総合商社志望者は刮目せよ!!商社のビッグプロジェクト8選

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最終更新日:2023年10月30日

総合商社志望者は刮目せよ!!商社のビッグプロジェクト8選

本選考とインターンの締め切り情報

こんにちは。
16卒の総合商社内定者です。

総合商社は近年、就職人気ランキング上位を占め大変な競争倍率となっています。
しかし実際に内定者の話を聞いてみると、明確にこれがやりたいという学生は少数派であることがわかりました。ただ総合商社のビジネスを学生が把握するのは難しく、社員でも自分が所属する以外の部門が関わっているプロジェクトに関してはそこまで把握していません。

トレードと事業投資

総合商社を志望する人であれば誰もが耳にしたことはあると思います。トレードと事業投資は現代の総合商社が誇るビジネスモデルの代表格二つです。商社は元々トレードを生業とする企業でした。しかしメーカーが独自のルートで販路を築きはじめてからは「商社冬の時代」と呼ばれる時期が到来しました。その後、試行錯誤を重ねた商社はそれまでのビジネスで培ったノウハウを活かして経営に参画し、企業の成長に伴って収益を上げる事業投資をもう一つのビジネスモデルの柱としました。
近年では事業投資の規模の拡大、スタイルの多様化によって総合商社のビジネスモデルはさらに理解することが難しくなっています。

今回はその中でも総合商社志望者が押さえておきたいビッグプロジェクトを紹介していきたいと思います。

三菱商事、三井物産の共同案件「サハリンプロジェクト」

サハリンⅡは三菱商事が10.0%、三井物産が12.5%の比率で出資している総合商社が関わるエネルギープロジェクトで最大規模の案件です。2009年からLNGの出荷を開始し、20年という歳月をかけてエネルギーの供給を行うビッグプロジェクトです。このプロジェクトの特徴はエネルギー部門だけでなく、LNGを運搬する船舶の準備、プラントの建設などたの部門に大きな影響を与えたことです。
三菱商事、三井物産は総合商社としての総合力を発揮してこのプロジェクトに取り組んでいます。

参考:北海道稚内市役所HP「サハリンプロジェクトとは?」
 

三菱商事による「モンゴル、新ウランバートル国際空港」

三菱商事は2013年に千代田化工建設と組んで、モンゴルの新ウランバートル空港の建設工事を受注しました。モンゴルは近年、豊富な地下資源や畜産資源を背景に、経済成長を遂げていましたが、首都空港であるチンギスハーン国際空港の立地が悪く、航空機の離着陸が制限されています。そこで、新ウランバートル空港の建設は課題を克服するため、モンゴルの経済成長に大いな貢献をすることから注目されました。また三菱商事は他にもフィリピン、インドネシア等の東南アジア諸国で円借款を活用した空港建設に携わってきましたので、今後もアジアを中心に関連ビジネスを手がけていくことが考えられます。また、2015年3月には再び千代田化工建設と組んでフィリピンにおける神保ホール空港の建設及び持続可能型環境保全事業を受注しています。

参考:モンゴル新ウランバートル国際空港の建設工事を受注
 

三菱商事によるサーモン事業

三菱商事は2014年に世界第3位のサーモン養殖加工会社のセルマック社を完全子会社化しました。世界の人口増加に伴って環境負荷が低い養殖サーモンは新興国においても需要が拡大すると考えた三菱商事はノルウェー・チリ、 カナダの3カ国で年間約17万トンを生産する世界第3位のサーモン養殖加工会社を子会社化することで勝負に出ました。また三菱商事は養殖サーモンの取引を1990年代よりはじめており、他商社に大きく水を開けています。この子会社化によって三菱商事グループの養殖サーモン生産量は約20万トンの世界第2位となりました。

参考:ノルウェー・サーモン養殖加工会社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
 

三井物産によるブラジルの旅客鉄道事業への参画

ブラジルを重点国の一つとして上げる三井物産。ブラジル、リオデジャネイロ州近郊テルどうやサンパウロ地下鉄などで交通インフラ網の整備や旅客の安全・安定輸送に貢献し、日本の鉄道事業者やメーカーが持つノウハウを活用し、提供しています。サンパウロでは人口が多い割には地下鉄網が70kmあまりしかなかったことに着目した同社は、人の動きに合わせようとして利便性の高い路線を開発しようとしたのが2010年から始まったこの案件の発端です。

