【ヘルスケア業界orNOT】幅広い選択肢で就活に納得感を与える日本薬科大学
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最終更新日:2025年01月16日
日本薬科大学就職課の職員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。
・日本薬科大学に通っていて就職課の実績や取り組みを知りたい学生
・受験する大学を探している高校生
- 本記事の構成
- 日本薬科大学就職課とは
- 「薬学部だからといって選択肢を狭めないで」就職課の熱い想い
- リアルな視点からの業界・企業比較によって働くイメージが明確に
- 個々の意思を尊重する支援が多業界への就職につながっている
- 低学年のうちから就活への意識を上げられるように
- 高校生に向けて「大学に入ってからでも視野を広げられる!」
- 不安をバネに、未来への期待がいっぱいな就職活動へ
- 取材後記
日本薬科大学就職課とは
取材した方のプロフィール
就職課職員。2023年4月に入職。
現職の以前は予備校の教室長を務めており、学生を送り出す側から受け入れる側に。
日本薬科大学とはどんな大学?
2004年4月に開学しました。
さいたまキャンパスとお茶の水キャンパスを構え、1学部2学科制で、薬学部が6年制の薬学科と4年制の医療ビジネス薬学科に分かれています。
「個性の伸展による人生練磨」という建学の精神を掲げ、ヘルスケア業界で活躍する人材の養成を目指しています。また、地域連携にも力を入れており、社会人教育や高校生との商品開発などの取り組みを行なっているのも特徴です。
産学官連携について
(日本薬科大学HPより拝借)
就職課とは?
さいたまキャンパスとお茶の水キャンパスそれぞれに組織を構えており、両学科に対応したイベント企画や学生の相談に乗っています。
教員と職員で構成された就職委員会は、就職支援と実務実習支援の二軸で学生支援を行っています。さらに、学外企業と協定を結び、インターンシップを実践するための授業も運営しています。
「薬学部だからといって選択肢を狭めないで」就職課の熱い想い
就職課の目指す姿
就職課はどのようなことを目的としている部署ですか。
小林さん:薬学科でも医療ビジネス薬学科であったとしても、志望企業・業界に進めるようにというのはもちろん、何より学生の納得できる就職活動を実現できるようにサポートしております。
就職活動が終わった後に「これでよかったのかな。」「もっとちゃんとやればよかったな。」という学生が中にはいるので、そうなる前に広い視野が持てるような支援がしたいと思っています。
薬学部ということである程度決まった進路に進むのかと思っていたので、幅広い選択肢があるということに驚きました。
小林さん:薬学科で必修の実務実習には、薬局実習と病院実習があるのですが、どうしてもその二つから進路を決めようとする学生が多くなってきます。でも中には、医療系の本を出す出版社や人材会社に就職する学生もいるので、選択肢の多さを伝えられるようなイベントづくりに努めています。
就活を学生にとって納得感のあるものにしてほしい
実際に学生と接するときどのような想いで接していますか。
小林さん:本人の意思をできるだけ尊重しつつ、そのうえで選択肢を提示してあげられるように、そのバランスを大切にしていますね。我々が言ったからそうするではなくて、どうしてそうしたいかを言語化できるようにコミュニケーションをとって、納得感のある就職活動ができるようになってほしいという想いがあります。
リアルな視点からの業界・企業比較によって働くイメージが明確に
ランチョンセミナーの様子
(日本薬科大学HPより拝借)
様々な就職支援取り組み
実際に日本薬科大学の取り組みについて、いくつかお話していただいたので以下に紹介します。
ランチョンセミナー
・時期
前期・後期で実施 1年で10~12回
・概要
多様な業界の企業を大学にお呼びして開催する業界研究セミナー。大学の中で昼休みにお弁当を食べながら、企業の選考や業務内容についての説明を聞くことができる。
・ポイント
調剤薬局同士やドラックストア同士、病院と調剤薬局など、一度に2社が参加するセミナーを行うこともある。その他コンタクトレンズケア用品のメーカーなどが参加することもある。
同一業界の2社が参加する場合は、企業比較が可能となる。例えば調剤薬局であれば、門前薬局と駅前薬局の違いや、全国展開や地方展開の違いによる転勤の有無、採用過程の違い、福利厚生の違いなどを比較することが可能になる。
キャリアトークカルテット
・概要
卒業生を招いた業界研究セミナー。異なる業界に就職した卒業生複数人に参加してもらい、在学生から募ったテーマをもとにパネルトークを実施
・ポイント
後輩の疑問や各業界へのイメージに対して卒業生が答えるパネルトークイベント。今年度は、病院・製薬・調剤・ドラックストアの4業界で活躍する卒業生がそれぞれの視点から質問に回答した。学生はリアルな視点を獲得し、企業選びに活かすことができる。
公務員ガイダンス
・概要
資格の大原の方に講演を依頼し、ガイダンスを実施。
学生支援団体きゃりさぽ
就職支援において何か特徴的な取り組みはございますか?
小林さん:学生支援団体としてきゃりさぽという組織を立ち上げまして、その運営にも携わっています。
そのような組織をつくることでどのような効果があるのでしょう?
小林さん:特に国家試験合格を目指す薬学科では勉強に重きを置く人が多くて、そうするといわゆるガクチカがないという悩みに陥る学生がいます。そういった学生の悩みを解消できるかなと思っています。参加希望の学生を募って、就職活動やキャリアに繋がる企画を考え実現してもらうことで、自分たちの就活力をつけてもらうことにもつながるので、一石二鳥になるのではないかと思って発案しました。
学生になにか変化は見られましたか?
