの4社の登場により、ビジネスの世界のみならず私たちの生活も大きく激変しました。

その経済規模は、4社合計の時価総額約3兆ドル(約330兆円)というとてつもない数字からもわかるかと思います。

日本の国家予算の約101兆円(2019年度)に対して、GAFAの時価総額はその3倍を超える規模となっています。また、イギリスの国家予算を超えて世界第5位となり、大国並みの影響力を発揮するようになりました。

ここからは、大国並みの経済規模にまで成長したGAFAの「創設から現代に至るまでの沿革、事業領域、特徴やビジネスモデル、GAFAの敵、今後の展望」を簡単に説明していきます。

Google

Google:ビジネスモデル・企業分析

主な事業領域:「検索」

「検索」というインターネットを使用する際に必要な工程にプラットフォームを整備し、どんなときでも誰でもが通る「インターネットの入り口を作った」という点がGoogleの成功の最大の要因だと考えられます。

Googleの検索機能にはChrome・翻訳・Google Mapなどがありますが、その中でもGoogle最大の強みが検索におけるページランク技術です。

【ページランク技術】とは

ページランク技術 (PageRank) は、検索ワードに対するウェブページの重要度を決定するためのアルゴリズム(算法・計算式)であり、評価の高いページを上位表示するために用いられている中心的な技術。

検索だけでなく動画や音楽の分野ではYoutube・Youtube Musicなど、通話・テキスト分野ではGmail・メッセージ、仕事の効率化を図る分野ではドキュメント・スプレッドシート・Google Drive、日常生活で役に立つフォト・連絡先・カレンダーなど、ユーザー体験を向上させています。

また、ソフトウェア・サービスだけでなく、ハードウェアにも注力しており、Google Pixel・Andoroid端末などのMade by GoogleデバイスではAppleと対抗するほど売り上げを伸ばしています。

ビジネスモデル

【検索連動型広告】
ユーザーの検索に応じて最適な広告を表示するシステム広告収益が主な収入源で、Googleの収益の約86%を広告収益が占めています(2018年第一四半期)。

このひとりひとりのユーザーにとって最適な広告を表示するために、Googleが収集したビッグデータを活用し、ユーザーにとって最も有益な広告を表示することで、広告主の企業としても効率の良く広告を出せるようになっています。

アメリカでは、インターネット広告の売上をGoogleとFacebookの2社が独占しています。2019年のアメリカでのデジタル広告費6.3兆円に対して、GoogleやFacebookを含むトップ10がアメリカデジタル広告費の77%を占めています。

また、2017年にはGoogleとFacebookの2社が世界のデジタル広告費の約61%を占めています。

沿革

  • 創設者:ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン

    1995年:スタンフォード大学でラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが出会い共同経営者として検索エンジンを開発

    1998 年:Google設立・法人化

    2001年:Googleグループを設立

    2004 年 8 月 19 日:株式公開(NASDAQ)

「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」というミッションのもと、世界中の数十億のユーザーに数百というプロダクトを届けています。

2019年度会計第三四半期(9月30日締め)では、売上高は前年同期比20%増の404億9000万ドル(4兆4500億円)となっており、Googleがその事業を順調に拡大していることがわかります。

Amazon

Amazon:ビジネスモデル・企業分析

主な領域:「購買」

Amazonは、ECサイトであるAmazon.comを運営しています。誰しもが毎日行う「購買」というフェーズにプラットフォームを構築しました。

【EC】とは

ECとはElectronic Commerceの略称で、日本語では「電子商取引」と呼ばれます。ネットワーク上で、商品やサービスを売買するビジネスのことを指します。

Amazonの主な事業は以下の3つがあります。

  • ①EC事業
  • ②アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
  • ③広告事業

消費者目線ではECサイトでの利益がAmazonの営業利益の大部分を占めているように思えますが、実際にはEC事業の割合はそこまで大きくはないです。

2018年のAmazonの売上高は2328億ドル(25兆6000億円)であるのに対し、EC事業による利益は52.8%に過ぎまぜん。

残りの収益はアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)広告事業によるものです。

AWSとは、Amazonが自社ECサイト用に構築していたサーバーシステムを他の企業に貸し出すサービスのために初期費用が抑えられています。そのために、顧客に低価格でサーバーを貸し出すことが可能になっており、2018年第二四半期には前年同期比49%の成長率と26%の高い営業利益率を誇る事業に成長しました。

近年ではアマゾンの広告事業が急速に成長しています。その広告事業というのは、ユーザーがAmazonで商品を検索した際に関連する商品の広告を表示する検索広告が中心になっています。

広告主である企業は、Googleへの広告からAmazonへの広告にシフトする傾向がみられます。それは、Googleでの「検索」というフェーズに広告をだすよりも、Amazonでの「購買」というフェーズに広告を出すほうが、ユーザーの購買行動を喚起できるからだと考察できます。

ビジネスモデル

「利益を出さない」と言われるAmazonには「バーチャス・サイクル」というビジネスモデルがあります。

成長モデルと再成長モデルを融合させた「バーチャス・サイクル」により、成長モデルでの利益を次のビジネスへの投資に回すことで再成長を促しているため、利益を利益として享受しないということです。

 

(画像引用元:https://www.zentail.com/blog/bezos-virtuous-cycle-leverage-invest-infrastructure)

①成長モデル

バーチャス・サイクルの第一段階は「成長モデル」です。

この成長モデルでは、顧客視点に立脚し、「Amazonならどんな商品でも売っている」というUX(ユーザー体験)を与え、次回もAmazonで購入させることで利益を生み出しています。

普通の店舗型小売店では2割ほどの人気商品が全体の売上の8割を占めていますが、Amazon.comではニッチでニーズの少ない商品が人気商品よりも売上が大きくなっています。これをロングテール戦略と呼びます。

陳列棚に限りがある店舗型小売店とは違い、Amazon.comのようなECサイトではどんな商品でも無限に掲載することができます。

Amazon.comではここを強みとしており、人気商品は低下価格に抑えてユーザーを呼び込み、ニーズが少ないニッチな商品を幅広く揃え通常価格で販売することでUXを高めています。

②再成長モデル

バーチャス・サイクルの第二段階は再成長モデルです。第一段階の成長モデルで得た利益を次のビジネスへの投資に充てています。

再成長モデルで今までに投資されてきたビジネスには、AWS、Amazon Prime、Amazon Dash、Amazon go、ドローン配達などがあります。このように成長モデルで得た利益を次のビジネスへの先行投資に回す再成長モデルを合わせたバーチャス・サイクルがAmazonの利益を出さないビジネスモデルです。

事業投資

①Dashビジネス

(画像引用元:https://jp.techcrunch.com/2019/08/02/2019-08-01-amazon-is-killing-off-the-dash-button-later-this-month/)

Amazon DashとはDash ButtonやDash Replenishment Serviceのことで、日用消耗品や食料品などの特定の商品のロゴが描かれた注文ボタンを押すと自動的に配送されるというサービスです。

しかし、このDashボタンのサービスは2019年8月には終了しました。サービスが不調だったわけではなく、Dashビジネスの主力をDash Replenishment Service(以降DRS)に切り替えたからです。

DRSというのは、家庭での日用消耗品の在庫がなくなったことを検知し、自動的にAmazonから新しい商品が届くというサービスで、アメリカでは2016年1月にスタートしています。もはや、「ボタンを押す」という作業すら省き利便性を向上させることでUXをさらに高めています。

②Amazon go

(画像引用元:https://japan.cnet.com/article/35125863/)

ECサイトのAmazon.comはECサイトvsリアル店舗という構図で数多くのリアル店舗と競合してきましたが、このAmazon goはリアル店舗vsリアル店舗という構図で、真っ向勝負の姿勢を見せています。