参考:ブラジルにおける旅客鉄道事業への参画
 

伊藤忠商事によるDole社のアジア青果物事業及びグローバル加工食品事業の買収

伊藤忠商事は世界90カ国以上でフルーツを再三する青果物事業及び加工食品を製造する世界最大の青果物メジャーの一部の事業を買収しました。伊藤忠商事の食料部門はもともと世界中にバリューチェーンを誇っているので世界的なブランドのDole社とシナジーを図ったように感じられます。今後もDoleブランド活用し、ファミリーマートなどの小売にまで商品を提供することが予想されます。
また、先駆けて朝方勤務を始めた同社では朝早く出勤した社員に対して、Dole社のフルーツを提供するなど社員に対する福利厚生にも取り入れています。

参考:米国Dole社との取り組み
 

住友商事によるジュピターショップチャンネルの子会社化及び運営

住友商事は1996年からテレビ通販業界シェアNo.1のジュピターショップチャンネルを運営しています。24時間365日生放送を実現しています。さらにタイの消費市場における幅広い知識とオペレーションを駆使して、東南アジア有数の市場である同国において通販事業を展開している。

参考:「ジュピターショップチャンネル株式会社」の完全子会社化について
 

住友商事によるミャンマー通信事業

2013年に買収したジャパンケーブルネットとのシナジーを最大化するために事業基盤をさらに強固なものにしました。タイにおけるテレビ通販事業が順調に拡大し、ミャンマーにおける通信事業に参入しました。この事業は非常に順調で住友商事の中期経営計画の中心に据えられています。

参考:ミャンマー連邦共和国における通信事業への参入について
 

丸紅による米国の穀物メジャー・ガビロン社の買収

2013年に米国大手の穀物メジャー・ガビロン社を買収した丸紅。
買収額は2800億円と同社の過去最大規模の買収でした。丸紅は2016年3月期に2500億円〜3000億円を目指しており、ガビロン社の買収はその柱となる戦略でした。しかし日中関係の対立、原油価格の下落により想定外の減損を出すこととなりました。

参考:丸紅、「減損1200億円」を招いた2つの誤算
 

最後に

各商社ごとに強みの分野があるのでそれに付随したプロジェクトを多く選出しました。
総合商社を志望するのであれば各商社がどの分野に優位性があり、その為に過去にどんな買収を行っていて、これからどんな規模の投資を行おうとしているのかに注目すると良いでしょう。
また、プロジェクトの進捗状況に関してはホームページのニュースリリースを見ると良いでしょう。本選考では総合商社に入社したら、どの分野に携わりたいのかを聞かれます。その企業の強みの分野と自分の興味にある分野を深く掘り下げ、自分の興味のある分野に関しては各商社横並びで比較すると全体像が見えてきます。


参考:就活生には縁遠いIR情報(投資家情報)の読み解き方
参考:最後のとどめの一手「IR情報を用いた逆質問」の考え方
 

 

