GAFAの敵がついに出現!その正体とは?~就活生に必要なGAFAの基本知識~

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最終更新日:2023年11月01日

GAFAの敵がついに出現!その正体とは?~就活生に必要なGAFAの基本知識~

「GAFA」、ネット広告やITサービス系の企業を志望している就活生なら必ず一度は耳にしたことがあるでしょう。

これは、Google、Amazon、Facebook、Appleの4社を総称した言葉です。

この4社の登場によりビジネスの世界だけでなく、私たちの生活も大きく変化しました。

実際に、Googleで検索したり、Amazonで商品を購入したり、Facebookで友達の近況を見たり、そうしたことをAppleのiPhoneで見る、というのが私たちの生活の当たり前になっています。

さらに、IoTという言葉が登場したように、今後はどんなモノにもインターネットが接続される時代になっています。「私はメーカー志望だからGAFAは関係ない」なんて言っていられなくなります。

志望業界を問わず、全就活生の最低限の基本知識としてGAFAについて分かりやすく説明していますので、ぜひご一読ください。

GAFAとは?

GAFAとはGoogle、Amazon、Facebook、Appleの4社を総称した言葉です。

ビッグデータを応用した巨大IT企業であるこの4社の登場により、ビジネスの世界のみならず私たちの生活も大きく激変しました。

その経済規模は、4社合計の時価総額約3兆ドル(約330兆円)というとてつもない数字からもわかるかと思います。

日本の国家予算の約101兆円(2019年度)に対して、GAFAの時価総額はその3倍を超える規模となっています。また、イギリスの国家予算を超えて世界第5位となり、大国並みの影響力を発揮するようになりました。

ここからは、大国並みの経済規模にまで成長したGAFAの「創設から現代に至るまでの沿革、事業領域、特徴やビジネスモデル、GAFAの敵、今後の展望」を簡単に説明していきます。

Google

Google:ビジネスモデル・企業分析

主な事業領域:「検索」

「検索」というインターネットを使用する際に必要な工程にプラットフォームを整備し、どんなときでも誰でもが通る「インターネットの入り口を作った」という点がGoogleの成功の最大の要因だと考えられます。

Googleの検索機能にはChrome・翻訳・Google Mapなどがありますが、その中でもGoogle最大の強みが検索におけるページランク技術です。

【ページランク技術】とは

ページランク技術 (PageRank) は、検索ワードに対するウェブページの重要度を決定するためのアルゴリズム(算法・計算式)であり、評価の高いページを上位表示するために用いられている中心的な技術。

検索だけでなく動画や音楽の分野ではYoutube・Youtube Musicなど、通話・テキスト分野ではGmail・メッセージ、仕事の効率化を図る分野ではドキュメント・スプレッドシート・Google Drive、日常生活で役に立つフォト・連絡先・カレンダーなど、ユーザー体験を向上させています。

また、ソフトウェア・サービスだけでなく、ハードウェアにも注力しており、Google Pixel・Andoroid端末などのMade by GoogleデバイスではAppleと対抗するほど売り上げを伸ばしています。

ビジネスモデル

【検索連動型広告】
ユーザーの検索に応じて最適な広告を表示するシステム広告収益が主な収入源で、Googleの収益の約86%を広告収益が占めています(2018年第一四半期)。

このひとりひとりのユーザーにとって最適な広告を表示するために、Googleが収集したビッグデータを活用し、ユーザーにとって最も有益な広告を表示することで、広告主の企業としても効率の良く広告を出せるようになっています。

アメリカでは、インターネット広告の売上をGoogleとFacebookの2社が独占しています。2019年のアメリカでのデジタル広告費6.3兆円に対して、GoogleやFacebookを含むトップ10がアメリカデジタル広告費の77%を占めています。

また、2017年にはGoogleとFacebookの2社が世界のデジタル広告費の約61%を占めています。

沿革

  • 創設者:ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン

    1995年:スタンフォード大学でラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンが出会い共同経営者として検索エンジンを開発

    1998 年:Google設立・法人化

    2001年:Googleグループを設立

    2004 年 8 月 19 日:株式公開(NASDAQ)

「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」というミッションのもと、世界中の数十億のユーザーに数百というプロダクトを届けています。

2019年度会計第三四半期(9月30日締め)では、売上高は前年同期比20%増の404億9000万ドル(4兆4500億円)となっており、Googleがその事業を順調に拡大していることがわかります。

Amazon

Amazon:ビジネスモデル・企業分析

主な領域:「購買」

Amazonは、ECサイトであるAmazon.comを運営しています。誰しもが毎日行う「購買」というフェーズにプラットフォームを構築しました。

【EC】とは

ECとはElectronic Commerceの略称で、日本語では「電子商取引」と呼ばれます。ネットワーク上で、商品やサービスを売買するビジネスのことを指します。

Amazonの主な事業は以下の3つがあります。

  • ①EC事業
  • ②アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
  • ③広告事業

消費者目線ではECサイトでの利益がAmazonの営業利益の大部分を占めているように思えますが、実際にはEC事業の割合はそこまで大きくはないです。

2018年のAmazonの売上高は2328億ドル(25兆6000億円)であるのに対し、EC事業による利益は52.8%に過ぎまぜん。

残りの収益はアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)広告事業によるものです。

AWSとは、Amazonが自社ECサイト用に構築していたサーバーシステムを他の企業に貸し出すサービスのために初期費用が抑えられています。そのために、顧客に低価格でサーバーを貸し出すことが可能になっており、2018年第二四半期には前年同期比49%の成長率と26%の高い営業利益率を誇る事業に成長しました。

近年ではアマゾンの広告事業が急速に成長しています。その広告事業というのは、ユーザーがAmazonで商品を検索した際に関連する商品の広告を表示する検索広告が中心になっています。

広告主である企業は、Googleへの広告からAmazonへの広告にシフトする傾向がみられます。それは、Googleでの「検索」というフェーズに広告をだすよりも、Amazonでの「購買」というフェーズに広告を出すほうが、ユーザーの購買行動を喚起できるからだと考察できます。

ビジネスモデル

「利益を出さない」と言われるAmazonには「バーチャス・サイクル」というビジネスモデルがあります。

成長モデルと再成長モデルを融合させた「バーチャス・サイクル」により、成長モデルでの利益を次のビジネスへの投資に回すことで再成長を促しているため、利益を利益として享受しないということです。

 

(画像引用元:https://www.zentail.com/blog/bezos-virtuous-cycle-leverage-invest-infrastructure)

①成長モデル

バーチャス・サイクルの第一段階は「成長モデル」です。

この成長モデルでは、顧客視点に立脚し、「Amazonならどんな商品でも売っている」というUX(ユーザー体験)を与え、次回もAmazonで購入させることで利益を生み出しています。

普通の店舗型小売店では2割ほどの人気商品が全体の売上の8割を占めていますが、Amazon.comではニッチでニーズの少ない商品が人気商品よりも売上が大きくなっています。これをロングテール戦略と呼びます。

陳列棚に限りがある店舗型小売店とは違い、Amazon.comのようなECサイトではどんな商品でも無限に掲載することができます。

Amazon.comではここを強みとしており、人気商品は低下価格に抑えてユーザーを呼び込み、ニーズが少ないニッチな商品を幅広く揃え通常価格で販売することでUXを高めています。

②再成長モデル

バーチャス・サイクルの第二段階は再成長モデルです。第一段階の成長モデルで得た利益を次のビジネスへの投資に充てています。

再成長モデルで今までに投資されてきたビジネスには、AWS、Amazon Prime、Amazon Dash、Amazon go、ドローン配達などがあります。このように成長モデルで得た利益を次のビジネスへの先行投資に回す再成長モデルを合わせたバーチャス・サイクルがAmazonの利益を出さないビジネスモデルです。