Amazon goは無人コンビニと言われ、店内にある無数の監視カメラとAIによってどの人がどの商品を何個持ってゲートを通ったのかを判定し自動的に決済が完了しているというサービスのことです。

DRSでは「ボタンを押す」という作業すら省き徹底的にユーザー体験を向上してきたAmazonですが、今回のAmazon goはリアル店舗で「会計をする」という作業を省くという点で革新的なサービスとなっています。

③ドローン配達

Amazonのドローン配達はその名の通り、配達にドローンを用いることです。

このドローン配達のメリットとしては、輸送が難しい山間部への配達が可能になったり、空輸のために最短ルート・最短時間での配達が可能になります。

配達にかかる人件費の削減と今まで以上に早く商品を届けることを実現するために、現在ではその実証実験が行われており、近いうちにサービスを開始するとしています。

沿革

  • 創設者:ジェフ・ベゾス

    1994年(平成6年)7月:Amazon.com, Incの前身となる法人「Cadabra.com」を登記。

    1995年7月:Amazon.comが正式オープン

    2000年1月:Amazon.co.jpにて本のストアがオープン

ジェフ・ベゾフがAmazon創設前に所属していた企業で行ったインターネットビジネスの調査によって、インターネットが年2,300%という驚異的なペースで普及していることが分かりました。そこで、ネット販売に適した商材を検討したところ、結果的に残ったのがでした。

本の流通業界で大きくシェアを確保している企業がいなかったため、Amazonは書籍の販売からスタートを切ったというわけです。

Facebook

Facebook:ビジネスモデル・企業分析

主な事業領域:「SNS」

Facebookは世界中での利用者が23億8000万人(2018年12月31日時点)を誇る世界最大のSNSです。

どんな人でも誰とでも繋がることができるという、オープンなデジタル上の公共スペースというのがFacebookの最大の特徴です。

Facebook社が運営するSNSには、自社のFacebookや買収したInstagram・Whatsappなどがあります。

ビジネスモデル

Facebookはその収益の大部分をデジタル広告によって得ており、2015年にはFacebook全体の95%を広告収益が占めました。

Facebookの広告はユーザープロフィールでの趣味嗜好などの個人情報を使って、表示する広告を各ユーザーごとにカスタマイズすることが可能で、ユーザーが快適にサービスを利用できるように低品質な広告は表示しないアルゴリズムに変更しています。

そのために、ユーザーにとって興味のある広告が表示されるため広告が不快にならず、広告主にとっても効率の良い広告を出せるようになっています。

今ではGoogleと肩を並べる世界最大のデジタル広告主にまで成長したFacebookですが、競合となるSNSが次々と生み出されている状況で、若年層のユーザー減少という課題を解決するために、以下のようなビジネスモデルの転換を模索しているようです。

ビジネスモデルの転換

「急激なユーザー離れを受けて転換へ」
公共的なSNSからプライベートな対話へのシフト・プライバシーの保護

「中国型モデルに接近するフェイスブック」
中国モデルを参考にした決済、電子商取引のサービス導入による利便性の向上

【引用】
フェイスブックが大胆にビジネスモデルを転換へ(NRI Solutions)

沿革

  • 創設者:マーク・ザッカーバーグ

    2004年2月:ハーバード大学生向けの「The Facebook」を立ち上げる。

    2005年・2006年:ベンチャーキャピタリストから巨額資金の獲得に成功

    2012年:株式公開

    2017年7月:株価が5.7%急騰し175ドルに到達。時価総額は0.5兆ドルに達し、ユーザー数が20億人(世界人口の27%)に到達。

    2018年12月31日:ユーザー数が23億8000万人を記録

ハーバード大学の学生間での交流を促進するために始まったというのは有名な話ですが、今では一つの大学という規模をゆうに超え、世界最大のSNSに成長しました。

その理由の一つに、Facebookのミッション​​​​​「誰もが安心して情報を共有できる、オープンでつながりのある世界を実現したい」があります。

誰であっても誰とでも繋がることができるオープンな「デジタル上の公共スペース」というプラットフォームを作り上げることで、世界最大の利用者を誇るSNSにまで発展することができました。

Apple

 

主な事業領域:「ハードとソフト」

Appleの事業領域はiPhoneなどのハードウェアから、iOSやApple Storeなどのソフトウェア・サービスなど幅広く展開しています。

  • ハードウェア:iPod、iPhone、iPad、Apple Watch、iMac
  • ソフトウェア・サービス:iOS、Apple Store、Apple Music、iTunes

AppleはこれまでiPhoneの売上に依存してきましたが、現在ではiPhoneの販売台数が頭打ちになってきている状況で、今後はソフトウェアに注力していく方針のようです。

沿革

  • 創設者:スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック

    1976年:スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックがガレージで創業。

    1977年:法人化。Apple IIの発売が成功。

    1983年:スティーブ・ジョブズが社長に。

    1984年:Macintoshを発売するも、失敗。スティーブ・ジョブズがAppleから去る。

    1997年:CEOとしてジョブズがAppleに復帰。

    2001年:iPod発売

    2007年:iPhone発売

    2010年:営業利益1兆円を突破

    2011年10月5日:スティーブ・ジョブズが死去

    2014年:iPhone6シリーズが大ヒット、通期の売上高も18億円に。
iPodやiPhoneなど、革新的な技術を持ち、かつ洗練されたシンプルなデザインの製品を数多く生み出しているApple。
そのミッションは、「革新的なハードウェア・ソフトウェア・サービスを通じて顧客に最高のユーザー体験を届けること」としており、それゆえに新製品の発売の度に長蛇の列ができてしまうほど熱狂的なファンを獲得することに成功しました。

なぜGAFAがここまで成長できたのか?

大国の国家予算規模までに成長したGAFAですが、その成長要因をGAFAの共通項から分析します。

①ビッグデータの活用

それぞれの得意分野でユーザー体験を提供することでユーザーが増え、ビッグデータを収集・分析することで、さらなるユーザー体験を向上させることができます。そして、さらにユーザーが増えるという好循環を生むことができます。

そのため、GAFAの最大の強みはビッグデータをいち早く収集・独占してきたことでしょう。

Google

膨大なビッグデータにページランク技術を活用することで検索結果に順位付けをするアルゴリズムを構築。高精度でユーザーにとって価値が高い順番に検索結果を表示することを可能にしています。

ユーザーがGoogleを利用すればするほどデータが収集され、さらにアルゴリズムの精度が高くなっていきます。

 

Amazon

大量の購買情報からAIを用いて、ユーザーひとりひとりの嗜好を分析し、ユーザーごとの購買予測に基づいて購買の可能性の高い別商品を提示するリコメンデーション機能を活用しています。

また、購買傾向に類似性のある別のユーザーが買った商品などの提案をすることで、ユーザーひとり当たりの購買品数、購買頻度を高めています。

 

Facebook

ユーザーにとって興味のない広告・関連性の低い広告を表示しないようにアルゴリズムを適宜更新しています。また、広告がユーザーに不快にならないようにサイズを小さくする取り組みもあります。

 

ユーザーが快適にサービスを利用できる環境を整備し、ユーザーと関連性の高い広告を表示しています。

 

Apple

Appleのビッグデータの活用は、個人情報を活用しないという点で他の3社とは違います。iCloudにサインインすることでユーザーの行動と個人情報が紐づきますが、サインインを必要としないサービスでユーザーの行動データを収集しています。

その例にAppleMapsがあります。サインインをする必要がないので個人情報に紐づくことなく、ユーザーの行動を収集し、MapsにAR(拡張現実)を対応させる動きを見せています。

 

