【第4回:現役コンサルタントが語る】「コンサルタント」という言葉の響きに憧れを感じた時に読む話

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最終更新日:2023年10月27日

【第4回:現役コンサルタントが語る】「コンサルタント」という言葉の響きに憧れを感じた時に読む話

企業研究

株式会社コーポレイト ディレクション(CDI)の現役コンサルタントによる全4回のシリーズ寄稿です。

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【前回の記事はこちら】
▶︎▶︎▶︎【第3回:現役コンサルタントが語る】解を導くのがコンサルの仕事か?

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戦略コンサルタントは、難しい問題にもパキパキと答えを出していくスマートな仕事、という憧れを抱いたことのある方もいるかもしれません。しかし、これまでの3回分のコラムを読んでくださった方であれば、戦略コンサルティングとは愚直に考え続けることが求められ、決してスマートな仕事ではないことがお分かりいただけたと思います。

すでにいい具合に「憧れ」を崩せているとは思うのですが、今回はさらに追い打ちをかけるべく(笑)、どういう心構えでこの業界に飛び込んでいただきたいか、お伝えしたいと思います。

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「自分の頭で考え続ける」ことのプレッシャーに耐えられるか?

第3回のコラムでは、戦略コンサルタントの本質的な価値は解を導くことではなく認識を示すことであること、また、認識を示すことがいかに大変かについて、お伝えさせていただきました。

認識にかかわるプロセスは、新米コンサルタントも熟練コンサルタントも平等にかかわることが求められます。

とはいえ、新米コンサルタントが最初から議論をリードできることはそうそうありません。ではどうすれば勝負できるかというと、事前にとにかく時間を取って深く考えてから議論の場に臨む、くらいしか方法はありません。概念的には、能力×掛けた時間=アウトプットの質、ですから、能力が不充分なうちはとにかく掛けた時間で勝負するしかありません。

しかしながら、新米コンサルタントはそれと同時に基礎力としての「解を導く力」も身につけていかなければなりません。いくら始めに「こうだと思う」と認識することが本質とはいえ、その後で思ったことが正しいと証明できなければ意味が無いからです。前回のコラムで挙げた例で申し上げると、解を導くための「高校までの勉強」と、解くべき問いを立てるという「大学の研究」を同時にやることが求められます。

よって、新米コンサルタントとして入社すると、まずは時間的プレッシャーと、自分の頭で考えて自分の言葉で何か言わなければならないという精神的プレッシャーにさらされることになります。新米コンサルタントの生の声として、「調査分析の作業に追われて大変だ」という言い方をされることがありますが、本質は少し違っていて、「調査分析の作業に追われながら、自分の頭で考え続けなければならない」ことが大変さの根源です。

作業時間の確保は最悪体力で何とかなりますが、自分の頭で考え自分の認識を示すことには、精神的なプレッシャーも伴います。プロジェクトチーム(およびそのメンバーである自分)の認識・発言で、クライアントの重要課題に関する明暗が分かれる。「そもそもこの『問い』を解くことが本当に正しいのだろうか」「本当にこの提言でよかったのだろうか」。こういった思いは、経験年数にかかわらずどんなコンサルタントでも常に持っている孤独な不安であると思います。常に不安と向き合っているからこそ、極端な話、報告の前日であっても、伝えるべきメッセージが違うと思えば報告書の大幅な組み直しも辞しません。

この考え続けるプレッシャーに耐えられるか、もしくはその状況すら楽しんでしまえるかは、コンサルタントとしてきわめて重要な資質になります。第2回のコラムで、考えることが好きな人を好評価しているとお伝えした根本的な理由は、ここにあります。

「腰を据えて」取り組む覚悟はあるか?

解を導く力は技能に近いので、一定以上の能力を持つ人であれば、しばらく時間を掛けて真面目に取り組めばできるようになる属性の能力です。一方、認識する力とそれを伝える力は、明確な正解が無い分、すぐにできるようになるものではない上、どこまで行っても究めきったというゴールが無い属性の能力です。

コンサルティングの本丸である認識の領域で充分なパフォーマンスをするには、個人的な目安としては最低でも3年以上は腰を据えて取り組む必要があると思いますし、そこから先は何年働いてもゴールは無いと思っています。無論、ただ年数を過ごせば良いわけではなく、その間ずっと、前述の精神的プレシャーにさらされ続けることになります。

