与えるのはあくまでヒント!広島女学院大学の「学生自身の意思決定」を重視する就活支援
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最終更新日:2025年01月15日
広島女学院大学キャリアセンターキャリア支援課の職員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。
・広島女学院大学に通っていてキャリアセンターキャリア支援課の実績や取り組みを知りたい学生
・受験する大学を探している高校生
- 本記事の構成
- 広島女学院大学キャリアセンターキャリア支援課とは
- 「学生自らが行動できるように後押しをしてあげたい」キャリア支援課の熱い想い
- 徹底的な面談で学生に向き合い、ヒントを与える就活支援
- 多業界就職・高就職率は個々に与えられた選択肢の広さから
- 高校生に向けて。「好きなことを通して能力をのばしてほしい。」
- 「未来は変えられる」学生に向けたメッセージ
- 取材後記
広島女学院大学キャリアセンターキャリア支援課とは
取材した方のプロフィール
キャリアセンターキャリア支援課長。
広島女学院大学とはどんな大学?
広島県広島市にキャンパスを構えています。
1886(明治19)年に前身である広島女学会が誕生しました。開学以来、キリスト教精神に基づいた平和主義、人間愛を伝える教育を実践しています。
学部は、人文学部(国際英語学科、日本文化学科)・人間生活学部(生活デザイン学科、管理栄養学科、児童教育学科)で構成されています。
キャリア支援課とは?
大学卒業後の進路として様々な選択肢がある中、卒業した後自分がどのような生き方をしていくかを自分で考えて選択してもらい、それにおける不安を支えていけるような支援を目指しています。
「学生自らが行動できるように後押しをしてあげたい」キャリア支援課の熱い想い
キャリア支援課の想い
実際に学生と接するときどのような想いで接していますか。
宇都宮さん:「未来は変えられるよ」という想いです。実際、自分を肯定的に見れていない学生は多いです。だけど、それぞれのいいところを見つけてあげて、自分が行動すれば未来は変えられるんだということを分からせてあげたいです。
徹底的な面談で学生に向き合い、ヒントを与える就活支援
ガイダンスの様子
様々な就職支援取り組み
実際に広島女学院大学の取り組みについて、お話していただいたので以下に紹介します。
作戦会議
・実施時期
年に3回
・概要
毎月開催するガイダンスの中で、キャリア支援課が担当する回。
個人の就職活動の進捗に合わせて、長期休み明けに今後の就職活動の選択肢を提示する。
1月に行われるガイダンスでは、求人票の見方から、基本給やボーナスから見る年収の考え方などリアルな内容を解説。
就職ガイダンス
・実施時期
月に1回ずつ程度。
・概要
就活サイトを運営する人材会社の社員による基本知識に関するセミナー。一つの事象に焦点を当てて、それに関わる複数の業界について解説するなど、体系的に知識を身に付けられるような工夫がされている。
・講座内容
・業界・企業研究
・自己分析
・自己PR
・インターンシップ対策
・マナー講座
・筆記試験(SPI)対策
・エントリーシート対策
・面接対策
GPS-Academic
・概要
ベネッセi-キャリアが実施する適正検査を導入。「思考力」「姿勢・態度」「経験」の3つの視点から、個々の学生の自己分析や目標設定に役立てている。
面談・面接練習で学生に実践の機会を
キャリア支援課様の特徴的な取り組みについてお話していただいたので、以下に紹介します。
3年次全員面談
・回数
一人につき、少なくとも3回
・概要
3年生の時点で全員が少なくとも3回は面談を行う。
①進路登録票(進路希望調査)提出
②進路登録票(自己分析)提出
③履歴書添削
それぞれの段階で必要な面談を実施。
面接ワンポイントレッスン
・実施時期
2月
・概要
1時間8人 4人ずつに分かれて集団面接を体験。半分はオブザーバーとして見学。3年次全員面談の③履歴書添削まで完了した学生が参加できる。
「絶対にこれだけは利用してほしい」キャリア支援課オススメな取り組み
学生があまり知らないオススメな取り組みは何かありますか?