②AIなど最新技術に莫大な先行投資・将来的に競合となりうる企業はMAで経営統合・買収

GAFAの特徴の2つ目は最新技術への莫大な先行投資です。最新技術を他社よりもいち早く確保することが急務となっています。

事業規模がどんなに小さくても最新技術を有し将来的に競合となりうる企業は買収するというのが定石となっています。買収し自社に取り組むことで、競合となりうる脅威を潰し自社のプロダクトや事業領域を広げています。

GAFA各社のこれまでの主な買収は以下の通りです。

Google

2004年10月:keyholeを買収、現Google maps、Google earth。


2005年3月:Urchinを買収、現Google Analytics。


2005年7月:携帯電話ソフトウェア会社であるAndroidを買収。


2006年10月:動画配信サービスYouTubeを16億5000万ドル(約2000億円)で買収。

 

2007年11月、携帯電話用ソフトウェアのプラットフォームであるAndroidを発表


2017年9月:台湾を拠点とするスマートフォンメーカーであるHTC社の一部を11億ドルで買収。

Amazon

1998年:イギリスのオンライン書籍販売の「bookpages」を買収。

 

1998年:ドイツのオンライン書籍販売の「 Telebuch.de」を買収。

1999年:Webサイトのアクセス状況を順位付けするサイトであるAlexa Internetを買収。Amazono.comでのページランキングに技術が活用されています。

2012年:倉庫内のロボット配送の「Kiva Systems」を7億7,500万ドル(639億1580万円)で買収。


2017年6月:高級スーパーである「Whole FoodsMarket」を137億ドル(1兆5,000億円)で買収。


Amazonは1994年に創業してから2017年までに79社を買収しており、その目的としては扱う商材を拡充する目的と、物流施設のインフラ整備、販売ノウハウの確保という目的があるかと思います。

 

カメラとリアルタイム画像処理システムを搭載したKiva Systemsのロボットを、Amazonの物流施設での運搬に導入したところ、2015年には1倉庫あたり2,200万ドルの経費削減に繋がったそうです。

 

また、Amazonは無人コンビニである「Amazon Go」などのリアル店舗への進出を行なっていますが、「Whole FoodsMarket」の買収によってリアル店舗への進出と生鮮食料品分野の販売ノウハウを取得しようとしました。

Facebook

2012年4月:写真共有サービスのInstagramを10億ドルで買収。

2014年2月:スマホ向けのメッセージング・サービスのWhatsAppを190億ドルで買収。


Instagramはサービス開始2年で既に3000万人以上のユーザーを抱えていました。Facebookは、若い消費者の関心がInstagramに向いていることに気付き買収を決断しました。

将来的に競合となりうる企業を排除するための買収ともいわれていますが、この買収がFacebookの成長の最大の要因と考えられています。

Apple2009年7月:オンライン地図、API技術を有するplacebaseを買収

→2012年9月AppleMapsを搭載したios6.0をアップデート


2010年4月:音声によるパーソナルアシスタント、Siriを買収

→2011年10月、Siriを搭載したios5.0をアップデート


2012年7月:指紋認証によるセキュリティ開発のauten techを買収

→2013年7月、指紋センサー搭載のios7.0をアップデート

2019年5月:Intelのスマホモデム事業を10億ドルで買収すると発表、iPhoneに搭載する5Gモデムの開発に向けたIntelの従業員と知的財産の獲得が目的と考えられています。

 

2010年以降、AppleがAIスタートアップの買収が最多で20社。
【参考】アップル、買収20社で最多 AIスタートアップ争奪戦(日本経済新聞)

③長期的経営思考とスピード

長期的経営思考とは「会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線で事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方」のことです。

GAFAに共通していることは、短期的にどれだけのマイナスがでようと、長期的な目線に立って将来の成長のために勇気をもって先行投資をしてきたことです。

長期的経営思考

短期的な損失を厭わない。
・どこよりも早い先行投資によって市場での競争優位性を高め、後発企業の参入障壁を大きくする
・投資の目線が長期的で未来志向。

また、経営判断のスピードが異常に早いということもGAFAの4社に共通していることです。

GAFAは他社よりも早く先行投資することで市場での競争優位性を確保しています。そのためには、新規事業に投資してもいいのかどうか悩んでいる時間がありません。悩んでいるうちに他社に出し抜かれビジネスチャンスがどんどん減少していきます。

GAFAの経営判断は経営計画が20%の段階での事業を5つスタートさせ、ヒットした事業が1つでもあれば他の4つを切り捨てて、そのヒットした1つの事業を伸ばしていくというように言われています。

経営計画が100%の1つの事業を確実に進める日系企業とはその判断スピードが全く違い、日系企業がカメならGAFAはF1カーに例えられます。

④各社独自の経営戦略

GAFAの成長には、各社独自のルールや戦略といった経営戦略が影響しているかと思われます。

Google

「20%ルール」
この20%ルールというのは、「従業員は、勤務時間の20%の時間を通常の職務ではなく、自分の行いたいプロジェクトに費やすことができる」というものです。採算性を度外視した制度ではありますが、のちに莫大な利益を生む「Gmail」など多くの事業を創出しています。

現在ではこのルールはないに等しいとされていますが、事業創出の目的はしっかりと果たせた制度であったことは疑いないでしょう。

 

Amazon

赤字のまま成長
Amazonの成長要因はバーチャス・サイクルにあるということは説明しましたが、投資額が利益よりも大きいために何度も赤字を繰り返しています。


しかし、そうした投資のおかげで誕生したクラウドコンピューティングサービスであるAWSはGoogleやMicrosoftですら参入をためらうようなレベルで市場シェアを高めました。

近年では有料会員制動画コンテンツであるAmazon Primeに多額の資金をつぎ込んでおり、2018年の年初時点でアメリカでの会員数は1億人に迫る勢いです。

従来の赤字を出してでも先行投資をやめない姿勢を崩さずに、次の事業を成功させてきたことがAmazonの最大の特徴と言えるでしょう。

クラウド事業の好調もあり現在では黒字に転じていますが、その利益もAmazon Primeへの投資に回されていて、今度ますます拡大していくことが予測されます。

 

Facebook

Facebookはサービスの拡充だけを成長戦略にするのではなく、ネットワーク効果を狙う方針です。これはつまり、ユーザー体験の向上だけでなく、ユーザー数を拡大していくということを意味します。

2012年の写真共有アプリ「Instagram」と、2014年のインスタントメッセンジャーアプリ「Whatsapp」の買収により、ユーザーの規模を拡大させています。もともとのFacebookに加え、InstagramやWhatsappのユーザーを取り込むことに成功したということです。

 

また、マルチホーミングを嫌うユーザーに対し、Instagramでのショッピング機能を拡充していくことで一つのメディア・サービスで行動を一貫できるようにしています。

【ネットワーク効果】とは
ユーザーが増えれば増えるほど、その製品やサービスの価値が増加し、さらにユーザーが増えていくということです。ネットワーク外部性とも呼ばれます。

 

Apple

連結売上高に占めるiPhoneの割合が非常に高く、その売上に依存しています。そのiPhoneのブランディングがAppleの成功の大きな要因となっています。

①差別化戦略
Appleは、iPodやiPhoneなど今までになかったような製品を生み出すことで、新しいユーザー体験を作ってきました。

Apple製品は革新的な技術で、かつ洗練されたシンプルなデザインが特徴的です。新製品の発表もさながらファッションショーのようなエンターテインメントとなっています。製品のネーミングも、頭文字にiを付けることでユーザーにApple製品だを認識しやすくしています。


②集中戦略
iMac、iPod、iPhoneというハードウェアで、iOS、iTunes、AppleStoreというソフトウェア・サービスを提供することでAppleの一貫したサービスを提供しています。マルチホーミングを嫌うユーザーに対し、ハードウェアからソフトウェアまでAppleだけで完結できるような集中戦略をとっています。

 

GAFAの敵がついに出現!その正体とは?