実際に、私自身もコンサル業界の平均勤続年数と言われる3年よりも長く働いていますが、できるようになったことが増えた分だけ(あるいはそれ以上に)できないことが見えてきて、特に認識を示すという点では、まだまだ先は長いという思いです。(私が根から優秀なタイプではないので時間がかかっているという要因もあるでしょうが(笑))。

もちろん、3年経たずに他にもっとやりたいことが見つかって業界を離れる人もたくさんいますし、私達もそういう場合は喜んで送り出しています。ですがそれはあくまで結果論であり、入社する時点から数年での転職を前提にしている人は、じっくり考え続けるというこの仕事には合わないと考えます。何より、コンサルティングの本丸である認識を示す仕事に特に興味が無いまま入社し、深く携わることなく短期間で出て行ってしまうのは、単純にもったいないと個人的には思います。

CDIのように少人数採用のファームは特に、入社前に「腰を据えて」取り組む覚悟があるかどうかをしっかり見極めるために、採用される側とする側が悪い面も含めて「本音で」語り合って合意形成することを大切にしています。過去に多数の企業の選考を受けたことのある弊社の中途社員の中には、「面接でこんなにネガティブキャンペーンをされた会社は他に無かった」と言う人もいるほどです(笑)。

戦略コンサルは「勉強の場」として目指す場所ではない

ここまで考えると、よく言われるような「勉強になりそうだからとりあえずコンサル」といったモチベーションだけで続けられるような仕事ではないことがお分かりいただけると思います。

こういった場合に勉強したいこととして挙げられる内容も、表面的であると感じることが多いです。「パワーポイントやエクセルができるようになりたい」という方には、それができて何になりたいのかを問いたいですし、「とりあえずMBA(注)を取りたい」という方にも、それによってどうなりたいのかをしっかり考えてもらいたいと思います。

MBA取得に関しては、もちろん知識・人脈等あらゆる面でプラスがあるのは確かですが、コンサル出身者に限らずMBAホルダーが増え、MBAを持っていること自体では明確な価値を認められなくなってきているのも事実です。また当然ながら、MBAを持っていなくてもビジネスのあらゆる領域の最前線で活躍している方はたくさんいます。

大事なのは、膨大なお金と時間を掛けてMBAを取得して、その結果どんな自分になりたいのかを徹底的に問い続けることです。それによって初めて、コンサルからMBAを取得することの、自分だけの価値を見出すことができます。

将来自分で事業をやるための勉強として、まずはコンサルを経験したいというモチベーションも聞かれます。これに関しては、自分で事業をやることとコンサルタントであることは根本的に性質が異なるので、経営者としての勉強という目的は、コンサルタントとしての経験では充分には達成できないと考えます。例えるならば、経営者は自分でレールを敷きその上を自分が走る仕事、コンサルタントはレールを走る経営者と並走する仕事です。並走者としてのコンサルタントは、基本的に表に立つことはありません。経営者が社員の誰にも言えない孤独・悩みを打ち明けることができ、時には耳の痛いことも言ってくれる、そんな「良妻」とも言うべき立場です(笑)。

初めから経営者になりたいという明確な目的があるのならば、とにかくレールの上を自分が走る経験を積むべきです。今は学生さんでも起業しやすい環境ですし、そういった機会を積極的に活用して失敗も積み重ねながら実践経験を積む方が近道ではないでしょうか。

ただ、繰り返しになりますが、結果的に短期間でコンサル業界を離れ他の様々なフィールドで活躍する人(起業する人も含め)はたくさんいますし、それは非常に奨励すべきことです。コンサル業界が優秀な人材のプールになっていると言われるのも、同じく結果論です。初めからスキルをつけることだけを目的にコンサル業界を目指すのは筋違い、目的と結果を混同しないでいただきたい、ということです。

「自分の言葉」で就職活動をしてほしい

ここからはかなり個人的な思いになりますが、戦略コンサルで勉強しておいた方が良いのではないかという考え方が出てくるのは、就職先を選ぶときに、自分がやりたいことをベースにして考えるのではなく、他人からの評価をベースにしているからではないかと思います。

「新卒で○○に入っておいた方がいいですか?/××に入るのはやめた方がいいですか?」といった質問を受けることがたまにありますが、「あなたのやりたいこと」がわからないと、答えられません。

やりたいことがまだわからなければ、今の時点で何となくでも興味のあることや、他人から評価されやすいことをとりあえず選んでみるというのも一手です。大事なのは、わからないなりに自分で基準を決めて自分で選択することです。

