キャリアセンターを利用して可能性を広げよう!山梨大学ならではの地域密着型就職支援
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最終更新日:2024年10月31日
山梨大学キャリアセンターの教員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。
・山梨大学に通っていてキャリアセンターの実績や取り組みを知りたい学生
・受験する大学を探している高校生
- 本記事の構成
- 山梨大学キャリアセンターとは
- 「自分の可能性や視野を広げるきっかけに」キャリアセンターの熱い想い
- 地域のつながりを活かした数々の就職支援取り組み
- 「一人で悩まないように」親身なサポートによる高い就職支援実績
- 学内外との密接な連携でさらに手厚いサポートを目指す
- 高校生に知ってほしい山梨大学の個々の寄り添ったキャリア支援
- 地域活性化を見据えた支援を!山梨県内企業様との取り組み
- キャリアセンターからのメッセージ
- 取材後記
山梨大学キャリアセンターとは
取材した方のプロフィール
キャリアセンター特任教授。キャリア教育担当。キャリアセンター内事業の企画などにも携わる。
幅広い層のカウンセリングおよびコンサルティングに従事。
山梨大学とはどんな大学?
山梨大学は、山梨県甲府市にある国立大学です。教育学部、医学部、工学部、生命環境学部の4つの学部と医工農総合教育部・教育学研究科の2つの大学院を有した総合大学として、4、700人余りの学生が2つのキャンパスで学んでいます。
「地域の中核、世界の人材」をキャッチフレーズに、地域社会との連携に力を入れつつ、世界に通用する人材の育成を目指しています。
山梨県立大学との教育連携の推進、高大連携のほか、世界トップレベルの発生工学、先端脳科学などをはじめとする幅広い分野の研究を産学官と協働で進め、多くの研究成果を社会に還元しています。国内外における諸課題への解決に積極的に挑戦し、未来を切り開くことのできる人材育成を目指しています。
キャリアセンターとは?
山梨大学キャリアセンターは、甲府西キャンパスに設置されています。
真に地域・社会が求め山梨大学が目的とする「地域の中核、世界の人材」を育み、輩出するため、教職員が一丸となって学生および院生の指導に取り組んでいます。具体的な支援内容は、進路支援事業、キャリア教育、インターンシップ、進路・就職情報の提供です。
「自分の可能性や視野を広げるきっかけに」キャリアセンターの熱い想い
親身な就職相談で学生の知を広げたい
実際にキャリアセンターでご勤務されている中で、どういった想いで取り組みをされているのでしょうか。
山本さん:自分の可能性や視野を広げるきっかけ作りをここでしてもらいたいというのが1番です。
コロナで学生が孤立した時に、全国的にも「退学することに決めたので、就職をどうしたらいいか教えて欲しい」という相談がすごく増えたと耳にしました。本学でも相談内容の変化なども感じつつ、コロナ禍で、友達にも会えず、一人で抱え込んでしまう学生は少なくないのだと感じました。
また、首都圏の学生と比較して、「自分には王道の就職はできないと思う」などと過小評価をする学生もいます。そのため、自己理解を深め、まずは「等身大の自分」に向き合い自信を持ってもらえるような支援をしていきます。
支援の過程では、知を広げていくことで、選択肢や可能性が限りなく増えていくということを、伝えていきたいです。
地域のつながりを活かした数々の就職支援取り組み
最新の求人等様々な資料が閲覧可能な求人資料検索室と、オンライン面接専用の貸し出しスペース
(山梨大学キャリアセンターHPより引用)
様々な就職支援取り組み
実際にどんな就職支援をしているのかをいくつかお話していただいたので以下に紹介します。
・単位取得型インターンシップ
・国家資格を有するキャリアコンサルタントによるキャリア相談
・著名講師陣による各種講座
県唯一の国立大の強みを活かして!単位取得型インターンシップ
山梨大学キャリアセンター様独自の取り組みはございますか?
山本さん:1つは単位取得型インターンシップです。単位取得型インターンシップは5日以上で実施し、仕事理解を深めながら、その企業様の強みだけでなく、地域ならではの魅力や可能性も理解していきます。
県内唯一の国立大という信頼感からか、山梨大学の学生を高く評価してくださる企業様は少なくなく、そういった地域の企業様・団体と連携を取って実施しています。登録企業・団体数は、県内を中心に100以上、インターンシップ参加学生数は200名以上です。
センターにはインターンシップ担当のキャリア・ディレクターという専任職員が在籍しています。インターンシップ全般に関する学生の相談に乗るほか、プログラムをより良いものにするために、常に企業様と一緒に内容を検討・刷新しています。
三省合意も受けて、大きな過渡期にあるからこそ、今後も、博士後期課程の長期インターンシップなど、より学生のニーズや社会からの期待に応えられるよう、引き続き各所と連携を取りながら推し進めていきます。
卒業後も手厚くサポート!OBOGのキャリア相談
就職支援の取り組みの中で、特徴的な取り組みは何ですか?