超大国並の事業規模にまで拡大したGAFAに向かうところ敵なし、というように思ってしまいがちですが、実は様々な問題を孕んでいます。その問題点とは何なのでしょうか。

成長過程の中で将来的に競合となりうる企業を買収し自社に取り組むことで、脅威を排除していくというのがGAFAの定石だと解説しましたが、今後GAFAの脅威となりうる企業もまだまだたくさんあります。

そのGAFAの敵とはいったい何なのか。その正体を探ってみると、企業だけがGAFAの敵ではないことが分かりました。

GAFAの抱える問題点と、GAFAに迫る敵について解説します。

GAFAが抱える問題点とは?

問題点①:個人情報の流出 

GAFAという巨大な企業ですらユーザーの個人情報の流出が多発しています。

 

どんな企業であってもユーザーやクライアントの情報が流出することが危険なことは理解できるでしょう。ましてや、GAFAのように自分の住所やクレジットカード情報を紐づけているサービスであれば猶更一大事です。

 

個人情報の流出というのはその企業の信用に関わる重要な出来事であるものの、それが多発してしまうというのは改善すべき問題点です。

 

・2018年10月、Facebookで約3000万人の個人情報の流出。
・2018年12月、Google+で約5250万人の個人情報が流出。
・2019年5月、アップルをiTunes利用者が提訴、購入データと個人情報の流出で(Bloomberg)
・2019年9月、アマゾン、アプリで誤作動 他人の氏名・注文履歴表示(日経新聞)
・2019年12月、Facebookで約2億6700万人の個人情報が流出。
問題点②:フェイクニュース

Facebookで、嘘の情報を真実かのように垂れ流されるフェイクニュースが問題になっています。

 

こういったSNS上のデマというのは往々にして見かけるもので、ユーザー個人が情報の真偽を見定める必要があると言われます。

 

しかし、このフェイクニュースが問題になっているのは、Facebookが言論の自由を守るためにフェイクニュースを認識していても削除していないことにあります。

 

ただし、「ディープフェイク」には流石に対応しなければならなかったようです。「ディープフェイク」というのは、特定の人の画像からAIが、あたかもその人が話しているかのような動画のことです。

 

そのディープフェイクの動画内では、FacebookCEOのマーク・ザッカーバーグが秘密組織への感謝を述べるという動画になっています。こうしたディープフェイク動画に対しては流石に削除するポリシーを明言しています。

 

問題点③:ロシアからの干渉

上記で取り上げた問題点②フェイクニュースに関連する問題です。

 

2016年アメリカ大統領選挙の際に、Facebook上でロシア系企業やロシア政府関連のアカウントからアメリカ内での世論を分断するためにフェイクニュースを流されたことが問題になりました。

 

問題点④:テロ集団の調査協力を拒否

2015年12月にアメリカで起きた銃乱射事件に際して、アメリカ政府がAppleに対してテロ犯のiPhoneのロック解除を要請したにも関わらず、Appleがそれを拒否したという問題です。

 

アメリカNPO法人のPew Reserch Centerのアンケートでは、51%の民衆がロック解除をすべきという意見でした。しかし、Appleは自社のユーザーのプライバシー保護を理由に断固として拒否し、調査に協力しませんでした。

 

問題点⑤:脱税・デジタル課税

GAFAはその事業規模に対して適切な法人税を納めていないという意見が散見されています。

 

一般的な企業の場合、本社や支店、工場などの物理的な拠点を置く場所に法人税を課しているが、プラットフォーム企業はネット上にそのビジネスを置くため法人税から逃れられるわけです。

 

アメリカ大手スーパーマーケットであるWalmartが2008年以降に支払ってきた法人税が約640億ドルなのに対し、Amazonは約14億ドルにとどまっています。

 

問題点⑥:市場独占・ビッグデータの独占

GAFAによって市場が独占されているため、日本における独占禁止法違反・アメリカにおける反トラスト法違反の疑いがあります。

 

GAFAが市場を独占していることは明白ですが、彼らのワシントン上院議会でのロビー活動によって反トラスト法を掻い潜り逃げ続けている状況です。

 

問題点⑦:イノベーションの芽を摘む

GAFAの現状の競合他社はGAFAからすれば小さい企業です。何もしなくても自然と倒れるのを待つか、成長してきた場合には買収して自社に取り込むというのがGAFAの定石です。

 

そのため、今までのようなイノベーションが見込めなくなっています。

 

GAFAの敵はアメリカ政府?日本政府・EUがGAFAを包囲?

GAFAの最大の敵はアメリカ政府だと言えるでしょう。

超大国並の経済的影響力を持っているものの、様々な問題を抱えアメリカに法人税を払わずテロ犯への調査協力をも拒否するGAFAはアメリカ政府からしたら目の上のたん瘤のような厄介な企業です。

アメリカ政府はGAFAに対する規制を今後強化していく方針で、日本政府やEUでも同様の風潮が見られます。

①アメリカ政府

これまでアメリカ連邦議会では、ビジネスを縛る規制を減らし、自由な事業展開の後押しを重視してきました。

しかし、2019年から下院で企業規制に積極的な民主党が多数派を握るようになり、大統領選挙でのフェイクニュースなどGAFAに関する問題や疑惑が次々と浮上する中、「IT規制論(テック規制論)」が強まっています。

また、GAFAが今まで逃れ続けてきた反トラスト法に関して公聴会が開かれ、調査が進められています。

②日本政府

日本政府は、「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」という新しい法案を国会に提出予定です。

この法案は、GAFAと中小企業間での不透明な契約を透明化するという内容になっており、ビッグデータを独占するGAFAに対して規制を強めていく方針です。

③欧州連合

欧州連合(EU)が、個人情報保護の取り組みとして「一般データ保護規則」(GDPR)を2019年5月に施行しました。

EU圏内で取得したクレジットカードなどの個人情報をEU圏外に移転することを禁止しており、GAFAのビッグデータ活用に対する規制策を講じています。

米中の技術覇権争いの激化でビジネスや安全保障でのデータの重要性が増している中で、GAFAから「データ主権」を欧州に取り戻す狙いがあり、EUはGAFAへの対決姿勢を一段と強める方針のようです。

シリコンバレーの時代は終わった?GAFAのライバルは「BATH」?ユニコーン企業?

ITベンチャー企業のスタートアップの場として人気が高いシリコンバレー。GAFAもシリコンバレー発のIT企業ですが、「IT企業ならシリコンバレー」という時代はもう終わったという見解もあります。

それは、そもそものビジネスの舞台がアメリカだけでなく、GDPの成長が著しい中国に変わりつつあるということが背景にあります。

中国企業の隆盛

「BATH」と呼ばれる成長が著しい中国企業があります。それはバイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイの4つ企業の総称です。

 

それぞれは以下のような事業領域で中国最大手の位置につけています。

 

【BATH】
バイドゥ:検索エンジン
アリババ:ECサイト
テンセント:ネットサービス
ファーウェイ:通信機器メーカー

外資系企業の中国市場への参入を制限している中国政府の政策によって、GAFAがなかなか手を出せませんでした。そんな中、BATHが各々の事業領域で最大手につけているということは、世界最大の人口を誇る中国で14億人のユーザーをBATHが独占しているということです。

 

中国で勢力を拡大しているBATHがGAFAの脅威になるのでは?と言われることが多くなってきました。

 

ユニコーン企業

GAFAの敵となりうるのはBATHだけでなく、ユニコーン企業の存在も度外視することはできません。

 

【ユニコーン企業】とは
急速に拡大成長したIT企業のことを指します。ユニコーン企業には次の4つの条件があります。
①評価額10億ドル以上②起業10年以内③非上場④テクノロジー企業

このユニコーン企業の代表例がUber TechnologyAirbnbで、Uber Technologyはタクシー配車サービス、Airbnbは民泊サービスを展開しているユニコーン企業です。

 

もともとFacebookもユニコーン企業の1つで、ユーザーが増えれば増えるほどビッグデータが収集できるようになり広告収益も拡大していきました。そのように、Uber TechnologyやAirbnbもユーザーの拡大によってはGAFAの敵になる可能性は十分にあります。

 

しかし、「移動」「宿泊」というフェーズがGAFAの「検索」「購買」「SNS」といったフェーズよりも限定的なため、GAFAに打ち勝つのは至難かと思われます。

GAFAの今後の展望は?次のビジネスは自動運転で確定か?