これはコンサルに限った話ではないと思いますが、面接官は、あなたが何に対してやる気のスイッチが入るのかや、何に対して憤りを感じるのかなど、生き方の価値観を丸ごと知りたいと思っています。特にCDIのように、規模が小さく、ひとりひとりの考える力というきわめて定型化しにくいものに頼っている企業は、なおさらです。

余談になりますが、3年以内で辞める新社会人が多いことの一因は、企業も学生も、ノウハウ化された型に頼った採用・就職活動をしていることによって、お互いの本音をきちんとわからないまま採用をしてしまっていることにあると思います。だからお互い後になって、「こんなんじゃなかった」という結果になってしまうのではないでしょうか。

ですので、ぜひ自分の言葉で就職活動をしていただきたい、と思います。業界本に書いてあることや面接の問答例に書いてあるような言葉しか出てこない人は、自分の頭で考えていないな、と思ってしまいます。奇をてらって変わったことを言わなければならないということでは決してありません。「本当にやりたいことはまだわからないけれど、コンサルの●●というところに興味があるので、とりあえず受けてみました」でも構いません。正直なあなたの体験を、あなたの言葉で、教えてほしいです。

今回の連載は、ここで結びとなります。これまで4回に渡ってお付き合いいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

外側からは見えにくい業界の中身をお伝えするのが本連載の目的ではありましたが、「認識を示す」話など、実際に何年か働いてみないとわかりづらい部分は、結局抽象的にならざるを得なかった面もあります。しかし、学生さんの段階では中身をすべて理解している必要はなく、興味を持っていただければ充分だと思います。

戦略コンサルティングという業界についてもっと知りたいという興味を持ってくださった方、ここから先は働きながら学ぶ領域です。ぜひ門を叩いてみてください。採用選考でお待ちしています。

シリーズ一覧

▶︎▶︎▶︎「売上2倍」系GDの背後に見える、表面的ディスカッション力の横行

▶︎▶︎▶︎【第2回:現役コンサルタントが語る】コンサルの面接・GDで評価されない典型と「処方箋」

▶︎▶︎▶︎【第3回:現役コンサルタントが語る】解を導くのがコンサルの仕事か?

▶︎▶︎▶︎【第4回:現役コンサルタントが語る】「コンサルタント」という言葉の響きに憧れを感じた時に読む話

 

【筆者紹介】


佐藤  沙弥(さとう さや) 京都大学経済学部卒業後、株式会社コーポレイト ディレクション(CDI)に入社。 IT事業会社の新規事業開発支援、食品会社のマーケティング戦略立案、サービス事業会社の店舗網再構築のアドバイザリーなど、消費者向けサービス提供会社のプロジェクトを中心に経験。CDIの新卒採用活動にも携わる。

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(注)MBA:Master of Business Administrationの略称で、経営学修士号の意。 ビジネススクールと呼ばれる経営大学院で、通常1〜2年の間に必要な単位数についてある一定以上の成績を修めることで取得可能。