photo by Jeremy Keith

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「ダイバーシティ」という言葉の定義には就活生と企業に認識の相違がある? 「ダイバーシティ」という言葉の定義には就活生と企業に認識の相違がある? 日産自動車のゴーン会長の逮捕や日系平均株価の急落。昨年と比較するとそこまで大きなトピックは少なかった印象もありますが、日本企業を取り巻く不祥事や暗いニュースは2018年も一定の話題を集めました。昨年、日産自動車の無資格検査とほぼ同時期に問題が発覚したのが、神戸製鋼の品質データ改ざん問題です。そんな神戸製鋼は昨年まで以下のような新卒採用メッセージを掲げていました。バラバラの集まりこそが強いんだ一見「まとまりがない」といった意味で悪い言葉に見える「バラバラ」。しかし、神戸製鋼は多様な価値観・考え・バックグラウンドを持った集団。すなわち、ダイバーシティーに富んだ集団という意味で「バラバラ」という言葉を表現していました。(その後あのような不祥事が発覚したというのもある意味皮肉な気もしていますが...)今やダイバーシティーという言葉は一企業に限らず日本社会のトレンドのように語られており、全く言葉として聞いたことがないという方はほとんどいないでしょう。今回は、そんなダイバーシティーという言葉と就職活動の関係性について、具体的な事例や頻出の論点を網羅していきたいと思います。ダイバーシティーの語義と背景ご存知かとは思いますが、ダイバーシティーという言葉は英単語"diversity"に起因しており、最も一般的な日本語訳が"多様性"になっています。元々、一億総中流という言葉にあるような、「皆が同じように高校・大学を卒業し、同じように企業に就職し、同じように家庭を築き・一戸建てに住み、同じように定年まで勤め上げる」というような、皆が皆同じ方向を向き努力し続けていれば自然と経済は成長していくといったような考えの時代は過ぎ去りました。時を経て現在のキーワードは、一億総活躍社会。すなわち、20歳~60歳程の男性だけが社会に出て働く時代ではなく、女性・外国人・高齢者・障がい者など、様々な属性の人があらゆる環境で活躍する社会を目指すべきだと政府は方針として示しています。(実際には、一億総活躍社会という言葉には職場に限らず地域社会や家庭などもう少し広い環境を含みます)以上より、「皆がこうあるべき」という画一的なモデルケースは薄れ、「皆が皆自由度高く違う方向を向く社会を許容すべき」というのが、社会的な風潮をもとにしたダイバーシティーであると言えるでしょう。特に近年では、先述した女性・外国人・高齢者・障がい者やLGBTといった属性の方の雇用を中心として、働き方改革と紐づいた議論が多く交わされている印象があります。学生と企業のダイバーシティーの認識の相違さて、言葉自体は誰もが知るものであるダイバーシティーではありますが、その具体的な意味となると、雇用や働き方の分野に絞って考えても様々な回答が出てくることかと思います。採用HPや企業説明会などでもダイバーシティーを推進している旨をアピールする企業は増えてきている印象がありますが、その中でも学生がイメージするダイバーシティと企業で実際に推進されているダイバーシティーの間には乖離があると思っています。学生の認識:「誰が」「どのように」働くかがダイバーシティーもちろん個々人によって考え方は異なることにはなるでしょうが、多くの学生は職場で「どういった人が働くか」と「どういった働き方をするか」という点でダイバーシティーを認識している印象があります。もう少し具体化すると、「どういった人が働くか」・女性の役員登用や採用割合の増加・外国人労働者の積極的雇用・LGBTに寛容な環境の整備「どういった働き方をするか」・残業時間の削減・フレックス勤務・リモートワーク上記のような認識の方が多いのではないでしょうか。実際、企業が採用HPや企業説明会で示すダイバーシティーもこれに近しい意味で触れられることが多く、厚生労働省が発表している「くるみんマーク」・経済産業省が発表している「ダイバーシティ経営企業100選」辺りも近しい観点で選定されています。参考:厚生労働省くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて経済産業省ダイバーシティ経営企業100選ホームページこのように、国策や企業の広報活動でイメージ付けがなされていることも現状の学生の認識を生み出している一因なのだと考えられます。以下のような企業の取り組みを、どの企業でも少なからずやっているものだと考えている方もいるかもしれません。参考:企業の実態:学生が思うほどドラスティックなものではない一方、実際に企業の現場で推進されているダイバーシティは学生の認識と異なっている点が多い印象です。例えば近年認知度が向上しつつある"LGBT"について、先ほどは「寛容な環境の整備」という旨を述べましたが、実際は社内研修の座学で「LGBTの重要性」といったものを学んだり、「ダイバーシティ推進室」といったよう半名ばかり部署をとりあえず設置してみるぐらいで終わっている企業が存在しているケースもあります。