山本さん:国家資格を有するキャリアコンサルトによるキャリア相談は、対面とオンラインで実施されています。
2023年度からは、卒後のOBOG向けのキャリア相談も始めました。何かしらの理由で、未内定のまま卒業してしまったとか、都内に就職したものの、やはり山梨に戻ってきたいなど、変化の大きい社会で悩んでいるOBOGをサポートしたいという想いから始めました。
またオープンキャンパスや生協主催の入学準備説明会などを通じて、入学前の学生やそのご家族からの相談にも対応しています。
「学生に活用してほしい!」著名講師陣による各種講座
「絶対にこれだけは学生に活用してほしい!」オススメな取り組みは何ですか?
山本さん:著名講師陣による各種講座です。なかでもマナー講座に関しては、もとCAによる「所作のマナー」、フリーアナウンサーによる「話し方を中心としたマナー」、就活の専門家による「就活マナー」と、目的に応じたマナー講座を開講しています。
参加学生から特に評判の良い取り組みは何ですか?
山本さん:就職コンサルタント福島直樹先生の就活講座、現役のメイクアップアーティスト大谷美和さんによる社会人メイク講座、フリーアナウンサー倉島麻帆さんのマナー講座、元NHK英語チーフアナウンサー花田恵吉さんの「コミュニケーション講座」です。
メイク講座は、男子学生も多く参加しています。また、これらの講座は、大学間連携により山梨県立大学の学生も参加可能です。
「一人で悩まないように」親身なサポートによる高い就職支援実績
キャリア相談で不安を自信に!
就職支援実績についてお聞かせいただけますか。
山本さん:2023年度卒の就職率は全学部97.8%、修士98.8%です。
先ほどお伺いした就職支援の取り組みを通して、学生からはどのような声があったのでしょうか?
山本さん:キャリア相談では、「視野が広くなった」「もっと早く相談に乗ってもらえばよかった」という声が多いです。本学の学生は、「周囲の期待に応えたい」という学生が多く、進路選択などで何かしらの不安や悩みが生じても、自分で解決しようとする傾向が見受けられます。
キャリア教育や各種進路事業を通して、キャリア相談を利用したことで「不安を自信に変えられた」という学生も少なくありません。あくまでも私の主観ですが、他大学に比べて、内定の報告(お礼)を言いに来る学生は圧倒的に多く、小規模な大学だからこそ、学生とセンター職員との信頼関係が築けていると思います。
学内外との密接な連携でさらに手厚いサポートを目指す
学内だからこそ受けたい!著名な講師による就活講座
キャリアセンター様の方で、 直近で何か予定されている取り組みってありますか?
山本さん:『学歴フィルター』などで著名な就職コンサルタントの福島直樹先生の「就活講座」を始めとした、「わかりやすく、すぐに実践できる」各種講座を予定しています。
「就活講座」は、自己分析、ES作成、面接対策のほか、「就活にまつわる都市伝説のような学生の思い込みへの対策」などを網羅した4回シリーズです。昨年度から開催していますが、アンケート結果も「非常に良かった」のみの各回大人気の講座です。
こういったものも学生さんからの参加率は増えてきているのでしょうか?
山本さん:昨年から開講していますが、「前回参加してよかったので、また来ました」という学生は多いです。特にメイク講座では、回を重ねるごとに男子学生が増えています。色の白さが、就活では「自信がなさそうに見えるのでは」などと気にしているものの、相談する相手がいないといった声もあり、実際は何かしら不安や疑問を抱えている学生は少なくないのかもしれません。
そのため、男性もこういったメイクアップ講座は外部では受けにくいけれど、学内でやるのであれば参加したいという思いがあるのだと思います。
すべての学生が自分らしく働けるように!地域企業との密な連携
中長期的に、学生に対してどのような就職支援を行っていきますか?
山本さん:ダイバーシティの観点から、障がいのある学生の就職に関して、企業様との連携に重きを置いていきます。
すべての学生が、「自分らしい納得のいく仕事を中心とした人生」を歩めるよう、サポートしていくうえでは、キャリアセンター単独での支援ではなく、学内外の関連機関と密な連携を取っていくことが不可欠と感じています。
以前は、例えば障がいのある方の就職はここと連携、というような決まりきった支援に留まっていました。2022年度からは、学内のアクセシビリティ・コミュニケーション室と定期的な会議を開催し、学生のご意向をお聞きしながら、一人ひとりにあった支援を、早期から提供できるよう日々奔走しています。またこれをきっかけに、それまで支援の対象者は在校生のみでしたが、卒後も引き続き支援をすることになりました。
多様化する学生のニーズに応えていくためにも、今後も常に情報収集をしながら各所との連携を強めていきます。
「共に学生を支援する仲間として」保護者向けのカウンセリング
その他で進めていきたい取り組みなどはございますか?