事業投資

①Dashビジネス

(画像引用元:https://jp.techcrunch.com/2019/08/02/2019-08-01-amazon-is-killing-off-the-dash-button-later-this-month/)

Amazon DashとはDash ButtonやDash Replenishment Serviceのことで、日用消耗品や食料品などの特定の商品のロゴが描かれた注文ボタンを押すと自動的に配送されるというサービスです。

しかし、このDashボタンのサービスは2019年8月には終了しました。サービスが不調だったわけではなく、Dashビジネスの主力をDash Replenishment Service(以降DRS)に切り替えたからです。

DRSというのは、家庭での日用消耗品の在庫がなくなったことを検知し、自動的にAmazonから新しい商品が届くというサービスで、アメリカでは2016年1月にスタートしています。もはや、「ボタンを押す」という作業すら省き利便性を向上させることでUXをさらに高めています。

②Amazon go

(画像引用元:https://japan.cnet.com/article/35125863/)

ECサイトのAmazon.comはECサイトvsリアル店舗という構図で数多くのリアル店舗と競合してきましたが、このAmazon goはリアル店舗vsリアル店舗という構図で、真っ向勝負の姿勢を見せています。

Amazon goは無人コンビニと言われ、店内にある無数の監視カメラとAIによってどの人がどの商品を何個持ってゲートを通ったのかを判定し自動的に決済が完了しているというサービスのことです。

DRSでは「ボタンを押す」という作業すら省き徹底的にユーザー体験を向上してきたAmazonですが、今回のAmazon goはリアル店舗で「会計をする」という作業を省くという点で革新的なサービスとなっています。

③ドローン配達

Amazonのドローン配達はその名の通り、配達にドローンを用いることです。

このドローン配達のメリットとしては、輸送が難しい山間部への配達が可能になったり、空輸のために最短ルート・最短時間での配達が可能になります。

配達にかかる人件費の削減と今まで以上に早く商品を届けることを実現するために、現在ではその実証実験が行われており、近いうちにサービスを開始するとしています。

沿革

  • 創設者:ジェフ・ベゾス

    1994年(平成6年)7月:Amazon.com, Incの前身となる法人「Cadabra.com」を登記。

    1995年7月:Amazon.comが正式オープン

    2000年1月:Amazon.co.jpにて本のストアがオープン

ジェフ・ベゾフがAmazon創設前に所属していた企業で行ったインターネットビジネスの調査によって、インターネットが年2,300%という驚異的なペースで普及していることが分かりました。そこで、ネット販売に適した商材を検討したところ、結果的に残ったのがでした。

本の流通業界で大きくシェアを確保している企業がいなかったため、Amazonは書籍の販売からスタートを切ったというわけです。

Facebook

Facebook:ビジネスモデル・企業分析

主な事業領域:「SNS」

Facebookは世界中での利用者が23億8000万人(2018年12月31日時点)を誇る世界最大のSNSです。

どんな人でも誰とでも繋がることができるという、オープンなデジタル上の公共スペースというのがFacebookの最大の特徴です。

Facebook社が運営するSNSには、自社のFacebookや買収したInstagram・Whatsappなどがあります。

ビジネスモデル

Facebookはその収益の大部分をデジタル広告によって得ており、2015年にはFacebook全体の95%を広告収益が占めました。

Facebookの広告はユーザープロフィールでの趣味嗜好などの個人情報を使って、表示する広告を各ユーザーごとにカスタマイズすることが可能で、ユーザーが快適にサービスを利用できるように低品質な広告は表示しないアルゴリズムに変更しています。

そのために、ユーザーにとって興味のある広告が表示されるため広告が不快にならず、広告主にとっても効率の良い広告を出せるようになっています。

今ではGoogleと肩を並べる世界最大のデジタル広告主にまで成長したFacebookですが、競合となるSNSが次々と生み出されている状況で、若年層のユーザー減少という課題を解決するために、以下のようなビジネスモデルの転換を模索しているようです。

ビジネスモデルの転換

「急激なユーザー離れを受けて転換へ」
公共的なSNSからプライベートな対話へのシフト・プライバシーの保護

「中国型モデルに接近するフェイスブック」
中国モデルを参考にした決済、電子商取引のサービス導入による利便性の向上

【引用】
フェイスブックが大胆にビジネスモデルを転換へ(NRI Solutions)

沿革

  • 創設者:マーク・ザッカーバーグ

    2004年2月:ハーバード大学生向けの「The Facebook」を立ち上げる。

    2005年・2006年:ベンチャーキャピタリストから巨額資金の獲得に成功

    2012年:株式公開

    2017年7月:株価が5.7%急騰し175ドルに到達。時価総額は0.5兆ドルに達し、ユーザー数が20億人(世界人口の27%)に到達。

    2018年12月31日:ユーザー数が23億8000万人を記録

ハーバード大学の学生間での交流を促進するために始まったというのは有名な話ですが、今では一つの大学という規模をゆうに超え、世界最大のSNSに成長しました。

その理由の一つに、Facebookのミッション​​​​​「誰もが安心して情報を共有できる、オープンでつながりのある世界を実現したい」があります。

誰であっても誰とでも繋がることができるオープンな「デジタル上の公共スペース」というプラットフォームを作り上げることで、世界最大の利用者を誇るSNSにまで発展することができました。

Apple

 

主な事業領域:「ハードとソフト」

Appleの事業領域はiPhoneなどのハードウェアから、iOSやApple Storeなどのソフトウェア・サービスなど幅広く展開しています。

  • ハードウェア:iPod、iPhone、iPad、Apple Watch、iMac
  • ソフトウェア・サービス:iOS、Apple Store、Apple Music、iTunes

AppleはこれまでiPhoneの売上に依存してきましたが、現在ではiPhoneの販売台数が頭打ちになってきている状況で、今後はソフトウェアに注力していく方針のようです。

沿革

  • 創設者:スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック

    1976年:スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックがガレージで創業。

    1977年:法人化。Apple IIの発売が成功。

    1983年:スティーブ・ジョブズが社長に。

    1984年:Macintoshを発売するも、失敗。スティーブ・ジョブズがAppleから去る。

    1997年:CEOとしてジョブズがAppleに復帰。

    2001年:iPod発売

    2007年:iPhone発売

    2010年:営業利益1兆円を突破

    2011年10月5日:スティーブ・ジョブズが死去

    2014年:iPhone6シリーズが大ヒット、通期の売上高も18億円に。
iPodやiPhoneなど、革新的な技術を持ち、かつ洗練されたシンプルなデザインの製品を数多く生み出しているApple。
そのミッションは、「革新的なハードウェア・ソフトウェア・サービスを通じて顧客に最高のユーザー体験を届けること」としており、それゆえに新製品の発売の度に長蛇の列ができてしまうほど熱狂的なファンを獲得することに成功しました。

なぜGAFAがここまで成長できたのか?