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奨学金を利用している学生のみなさん。卒業後、奨学金の返済はすぐに迫ってきます。就職活動の時期から、返済を視野に入れていく必要もあるかもしれません。今後も奨学金を肩代わりする制度を導入する企業が増えることが予想されています。このような視点も含めて、ぜひ就職活動してみてください。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。参考記事 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【20卒体験談】まちづくりをしたい私が”デベロッパー”ではなく”鉄道会社”を選ぶまでの話 【20卒体験談】まちづくりをしたい私が”デベロッパー”ではなく”鉄道会社”を選ぶまでの話 この度unistyleにて記事を投稿させていただくことになりました、20卒の内定者です。はじめに簡単な自己紹介をします。・都内の大学院に通う修士2年の学生・土木工学を専攻し、まちづくりに興味をもった状況で就活をスタート・最終的に大手私鉄会社に内々定まちづくりの会社ときくと、多くの方は真っ先にデベロッパーを思い浮かべるかと思います。もちろん、私も最初はデベロッパーを志望していましたが、最終的には鉄道会社を選択することになりました。今回は、なぜまちづくりをしたい私がそのフィールドとして”鉄道会社”を選んだのかについてお話できればと思います。本記事の構成なぜ鉄道業界を選んだのか大学院生の効率的情報戦略さいごになぜ鉄道業界を選んだのかまちづくり≠デベロッパー就職活動を開始した修士1年の6月頃、人の生活の基盤となるまちづくりに携わる仕事に就きたいと私は漠然と考えていました。とはいえ、それだけではどの業界を見ればいいのかさえ定まらず、夏インターン選考のES〆切が迫ってくる中で、一足はやく就職活動を終えたM2の先輩に相談してみると、こんな返事が返ってきました。「‘まちづくり’だと示す範囲がひろすぎる。もう少しその中で何がやりたいかを明確にした方がいい。」確かにその通りで、多くの業界(行政、ゼネコン、デベロッパー、鉄道会社、建設コンサルタント、etc)が何かしらの部分でまちづくりに関わっており、その関わり方はオーバーラップしている場合もあれば全く異なる場合もあります。例えば、法律や制度という観点で関わりたければ行政、実際にものをつくるのであればゼネコン、プランニングであればデベロッパー、といった具合に業界によって活躍できるフィールドが異なります。不動産業界の仕事は大きく分けて開発/販売・仲介/管理という3つに分類することができます。(中略)ハウスメーカーは住宅デベロッパーとも呼ばれますが、その名の通り住宅の開発を行っています。この「住宅デベロッパー」ような特定の分野での開発を行う会社は専門デベロッパーと呼ばれています。対して総合デベロッパーは住宅に限らずショッピングモールやリゾート地などの大規模な開発を行なっており、「街づくり」を担っていると言えます。参考:上流計画から出来上がりの部分まで関わりたい6月の段階では、まちづくりのどの部分に関わりたいのか明確に定まっておらず、また各々の企業がどのように関わっているのかの理解(企業研究)も浅い状態でした。そこで、夏インターンでは各業界研究を目的とし、「まちづくり」をキーワードに様々な業界の企業のインターンに参加しました。様々な企業のインターンに参加していく中で、まちづくりの上流(構想、プランニング)から下流(建設、マネジメント)まで全てに関わることのできるデベロッパー業界に興味を持ち、夏の終わり頃にはデベロッパーと鉄道デベに志望が固まっていました。中でもデベロッパー業界に惹かれた理由は大きく次の2点になります。どんなまちをつくるのか、というプランニングの部分に携わることができる実際に建物を建てた後、それで終わりではなくその先のマネジメントの部分にも関わることができるデベロッパーへの違和感、鉄道業界という選択夏のインターンを経て、デベロッパー・鉄道業界が第一志望となった私は、その2業界に絞って就活を進めていきました。しかし、OB訪問や説明会など企業研究等を進めていくうちに、自分の中でデベロッパーに対して違和感を持つようになりました。違和感の原因を突き詰めてみると、自分自身の就職活動の軸とのズレが原因であるとわかりました。そもそも、私は企業選びの軸を大きく2つ持っていました。1点目は地域スケールでの面的なまちづくり、2点目は中長期的な視点でのまちづくりです。大学・大学院と土木工学を専攻していたことで、目立たずとも人々の生活を身近なところで支える公共性の高い社会インフラの重要性や、社会インフラの開発における中長期的なものの見方の大切さは学んでいました。また、まちづくりに関しても単に建物を建てるだけではなく、地域単位でどのようなまちにしていくべきかというマインドが体に染みついていたことも企業選びの軸設定に影響があったと思います。そういった点で、不動産の開発がメインであり、建物の資産価値を高めることで高い収益性を出していき、開発エリアがある意味限定されないことから、投資・開発・回収を比較的短いサイクルでかつ様々な場所で展開していくデベロッパーは、私の中では、点的で短期的なまちづくりであるように感じられてしまいました。