ある日系有名企業に勤めている社員からは、研修で「『彼女と』クリスマスどこか行かれたんですか?」という言い方は(LGBT尊重の観点から)不適切な場合があるため、性別に影響しない『パートナー』という言葉を使えという内容のWeb研修を社員全員が受講したものの、実際はほぼ誰もそれを守っていないといった話も耳にしたことがあります。中でも直近で話題になったのは以下の記事でしょう。参考:本当にお前らダイバーシティが分かってないんだな。この方が指摘するように、多くの学生がイメージするような女性の管理職を増加・新卒採用の段階から外国人留学生の枠を広げるといったものは現実のダイバーシティーにはそれほど当てはまらないというのが実情です。それよりも、社会に出て働くのは男性が多い・多くの社会人はオフィスに出向いて9時5時近辺で働く、という社会の大多数の動きは残したうえで、その一部に(リモートワーク・フレックス勤務といった)働き方の変化を加えるというのが企業側が現実として取り組んでいるダイバーシティーだったりもします。この時点で、双方の認識の相違が何となくでもイメージできたかと思います。ダイバーシティーの取り組み事例ここまでの内容ですと、企業はダイバーシティーについて大した取り組みをしていないような印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、当然中には学生のイメージに合った/もしくはそれを超えたダイバーシティの推進の仕方をしている企業も存在しています。ここではその事例を2つピックアップしてご紹介します。事例1:日産自動車|ルノーとの提携を軸に女性の活躍を推進冒頭でも取り上げた渦中の日産自動車。同業界の中でも英語力やグローバルのイメージを持っている方も多いと思います。そんな日産自動車は1999年にフランスのルノーと業務提携したことで知られています。(ゴーン前会長は記事執筆現在ではルノーの会長を継続されています)その影響もあってか、日産自動車では特に「女性の活躍」をテーマに、技術職や管理職といったこれまで男性の割合が高いものとみなされてきた立場について、女性の割合を増加させることを目標に掲げているようです。具体的には、就活生に留まらず受験勉強を控えた高校生へ向けて技術職の女性社員が講演を開くことで、より早い段階からのキャリア意識の醸成(技術職として働くということを選択肢の一つとして意識させる)などといった取り組みが挙げられます。「女性の活躍」と言われると大体多くの企業が重要性自体は説いていたりするものですが、日産自動車では以下の記事にもあるように十数年連続で女性管理職率を増加させるなど名ばかりではなく実際に企業体制に変革を加えていることが読み取れます。参考:日産の取り組み事例2:カルビー|松本社長主導のドラスティックな働き方改革有名食品メーカーのカルビーですが、こちらは社長の松本晃氏の取り組みが有名になっています。「」でも述べたように、多くの日系企業に当てはまる特徴として意思決定の遅さや業務遂行上の非効率性が挙げられます。例えば何か問題が発生すると事あるごとに「とりあえず打ち合わせを行いましょう」という流れになり、肝心の打ち合わせの場ではだらだらと議論が発散していき、長時間かけた結果「決定事項なし」という何のために複数人の稼働をかけて行ったのかよくわからないもので終わってしまうなんてこともあったりします。一方松本氏は、以下の記事にあるように「会議なんか辞めてしまえ」という大方針まで掲げ、「定時が来るまでダラダラと働く」という時間ベースで働く日系企業でありがちな働き方に対し、成果ベースで働き方や待遇を決定するという旨を述べています。参考:会議なし、資料なし、会社に来る必要なし!/カルビー松本会長「ダイバーシティーが嫌いな会社に未来はない」松本氏は前職で外資系医療メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンの社長を務めた経験もあることから、先ほどの日産自動車と同様、外資系企業出身のトップ就任がきっかけとなるケースというのはそれなりに多いのかもしれません。日系企業で社長の方針がここまでトップダウン的に現場まで行き届いている企業というのもそうそうないように思われます。(もちろん細かい部署単位で見ればこういった方針が実際に反映されているかどうかはわからないものですが)なぜ、今の時代にダイバーシティーが求められているのかさて、これら企業の取り組みのように、日本社会にも少しずつではありますがダイバーシティーの考え方が浸透していっている印象があります。冒頭でも少し触れましたが、「世のお父様方は汗水垂らしてモーレツに働くべき」「とにかく努力すれば必ずいい方向へ向かう」といった時代は去り、画一的な行動をしているばかりでは企業も個人も生き残れない時代へと移行していくことが指摘されています。「」でも述べた通り、これからの時代に市場価値を高めるための方法の一つに「ポジションを取る」ことが挙げられます。