大国の国家予算規模までに成長したGAFAですが、その成長要因をGAFAの共通項から分析します。

①ビッグデータの活用

それぞれの得意分野でユーザー体験を提供することでユーザーが増え、ビッグデータを収集・分析することで、さらなるユーザー体験を向上させることができます。そして、さらにユーザーが増えるという好循環を生むことができます。

そのため、GAFAの最大の強みはビッグデータをいち早く収集・独占してきたことでしょう。

Google

膨大なビッグデータにページランク技術を活用することで検索結果に順位付けをするアルゴリズムを構築。高精度でユーザーにとって価値が高い順番に検索結果を表示することを可能にしています。

ユーザーがGoogleを利用すればするほどデータが収集され、さらにアルゴリズムの精度が高くなっていきます。

 

Amazon

大量の購買情報からAIを用いて、ユーザーひとりひとりの嗜好を分析し、ユーザーごとの購買予測に基づいて購買の可能性の高い別商品を提示するリコメンデーション機能を活用しています。

また、購買傾向に類似性のある別のユーザーが買った商品などの提案をすることで、ユーザーひとり当たりの購買品数、購買頻度を高めています。

 

Facebook

ユーザーにとって興味のない広告・関連性の低い広告を表示しないようにアルゴリズムを適宜更新しています。また、広告がユーザーに不快にならないようにサイズを小さくする取り組みもあります。

 

ユーザーが快適にサービスを利用できる環境を整備し、ユーザーと関連性の高い広告を表示しています。

 

Apple

Appleのビッグデータの活用は、個人情報を活用しないという点で他の3社とは違います。iCloudにサインインすることでユーザーの行動と個人情報が紐づきますが、サインインを必要としないサービスでユーザーの行動データを収集しています。

その例にAppleMapsがあります。サインインをする必要がないので個人情報に紐づくことなく、ユーザーの行動を収集し、MapsにAR(拡張現実)を対応させる動きを見せています。

 

②AIなど最新技術に莫大な先行投資・将来的に競合となりうる企業はMAで経営統合・買収

GAFAの特徴の2つ目は最新技術への莫大な先行投資です。最新技術を他社よりもいち早く確保することが急務となっています。

事業規模がどんなに小さくても最新技術を有し将来的に競合となりうる企業は買収するというのが定石となっています。買収し自社に取り組むことで、競合となりうる脅威を潰し自社のプロダクトや事業領域を広げています。

GAFA各社のこれまでの主な買収は以下の通りです。

Google

2004年10月:keyholeを買収、現Google maps、Google earth。


2005年3月:Urchinを買収、現Google Analytics。


2005年7月:携帯電話ソフトウェア会社であるAndroidを買収。


2006年10月:動画配信サービスYouTubeを16億5000万ドル(約2000億円)で買収。

 

2007年11月、携帯電話用ソフトウェアのプラットフォームであるAndroidを発表


2017年9月:台湾を拠点とするスマートフォンメーカーであるHTC社の一部を11億ドルで買収。

Amazon

1998年:イギリスのオンライン書籍販売の「bookpages」を買収。

 

1998年:ドイツのオンライン書籍販売の「 Telebuch.de」を買収。

1999年:Webサイトのアクセス状況を順位付けするサイトであるAlexa Internetを買収。Amazono.comでのページランキングに技術が活用されています。

2012年:倉庫内のロボット配送の「Kiva Systems」を7億7,500万ドル(639億1580万円)で買収。


2017年6月:高級スーパーである「Whole FoodsMarket」を137億ドル(1兆5,000億円)で買収。


Amazonは1994年に創業してから2017年までに79社を買収しており、その目的としては扱う商材を拡充する目的と、物流施設のインフラ整備、販売ノウハウの確保という目的があるかと思います。

 

カメラとリアルタイム画像処理システムを搭載したKiva Systemsのロボットを、Amazonの物流施設での運搬に導入したところ、2015年には1倉庫あたり2,200万ドルの経費削減に繋がったそうです。

 

また、Amazonは無人コンビニである「Amazon Go」などのリアル店舗への進出を行なっていますが、「Whole FoodsMarket」の買収によってリアル店舗への進出と生鮮食料品分野の販売ノウハウを取得しようとしました。

Facebook

2012年4月:写真共有サービスのInstagramを10億ドルで買収。

2014年2月:スマホ向けのメッセージング・サービスのWhatsAppを190億ドルで買収。


Instagramはサービス開始2年で既に3000万人以上のユーザーを抱えていました。Facebookは、若い消費者の関心がInstagramに向いていることに気付き買収を決断しました。

将来的に競合となりうる企業を排除するための買収ともいわれていますが、この買収がFacebookの成長の最大の要因と考えられています。

Apple2009年7月:オンライン地図、API技術を有するplacebaseを買収

→2012年9月AppleMapsを搭載したios6.0をアップデート


2010年4月:音声によるパーソナルアシスタント、Siriを買収

→2011年10月、Siriを搭載したios5.0をアップデート


2012年7月:指紋認証によるセキュリティ開発のauten techを買収

→2013年7月、指紋センサー搭載のios7.0をアップデート

2019年5月:Intelのスマホモデム事業を10億ドルで買収すると発表、iPhoneに搭載する5Gモデムの開発に向けたIntelの従業員と知的財産の獲得が目的と考えられています。

 

2010年以降、AppleがAIスタートアップの買収が最多で20社。
【参考】アップル、買収20社で最多 AIスタートアップ争奪戦(日本経済新聞)

③長期的経営思考とスピード

長期的経営思考とは「会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線で事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方」のことです。

GAFAに共通していることは、短期的にどれだけのマイナスがでようと、長期的な目線に立って将来の成長のために勇気をもって先行投資をしてきたことです。

長期的経営思考

短期的な損失を厭わない。
・どこよりも早い先行投資によって市場での競争優位性を高め、後発企業の参入障壁を大きくする
・投資の目線が長期的で未来志向。

また、経営判断のスピードが異常に早いということもGAFAの4社に共通していることです。

GAFAは他社よりも早く先行投資することで市場での競争優位性を確保しています。そのためには、新規事業に投資してもいいのかどうか悩んでいる時間がありません。悩んでいるうちに他社に出し抜かれビジネスチャンスがどんどん減少していきます。

GAFAの経営判断は経営計画が20%の段階での事業を5つスタートさせ、ヒットした事業が1つでもあれば他の4つを切り捨てて、そのヒットした1つの事業を伸ばしていくというように言われています。

経営計画が100%の1つの事業を確実に進める日系企業とはその判断スピードが全く違い、日系企業がカメならGAFAはF1カーに例えられます。

④各社独自の経営戦略

GAFAの成長には、各社独自のルールや戦略といった経営戦略が影響しているかと思われます。

Google

「20%ルール」
この20%ルールというのは、「従業員は、勤務時間の20%の時間を通常の職務ではなく、自分の行いたいプロジェクトに費やすことができる」というものです。採算性を度外視した制度ではありますが、のちに莫大な利益を生む「Gmail」など多くの事業を創出しています。

現在ではこのルールはないに等しいとされていますが、事業創出の目的はしっかりと果たせた制度であったことは疑いないでしょう。

 

Amazon

赤字のまま成長
Amazonの成長要因はバーチャス・サイクルにあるということは説明しましたが、投資額が利益よりも大きいために何度も赤字を繰り返しています。


しかし、そうした投資のおかげで誕生したクラウドコンピューティングサービスであるAWSはGoogleやMicrosoftですら参入をためらうようなレベルで市場シェアを高めました。

近年では有料会員制動画コンテンツであるAmazon Primeに多額の資金をつぎ込んでおり、2018年の年初時点でアメリカでの会員数は1億人に迫る勢いです。

従来の赤字を出してでも先行投資をやめない姿勢を崩さずに、次の事業を成功させてきたことがAmazonの最大の特徴と言えるでしょう。

クラウド事業の好調もあり現在では黒字に転じていますが、その利益もAmazon Primeへの投資に回されていて、今度ますます拡大していくことが予測されます。

 

Facebook

Facebookはサービスの拡充だけを成長戦略にするのではなく、ネットワーク効果を狙う方針です。これはつまり、ユーザー体験の向上だけでなく、ユーザー数を拡大していくということを意味します。