山本さん:保護者向けのカウンセリングです。社会構造が大きく変化するなかでは、ご家族のご心配もこれまで以上に大きいと感じています。
ご家族からするとどういうところにご不安をお持ちなのかなど、ご心配やご不安といったお気持ちも共有させていただき、悩み相談というよりは、学生の決定を信じて対応し、学生が迷った時には軌道修正する役割を一緒に担う仲間として、学生もご家族も安心できる進路決定をサポートしていきたいと思っています。
高校生に知ってほしい山梨大学の個々の寄り添ったキャリア支援
学生の将来設計にむけて全力サポート!山梨大学ならではのキャリア支援
キャリア支援について強みや他大学との違いは何がありますか。
山本さん:山梨大学の就職率は97.8%です。医師や看護師などの国家試験は合格率100%を目指し、万全の教育・サポート体制で臨んでいます。
学生一人ひとりの特性・適性を見出し、目的意識を持って自分にあった将来設計が出来るよう全面的に就職支援を行っているほか、充実したキャリア教育を展開しています。
山梨大学を目指す高校生に伝えたい情報はございますか?
山本さん:アドミッションセンターでは、毎年オープンキャンパスとは別に、ミニツアーや体験授業を開催しています。様々な側面から、大学生活や学びを体感できる貴重な機会です。ぜひご友人と一緒に参加して、疑問や不安を解消していただきたいです。
受験生に向けて山梨大学キャリアセンターから最後に一言
受験生に向けて最後に一言お願いします!
山本さん:受験勉強中は、手ごたえも感じられず、不安になることもあると思います。ぜひ大学が実施する高校生向け各種イベントなどに参加することで、リフレッシュしながらモチベーションを上げて、乗り越えてください。
地域活性化を見据えた支援を!山梨県内企業様との取り組み
ガイダンスの様子
(山梨大学キャリアセンターHPより引用)
学生の身近なロールモデルに!OBOGによる特別授業
__地域活性化に向け、地域の企業様とどのような取組みをされていますか?
山本さん:キャリア形成科目群では、本学キャリア形成科目の一環として、地域の様々な業界で活躍されている企業や官公庁の方々に、業界の潮流や今後の課題といった仕事理解のほか、OBOG自身のキャリア形成について、授業でお話いただいています。
__具体的に、地域の企業様のどういったサポートが学生の手助けとなっているのでしょうか?
山本さん: 単なる仕事の説明ではなく、その業界ならではの面白さや、社会全般の問題に対して山梨の企業が何をできるのかなど、組織の一員としての立場だけでなく、一OBOGとしての視点からお話いただいています。そのため、学生も「単なる社会人のお話」ではなく、身近なロールモデルの話として、より真剣に耳を傾けています。
__日頃から、企業様とはいいお付き合いをされているのですね。
山本さん:大学との共同研究も多く、長年の信頼関係が根底にあることや、産学連携で地域を良くしていきたいという共通の目標があるからこそだと思います。
実際の業務に触れ、地域企業の魅力に気づく
__貴学から地域企業様へのインターン実績、就職実績などを教えていただけますか?
山本さん:単位取得型インターンシップでは、地域企業様を中心に100以上の企業・団体にご登録いただいています。特に地域の中小企業様へのインターンシップでは、実際の業務に触れることで、これまで全く知らなかった、その企業あるいは業界ならではの魅力に気付いた、視野が広がった、という声が多いです。
就職実績では、山梨を支える様々な組織・企業様にOBOGが多く在籍していて、企業様との情報交換会などで、「実はOBです」という話をよく耳にします。
様々な場所や立場から、山梨を支えていることに誇りを持ちながら働いているOBOGの活躍を、今後もしっかりと繋いでいかなければ、という気持ちを持っています。
キャリアセンターからのメッセージ
学生に向けてキャリアセンターからのメッセージ
__学生さんに対してメッセージがあったらいただけたらなと思います。
山本さん:皆さんには、思っている以上に沢山の可能性や選択肢があります。働く場所も日本に限らないという時代です。一人で情報収集や就職活動を行うのは、なかなか限界もあると思います。
「知らないことは選択肢に入ってこない」これは、地域企業で活躍されているOBの言葉ですが、だからこそ、まずは視野を広げるきっかけとして、キャリアセンターを利用して「知る」を広げていただきたいです。
企業様に向けてキャリアセンターからのメッセージ
企業様に対して改めて何かメッセージを送るとしたらどんなことを伝えたいですか。
山本さん:企業様とは互いに地域を支えていくパートナーだと感じています。OBOGの皆さんのご活躍をさらに広げ、繋いでいくのが私たち大学の教職員の役割だと認識しています。
学生の成長を大学がサポートし、卒後は企業や団体の一員として山梨を支えていく、山梨の魅力を広げていく、そういった役割を一緒に担っていきたいと思っています。
取材後記
県内唯一の国立大学である山梨大学。大学の特色を活かし、地域社会との連携に力を入れていることが印象的でした。
さらに、「視野を広げられるように」「選択肢を増やせるように」といった熱い思いで、学生一人一人の悩みに寄り添っていることが伝わりました。
相談する相手がおらず、一人で自分の将来について悩んでいる学生はいませんか?きっと、山梨大学キャリアセンターを利用すれば、新たな気づきや解決策を得ることができるはずです。
山梨大学のキャリアセンターについての詳細は以下のリンクから確認ください。
他大学の就職支援についての取材記事は以下のリンクからご確認ください。