一方で、鉄道や不動産、生活サービスといった多様な事業領域の総合力を活かし、建物自体ではなく沿線地域全体の資産価値をあげることを主目的として、中長期的な視点で面的な開発を進めている鉄道会社に、より魅力を感じるようになりました。開発エリアが限定的という欠点もありますが、地に足のついたまちづくりをしていきたいと考えていた私にとっては、沿線から逃れられないという部分はむしろプラスに働きました。大学院生の効率的情報戦略就職活動はある意味婚活?に近いものであり、数ある企業の中から如何にして自分と相性の良い企業を見つけるか、が大事だと考えていました。例え同じ業界で同じような業務を行っていたとしても、社内の雰囲気などは企業によって大きく異なるということは、先に就職された方々にお話を伺うと明確でした。一方で、企業との接点の持ち方も多様な形態があり、研究と就活を両立させる必要のあった私にとっては、如何にして効率よく情報を収集していくかが重要なポイントでした。そこで、数ある情報媒を自分なりに分類(下表)し、各企業における現状の理解度と照らし合わせながら、次にやるべきことを明確にて実行しました。例えば、夏インターン選考では、簡単な企業研究とインターンで何を得たいのかを明確にしておけば十分なので、選考前に説明会やHPをみて、その企業の基本的な情報は押さえつつ、簡単にその企業でどのような仕事がしたいのかのイメージを持っておきます。そして夏インターンで興味のある部署がどのような業務に取り組んでいるのか理解するのと同時に、社員の方とコネクションを作ります。夏にコネクションを作っておくことで、私の場合、秋以降は社員訪問を多く行い、自分のやりたいこと、その企業でできることをより具体的にしていきました。こうすることで、本選考の際のより踏み込んだ質問に対しても自信を持って答えることができました。さいごに選択した私鉄会社が果たして正解だったのか言われると、私自身答えはまだわかりません。もしかしたら数年後に今の選択を後悔しているかもしれませんが、そもそもまだ働き始めてすらいません。複数社から内定を頂き、どこを選択するか悩んでいた時、ある企業の人事担当の方がおっしゃっていたことが今でも記憶にのこっています。何が正しいのかで選ぶのではなく、選んだ先があなたにとって正しく、むしろ正しかったといえるように努力をすることが大事だ。未来を予測することはできても、未来を当てることはできません。新卒カードはもちろん貴重なものではあるので、人生の大きな節目となる就職活動は慎重になると思いますが、いつだって頑張るのは現在だと思います。【参考記事】・・・・ 35,647 views
みずほFG人事部次長のインタビューから考える、銀行志望初心者が押さえたいポイント みずほFG人事部次長のインタビューから考える、銀行志望初心者が押さえたいポイント こんにちは、理系16卒の銀行内定者です。先日、日経ビジネスオンラインでみずほFGの人事部採用総括次長のインタビューが取り上げられておりました。銀行に少しでも興味がある、就職活動を始めたばかりの学生向けに書かれた記事のように感じられました。今回は、この記事を読んだ上で銀行業や内定獲得について金融内定者として分析していきたいと思います。「unistyle就職活動意識調査結果概要」を参照してもわかるように、日系銀行は人気ランキングの中で、総合商社に次いで業界人気が2位となっております。採用人数も多い分、総合商社ほど狭き門というわけではありませんが、多くの志望者に埋もれず金融機関の面接官にしっかりと評価してもらうためにも、以下のポイントを意識して頂けると良いのではないかと思います。本音と建前を見極める金融業界の一部では本音と建前を見極めることが重要だ。例えば、企業説明会への参加回数は採用とは関係ないとする企業が大半だが、「ある企業ではしっかりカウントされていた」(金融機関内定者)。他の大手金融機関でも参加回数に言及された例があった。金融機関を本気で狙うのであれば、相応の情報収集や行動力が必要だ。参照:「みずほFG、多様な銀行の姿を知ってほしいグループ人事部採用総括次長の河野篤哉氏に聞く」上記の文章の中では具体的な金融機関の名前は明言されておりませんが、額面通りに言葉をとらえてしまうとその後の選考に繋がらないケースが筆者の場合も就職活動初期は何度かありました。「インターンの参加実績はその後の選考と関係がない」といった文言や、面接が終わったあとの逆質問は評価対象ではないといったことも同様に本音と建前があると考えられます。学生の人となりは会社に入ってから出るまで観察していてもおかしくはないということを念頭に入れて就職活動を進めてほしいと思います。銀行業をしっかり理解する銀行のイメージというと、融資や預金といった馴染みの業務がまず浮かぶかもしれません。ただ、実際はそれ以外にも幅広い業務を行っています。<中略>金融機関は業務上、社内外の人と協力して働く機会が多くあります。だからこそ、できるだけ多くの面接者の目線で、志望者の人柄を丁寧に判断したいというのが、採用の基本スタンスです。