2012年の写真共有アプリ「Instagram」と、2014年のインスタントメッセンジャーアプリ「Whatsapp」の買収により、ユーザーの規模を拡大させています。もともとのFacebookに加え、InstagramやWhatsappのユーザーを取り込むことに成功したということです。

 

また、マルチホーミングを嫌うユーザーに対し、Instagramでのショッピング機能を拡充していくことで一つのメディア・サービスで行動を一貫できるようにしています。

【ネットワーク効果】とは
ユーザーが増えれば増えるほど、その製品やサービスの価値が増加し、さらにユーザーが増えていくということです。ネットワーク外部性とも呼ばれます。

 

Apple

連結売上高に占めるiPhoneの割合が非常に高く、その売上に依存しています。そのiPhoneのブランディングがAppleの成功の大きな要因となっています。

①差別化戦略
Appleは、iPodやiPhoneなど今までになかったような製品を生み出すことで、新しいユーザー体験を作ってきました。

Apple製品は革新的な技術で、かつ洗練されたシンプルなデザインが特徴的です。新製品の発表もさながらファッションショーのようなエンターテインメントとなっています。製品のネーミングも、頭文字にiを付けることでユーザーにApple製品だを認識しやすくしています。


②集中戦略
iMac、iPod、iPhoneというハードウェアで、iOS、iTunes、AppleStoreというソフトウェア・サービスを提供することでAppleの一貫したサービスを提供しています。マルチホーミングを嫌うユーザーに対し、ハードウェアからソフトウェアまでAppleだけで完結できるような集中戦略をとっています。

 

GAFAの敵がついに出現!その正体とは?

超大国並の事業規模にまで拡大したGAFAに向かうところ敵なし、というように思ってしまいがちですが、実は様々な問題を孕んでいます。その問題点とは何なのでしょうか。

成長過程の中で将来的に競合となりうる企業を買収し自社に取り組むことで、脅威を排除していくというのがGAFAの定石だと解説しましたが、今後GAFAの脅威となりうる企業もまだまだたくさんあります。

そのGAFAの敵とはいったい何なのか。その正体を探ってみると、企業だけがGAFAの敵ではないことが分かりました。

GAFAの抱える問題点と、GAFAに迫る敵について解説します。

GAFAが抱える問題点とは?

問題点①:個人情報の流出 

GAFAという巨大な企業ですらユーザーの個人情報の流出が多発しています。

 

どんな企業であってもユーザーやクライアントの情報が流出することが危険なことは理解できるでしょう。ましてや、GAFAのように自分の住所やクレジットカード情報を紐づけているサービスであれば猶更一大事です。

 

個人情報の流出というのはその企業の信用に関わる重要な出来事であるものの、それが多発してしまうというのは改善すべき問題点です。

 

・2018年10月、Facebookで約3000万人の個人情報の流出。
・2018年12月、Google+で約5250万人の個人情報が流出。
・2019年5月、アップルをiTunes利用者が提訴、購入データと個人情報の流出で(Bloomberg)
・2019年9月、アマゾン、アプリで誤作動 他人の氏名・注文履歴表示(日経新聞)
・2019年12月、Facebookで約2億6700万人の個人情報が流出。
問題点②:フェイクニュース

Facebookで、嘘の情報を真実かのように垂れ流されるフェイクニュースが問題になっています。

 

こういったSNS上のデマというのは往々にして見かけるもので、ユーザー個人が情報の真偽を見定める必要があると言われます。

 

しかし、このフェイクニュースが問題になっているのは、Facebookが言論の自由を守るためにフェイクニュースを認識していても削除していないことにあります。

 

ただし、「ディープフェイク」には流石に対応しなければならなかったようです。「ディープフェイク」というのは、特定の人の画像からAIが、あたかもその人が話しているかのような動画のことです。

 

そのディープフェイクの動画内では、FacebookCEOのマーク・ザッカーバーグが秘密組織への感謝を述べるという動画になっています。こうしたディープフェイク動画に対しては流石に削除するポリシーを明言しています。

 

問題点③:ロシアからの干渉

上記で取り上げた問題点②フェイクニュースに関連する問題です。

 

2016年アメリカ大統領選挙の際に、Facebook上でロシア系企業やロシア政府関連のアカウントからアメリカ内での世論を分断するためにフェイクニュースを流されたことが問題になりました。

 

問題点④:テロ集団の調査協力を拒否

2015年12月にアメリカで起きた銃乱射事件に際して、アメリカ政府がAppleに対してテロ犯のiPhoneのロック解除を要請したにも関わらず、Appleがそれを拒否したという問題です。

 

アメリカNPO法人のPew Reserch Centerのアンケートでは、51%の民衆がロック解除をすべきという意見でした。しかし、Appleは自社のユーザーのプライバシー保護を理由に断固として拒否し、調査に協力しませんでした。

 

問題点⑤:脱税・デジタル課税

GAFAはその事業規模に対して適切な法人税を納めていないという意見が散見されています。

 

一般的な企業の場合、本社や支店、工場などの物理的な拠点を置く場所に法人税を課しているが、プラットフォーム企業はネット上にそのビジネスを置くため法人税から逃れられるわけです。

 

アメリカ大手スーパーマーケットであるWalmartが2008年以降に支払ってきた法人税が約640億ドルなのに対し、Amazonは約14億ドルにとどまっています。

 

問題点⑥:市場独占・ビッグデータの独占

GAFAによって市場が独占されているため、日本における独占禁止法違反・アメリカにおける反トラスト法違反の疑いがあります。

 

GAFAが市場を独占していることは明白ですが、彼らのワシントン上院議会でのロビー活動によって反トラスト法を掻い潜り逃げ続けている状況です。

 

問題点⑦:イノベーションの芽を摘む

GAFAの現状の競合他社はGAFAからすれば小さい企業です。何もしなくても自然と倒れるのを待つか、成長してきた場合には買収して自社に取り込むというのがGAFAの定石です。

 

そのため、今までのようなイノベーションが見込めなくなっています。

 

GAFAの敵はアメリカ政府?日本政府・EUがGAFAを包囲?

GAFAの最大の敵はアメリカ政府だと言えるでしょう。

超大国並の経済的影響力を持っているものの、様々な問題を抱えアメリカに法人税を払わずテロ犯への調査協力をも拒否するGAFAはアメリカ政府からしたら目の上のたん瘤のような厄介な企業です。

アメリカ政府はGAFAに対する規制を今後強化していく方針で、日本政府やEUでも同様の風潮が見られます。

①アメリカ政府

これまでアメリカ連邦議会では、ビジネスを縛る規制を減らし、自由な事業展開の後押しを重視してきました。

しかし、2019年から下院で企業規制に積極的な民主党が多数派を握るようになり、大統領選挙でのフェイクニュースなどGAFAに関する問題や疑惑が次々と浮上する中、「IT規制論(テック規制論)」が強まっています。

また、GAFAが今まで逃れ続けてきた反トラスト法に関して公聴会が開かれ、調査が進められています。

②日本政府

日本政府は、「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」という新しい法案を国会に提出予定です。

この法案は、GAFAと中小企業間での不透明な契約を透明化するという内容になっており、ビッグデータを独占するGAFAに対して規制を強めていく方針です。

③欧州連合

欧州連合(EU)が、個人情報保護の取り組みとして「一般データ保護規則」(GDPR)を2019年5月に施行しました。

EU圏内で取得したクレジットカードなどの個人情報をEU圏外に移転することを禁止しており、GAFAのビッグデータ活用に対する規制策を講じています。

米中の技術覇権争いの激化でビジネスや安全保障でのデータの重要性が増している中で、GAFAから「データ主権」を欧州に取り戻す狙いがあり、EUはGAFAへの対決姿勢を一段と強める方針のようです。

シリコンバレーの時代は終わった?GAFAのライバルは「BATH」?ユニコーン企業?

