ユニ・チャームのES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ
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最終更新日:2021年01月05日
ユニ・チャームは、1961年の創業以来、約50年間で売り上げは約7000億円にまで成長し、営業利益と共に成長を続けています。
「日用品・消費財メーカー比較-花王・ユニチャーム ・ライオンの強みや社風の違いとは-」でも紹介しましたが、海外売上比率は60%を超えており、国内景気に左右されない堅実な経営を行っています。
まずはユニ・チャームの事業事例から、どのような人材が活躍しているか見ていきましょう。
他社の商品もふくめて、どうすればお得意先様のベビー用品・大人用おむつや生理用品などの各カテゴリーの収益を最大化できるかを考え抜いて、商品展開・プロモーション戦略を検討し、提案しています。
特にチェーン本部向けの営業は、全国の店舗を網羅する大きな戦略が求められますので、バイヤーもその提案内容をよりシビアにジャッジする。
商品の陳列方法に始まり、チラシに掲載する商品の決定や新商品導入に至るまで、どのメーカーのどの商品で目標売上を達成していくか、ユニ・チャームや一人の営業という感覚よりも、お客様であるドラッグチェーンの社員であるかのように、同じ目線で提案を続けています。
業界ナンバーワン企業として、市場全体を俯瞰して見渡せ、また、全国の店舗を巻き込んだ大掛かりな戦略を組み立てられるユニ・チャームならではの役割であり醍醐味だと思います。
参考:ユニ・チャーム採用HP 社員インタビュー
ユニ・チャームでは、新入社員はまず営業からキャリアをスタートすることからも、エネルギッシュで外向的な人物を求めていると思われます。
商品の陳列方法から、新製品導入まで幅広く提案することが求められるため、顧客以上に顧客の取り巻く環境に敏感でなくてはならず、日頃から努力を重ねる必要があるでしょう。
顧客から見て外部の人間という異なる立場である営業社員は、信頼を得てプローモーションを引っ張るリーダーシップによって仕事の出来が左右されると言えそうです。
「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」に照らし合わせて考えると、上記のような仕事内容では下記のような資質を持つ人材が求められると言えます。
1.個人として努力し、成果をあげることができる
2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる
ユニ・チャームには「尽くし続けてこそNo.1」という考え方があり、どうすれば顧客の売上に貢献できるかを日々考え続ける姿勢が求められます。
ユニ・チャームの本選考ES設問
あなたはどうしてユニ・チャームを志望しますか。働くフィールドとしてユニ・チャームでなければならない理由は何処にありますか。(400字)
一つ目の設問
学生時代の経験について、その目的も含めて書くように求められています。
ユニ・チャームにかぎらず、「なぜその取り組みを行ったのか」については頻繁に問われる部分ですので、この設問で整理して他社の面接でもスムーズに回答できるようにしましょう。
体育会昇格を目指す学内唯一の競技フットサルチームでの活動。1年生から3年生までの3年間続け、3年次にゲームキャプテンを務めた。
4学年合わせて50名ほど在籍し、体育会昇格のため結果にこだわり、本気で取り組んでいる。私はゲームキャプテンとして日本一の組織に作り上げたかった。それはやらされるのではなく自主的に何事も取り組む組織だと考えている。
組織の自主性を生み出すために、言動よりも行動に重点を置き、先頭に立って何事にも取り組んだ。具体的には苦手な走りの練習でも先頭で走る・練習の合間を早く切り上げ、次の練習の準備をするなどまずは行動で自主性を促した。
その他にも練習前になぜこの練習を行うのかという練習の目的を説明し、一貫して考えて動く「考動」の意識を植え付けた。一人一人が自主性を持つことで組織としての力も増大し、最終的に滋賀県大会優勝、関西大会ベスト4を成し遂げた。
このESでは、体育会昇格のためにゲームキャプテンとして組織作りに取り組んだ経験について書かれています。立場の異なる平部員の同意を得てリーダーシップを発揮し自主性向上に取り組んでおり、ユニ・チャームの求める人材像の3つの要素を発揮して成果をあげることができることをアピールしています。
「なぜ」の意識を持って練習に取り組んでいる点で、提案型営業の適性が高いと評価されたのではないでしょうか。
二つ目の設問
志望動機について問われています。
ただの志望動機ではなく、「他企業ではなくユニ・チャームでなければいけない理由」を問うているところが、相手に否定されても食らいつく営業社員としての適正を見極める意図があると感じられます。
面接でも同様の質問があったようなので、対策は必須でしょう。ユニ・チャームが扱う商材はベビー用おむつや生理用品などで、先進国における高齢化問題や新興国における衛生問題に対して価値を発揮してる企業です。自身の経験を踏まえながら消費財メーカー、ひいてはこうした特徴を持つユニ・チャームを志望する理由について論理的に書きましょう。
以下では、学生のESの例を見ていきます。
東南アジアへ行った際「同じアジアなのに、ここまで衛生状態が異なるのか!」と感じ、「清潔で健やかな世の中を創りたい」という夢を抱き、これを最も身近に実現できる日用品業界を志望しています。
中でも貴社を志望する理由は、別記の「柔らかく考え、激しく動く」を体現した企業だと考えるためです。まず「柔らかく考え」については「高い先見性」にこれを見出しました。
具体的には「日本の女性の社会進出を読んだ、生理品事業への参入」、「それに伴う独身女性増加によるペット需要拡大を読んだ、ペット事業の展開」からこのように考えました。
次に「激しく動く」については、創業者のエピソードや、特に経営手法にこれを見出しました。具体的には、SAPS経営を運用することで、必然的に社員一人一人をより主体的に行動させ、全体が一丸となって「激しく動く」ことを仕組化していると考えました。このような貴社において、上述の夢を実現したいと思います。
このESでは、自身の東南アジアでの衛生状態についての発見と、ユニ・チャームの持つ商品やこれまでの事業展開を絡め、志望度の高さをアピールしています。
日用品は誰もが使う商品であり、学生時代の経験と絡めることは比較的容易であると思われます。このESでは学生時代の経験から消費財メーカーに興味を抱いた理由が簡潔に書かれています。
一方、「どうしてもユニ・チャームでなければならない」ことを説得するには、大学時代の経験だけでは十分に説得できないと思われます。この学生は、学生時代の経験に加え、働く上で譲れない「柔らかく考え、激しく動く」という価値観がユニ・チャームにはあることをアピールしています。
このように、自分が譲れないことや幼少時代からのアイデンティティを加えることで、説得力が飛躍的に上がるのではないでしょうか。このアイデンティティが形成された経緯まで説明できるとなお良いかもしれません。
最後に
今回はユニ・チャームの求める人材を考察していきました。事務系社員は営業職からキャリアをスタートするなど、人材育成が他社と比べて特徴的であり、組織のカラーも分かりやすい企業だと感じます。
ESでも面接でも、「他社ではなくユニ・チャームでなければいけない理由」を問われるようですが、きちんと企業分析ができていれば、答えに困ることはないのではないでしょうか。
photo by Martin Thomas