宇都宮さん:内定者の報告会やOGを囲む会は意外と参加者が少ないですね。どうしても学内での縦のつながりが薄く、先輩に話を聞くことの意味があまり見いだせていない学生が多いです。先輩の話を聞くとタメになることがあるのに、それを実感しないで卒業していくのがもったいないなと思います。
卒業生には、入社後にどのようなことをしているのかという内容よりかは、就職活動をどのように乗り越えたのかといった、学生が今の自分の行動に反映しやすい内容を中心に話してもらっています。あとは、仕事を辞めない理由であったり、社会人の楽しさが伝わる話もしてくれています。
社会に出たうえでの目上の人とのコミュニケーションに慣れておく機会にもなるので、これらのイベントをぜひ活用してほしいですね。
多業界就職・高就職率は個々に与えられた選択肢の広さから
2024年3月卒業生の就職実績(2024年5月1日現在)
(広島女学院大学HPより拝借)
就職支援実績
就職支援実績についてお聞かせいただけますか。
宇都宮さん:2023年度の就職率は97.4%です。複数の学部がありますので、総合職として働く学生もいれば、教員、栄養士、保育士などの道に進む学生も多くいます。
2024年3月卒業生学科別の就職先(2024年5月1日現在)
(広島女学院大学HPより拝借)
高校生に向けて。「好きなことを通して能力をのばしてほしい。」
弱みも武器にして、やりたいことを実現して
高校生やその保護者向けに何か伝えたい内容はございますでしょうか?
宇都宮さん:今の学生には、夢を見る人が少なくなってきているんですよ、ですので、まずは夢を見てほしいですね。その上で、それを言語化して、実現するための道筋を一緒に考えていきたいんですよ。
今動いてるプロジェクトの一つとして、筋ジストロフィーで体に不自由を抱える学生が365日毎日描いてきたイラストをキャリアセンターに飾ろうと思っています。もしかしたら、そこからフリーランスの仕事につながるかもしれないし。
この学生のようにハンディだと思っていた部分を武器に変えて、自覚させて、実行できるところまで連れていって社会に送り出せればと思っています。学生一人一人がやりたいことを実現するためにはどうすれば良いかを一緒に考えて、後押ししていきたいですね。
高校生に向けてキャリア支援課から最後に一言
高校生に向けて最後に一言お願いします!
宇都宮さん:学びたいことを学びに大学に行ってください。どんなことでも、学びたい、頑張りたいということを目指していけば、調べる力、発表する力、コミュニケーション能力が格段に上がると思います。好きなことを通して伸ばした能力は、社会に出るうえでものすごく活きてくると思うので、やりたいことにまっすぐでいてほしいですね。
「未来は変えられる」学生に向けたメッセージ
最後に学生に向けてメッセージや伝えたい想いをお願いします!
宇都宮さん:やっぱり、「未来は変えられるよ」と伝えたいですね。我々は就職支援を行う中で、決定的なことは決して言いません。学生が目指すものに対して選択肢を与えていくだけですので、それを受けて個々がどのように行動するかがとても重要になります。
最終的な想いとしては、大学からキャリアセンターが無くなってしまえばいいと思ってるんですよ。
そうなんですか!それはどういった意味なのでしょうか?
宇都宮さん:一つ一つの授業がいかに社会に結びついているかを自分で気が付くことが出来れば、いずれ我々は必要なくなると思います。エントリーシートも、授業のレポートを書くことができれば簡単に作成できますし、面接だって、これまでの目上の人に対する接し方が現れるだけなんです。
本来は就活というのは、これまでどう生きてきたかを指し示すだけのものなので、大学の授業や日常生活の中だけで、その力を身に付けさせてあげられるようになれば、それがベストだと思っています。
取材後記
学生のことを深く理解して、学生が目標達成できるように選択肢を与える。キャリア支援課の職員の方は、あくまで学生にはヒントだけを与え、その意思決定は学生自身に行わせたいという想いをもって学生に向き合っていることが分かりました。
目指したいことがあるけど何をしたら良いか分からない。そんな学生はキャリア支援課に足を運び、目標達成のためのヒントをもらってみてはどうでしょうか。
広島女学院大学キャリアセンターキャリア支援課についての詳細は以下のリンクから確認ください。
他大学の就職支援についての取材記事は以下のリンクからご確認ください。