参照:「みずほFG、多様な銀行の姿を知ってほしいグループ人事部採用総括次長の河野篤哉氏に聞く」個人的には、就活生にとっては融資や預金よりも国際業務や投資業務といった花形部門の仕事のイメージが先行しがちなのではないかと思いますが、大事なのは銀行という業界は融資や預金をメインに、様々な業務を担当しているということです。読者の皆様の中で、銀行員として働く上では是非この業種を担当したい!という望みがあっても、その業種を未来永劫担当できるわけではないということは念頭に置いた上で銀行業を志望する必要があると言えます。例えば、昨今では「フィンテック」と呼ばれる金融とテクノロジーの融合が盛んに推し進められていることから、これからの新入行員は好き嫌い関わらずITと関わる時代が来るかもしれません。銀行業の仕事内容を理解する上では、実際に銀行で働く社会人のキャリアや意見を知ることが効率的だと思います。以下も参考にしてみてください。参考:「みずほフィナンシャルグループ新卒採用情報サイト<みずほ>の人」銀行の内定に結びつく学生の特徴知的好奇心やグローバルな視点があるか、行動力はどうか、といった事柄に重点を置いています。面接では、どのような人物なのか、これまでどのような考えを持って行動してきたのか、など対話を通じて、いろいろな角度から人柄を見せてもらいたいと思っています。銀行員の仕事は何事にも興味を持てないと務まりません。そして、繰り返しになりますが、社内外の様々な関係者と協力してハードルを越えていく仕事でもあります。その中で様々な業種、業態の多様な世界と接することができます。結果として視野が広がり、人間的な幅も広がっていくのは魅力です。顧客企業が成長することで得られるやりがいも大きいと感じています。参照:「みずほFG、多様な銀行の姿を知ってほしいグループ人事部採用総括次長の河野篤哉氏に聞く」上記のみずほFGが重点を置くポイントは、みずほに限らずどのような業界や会社でも重視されると考えられます。その中でも、筆者の周囲の銀行内定者を見ていると、知的好奇心の強さが如実に顕れているように感じます。「銀行に入社したら、まずは支店でリテールを務めて、そこで結果を出して大企業営業を担当し、ゆくゆくはプロジェクトファイナンスのような大型案件に関わりたい。日本経済の発展を支援できるようなバンカーになりたい。…」というように自身のキャリアや夢については活き活きと話している印象を受けます。また、筆者は理系出身で、就職活動を始めた当時は銀行は文系の仕事と考えがちでしたが、内定して蓋を開けてみれば理系出身者や院生の内定者もちらほら見受けられました。実績ではなく、自らの強みややりたいことベースで業界選びをしてほしいと思います。強みという点に関しては、是非以下の記事も参考にしてみてください。参考:「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」アピールする内容や順番は面接で統一すべきみずほFGに限りませんが、金融業界では様々な面接官がいろいろな角度で人柄を見ていたと感じます。一次面接から最終面接まで毎回学生時代頑張ったことを聞かれた金融機関もあり、面接官は必死にメモを取っていたのになぜわかりきったことを何度も聞くのか?と当時は疑問でした。しかし、これも学生時代頑張っていた経験や話しぶりから感じられる印象を面接官がチェックしていたと考察すると合点がいきます。これこそが「いろいろな角度で人柄を見ていること」にほかならないのではないかと思います。以下の内定者による選考情報にもありますように、話す内容の辻褄を合わせることや、面接官によってアピールする内容を変えるといったことは危険であることが伺えます。面接において印象に残った・回答に困った質問を教えてください。面接官は非常に温厚な方が多く、話しやすい雰囲気だった。特に回答に困った質問はなく、オーソドックスな質問ばかりだった。学生時代に頑張った取組について毎回聞かれる。面接・GDなど各選考フローにおいて心がけていたことを教えてください。面接では具体性を持って話すことを心がけた。定量的に表したり、そのときどのように感じたかなど、そうすることでエピソードにオリジナリティが出ると思った。面接が進むにつれて何度も同じ質問を聞かれるが、辻褄があわなくなるようなことだけは絶対にあってはいけないと思った。参照:「みずほフィナンシャルグループ本選考情報(7)(総合職)」最後に〜エントリーの門は慎重に選ぶ〜最後になりますが、金融業界を志望する上ではエントリーする部門はしっかり見極めて応募すべきだと思います。「オープンorGCF・GFI・GM?みずほFGでどのコースを受けるべきか」で内定者が考察しているように、コースによって自らのキャリアがある程度固定されることも考えられます。3月の企業の情報解禁の手前、今からできることというと限られてきますが、銀行業の自分なりの理解や学生時代の経験の整理、筆記テスト対策など準備を始めても遅くはないのではないでしょうか。参考:「17卒就活生が年末年始にやるべきこと」photobyMartinThomas 24,387 views

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