ITベンチャー企業のスタートアップの場として人気が高いシリコンバレー。GAFAもシリコンバレー発のIT企業ですが、「IT企業ならシリコンバレー」という時代はもう終わったという見解もあります。

それは、そもそものビジネスの舞台がアメリカだけでなく、GDPの成長が著しい中国に変わりつつあるということが背景にあります。

中国企業の隆盛

「BATH」と呼ばれる成長が著しい中国企業があります。それはバイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイの4つ企業の総称です。

 

それぞれは以下のような事業領域で中国最大手の位置につけています。

 

【BATH】
バイドゥ:検索エンジン
アリババ:ECサイト
テンセント:ネットサービス
ファーウェイ:通信機器メーカー

外資系企業の中国市場への参入を制限している中国政府の政策によって、GAFAがなかなか手を出せませんでした。そんな中、BATHが各々の事業領域で最大手につけているということは、世界最大の人口を誇る中国で14億人のユーザーをBATHが独占しているということです。

 

中国で勢力を拡大しているBATHがGAFAの脅威になるのでは?と言われることが多くなってきました。

 

ユニコーン企業

GAFAの敵となりうるのはBATHだけでなく、ユニコーン企業の存在も度外視することはできません。

 

【ユニコーン企業】とは
急速に拡大成長したIT企業のことを指します。ユニコーン企業には次の4つの条件があります。
①評価額10億ドル以上②起業10年以内③非上場④テクノロジー企業

このユニコーン企業の代表例がUber TechnologyAirbnbで、Uber Technologyはタクシー配車サービス、Airbnbは民泊サービスを展開しているユニコーン企業です。

 

もともとFacebookもユニコーン企業の1つで、ユーザーが増えれば増えるほどビッグデータが収集できるようになり広告収益も拡大していきました。そのように、Uber TechnologyやAirbnbもユーザーの拡大によってはGAFAの敵になる可能性は十分にあります。

 

しかし、「移動」「宿泊」というフェーズがGAFAの「検索」「購買」「SNS」といったフェーズよりも限定的なため、GAFAに打ち勝つのは至難かと思われます。

GAFAの今後の展望は?次のビジネスは自動運転で確定か?

GAFAの成長が、ビッグデータを収集・分析することで広告収益を高め、その利益で次のビジネスへの投資に利用するというものでした。

しかし、近年では中国のBATHやUber Technologyなどの新興企業との競合や、アメリカ政府をはじめとする各国政府の包囲網など、立ちはだかる障害がたくさんあります。

GAFAが次なるビジネスを見つけるのが先か、その前に成長が頭打ちになりBATHやUber Technologyに追いつかれてしまうのが先か、GAFAの今後の動きがIT業界の趨勢を占うようになっています。

GAFAの次のビジネスとして最も可能性が高いと言えるのは自動運転でしょう。この分野にはGoogle・Amazon・Appleがすでに参入しています。

GoogleはスタートアップのWaymoを買収し、自動運転タクシーの商用サービスを2018年12月にスタートさせ、2019年にはドライバーなしの実証実験も行っています。

Amazonはドローンで配達できない大きなサイズの商品用に自動運転技術を搭載した配達ロボット「Amazon Scout(アマゾン・スカウト)」の実証実験を予定しています。

この自動運転ビジネスとして確立すれば、日本の自動車産業に影響が及ぶことは間違いありません。

また、タクシー配車サービスを展開するUber Technologyにも自動運転が導入される未来を予測するのも難しくありません。そうなるとGAFAとUber Technologyが同じ事業領域で競合することとなります。もしかすると、GAFAがUber Technologyを買収する?なんていうニュースが飛び込んでくるかもしれません。

当然、GAFAが事業を拡大していけばいくほど、彼らの市場独占を嫌う各国政府の規制もさらに強くなっていくことでしょう。GAFAがその規制の網をかいくぐり今後どんな展開を見せるのか目が離せません。

最後に

今回はGAFAの事業領域やビジネスモデル、その成長要因と迫りくる敵、今後の展望について解説しました。

「検索」「購買」「SNS」というフェーズにプラットフォームを整備してきましたが、次の次の次まで先行投資をしてきたGAFAですから、私たちが想像もしない分野にまでビジネス展開のビジョンを描いているかもしれません。