GAFAの成長が、ビッグデータを収集・分析することで広告収益を高め、その利益で次のビジネスへの投資に利用するというものでした。

しかし、近年では中国のBATHやUber Technologyなどの新興企業との競合や、アメリカ政府をはじめとする各国政府の包囲網など、立ちはだかる障害がたくさんあります。

GAFAが次なるビジネスを見つけるのが先か、その前に成長が頭打ちになりBATHやUber Technologyに追いつかれてしまうのが先か、GAFAの今後の動きがIT業界の趨勢を占うようになっています。

GAFAの次のビジネスとして最も可能性が高いと言えるのは自動運転でしょう。この分野にはGoogle・Amazon・Appleがすでに参入しています。

GoogleはスタートアップのWaymoを買収し、自動運転タクシーの商用サービスを2018年12月にスタートさせ、2019年にはドライバーなしの実証実験も行っています。

Amazonはドローンで配達できない大きなサイズの商品用に自動運転技術を搭載した配達ロボット「Amazon Scout(アマゾン・スカウト)」の実証実験を予定しています。

この自動運転ビジネスとして確立すれば、日本の自動車産業に影響が及ぶことは間違いありません。

また、タクシー配車サービスを展開するUber Technologyにも自動運転が導入される未来を予測するのも難しくありません。そうなるとGAFAとUber Technologyが同じ事業領域で競合することとなります。もしかすると、GAFAがUber Technologyを買収する?なんていうニュースが飛び込んでくるかもしれません。

当然、GAFAが事業を拡大していけばいくほど、彼らの市場独占を嫌う各国政府の規制もさらに強くなっていくことでしょう。GAFAがその規制の網をかいくぐり今後どんな展開を見せるのか目が離せません。

最後に

今回はGAFAの事業領域やビジネスモデル、その成長要因と迫りくる敵、今後の展望について解説しました。

「検索」「購買」「SNS」というフェーズにプラットフォームを整備してきましたが、次の次の次まで先行投資をしてきたGAFAですから、私たちが想像もしない分野にまでビジネス展開のビジョンを描いているかもしれません。