小林さん:自分たちで作った企画や冊子などが成果として残り、それに対して反応がもらえるということ自体が大きいことだと思っています。それだけで十分ガクチカにもなりますし、支援を受ける学生だけでなく、支援活動に参加している学生側が成長できるということが何より大きなポイントですね。私たちはうまいこと橋渡しになれればいいなと思って見守っています。
学生から評判の良い取り組み
学生にこれまで評判の良かった取り組みは何でしょうか?
小林さん:ランチョンセミナーや卒業生によるパネルトークは参加して良かったという声が多いですね。セミナーが終わったとたん質問に行く学生もいっぱいいるので。こんなことを知りたい!という声を取り入れるために、学内にホワイトボードを設置して、学生の質問を集めるという工夫もしました。
キャリアトークカルテット
下部が事前に学生が回答した業界イメージ、上部は就職課が集計してまとめたもの
個々の意思を尊重する支援が多業界への就職につながっている
令和5年度卒業生実績
(日本薬科大学パンフレットより拝借)
就職支援実績
就職支援実績についてお聞かせいただけますか。
小林さん:令和5年度卒業生の就職率は両学科とも96%を超えています!ドラッグストアや調剤薬局、病院に就職する学生が多いのですが、中には公務員になったり、人材会社や銀行など一般企業に就職する学生もいます。
低学年のうちから就活への意識を上げられるように
早期選考に対応できるように早い段階からのサポートを
本年度内でどのような就職支援活動を予定しているのかを教えてください。
小林さん:これまでは、薬学科の5年生を対象に11月に学内合同企業研究会を行っていました。しかし、5年生は実務実習の期間ということもあって、実務実習の前の段階でもう少し視野を広げてあげることが重要だと思いました。そこで、4年生の2月の段階で合同企業研究会を行うことを予定しています。
お茶の水キャンパスでは、4年制の3年生に対して2月に合同企業研究会を行う予定です。
中長期的にはどのような就職支援を行っていくのでしょうか?
小林さん:就職活動において早期選考が増えてきていますよね。それを前提として、低学年から意識を上げられるようにイベントを実施したいと思っています。また今年度は初の試みとして、4年制の学生全員に対して、3年次に面談を実施しました。
学生全員との面談はすごいですね!
小林さん:自分から相談できない学生もいるので、とにかくそのハードルを下げてあげたいという想いです。規模が大きすぎない大学だからこそできることかなと思っています。
高校生に向けて「大学に入ってからでも視野を広げられる!」
コラボ商品試食会の様子
(日本薬科大学HPより拝借)
日本薬科大学×高校生×企業の地域連携への取り組み
高校生やその保護者向けに何か伝えたい内容はございますでしょうか?
小林さん:ヘルスケア業界への就職実績はやはり強みだと思います。だからといって業界を限定することなく、支援していきたいと思っています。また、本校では学生一人一人にアドバイザーとして教員がつくので、先生方とも連携して支援を行っていくことができます。
地域との連携というところでは、高校生とのつながりもあるのでしょうか?
小林さん:例えば、本校の4年制の学生は、成立学園高等学校様と株式会社なとり様とコラボして、コラボ企画商品「チープリテイン」を開発し、それぞれの学園祭で販売しました。また、秋田県立大曲農業高等学校様とフジパン株式会社様と協力して「スナックサンド」を開発し、販売しました。他にもこのような高校生と協同した取り組みを実施しております。
開発したスナックサンド
(日本薬科大学HPより拝借)
高校生に向けて就職課から最後に一言
高校生に向けて最後に一言お願いします!
小林さん:薬学部は薬剤師のイメージが強いと思うのですが、実際に様々な業界に進む学生がいます。もちろん就職率も大事ですが、具体的にどのような業界に進んでいるかも調べてみてほしいと思っています。
本校の6年制には人材業界や出版業界に進む学生もいたり、公務員になる学生もいます。また、4年制ではヘルスケア業界以外にも人材業界や自動車業界を志す学生がいますし、部活動での経験を活かし実業団を選択する学生もいます。選択肢が本当に広いということはお伝えしたいですね。
不安をバネに、未来への期待がいっぱいな就職活動へ
最後に学生に向けてメッセージをお願いします!
小林さん:世間話もいつでもOKです!何気ない普段の会話から見つかることもあると思うので、ぜひ就職課に足を運んでほしいですね。
就活っていうのはどうしても不安がつきものなんですけど、それよりも将来の選択肢がどれほど多いのかであったり、働いてみて分かる楽しさもあるので、それらを見据えてどうせなら就職活動を楽しんでほしいですね。
取材後記
薬学部の学生は、ある程度決まった進路に進むのだろうと思っていました。しかし、薬学部だからこの業界に進まなければいけないということはなく、職員の方は学生の選択肢を広げてあげることを大切にしていることが分かりました。
日本薬科大学就職課では、薬学部向けのサポートをしつつ、面談などを実施して個々の意思に寄り添う体制が整っています。就職活動において、周りとの差を感じて悩んだり、自分のやりたいことが何かわからない人は、一度就職課の職員の方に話してみると良いのではないでしょうか。
日本薬科大学就職課についての詳細は以下のリンクから確認ください。
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