世の中の常識や「こうあるべき」という既成概念にとらわれているようでは市場で埋もれてしまう一方であり、これまでとは異なったモノの見方や考えが必要になっていっています。すなわち、「同質の集団からは同質のアウトプットしか生み出されない可能性が高い」ことが問題であり、この状況を脱却するための手段の一つとしてダイバーシティーがあると言えるのではないでしょうか。有名な話ですと、キリンの人気商品である「午後の紅茶」は、「午後のゆったりとした時間に紅茶を嗜む」という(少なくとも今の日本社会の多くでは)女性にしか経験できない発想から生まれたというものがあります。女性社員の考え方を取り入れることで紅茶界のポジションを獲得した好例だと言えるでしょう。女性を多く登用するのも、時間ベースの画一的な働き方を脱却するのも、あくまでそれは企業価値や個人の幸福度といったものを高めるための手段に過ぎません。つまり、ダイバーシティーのためのダイバーシティーは本質的ではなく、こういった時代背景や市場動向に対応していくために推進されているのだという位置づけは認識しておくべきでしょう。ダイバーシティーに着目する際に注意すべきこと近年注目度を高めるダイバーシティーについては、事例のようなものが紹介されると何だかそれだけで良い企業と感じてしまうようなことも起きがちです。ここでは、そんなダイバーシティーについて情報を得る際の注意点について指摘します。注意点1:企業の広報活動の一環として提示する情報であることを認識すること採用HP・ナビサイト・企業説明会など様々ですが、基本的にそれはどれも「エントリーしてもらうため・企業のイメージを良くするために提供する情報」であることは考慮しておくべきだと思います。参考:こちらの記事でも近しい指摘をしていますが、就職活動では、学生は内定を獲得するために行動する一方、企業側は自社の利益に貢献できる人材を獲得するための行動を取ることになります。そのため、企業側が提示する情報というのは、嘘ではないにせよ自社をよりよく見せようとする意図を含んでいることは認識しておくべきでしょう。ダイバーシティーもこれと同様に、「ダイバーシティーを推奨している」と言われて悪いイメージを抱く学生はまずいない状況下で、全社的な方針でなくとも一部で実施している取り組みをやたらと強調してアピールしているということも往々にして考えられます。ダイバーシティーの取り組みは魅力的に映ったりもするのですが、それが実際の現場でどこまで適用されているかについては慎重に判断していくことがミスマッチを避けるためにも無難な選択でしょう。注意点2:"まやかしの"ダイバーシティーに騙されないこと注意点1にも関連する内容にはなりますが、皆さんは、以下の記事を読んでどのような感想を抱きますでしょうか。参考:サイバーやメルカリも!女性躍進の最前線|働く女性を支える社内制度10選理容半休・失恋休暇・オシャレ手当・コンサート休暇...そんなことで会社を休んでいいのかと魅力的に感じた方も多いかもしれません。確かにこういった休暇制度や各種手当はそうそうあるものではないためインパクトが強いものにはなりますが、基本的にどの企業でも与えられているはずの年次有給休暇は、理由を問わずに会社を休むことが出来る休暇です。労働者は労働基準法上有給休暇取得の理由を周知する義務はありません。逆に言えば、理容休暇は理容目的でのみ取得が許される休暇であり、失恋休暇は失恋しないと取得できない休暇(のはず)です。こういったごく一部限定的な事由にのみ適用される休暇であったら、むしろ事由を問わず取得可能な労働者の権利である年次有給休暇の増加、もしくは消化の完全義務化といった取り組みをした方が(インパクトには欠けるかもしれませんが)よっぽど有意義だといった見方もあってもいいかと思います。※これらの取り組みをしている企業=まやかしのダイバーシティーで学生を騙している企業だと述べているわけではありませんのでその点ご理解ください一部魅力的に見えるダイバーシティーに関する制度があったとしても、肝心の給与や福利厚生・休暇制度等が満足いくものでなかったらそれは問題でしょう。目先のダイバーシティー制度だけに目を向けるのではなく、実際にそこで働くとなったときに自分が幸福度高く働ける環境であるか総合的に見る姿勢を忘れないでいただきたいと思います。注意点3:ダイバーシティーの"おかげ"かどうかは慎重に判断すること事例2で取り上げたカルビーは有名なダイバーシティーを推進している企業の一つですが、10期連続で過去最高益を更新するなど、好調な業績とダイバーシティーの推進はしばしば紐づけて語られることが多い印象があります。(ちなみに今季は大幅な業績予想の下方修正をするなど苦戦している姿が見受けられます)しかし、これを「女性を増やしたから利益が伸びた」のように結論づけてよいかは実際のところ正確にはわからないでしょう。企業の業績は複合的な要因が絡み合って決定していくものであり、どこまでダイバーシティーが利益に貢献したかを定量的にはかることは難しいでしょう。見方を変えれば、たまたまそれが食品業界のビジネスモデルやカルビーの企業風土に合致したからうまくいったという可能性も十分考えられます。