IoTの時代に、GAFAについて知っておくことはどの業界に身を置いても重要なことですので、GAFAに関する基本知識を頭に入れておきましょう。

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合同企業説明会を無駄な時間にしないための3つの方法 合同企業説明会を無駄な時間にしないための3つの方法 例年、合同企業説明会に参加しただけで就職活動を頑張った気になってしまう人が一定数いるように感じています。でも書いた通り、ただ受動的に参加して話を聞いているだけではHPに掲載されている程度の情報を得ることしかできません。3月1日から企業の採用広報活動が解禁されるため、それに合わせて合同企業説明会が数多く開催されます。そこで今回、合同企業説明会への参加を最大限効果的にするための3つの方法について書いていきます。参加する目的意識を明確にする合同企業説明会は無駄だという意見も実際あります。皆さんの中にも、サークルの先輩などから「あんなの行くだけ無駄だよ」などと言われた人もいるのではないでしょうか。しかしそれは何のために参加するのか明確にせず、「皆が行くから行く」とか「就活気分を味わうために」などといった、いわば夏にお祭りに行くような風物詩的な気持ちで参加しているからだと言えます。合同企業説明会も、事前に参加する目的を明確にしていけば無駄にはなりません。ここでの目的とは、下記の3つになると思います。①志望度の高い企業の人事に気に入られる②志望度の高い企業の社員・内定者と知り合ってOB訪問など就活のアドバイスをもらう③自主的には調べなさそうな企業の説明を聞いてみて自分の興味の幅を広げる①志望度の高い企業の人事に気に入られるもし合同企業説明会に志望度の高い企業が参加しているのであれば、人事に気に入られるつもりで行きましょう。具体的には、よく説明の最後に設けられる質疑応答の時間に鋭い質問ができると評価されやすいと思います。下記は面接における逆質問についてのコラムですが、説明会の質疑応答についても同様のことが言えるので参考にしてください。参考:一概には言えませんが、自身の価値観や経験に基づいた意図が明確な質問であれば評価されやすいように思います。逆に評価されない質問は次のようなものが挙げられます。「残業時間はどのくらいですか?」「福利厚生はどうですか?」といったような自分の不安を解消させたいだけの質問「御社の社風はどのようなものですか?」といった答えにくく、そもそもそれを聞いてどうしたいのかという質問「御社の強みは何ですか?」といった、会社のHPや四季報を読めばわかるような質問でも書いているように、一度ブースに座ってしまうと抜け出しづらく時間を食ってしまうというデメリットがありますが、質疑応答で指されやすくするためにあえて前列に座るという手段を採用するのもアリですし、立ち見の学生に混じって質疑応答のタイミングを見計らってブースに寄るのも一つかと思います。それぞれメリット・デメリットがあるため、どういった方法を用いるのかはご自身の判断で決めていただければ幸いです。②志望度の高い企業の社員・内定者と知り合ってOB訪問など就活のアドバイスをもらうせっかく現場で働く社員と触れ合えるのであれば、その場限りの付き合いで終わってしまうのは非常にもったいないことです。また、説明会に参加している社員はいわゆる「デキる人」であることも多いため、可能であればコネクションを作っておきたいところ。社員とのコネクションを作るには、企業講演の隙間時間などで名刺をもらい後日、しっかりとしたお礼のメールとOB訪問のお願いをするのが有効的です。また、大手企業になると内定者をアルバイトとしてお手伝いに呼んでいる場合もあるため内定者と仲良くなることもできるかと思います。実際、内定前から企業の社員や内定者と仲良くなって「引き上げてもらう」経験をしている学生も少なくありません。多くの社員に目をかけてもらい内定に近づくというのも立派な戦略だと言えるでしょう。③自主的には調べなそうな企業の説明を聞いてみて自分の興味の幅を広げる冒頭でも書きましたが、企業ブースでの説明は、そのほとんどが企業HPに掲載されている内容をきれいにスライドにまとめただけのものです。そのため自分から積極的に調べるような志望度の高い企業のブースに、情報収集のためだけに座るのであればあまり意味はありません。参考:逆に言えば、自分からは企業HPを見ようと思わないような業界・企業のブースには参加する意味があると言えます。わかりやすくスライドなどでプレゼンしてくれるので、もしかしたら一気に志望度が上がることもあるかもしれません。就職活動を始めたばかりの視野の狭い状態で、特定の業界に固執するのは大きな機会損失です。志望業界は持ちつつも、偏見なしに幅広い業界を見ていくことは就活のリスクヘッジの上でもビジネスを知る上でも有効であると言えます。最後に合同企業説明会に限らず、周囲に流されて何となく行動すると無駄な時間を過ごしがちになります。自分がそこで何をするのか、目的を明確にした上で行動すればより少ない労力で大きな成果が得られるのではないでしょうか。告知なお、21卒対象で2月から合同説明会「レクミーLIVE」が全国で開催されます。以下のページからお申込みできるので、是非活用してみてください。▼お申し込みはこちらから【過去参画企業(抜粋)】三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、サントリー、三菱地所、野村総合研究所、アマゾンジャパン、トヨタ自動車、ベイン・アンド・カンパニー、ユニリーバ、P&Gジャパン、楽天など【参考記事】 53,355 views
『AIは”使う”スキルが重要?』今後の社会で必要とされるAIスキルについて文系学生がマイクロソフト社員に聞いてみた│unistyleインタビュー 『AIは”使う”スキルが重要?』今後の社会で必要とされるAIスキルについて文系学生がマイクロソフト社員に聞いてみた│unistyleインタビュー 本記事は日本マイクロソフトのPR記事になります。デジタルテクノロジーにより、世の中はさま変わりしました。順調に業績を伸ばしている業種や企業の成功のカギはデータ。そのデータを使った仕組みの中でもいま注目されているのが「AI」です。経済産業省では、AIを使いこなせる人材がこれから不足すると予想し、AI人材の育成に力を入れています。しかし、読者の皆さんは「自分がAIを使いこなすなんて無理だ…」と思ったりはしていませんか?そこで今回は、現役の文系大学生がマイクロソフトの中の人にぶっちゃけ話を聞いてみました。マイクロソフトのベテラン社員である阪口さんと同社でインターンを経験した文系女子の西村さん、そしてunistyleがITやAIについて語る対談をご紹介します。西村さんザ・文系学生。少し前までは、ITに対する認識もぼんやりしたものでしかなかった。大学では戦後のジェンダー論や科学技術社会論などの視点から研究。日本マイクロソフト株式会社のインターンを経て2021年4月に同社入社予定。阪口さん日本マイクロソフト株式会社にて教育業界のお客様向けに業界特化のIT戦略を担当。実は西村さんは、インターンシップに参加する前はITやAIに対する知見は一切なく、在学中はアジア太平洋戦争後の「占領期」という時期を対象に、ジェンダー論や科学技術社会論などの視点から研究に取り組んできたそうです。研究活動の中で図書館や資料館、公文書館などを訪れる機会が多くあり、これらの施設が所蔵する資料の保存や共有、公開、展示などにおけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に関心が生まれ、同社で働くことを決められました。そんな西村さんが春から社会人として働く上で必要なスキルや考え方について学ぶため、今回はマイクロソフトのベテラン社員である阪口さんにお話を伺っています。AIというと理系向けという印象を持たれる方もいると思いますが、文系の方でもITに関する知識を持つことで視野が広がり、就職活動において様々な選択肢が広がる可能性があります。是非本記事を参考にITやAIに関する知見を深めていただければと思います。本記事のコンテンツ|01|就活生がAIスキル・知識を身に着けるべき理由とは|02|AIを作る側ではなく使いこなす側になるための講座「学生向けMicrosoftLearn」とは|03|MicrosoftLearnの具体的な特徴について|04|まとめ|01|就活生がAIスキル・知識を身に着けるべき理由とはそもそもAIとは「ArtificialIntelligence」の略であり、辞書的な定義では「学習・推論・判断といった人間の知能が持つ機能を備えたコンピューターシステム(※大辞林第三版より抜粋)」と記されています。AIはIT(InformationTechnology)の一つ。IT自体は国語、算数、理科といった教科のひとつのようなものだと考えています。つまり、大切な教養の一つであり概念として捉えられる一種の表現です。ITには、AI以外にネットワークやクラウドなど多様な技術が含まれ、それらを学ぶことで実生活だけでなく仕事においても役立つものだと思います。今やITは社会インフラになりました。ITがなくては今の生活は成り立たないと言われています。一方でITに関する教育が行われていないのが日本の実情であり、技術者不足が深刻な課題になりつつあります。【参考文献】IT人材白書2020/独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センターところで西村さんは「AI」と聞くと何を思い浮かべますか?身近な例を挙げると「YouTubeを見ている際に出てくるおすすめ動画」ですね。私の性別や年齢、趣味、過去の閲覧データなどからだと思いますが、私の嗜好にあったレコメンデーションが表示される時は非常に身近にAIの技術を感じていますし、世の中にとって無くてはならない存在だと感じています。