IoTの時代に、GAFAについて知っておくことはどの業界に身を置いても重要なことですので、GAFAに関する基本知識を頭に入れておきましょう。

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「シーシーシー」”彼女は海を見る”を英語で言えるやつ、少なすぎ。 「シーシーシー」”彼女は海を見る”を英語で言えるやつ、少なすぎ。 こんにちは。くらもんです。いきなりですが、"Sheseesthesea."(彼女は海を見る。)を正しく英語で言える日本人、少なすぎ。私、16年間ニュージーランドに住んでいたため英語はネイティブなのですが、日本にきて早7年。気づいてしまったことが一つあります。"Sheseesthesea."(彼女は海を見る。)を正しく英語で言える日本人、少なすぎ。コンビニは24時間営業で素晴らしいし、世界でも最先端テクノロジーに溢れる街中に”お寺”。現代と古き良き文化の融合なんてイカしてる。ご飯はおいしいし、電車に携帯忘れても戻ってくる。日本って、本当に素晴らしい国。ただ、、、、、英語の発音が、、、、、残念です、、、、、。上記で述べた、Sheseesthesea.日本人が言うと、Sheshethesea.(彼女が海を彼女が)とか、Seeseethesee.(みるみるみる)とかに聞こえて、ネイティブからすると「Whatthehellareyoutalkingabout?(こいつ何言ってんだ?)」となります。日本語で例えると、「掃除機」と「正直」のような感じです。「正直に話さないといけないよ」と言ったつもりが「掃除機に話さないといけないよ」となる。ま、昨今IoTが叫ばれてるので、もしかしたらマジで掃除機に話さないといけないシーンだったりすると最高にCOOOOOOOOOOOOOL!!なわけですが、文脈から言いたいことは感じとってもらえたらうれしいです。ということで、「聞いてるこっちも恥ずかしい!日本人の発音違いあるあるアワード!」を勝手に開催します。ほんとにあった、怖い日本人の英語のお話。やっほー!デブ!初対面で必ず言う、"Nicetomeetyou!(初めまして!)”。言い間違いで多いのが、NicetoMEATyou!(やっほー!デブ!)。ウィットに富みすぎている日本人だと思ってもらえたら光栄ですね。今回のワード▶︎▶︎▶︎MEET(会う)/MEAT(お肉)女1:えー嘘でしょ!シーツッ!覆うものを指すSheet(シーツ)と、スラングであるShit(ちくしょう!)。ご存知だと思いますが、日本語にもスラングがあるように、英語にももちろんあります。おそらく、以下の女性は最近覚えたてホヤホヤのスラングを披露したかったのでしょう。(日本にて。私が駅で電車を待っているときの、前の日本人女性2人組の会話)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~女1:「あれ、携帯がない」女2:「さっきのカフェに忘れたんじゃない?」女1:「あー、Sheet(シーツ)!!!」外国人の子供:「(冷たい目)」~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~おそらく、Shitと言いたかったのでしょうが、私にはSheetにしか聞こえませんでした。なんでそこだけ英語で言ったのか、はたまたなんであまり良いとされていない言葉をわざわざ使うのかその神経がわかりませんでしたが、その後もシーツ!シーツ!シーツ!と連発していたので聞いてる分には面白かったです。たまたまそこが観光地だったこともあり、周りに外国人の方がいたのですが、近くにいた親子連れの外国人の子供(7歳くらい)が女1をずっと見ていた目が非常に冷ややかだったのが印象的でした。子供って正直ですよね。少し話が逸れてしまいましたが、英語の発音がままならないのにスラングを使うことはやめましょう。そもそもShitは思春期の子が親に反抗して使うケースがほとんどで、大人でも仲の良い友達に軽口を叩く程度で使うことはありますが、いいものとされていない上に、公衆の場でいうと周りから知性のない人と思われるので控えることをオススメします。今回のワード▶︎▶︎▶︎SHEET(シーツ)/SHIT(クソッッッ)私はあなたをこするよ〜♪皆さんご存知"ILOVEYOU."。愛の言葉も要注意です。日本の曲にも"Iloveyou~♪"ってよくあると思うんですけど、♪Iloveyou(♪愛してるよ~~)じゃなくて、何回聞いても♪Irubyou(♪こするよ~~~)にしか聞こえないんですよね。本当に。ナニをこするんでしょうか。私にはわかりません。国際化が進む中で国際カップルも今後ますます増えると思われますが、ぜひLOVEとRUBの発音にはお気を付けください。今回のワード▶︎▶︎▶︎LOVE(愛する)/LUB(擦る)私、シラミが好物なんだよね!“Lice”と“Rice”。たった一文字違うだけで、おいしい「お米」が「シラミ」に。過去、私が通っていたNZの高校に日本人留学生がきた際に、NZの友人が、ーWhatfooddoyoulike?(なんの食べ物がすきなの?)と聞き、ーIliketoeatlice.(私、シラミ食べるのすきです。)と返され、”Oh,,,(えっっ、、、)”と言っていたコミュニケーションは今でも鮮明に覚えています。その後友人から、「DoJapaneseeatlice?Somethinggross!(日本人はシラミを食べるのか。やべえな。)」と言われましたが「きっと"RICE"と言いたかったんだよ。」と説明しておきました。”日本人シラミ食べる説”は私の手で抹殺しておいたので安心してNZに旅行行ってください。今回のワード▶︎▶︎▶︎RICE(お米)/LICE(シラミ)沈んじまえ!ディベートの授業を受けていた友達から聞いた話です。当時、あまり感情が読めない日本人留学生もその授業を取っていたそうなのですが、いきなり、”SINK.”と言い出し、その場が凍りついたそうです。その日本人留学生が言った言葉を日本語にすると「沈め。」です。サイコパスですね。直後、クラスの1人が「Areyoulookingforafight?(何だお前、喧嘩売ってんのかコラ)」とバトルを仕掛けようとしたそうですが、「THINK.(考えよう)」と言いたかったことが判明したためとりあえず一件落着だったそうです。感情の読めない日本人留学生だったことも相まって引き起こされた事案だとは思います。同情もします。が、通じないものは通じません。意識するしかありません。この「考える」の意でお馴染みの“think”ですが、最初の“th”を“s”と発音してしまうと、“sink(沈む)”の意になるのでご注意を。今回のワード▶︎▶︎▶︎THINK(考える)/SINK(沈む)俺、ビッチ好きなんだよね!「浜辺」の意味を持つ"Beach"と「アバズレ」の意味を持つ”Bitch"。この発音違い、意外に多いんです。しかも言い間違えたら引かれるやつです。NZは海が綺麗で観光名所にもなっているのですが、それ故に以下のようなやりとりが多くなります。ーWhichisyourfavouritespotinNZ?(ニュージーランドでのお気に入りは何?)ーumm,,,,Ilikethebitch.(うーん、アバズレ女がすきかな。)「NZの女はみんなビッチだよね~だからサイコー!」。・・・。国家への冒涜と見なされ島流し必至ですね。favouriteの意味を問うとおそらく多くの人が「お気に入りの」や「好きな」と答えるでしょう。間違っているわけではないのですが、厳密に言うと大事なポイントを見逃しているんです。実は、favouriteには“toallothers(他のどれよりも)”という意味があります。つまり、本来の意味としては「1番のお気に入り」や「もっとも好きな」というものになります。「えっ!最上級の時って”themost"って使うってならったけど?くらもんってエセ?」と思う方がいるかもしれませんが違います。口語では強調するためにつけたりしますが比較のない形容詞なのでつけません。英語には兎に角、例外が多く、これもその一つです。つい真面目な解説をしてしまいましたが、上記のことを踏まえると、favouriteで聞かれたということは「1番のお気に入りのもの」を聞かれているため、そのあとに「この上なくビッチ好きなんだよね〜」と言っていると捉えられます。やばいです。非常に。加えて、bitchという言葉は怒り狂った時につい言っちゃったレベルの言葉なので、よっぽどのことがない限り使いませんが、「追う」と「覆う」のように言葉を長めに言うか言わないで意味合いが全く異なることもあるので注意してください。(日本はアメリカ英語を習ってるからfavoriteですけど、NZだとfavouriteになります)今回のワード▶︎▶︎▶︎BEACH(海辺)/BITCH(ビッチ)持論:ネイティブの真似は、滑稽である。本記事を執筆しながら「日本人ってやたらとネイティブのように発音したがるし、それはなんでなのか?」を考えていたのですが、勝手ながらその考察結果を以下で述べますね。ここからは少し真面目。思うに、日本人の英語の発音が外国人に通じない理由は、「通じる英語の基準=アメリカ英語orイギリス英語の標準語」という認識を持っているからだと思います。今までシンガポールやインドといった、”聞きやすい”とは決して言えない人たちの英語も多く聞きましたが、彼らの英語は”聞きにくい”けど”通じます”。通じる彼らと、通じない日本人の決定的な差は、英語を自分のものだと思っていないからだと思います。つまり、ネイティブ英語への執着が日本人の英語習得にとってのボトルネックになっているのだと私は主張します。多くの日本人が「英語での標準語を習得しよう、いやするべきだ」と必要以上に考えているように感じますが、想像して下さい。今まで出会った日本語を話せる外国人のアクセントに対してそんなに気になったことはありますか?多くの人はコミュニケーションとして成り立った時点で気にならないのではないでしょうか。最後に:大事なのは発音とかテクニカルなところじゃなくって。私が本記事を通して、通じる英語を話せるようになるためのアドバイスは、「完璧な英語、ネイティブと同じでないと通じないという概念をなくす」ことです。私もポンコツ耳の持ち主のため、ネイティブを模倣した訛りがすごい英語を話されると泣きそうになります。よく、「どうやったらうまく英語を話せるようになりますか?」と年に240回くらいは質問されるのですが、私は、「ネイティブ英語じゃないと伝わらない」という考えを捨て、うまく話そうとするのではなく、「自分の言語だ」と思って伝わるように話すことを繰り返し行うことが最も大事だと思っています。ネイティブのように話したい気持ちはわかりますが、伝わってなんぼですよ! 23,486 views