多くの企業が学生のイメージほどダイバーシティーを推進できていない現状下で、今後各企業がどのようにして変革を加えていくかについては、就活生の皆さんにとっても注目すべき観点の一つだと考えています。単純に個々人の個性を頭ごなしに許容するようでは、結果的に組織のまとまりが欠き効率性も失われるという可能性も考えられるでしょう。くれぐれも、ダイバーシティーはやればやるほど良いものだといった単純な考え方は持ってほしくないと思っています。最後にダイバーシティーについてはこれまで述べたように学生のイメージ先行で動いていってしまっている面も多く、学生と企業の認識には隔たりがあるというのが現実です。とは言え、何もこれは学生の情報収集不足だけが問題なのではなく、企業側も発信する情報と現場での取り組みに大きく乖離がある場合など、認識の相違を生み出すきっかけを一部作っているものだと考えています。結局、どちらがいい/悪いといった話ではなく、まずはお互いが少しずつでも歩み寄っていく姿勢を見せることが肝心なのではないでしょうか。本記事が就活生の皆さんにとってダイバーシティーの意味を見返すきっかけとなれば幸いです。関連記事: 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unistyle監修者 秋田拓也さん unistyle監修者 秋田拓也さん このページではunistyle記事の監修者のプロフィールをお一人ずつ掲載しております。unistyleの記事は、人事採用やキャリアコンサルティングなど、就活関連の幅広い経験を持つ方々に監修をしていただいております。監修記事や監修者からのメッセージを、ぜひ就職活動の参考にしてみてください。秋田拓也さん・名前:秋田拓也さん・資格:国家資格キャリアコンサルタント産業カウンセラーCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)健康経営アドバイザー両立支援コーディネーター第2種衛生管理者機械警備業務管理者・所属:ToBeMyself・SNS/HP:└instagram:https://www.instagram.com/tobemyself.biz/└X:https://x.com/ToBeMyself2021└HP:https://www.tobemyself.biz/・プロフィール大手警備会社の採用人事責任者を7年間従事。国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー資格を取得して退職後、フリーランスとして、転職希望者のキャリア面談や就職支援など、採用経験を活かしたサポートを実施。大学や専門学校などで、面接対策やキャリアセミナー講師にも携わる。厚労省キャリア形成事業では、様々な企業で従業員のキャリア面談を実施。訓練対応キャリアコンサルタントとしても従事。・就活生のみなさんへ一言自分のやりたいことは何か、探しても見つからずにモヤモヤした日々が続くかも知れません。答えを見つけることは大切ですが、それが目的ではありません。今は見つからなくても自分と向き合っていれば、必ず見つかるはず。自己理解を深めることで気づいたり、社会人になって気づいたり、就職しないといけないから就活するのではなくて、自分らしく働くために就活をして欲しい。自分の人生を自分で選択できるのが就活の楽しさです。秋田拓也さんが監修した記事一覧他のunistyle監修者は以下から確認できます。 396 views
難易度はそこまで高すぎない?IBMのコンサルタントとして働く魅力 難易度はそこまで高すぎない?IBMのコンサルタントとして働く魅力 外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!こんにちは。外資系コンサル内定、総合商社志望の17卒の就活生です。総合商社などといった日系難関企業を視野に入れて就職活動をしている学生は、力試しとして外資系コンサルのインターン選考や日系企業より早く始まる本選考に挑戦することが多いでしょう。しかし、そのような学生の多くは「あくまでも力試しで受けるだけだからさすがにそれらの企業の内定まではたどり着くことは無いだろう…」と思っているのではないでしょうか。確かに、一部の企業は本当に狭き門であり本当に優秀な学生でない限り内定をもらうのは難しいかもしれませんが、その一方である程度内定を獲得できる望みがある企業があるのも事実です。その中の一つにIBMがあり、本記事ではIBMのコンサルタントの魅力について書かせていただきたいと思います。参考:まず、IBMが外資系コンサルの中でどのような立ち位置にいるかを確認しましょう。以下は主な外資系コンサル企業をまとめたものです。【戦略系】マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニー、strategy&(旧ブーズ・アンド・カンパニー)、A.T.カーニー、ローランドベルガー、アーサー・D・リトルなど【IT系】IBM、アクセンチュアなど【会計系】デロイト・トーマツ・コンサルティング、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、EYアドバイザリー、KPMGなどまとめると以上のようになるでしょう。