こうしたITやAIに対し、今はマイクロソフトのインターンシップの経験があるので理解は深まっていますが、以前は、AIを理解することはコードがかけて、頭がよくて、忍耐力があって、プログラミングへの関心が必要で・・・と思っており、文系の自分にはハードルが高く別世界だと感じていました。きっと多くの就活生の方が西村さんと同じようなイメージを持っていらっしゃるのではないでしょうか。しかし寿司職人が包丁を作らないのと同じように、AIはエンジニアが作るものであり、AIを使いこなすスキルとは異なります。今は「AI=エンジニアの仕事」といったイメージがありますが、本来は多くの方がAIを使いこなせるようになるべきだと考えています。というのも私たちの周りには多くのテクノロジーが使われており、日々の生活のインフラとなっているためです。例えば、LINEで使われているクラウドやYouTubeやSNSなどに表示されるレコメンドにAIの技術が使われています。先ほど西村さんもお話しされていましたが、AI技術の進歩に伴い、企業におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)が加速しています。デジタル・トランスフォーメーション(DX)とは、「ITによって、人々の生活をあらゆる面でより良くする」という概念です。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱しましたが、いまやいたるところで使われている言葉です。主に組織がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味で理解してください。つまり、DXとは、単純なデジタルへの置き換えではなく、変化前のプロセスから仕組みまで「再設計」して良い形に変革することになります。そのためには、やはりデータが大事。データを理解することから考えてみましょう。今では当たり前のように、サービス業やメーカー、官公庁などもデジタル人材の採用を強化しており、今後もこうした傾向は強まるでしょう。マイクロソフトではこうした実情を踏まえ、1名でも多くの方にAIに対する知見を深めていただきたいと思い、大学生向けの学習プログラムである「学生向けMicrosoftLearn」を開講しています。|02|AIを作る側ではなく使いこなす側になるための講座「学生向けMicrosoftLearn」とは____今後AIは大切な教養の一つになるという事を踏まえて、現在御社ではAIについて学ぶことが出来る講座を開講していると伺いました。現在マイクロソフトではこれから社会に出る方向けに、AIを作る側ではなく使いこなす側に立ってもらうための入門編である「学生向けMicrosoftLearn」というオンライン講座を開いています。本講座でAIを体系的に学ぶことで、世の中の仕組みをAIやテック系の側面から知ることができ、身の回りの課題を解決する手段(使い方や方法)を知ることができます。一般的なIT系の資格とは異なり、実践的な立場に立ったAI活用を学ぶことが出来る内容になっているため、日々の生活や実務にすぐに活かせるはずです。AIを使うのはエンジニアだけではないんですね。世の中の多くの人が使うのであれば、文系学生はこうした内容を学ぶことで就職先の選択肢が広がるでしょう。さらに資格という目に見える成果を取得できるので、就活時の面接でのアピールにも繋がりますね。文系の方が何かしらの講座を受けようと考える際は、TOEICやTOEFLなど語学系を学ぼうと考える方が多いと思いますが、こうした講座を通じてAIの活用について学ぶことで、どのようにAIを用いて仕事を進めていくことが出来るのかといった考え方も生まれ、キャリアパスが広がりそうですね。まさに文系の方でもAIについて学ぶことでキャリアは広がると思います。世の中には作る人よりも使う人が多いので、AIを使いこなせるスキルをどんどん身に着けて欲しいと考えています。というのも、AIについて学び、ツールや社会の仕組みの裏側を知る事で、仕事をする際に自分の業務において課題にぶつかった際に「こうしたツールがあれば課題解決が出来るかも。生産性を向上できるかもしれない。」と考えることができます。これはどんな仕事でも役立つでしょう。こうしたスキルを身に着けているといないとではビジネスにおける生産性は著しく変わると思います。これからはExcelやPowerPointと同じくらいAIを使いこなすスキルが大切になります。|03|MicrosoftLearnってどうやったら体験できるの?学生の皆さま向けにホームページでご紹介しています。プログラムは無償でオンライン受講できる点が大きな特徴です。また、ライフワークに合った形で学びやすいように1分-15分単位の講座が多数用意されている形式となっており、最短10日間で学び終えることが出来ます。オンライン学習終了後に受ける認定資格試験に合格すれば、AIのスキルや知識を有することを証明するマイクロソフト認定の資格(AzureAIFundamentals(AI-900)を取得できるので、就活の際にはスキルやAIについての意識の高さを証明できます。これは就活の武器になりますね!最近では就活の面接時に「課題解決が出来る」とアピールする学生も多く見受けられますが、その際に客観的な指標である資格や技術があると面接での評価のされ方も異なると思います。|04|まとめITと聞くとあまり馴染みの無い方が多いかもしれません。実は私たちの生活のインフラとして根付いており、IT無くしては今の生活は成り立っていません。ITという幅広い定義の言葉の中で大事な要素を占めるAIを「作る」のではなく、どのように「使うのか」を学ぶことで視野が広がるはずです。本記事を通じてAIの活用について興味が湧いた方は、下記URLより詳細を確認してみて下さい。▼詳しくはこちら社会で活躍できるスキルを身に着けることができる「学生向けMicrosoftLearn」 8,478 views
【厳選】すべての就活生が読んでおくべき4冊の必読書 【厳選】すべての就活生が読んでおくべき4冊の必読書 かつて伊藤忠商事で社長・会長を歴任した丹羽宇一郎氏も、著書『死ぬほど読書(幻冬舎新書)』のなかで「本はいってみれば、人間力を磨くための栄養です。草木にとっての水のようなものといえます」と綴っています。本記事では、就職活動を控えた方や、真っただ中の方に向けて、選りすぐりの必読書・4冊をご紹介します。また、記事の最後ではそれとは別に、就職活動の各フェーズで効果を発揮する5冊の選考対策本も紹介していますので、こちらも併せて参考にしてください。【本記事のトピック】■就活生が本を読むべき2つの理由■必読書・4選└内田和成『仮説思考』└杉野幹人『超・箇条書き』└伊賀泰代『採用基準』└橘玲『幸福の資本論』■付録:【完全版】おすすめ選考対策本・5選└【テスト対策】『これが本当のSPI3だ!』└【GD・ケース対策】『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』└【GD・ケース対策】『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』└【自己分析】『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0』└【業界研究】『日経業界地図2018年版』■最後に:就活生よ、本を読もう!就活生が本を読むべき2つの理由まずは導入として、「なぜ就活生は本を読むべきなのか」、この問いについて少しだけ検討してみましょう。就活生の皆さんが(これまでにも増して)活字を読むべき理由は、2つあります。①キャリアを考えるための土台になる1つめに、あなたの幸福なキャリアを深く考えるための土台ができるためです。就職活動とは、数ある選択肢のなかから、あなた自身の幸福を最大化するようなファーストキャリアを選び取るプロセスです。さまざまな考え方や知識をインプットして見識を広め、改めてあなたの価値観を見つめなおすには、最適なタイミングのひとつであるといえるでしょう。②選考で評価されやすくなる2つめに、思考法や伝え方の原則を学ぶことで選考で評価されやすくなるためです。効率のよい思考法や相手が理解しやすい伝え方を心得ているだけで、就職活動の選考でのパフォーマンスは大きく改善されます。とりわけ、ビジネスの現場で活躍している著者の書籍を読み、そこから彼らの思考法やコミュニケーションスキルを学び取ることは、企業の選考で課される面接やグループディスカッション(GD)に直接的に活きてくるはずです。これらの理由から、読書は就職活動で納得のいく結果を手にするための最強のソリューションのひとつだと言えます。必読書・4選前置きが長くなりましたが、以下、unistyleから学生のみなさんに推奨したい4冊を紹介します。必読書①:内田和成『仮説思考』トップファームのひとつ、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でディレクターまで上りつめた内田和成氏が、短時間で高い成果を出すための思考法を分かりやすく解説した一冊です。仮説思考BCG流問題発見・解決の発想法「仮説」とは、「まだ証明はしていないが、最も答えに近いと思われる答え」(本書より抜粋)のことであり、これを用いた思考法のことを「仮説思考」と呼んでいます。これは、絶対的な解が存在しないビジネスの世界において、高い成果を出すためには欠かせない思考法のひとつだといえます。これを会得し、実践することは、面接で高く評価されるような魅力的な経験・エピソードにつながるほか、GDやケース面接での議論にも活きてくるはずです。また、中長期的なメリットとして、入社後に実際のビジネスの現場で活躍するための素地をつくることにもつながるでしょう。