『バカとつき合うな』堀江貴文×西野亮廣|就活生が知るべき「つき合うべきでない人」の特徴とは? 『バカとつき合うな』堀江貴文×西野亮廣|就活生が知るべき「つき合うべきでない人」の特徴とは? 「あなたは今、自由ですか?」突然失礼いたしました。unistyle編集部のせいちゃんです。この問いかけをされて、私は今は「自由です!」と言えます。ただ、そう言いきれない時の方が長かった気がします。皆さんはいかがでしょうか。あなたは自由であるべきだ。なのにもし、あなたがいま自由でないとしたら、その理由は簡単です。バカと付き合っているからです。【引用】バカとつき合うな「バカと付き合わない」「バカにならない」この二つの概念を押さえることは、社会人生活を前にした就活生にとっての分岐点になり得ると言えます。著者の堀江貴文さんと西野亮廣さんが定義する「バカ」は様々で、それらがなぜ私たちを苦しめる存在になるのか、説明されています。今回は『バカとつき合うな』を引用しながら「バカ発見力と回避力」についてお届けします。社会人になる前にこの感覚を養っておきましょう。人生の「自分の」時間に無頓着なバカまずは、今の私たちの「常識」たるものから脱していきましょう。私たちが当たり前に信じてきたものは実は時代錯誤が甚だしかったり、本質的でないものが多いようです。就活生にとって、これからの社会人としての時間の使い方を自らの手でデザインすることが求められます。これまでの常識は一度捨て、頭を柔らかくして考えてみてください。①バカばっかりの環境に居座り続けるバカ環境に従うしかないと思っている人の多くは、いまの環境以外にいる自分を想像できていない。想像力が足りないんじゃないかと思います。想像力って、生まれ持った能力ではない。想像できないというのは、単に情報を持っていないことにすぎない。情報がないから、想像力もないんです。【引用】バカとつき合うなある実験で、大衆の習性を表わすような実験があります。金魚を入れた水槽の真ん中にアクリル板を入れておき、途中で抜いても金魚たちはその中央から向こうに行こうとしない、というものです。しかし、そこに他の水槽から新たに金魚を入れると彼らは自由に泳ぐため、それに続いて初めから水槽にいた金魚も自由に泳ぎ始めるそうです。ここでいう新しく入れた金魚が「情報」であり、情報を持つ人です。「今の環境しかない」と思う人ばかり周りにいるから、想像できないのです。②人生の配分ができないバカ多くの人は、人生の時間を、なににどれくらい投じるかについて、主体的に選択していません。(中略)「自分は行きたい学校を自由に選び、働きたい会社を自由に選んで就職した。その後、自分の意志で転職を決めた。この通り、自分の人生を主体的に生きている」そういうことではないんです。というか、このように考えるのは、社会の詐術に典型的にはまっている人です。【引用】バカとつき合うな大学を出て企業に終身雇用されるというライフモデルを愚直に受け入れるなら、小学校~大学で学校教育に16年間、それから企業に43年間。人生の時間を仮に80年とするなら、そのうち60年近い期間、つまり人生の4分の3を、学校と労働に明け渡す。それ、長すぎませんか?自分で考えて納得した配分ですか?【引用】バカとつき合うなみなさんは就活をするにあたり、自分が何年間労働するのか考えたことがあるでしょうか。「何十年も先のことは決まってないし、、」と思う方もいるかもしれません。しかし、漠然と「親になったら子供と毎年海外旅行に行きたい」「仕事が落ち着いたら冬の間は南国で過ごしたい」等、人生においての希望は何かしらあるのではないでしょうか。それらを「叶わない空想」と考えず「実現可能な目標」として捉えることで、キャリアの選択にも影響を与えます。例えば、「30代後半で年収1000万くらいあればいいかな」と考えていたとします。ただ、その年収での実質の生活の水準はそこまで高くありません。漠然と考えていた年収1000万を具体的にいつ達成したいのか考え、数年単位での大枠の計画に落とし込んでいくと現実的に考えることができます。自分の人生設計を社会に委ねてしまうことはリスクを伴います。就活生である今のうちにキャリアプランと併せて考えておくべきでしょう。【参考】③未来に縛られるバカなぜいい大学に入るか、大企業に就職するため。なぜ大企業に入るか、老後に十分な退職金と年金をもらうため。老後、もっと言えば、最後に死ぬときから逆算して現在を生きるなんて、ぼくは絶対やりたくない。(中略)そんなのは、死に縛られた生き方です。前に、「寿司職人になるために何年も修行するのはバカ」とツイッターで書きました。旧態依然とした業界の、未来をエサにして、若者に時間を浪費させる体質が気に食わなかった。3年見習いをやったら飯炊きを教えてやるって、ようは、親方が「お前の現在を犠牲にしてみせろ」と言っているわけです。飯炊きくらい初日に教えてやれよ。【引用】バカとつき合うな私たちは、想像以上に「自分の時間」を社会に委ねてしまっているようです。今に熱中する生き方も、自分にはないと思っている「好きなこと」も、幼い子供のときは誰しも持っていたもの。これらは、取り戻すことができます。その小さな一歩はやはり、「バカと付き合わない」「バカにならない」ことなのでしょうか。社会人になってから出会うであろうバカのお手本を予習しておきましょう。なりたくない、近付きたくない!バカ4選①我慢を美徳にしたがるバカ日本では小学校から多くのルールのもとで同じ時間に登校し、授業を聞いて宿題をやっていました。それらの意味を考えることなく、とにかく意味がないと思っても我慢してやることを強制されているうちに、「我慢すること自体がいいこと」だと刷り込まれてしまいます。そのため、以下のようなことが起こってしまいます。・我慢はいいことだと考える・自分も我慢しているのだから、と他人にも我慢を強要してくる・我慢してやっていることとやりたくてやっていることの境目が分からなくなる我慢癖を、自分で解除していくことを意識してみてください。そうすると、いま日常的にやっていることの中で、やりたくてやっていることと、我慢してやっていることの境界が見えてきます。その飲み会やら定例会やら、本当に行きたくて行ってますか?それらを腑分けして見えてきた「やりたくてやっていること」を大事にしてください。それが、これからの時代を生きていくあなたのヒントに、助け舟になると思います。【引用】バカとつき合うな気づかないうちに我慢癖がついてしまっている方も多いのではないでしょうか。以下の我慢癖チェックで当てはまる項目がある人は我慢癖の危険性が高いです。本当にやりたくてやっているか、自分自身に問いかけてみてください。【我慢癖チェック】・1日のスケジュールで嫌々時間を割いていることがある・大好きだった趣味に最近時間を取れていない・慢性的にストレスが溜まっている②自分の常識を平気で振りかざすバカ固定概念によってそこに当てはまらないモノを排除しようとしてしまう人は多いのではないでしょうか。例えば、「新卒はコピー取りをする」という常識が上司にあれば、コピー取りを断ると「どういうことだ!これくらいの仕事ができずに成長などない!」と憤慨するかもしれません。ただ、「新卒はコピー取りをする」という常識はその上司が作ったものではないので、「自分もやってきたのだから、部下がやるのは当然だ。」と考えてしまうのです。その上司にはロジックがないため、感情的になるしかない。ロジックがないことで自分の行動も不安になり、不安だから群れてしまう。そうすると誰が作ったのか分からない「常識」にずっと縛られてしまいます。常識を、それがどうして成り立っているかを考えずに受け入れていくことは、怖いことです。それはつまり、知らない誰かに代わりに考えてもらうことだから。その結果、その常識を否定されたときに、知らない誰かを勝手に代行して、怒る。理解していないから、代弁はできないから、怒る。自分の頭でつねに考えていないと、このように、感情さえも、知らない誰かの代わりをやっていくことになってしまうんです。自分の感情を自分だけのものにしておくためにも、ロジックで考えていくことは大事なんです。【引用】バカとつき合うな就活でも、論理的思考力は非常に重要であり、対策本やセミナーでスキルアップを図る就活生も多くいます。特にグループディスカッションによる選考では、同じグループにいるメンバーによって振り回されてしまうこともあるでしょう。グループディスカッションの際にクラッシャーと呼ばれる存在は、自分の常識内でしか物を考えていないため、感情に任せて否定的なことばかり口にしたりします。そんな時にあなたの武器になるのが、ロジックです。Unistyleではフレームワークも紹介していますので、これを参考にロジックを味方につけていきましょう。【参考】③無自覚に人の時間を奪うバカ「人の時間を奪うことに鈍感な人間が多すぎる。」これは、学校教育で全員均一で扱われ、同じ16年間を過ごすことが当たり前の日本の体制の弊害だと堀江さんは主張しています。例えば、「電話は、他人の時間に割り込むものであり、集中力を途切れさせる。」これにサラリーマンで納得できない人は多いようです。それは堀江さんや西野さんとサラリーマンの時間の捉え方の違いからくるものでした。ようは、サラリーマンにとって、勤務時間とは、企業に奪われた時間。サラリーマン同士が仕事の電話をかけるのは、奪われた時間同士の掛け合わせにすぎない。(中略)サラリーマンでも、休日の日曜日に、つまり「自分の時間」に、会社から電話がかかってきたら、さすがに嫌でしょう?ぼくや西野くんは、365日24時間、自分の時間を生きています。ぼくに対して電話をかけることは全部、サラリーマンの休日の電話と同じなんです。【引用】バカとつき合うな⑤孤独を怖がるバカある種の人は、孤独を恐れているのでしょう。たしかに、こういう話は世に溢れています。「定年退職した人が、いざ自分の自由な時間を持ったときに、付き合ってくれる仲間が誰もいなかった。」それで結局、行くところがなくてずっと家にいる、みたいな。ぼくに言わせれば理由は簡単。