外資系コンサルの中で、IBMはITコンサルという立ち位置になります。上記のうちいわゆる戦略コンサルは採用人数も少なく、最上位層の学生が集まるため難易度は非常に高いと言えます。一方で、IBMなどのIT系や会計系のコンサルは戦略系のコンサルより採用人数が比較的多いため、ある程度内定を獲得する望みはあるでしょう。では、その中でも特にIBMのコンサルタントの魅力とは何でしょうか。以下ではIBMについて掘り下げていこうと思います。そもそもIBMとは?IBMは世界最大手のIT企業で、昔は「ThinkPad」などに代表されるようにパソコンなどのハードウェアに力を入れており、ハードウェアメーカーとしての側面を持っていましたが、現在ではIT関連のサービスやソフトウェアに力を入れています。コンサルティングにも力を入れており、IBMは2002年にプライスウォーターハウスクーパースのコンサルティング部門を買収するなどしています。現在のIBMはBtoB企業として金融、医療、流通など幅広い分野の企業の課題解決や革新をITを用いて支援している会社と言えるでしょう。最近の例を挙げますと、IBMが日本郵便と共同で高齢者向けの「見守りサービス」アプリの開発をした事例や、ソフトバンクと共同で人工知能「ワトソン」の日本語版をリリースし、三菱東京UFJ銀行や第一三共がその導入を図ったという事例、またIBMのクラウドサービスをマツダが導入したという事例があります。IBMのコンサルタントの魅力このように様々な業種にまたがってビジネスを行っているIBMですが、そのようなIBMにおいてコンサルタントとして働く魅力は何があるのでしょうか。私は主に3つあると考えています。①多種多様な業界と関わりながら仕事ができる②顧客の課題を解決するための「武器」を多く持っており、提案できる解決策の幅が広い③時代の最先端を感じながら仕事ができる①多種多様な業界と関わりながら仕事ができるこれはIBMのコンサルに限った話ではないですが、やはり先に挙げた例のように幅広い業界に関わりながら仕事ができることが魅力的だと思います。現代ではテクノロジーの力なしには企業の発展は考えられないので、今後IBMのコンサルタントとして関わっていく業界はますます増えていくのではないでしょうか。②顧客の課題を解決するための「武器」を多く持っており、提案できる解決策の幅が広いIBMは世界最大手のIT企業として約170カ国にわたるグローバルネットワークを有し、さらに長年蓄積されてきたノウハウや製品を保持しています。そのため、顧客の課題を解決する「武器」を多く揃えており、コンサルタントからすればクライアントに提案できる解決策の幅が広くとてもありがたいことだと思います。③時代の最先端を感じながら仕事ができるIBMは、人工知能「ワトソン」などに代表されるように常に時代を先取りする技術を生み出してきました。このように常に時代の最先端を行くIBMで働けること自体、刺激がありとても面白いと思います。IBMでのインターンを通して感じた、IBMの魅力私はIBMのインターンに二週間参加させていただいたのですが、そのインターンの期間中でもIBMの良さを感じ取ることができました。その良さとは、社員の方々が非常に魅力的だということです。私が参加したIBMのインターンは、他社のインターンのようにインターン生がグループになってワークに取り組むといった形ではなく、インターン生個々人がそれぞれ別の事業所に派遣されその場の社員さんと働くという少し特殊なインターンでした。そのため、社員さんと密に交流することができたのですが、一緒に働かせていただいた社員の方々は優秀でかつとても優しい方だったと強く感じています。私が分からないことを社員の方に質問すると、社員さんは「私が何が分かっていないか」を瞬時に把握し、的確な回答をしてくださりました。また、インターン期間中に懇親会も開いていただくなどインターン生である私に対してとても気配りをしてくださりました。外資系企業の社員と聞くと、頭がキレッキレで冷たい、みたいな印象を持っていた私ですが、IBMの社員の方々は決してそのようではありませんでした。最後にIBMでは関われる案件の幅が非常に広く、様々な業界の知識を吸収することができるので自己成長にはとてもふさわしい環境だと感じています。また、社員さんも良い人が多く、さらに海外に行くチャンスも多くある点でも私はIBMに魅力を感じています。前述のように、IBMは採用人数も他の戦略系コンサルに比べれば多いので、最上位の学生でなくともチャンスが全くないわけではありません。ぜひ、IBMの魅力を知って、選考を受けていただければと思います。コンサル業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にコンサル業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開! 46,148 views
