グループディスカッションの評価基準とは
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最終更新日:2024年08月06日
近年、グループディスカッションを重要な選考の一つとして採用している企業が、増えているように感じています。私が勤務していた商社においても、私が採用選考を受けていた時にはなかったグループディスカッションを実施するようになりました。
これはグループディスカッションが実際の仕事に非常に近いからでしょう。筆者が商社に勤めていた時にもディスカッションをする機会はたくさんありましたが、どの人がどれだけ仕事を真剣に考えているのか理解しているのかがはっきりと目に見えることが多かったです。
ここではビジネスに非常に近いグループディスカッションにおいて、どのような評価をしているのかを知る事により、次回以降解説するグループディスカッションの対策を明確にすることに繋げたいと思います。
1.グループディスカッションの評価項目
グループディスカッションの評価においては、「一緒に働きたいと思えるか」、「ビジネスの素質が高いか」という視点が根底にあります。
この二つの視点に基づき、①基本姿勢、②理解力、③主張力、④統率力の大雑把に四項目程度で評価しています。
①基本姿勢
これはビジネスマンとしての基本的なマナーが備わっているかを見ています。さらに細かい分類として下記のような項目に分けて評価を実施しています。基本的なスキルですので、このポイントができていないと大きく評価を落とすことにもなりかねません。
・人の意見を遮らずに聞けるか
・自分と異なる意見でも尊重できるか
・発言していない人に発言を促す、大きな声で話すなど周囲の状況に気を配れるか
②理解力
理解力では、ディスカッションのテーマや議論の流れを適切に理解できるかを見ています。実際の会議においても急にトンチンカンな発言をする人がたまにいますが、そういったタイプの人はこの理解力が低いものと考えられます。理解力においては下記のような項目で評価されます。
・議論の流れに沿った発言ができるか
・ディスカッションの最終的な目標を理解した上で議論を展開できるか
・テーマに対する鋭い分析ができるか
③主張力
主張力ではしっかりと自分自身の意見を人に伝えることができるかを見ています。この力が弱いと自分自身の意見というものがグループ内でまったく採用されないことになります。
多くの学生が自分の意見は述べることができるものの、その意見を根拠だてて論理的に説明するということができていません。発言数の多い人や声の大きい人がこの力が強いと思われがちですが、言葉数は少なくとも、根拠だった論理的な意見を話す方がこの主張力が強いと見なされます。
・根拠に基づき主張を展開できるか
・簡潔にわかりやすい主張ができるか
・自分ならではのユニークな主張ができるか
④統率力
最後の項目はリーダーシップとも呼ばれる統率力です。初めに発言して進行を進めようとする人をリーダーと考えがちですが、議論の中においてはリーダー的な力を発揮する人が多いほど、よい議論になります。
その意味では、議論をよい方向に導く人みんながリーダーと言えます。初めに問題の定義を行い、進める人もいれば、横道にそれた議論を軌道修正する人も両方求められており、両方ともリーダー的な要素を持ち合わせていると言えます。
ずれにせよ、主体的に議論をよい方向に導こうとする姿勢が問われていると考えてください。評価項目としては下記のようなものがあります。
・問題を的確に理解し、議論を適切に進行できるか
・横道にそれた議論を軌道修正できるか
・時間内に結論を出すべく進行できるか
参考:グループディスカッションとは?対策、テーマ、進め方、練習方法などのコツを伝授
2.グループディスカッションの評価方法
さて、以上でグループディスカッションの評価項目を見てきましたが、それでは各項目をどのように評価しているのか見ていきましょう。
基本的には、評価項目ごとに5段階評価などで評価しています。また非常に重要なことですが、グループ内の相対評価ではなく、個人の絶対評価で評価しているケースが多いです。
そのため、グループ全員が選考を通過するグループもあれば、グループ全員が通過しないグループもあります。といった意味では、グループとしてよい結果を出せるチームが面接官の印象にも残りやすく、グループの全員の選考にもいい結果をもたらすことができると言えるでしょう。
ですから、グループディスカッションにおいては、選考なのだから誰かを蹴落とそうなどといった意識ではなく、チームとしてよい結果を出そうという意識で臨むようにしましょう。その意識が結果としてもよい結果をもたらしてくれます。
https://unistyleinc.com/topics/26055
https://unistyleinc.com/topics/26715
今回のまとめ
・グループディスカッションは個人の絶対評価であるため全員通過することも全員通過しないこともある
・グループディスカッションはグループとして結果を出すように取り組むべき