その人のサラリーマン時代は、会社に譲り渡した「他人の時間」の時代。気が合うと思っていた取引先も同僚も部下も、会社という他人ありきの関係。その人間関係は「他人の時間」が終われば同時に終わるものだった。それは本質的に、自分の人間関係ではなかったんです。【引用】バカとつき合うな「自分の時間」として生きられないと、本当の仲間や友人もできない。これから就職する私たちは、どうすればいいのでしょうか。それは、まず「いま、本当にやりたいこと」を仕事にすることでしょう。ただ、就活は「なしよりのあり」を選ぶものという諦めの声ばかり聞こえてくるのが現状ではないでしょうか。それは、私たちが4年制大学に通い、社会の流れによって就活する者同士で集まっているからかもしれません。例えば、堀江さん主宰のコミュニケーションサロン「HIU(堀江貴文イノベーション大学校)」や西野さん主宰のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のメンバーには全く異なる価値観を持つ人たちが集まっているかもしれません。実際に彼らがどのような考えをしているのか、西野さんの『新世界』を取り扱ったコラムでも解説していますので、そちらも併せてご覧ください。【参考記事】まとめ「バカ」のなかでも、「自分の時間」を生きずにいることで生む弊害が多くあることが分かりました。「自分の時間」の使い方を主体的に選択しないことによる弊害・「自分の時間=会社や学校に取られて残った時間」になる。・未来のために我慢する「今」だらけになる・老後も付き合える仲間ができない他人や社会任せであることで「時間」を奪われるだけでなく、「常識」にとらわれて自分が行動を起こす自信までなくしてしまうのは、もったいないことです。「バカと付き合わない」、「バカにならない」。本の中にはより多くの事例が載っており、自戒にもストレス発散にもなります。一緒にバカにならない術を探求していきましょう。著者:せいちゃん大学3年次よりIT系メガベンチャー企業にて半年間で1000時間のインターンを経験。19卒での就職活動の経験と「なりたい自分」になるための執筆経験を元に、unistyle編集部にてコラム執筆を担当。恋愛コンテンツクリエイターとしてnote、Twitterを中心に毎日発信中。【「愛してると言えるようになるまで」|Twitter@あんず飴】 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業界の裏事情がわかるかも!?オススメの社会人ブログ6選 業界の裏事情がわかるかも!?オススメの社会人ブログ6選 就活生の皆さんは社会人のブログを読んだことはありますか?実は社会人のブログでも業界研究をすることができます。ブログによっては内部のよりリアルな情報を出していたり、詳しい仕事内容が書かれていたりするので非常に就活に役立てることができます。そこで本記事では就活生の皆さんにより深く業界研究をしてもらうために、その業界で働いていた人、または今もなお働いている人のブログを総合商社業界・外資系コンサルティング業界・IT業界・食品業界にジャンル分けをして紹介します。また食品業界に特化したブログは見つけられなかったため、記事のみとなっています。自分の志望している業界や興味がある業界のブログをぜひチェックしてみてください。本記事の構成総合商社業界外資系コンサルティング業界IT業界食品業界最後に総合商社業界MARCH卒総合商社マン流CAREERHACKこのブログは若手商社マンにより総合商社の醍醐味とも言える海外駐在について書かれています。海外駐在のステータスと言われている「語学研究生」「実務研修生」「駐在員」の3つについてそれぞれ詳しく書かれているので、総合商社の中でも特に海外赴任を志望している就活生に読んでほしいブログとなっています。トップページはこちら【若手商社マン】海外赴任の際の3つのステータス現役商社マンの備忘録このブログは商社マンの実態や年収、ボーナスなど内部の情報について詳しく書かれています。商社マンがよく持たれている「年収が良い」「モテる」などといったイメージについても解説されているので、商社に興味がある、志望している就活生はもちろん、志望はしていないが「実際商社ってモテるの?」など商社の実態が気になる就活生も読んでみてもおもしろいのではないでしょうか。トップページはこちら●商社マンは激務なの?現役商社マンが商社マンの実態をお伝えします。●総合商社と専門商社の1年目の年収とボーナスについて●何をやっているの?「とある営業部に配属された商社マンの1日」を追ってみた!●商社で英語は必須?英語ができない営業マンが実際に体験した苦痛な業務●商社マンの海外出張事情は?初めての海外出張で感じたこと。総合商社業界の業界研究に関するunistyleの記事は以下になります。外資系コンサルティング業界現役外資コンサルタントの内情リークこのブログは元法人営業の現役外資コンサルタントをしている人が、外資系コンサルのリアルについて書いているブログです。内容としては、コンサルタントを目指している人に向けての面接対策などのテクニック関連や、外資系コンサルの強み、キャリア、業務内容などと幅広く書かれているブログとなっています。外資系コンサルタントを目指している就活生はもちろんですが、外資系の企業に興味がある就活生でも楽しく読めるブログです。トップページはこちら●【外資コンサルの就職偏差値を公開】外資系コンサルティングファームの人材の実情●【意外と普通】外資系コンサルタントの初任給は500万円程度その後の伸び方に違いあり!●外資系コンサルタントに新卒で入社するメリット・デメリット●現役外資コンサルが語る外資系コンサルティングファームBig4+アクセンチュアの評判は?●外資系コンサルタントの強みは「事象の分解(深さ)」と「経験からの類推(広さ)」そこのお前の外資系勤務と与太話ブログこのブログは外資系の企業で勤務している人が、外資系企業のリアルや裏話などについて書いています。中でも以下の記事は外資系企業勤務の正体について「英語編」「意識編」「個性編」「組織・文化編」「待遇編」「就活編」と6つに分けて詳しく書いてくれています。このように別々に細かく分けて書かれているので、外資系を志望している就活生の中でも知りたい情報が定まっている人にとっては特に読みやすいブログだと思います。また「志望しているが、全然知識がない」というような人でも、このブログは外資系のリアルな実態や、業界についても詳しく書かれているので、業界研究としてオススメです。※ちなみに外資系で紹介しているブログは勤務されている業界が定かではないですが、外資系企業を志望する就活生にとって参考になる内容であったため記載しています。トップページはこちら●【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~英語編~●【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~意識編~●【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~個性編~●【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~組織・文化編~●【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~待遇編~●【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~就活編~外資系企業の業界研究に関するunistyleの記事は以下になります。IT業界まいてぃのITブログ~フリーランスによるシステム開発~このブログはフリーランスSE(システムエンジニア)がプログラミングやフリーランスエージェント、SEの魅力など、IT全般の情報が書かれています。初心者にもわかるような記事が多かったり、初心者用の記事もあるため、「IT業界に興味はあるけどイマイチよくわからない」などと言った人でもわかりやすく読むことができるブログです。トップページはこちら●現役SEが語る、SEになって良かったこととは!?●未経験者にプログラミングの独学は難しいのか?仕事や人生がワクワクする!このブログはアクセンチュア、日立コンサルティング、日本HPなどを経て、コンサルテイング会社およびマッチング会社を立ち上げ、また大手ITベンダーにも所属している人のブログになります。内容としてはIT業界のニュースやIT業界の企業の選び方などについて書かれています。幅広く、複雑なIT業界をわかりやすく8つのカテゴリーに分けていたり、就活生が読んでも理解できるような内容となっているので、IT業界の業界研究をしたい人にオススメのブログとなっています。トップページはこちら●就活生のためのIT業界入門(その1)●アクセンチュアは不滅です!!:IT業界ウォッチャーシリーズ第7回IT業界の業界研究に関するunistyleの記事は以下になります。食品業界食品業界に関してはブログが見つからなかったため、食品業界で働いていた人が書いた記事を紹介します。記事の内容としては、実際の仕事内容や入社前後で感じたギャップといった職場のリアルについて書かれているため、食品業界のリアルな情報を知りたいと思っている就活生は参考にしてみてください。●食品業界の営業という仕事の特徴●食品業界・メーカーに就職した元OB社員のリアルなメッセージ食品業界の業界研究に関するunistyleの記事は以下になります。最後に本記事では各業界ごとに、その業界で働いているもしくは働いていた人が書いたブログを紹介しました。あまり業界研究として社会人のブログを読んでいるという人は多くないと思いますが、本記事を読んで少しでも業界研究としてブログも見てみようかなと思ってもらえれば幸いです。ブログを読む際に注意してほしい点としては、鵜呑みにしすぎないということです。ブログで書かれていることは一個人の考えや感想となるので、鵜呑みにせず参考程度にするようにしてください。今回紹介した以外にも、社会人が書いているブログはたくさんあると思うので、興味がある就活生はぜひ様々な人のブログを読んでみてください。【関連記事】 8,309 views

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