減少する総合商社の若手の仕事、成長を阻害される若手社員とは 減少する総合商社の若手の仕事、成長を阻害される若手社員とは 近年、総合商社に対する就職人気は非常に高まっており、特に上位校を中心とする学生の間では最も就職したい業界の一つとして挙げられることも少なくありません。グローバルな職場環境、投資と経営を通じた企業価値の向上といった仕事内容の魅力もあれば、平均年収が1000万円を大きく超える会社も多いなど待遇面の魅力もあるでしょう。一方で、総合商社の中堅からベテランの方に話を伺うと、ここ3、4年で入社した若手にとって総合商社の職場は必ずしもいい環境ではないと話す人が少なくありません。若手の成長について心配するベテラン社員も多く、今回はその真意について噛み砕いて説明したいと思います。若手の数が多すぎる今の好調な経営環境から想像するのは難しいかもしれませんが、90年代後半から00年代初頭まで厳しい経営環境だったため、90年代後半〜05年ごろに入社した人は数十名から100名に満たない程度でした。そのため、06年頃〜10年までに入社した若手にとっては直近の先輩社員が少ない分、1人当たりにこなさないといけない仕事は非常に多かったそうです。新入社員のうちから決算資料の作成、事業会社管理と同時に受け渡しの担当も行い、幅広い業務を担っていました。一方で10年以後に入社した新人は、06〜10年までに大量に採用したこともあり、若手が多く、業務内容が分散されてしまいます。06年〜10年に入社した新入社員が1人でやっていた仕事を3人〜4人で担当することも出てきていると聞きます。ワークライフバランス重視の流れ近年、日本企業においてはワークライフバランス重視の流れが鮮明で、伊藤忠商事においては朝方勤務を推進し、業務効率を高めて残業時間の削減に努めています。参考:伊藤忠商事の朝方勤務、KDDIの退社後11時間以内の出社禁止などユニークな勤務体系全体の流れからも、以前のように夜遅くまで、時には徹夜も問わずに仕事をするという風潮は急速に後退しており、ある意味働きやすい環境が整ってきています。一方でワークライフバランスが整い、働きやすい環境が整うということは仕事時間が減少するとともに成長機会が少なくなっているということでもあります。特に若いうちは仕事も遅く、吸収すべきことがたくさんあるのですが、上記の通りそもそもの業務量も少なく、仕事時間が短くなるとどうしても一人前になるまでに長い期間を必要としてしまうでしょう。トレードから投資の流れで現場の仕事が減っているこれは部署によるといえますが、「現場の仕事が減っている」と感じているベテラン・中堅社員の人は多いようです。総合商社を志望して就職活動をある程度進めると、「トレードから事業投資へ」という話は聞くことになると思います。総合商社は元々は貿易業として、顧客企業の輸出入を担当していましたが、顧客企業の海外進出に伴い、徐々に総合商社の存在意義に疑問を感じる会社が増え、口銭の減少した結果、新たな事業モデルとして事業投資に移り変わっていきました。元々、トレードの仕事をしていた時は本社にも顧客企業と直接触れながら、貿易実務をこなしていましたが、近年では顧客企業とふれあう貿易実務部分を子会社に移管して、本社ではその子会社の事業管理がメインになっている部署もあります。また近年、総合商社各社が進出し始めているベンチャー投資や金融関連産業分野においてはトレードが存在せず、事業会社管理のみの部署も存在しているでしょう。実際にトレードを通じて顧客企業、扱う製品に対する知識や業界内のパワーバランスなどを、身を以って体感する機会が失われていることを危惧している中堅、ベテラン社員も多くいます。高いとはいえない総合商社の転職市場価値下記のコラムに詳しく書いていますが、元々総合商社の社員の転職市場価値はそこまで高いとはいえません。そもそもがプロフェッショナルというより何でも屋さんであり、成長に対する圧力はそこまで強くない環境です。総合商社からの転職で評価されているのはその業務内容というよりも、ブランドのある総合商社に入社できた地頭・リーダーシップなど、総合商社特有のスキルというよりは汎用的なスキルの部分だったりします。参考:意外に低い総合商社人材の転職市場価値そのような状況の中で、上記のように若手の業務量が減り、成長がさらに阻害されてしまうと、今後ますます総合商社の人材の転職市場価値は下がってしまうかもしれません。最後にもちろんこのような事態は総合商社各社の部長、役員も把握しており、今後、対策をしていくものと思われますが、人余りに加えて、ワークライフバランス重視の大きな流れの中で劇的に改善するのは難しいかもしれません。もし既に総合商社に入社した、入社を決めているという人は、こういった事態を理解した上で自分でどうするか考えてほしいと思います。業務以外の時間で自己研鑚に努めることが今まで以上に、自分のキャリアを充実させる上で重要になるかもしれません。総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 21,823 views

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