必読書②:杉野幹人『超・箇条書き』トップティアのコンサルティングファーム、A.T.カーニーでマネジャーを務める杉野幹人氏の著書。超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術「短く、魅力的に伝える」ための必須スキル「BulletPoints(箇条書き)」について、実践的なテクニックまでが詳細に解説されています。皆さんがどんなに魅力的なアピールポイントを持っていたとしても、それを正しく企業側に伝えることができなければ、残念ながら何の意味もありません。本書が指南する「超・箇条書き」というスキルは、ESの作成はもちろん、面接でのアピールやGD・ケース面接でのディスカッションなど、就職活動のあらゆるフェーズで劇的な効果を発揮するはずです。必読書③:伊賀泰代『採用基準』マッキンゼー・アンド・カンパニーの採用マネジャーを12年のあいだ務めた伊賀泰代氏が、社会から本当に必要とされる優秀な人材像を明らかにした一冊です。採用基準「マッキンゼーが求める人材」は、実は「いまの日本社会が必要としている人材」とまったく同じであるとしたうえで、その条件(採用基準)となるたった1つの資質を解説しています(その資質が何であるかは、ぜひ実際に著書を手に取って確認してください)。マッキンゼーのようなコンサルティングファームを志望する学生だけでなく、これからビジネスのフィールドで活躍したいと考えているすべての学生が読むべき内容になっています。なお、本書については、unistyleにおいて以下の記事でも言及しています。■必読書④:橘玲『幸福の資本論』作家・社会評論家である橘玲氏が、「これからの社会で”幸福に生きる”ためには、どのように人生を設計すべきか」という本質的な論点を検討した一冊です。幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」橘氏は、人間が手にすることのできる資本を「金融資産(資本)」「人的資本」「社会資本」の3つに分けて定義したうえで、すべての人間の「幸福」な人生パターンはこれら3つの組み合わせによって説明できるとしています。ファーストキャリアとする企業を選び、社会人生活のエントランスをくぐる前に、ぜひ本書をヒントに「自分にとって”幸福な人生”とは何か」を考えてみてください。付録:【完全版】おすすめ選考対策本5選ここまで紹介してきた必読書とは別に、自己分析や業界研究、面接対策など、実際の選考に向けて具体的な対策を行うための5冊のおすすめ就活本も挙げておきます。書店の就活コーナーには大量の書籍が並べられており、どれを買えばいいか分からなくなってしまう方も多いかと思いますが、ひとまずは以下の5冊を選べば間違いはありません。【テスト対策】『これが本当のSPI3だ!』主要3方式<テストセンター・ペーパー・WEBテスティング>対応】これが本当のSPI3だ!【2019年度版】SPIの主要3方式(テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング)すべてに対応したテスト対策問題集。(もちろん、個人の得手・不得手にもよりますが)これ一冊をしっかりと解き込んでおけば、一般的な水準のテスト対策としては十分でしょう。▼テスト対策については、以下の記事もご覧ください。■■【GD・ケース対策】『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」本来は外資コンサルなどの選考で課されるケース問題対策本ですが、グループディスカッション(GD)対策としても高い効果を発揮します(なぜなら、GDとケース問題の違いは「与えられた問題を複数人で解くか、ひとりで解くか」にすぎないため)。また、以下の記事にもあるように、最近では総合商社を始めとした日系大手企業でもケース問題が課される機会が増えています。■シンプルなフレームワークの助けを借りながら例題に取り組めば、みるみる実力がつくはずです。コンサル志望者はもちろん、グループディスカッションに苦手意識がある日系大手志望の方も今すぐ取り組みましょう。▼GD対策については、以下の記事もご覧ください。■■■【GD・ケース対策】『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!上記の『ケース問題ノート』と併用したいのが、こちらの『フェルミ推定ノート』です。フェルミ推定とは、「日本全国にマンホールはいくつ存在するか」など、正確に求めるのが難しい数値を論理的に概算することをいいます。ビジネスライクな数的思考力を鍛えられるほか、ケース問題やグループディスカッションのなかで売上推定を行うときなど、ケースワークに取り組むうえで大いに役立ちます。本書は数学が苦手な文系学生でも親しみやすいよう、具体的な例題を交えながらシンプルに書かれており、効率よく学習を進めることができます。すべての就活生におすすめしたいワークブックです。【自己分析】『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0』さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0あなた自身の強みを知るために一役買う、ベストセラー本です。一冊ごとに固有のシリアルナンバーが付属しており、Web上でこれを入力して〈ストレングス・ファインダー2.0〉という診断テストを受けると、あなた自身が持つ「5つの資質」を知ることができます。独力での自己分析に行き詰まってしまったとき、新しい視点から自分を顧みたいときなどに活用するとよいでしょう。ただし、こうした書籍はあくまでツールに過ぎません。「やって満足」で終わらないよう、戦略的に自己分析を進めましょう。▼自己分析については、以下の記事を必ずご覧ください。■■【業界研究】『日経業界地図2018年版』日経業界地図2018年版日経新聞社が毎年リリースしている業界地図も、さまざまな業界を広く・浅く俯瞰するのには役立ちます。志望業界の見当がつかない方や産業構造を広く知りたい方などは、本書を入り口にして業界研究を始めるとよいでしょう。(もちろん、より本格的な業界研究を行う際は、また別の手段を講じる必要があります。)▼業界研究については、以下の記事を必ずご覧ください。■最後に:就活生よ、本を読もう!本記事では、unistyleが学生の皆さんにおすすめしたい4冊の必読書、さらに付録として5冊の選考対策本をご紹介しました。以下、ラインナップを再掲しておきます。【4冊の必読書】■内田和成『仮説思考』■杉野幹人『超・箇条書き』■伊賀泰代『採用基準』■橘玲『幸福の資本論』【付録:5冊の選考対策本】■『これが本当のSPI3だ!』■『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』■『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』■『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0』■『日経業界地図2018年版』就職活動というタイミング、そして本記事で挙げた4冊の良著をきっかけにして、ぜひたくさんの本を読んでみてください。読破した本たちはきっと、皆さんの人生の肥やしになるはずです。下記には、その他各業界志望者におすすめの書籍を紹介した記事へのリンクもありますので、併せて参考にしてみてください。参考: 160,657 views
就活生の3割が男女差別経験があると告白。女性が差別されてしまう理由とは 就活生の3割が男女差別経験があると告白。女性が差別されてしまう理由とは 就活生のみなさんは就活において男女差別を経験したことがありますか?実は3割の就活生が就活において男女差別を経験しています。例えば、「採用人数が男女で異なっていた」「男女別々で説明会が実施されていた」などの事例が過去にありました。なぜ女性が差別されてしまうのか、またどのような男女差別が存在しているのかについて本記事で解説していきたいと思います。就活生が実際に経験した男女差別日本労働組合総連合会が就活生1000人に就活における男女差別の経験について調査を行ったところ以下のような結果になりました。就活生1000人中「就活中に男女差別を感じたことはある」と回答した割合は28.3%でした。「ある」と回答した就活生の方が少ないとはいえ、実際に約3割の就活生が就活差別を経験しています。就活差別の内容として、差別経験があると答えた283名の就活生に「どのようなことで差別を感じたか」と聞いたところ、43.8%と最も高かったものが「採用予定人数が男女で異なっていた」であり、42.4%で次に高かったものが「男女で採用職種が異なっていた」という差別経験でした。その他に挙げられた男女差別の経験は以下の図の通りとなっています。引用:就職差別に関する調査2019男女差別は男女雇用機会均等法によって禁止されているにもかかわらず、未だにこのような男女差別が起こっているというのが現状です。また、過去にはこのような事例があったそうです。「私は、Fランク大学の女学生です。私がF社の説明会に申し込もうとすると「満席」であると通知されます。しかし、同じ大学の男性が申し込もうとすると「受付」になることを確認しました。何人かに協力してもらい、事実確認済です」引用:就活生がネット告発!男女差別をする企業が炎上!このような男女差別の事例の他にも、面接で「女の子だから一般職で来てくださいね」「女だから結婚したら仕事続けなくていいもんね」などといったような差別も起こっているのが実情です。参考:学生が軽蔑した面接担当者の「ひんしゅく発言」なぜこのような男女差別が起こってしまうのでしょうか。以下で女性が差別されてしまう理由について解説していきます。男女差別が生まれる理由男女差別が生まれる理由は様々ですが、大きく分けると以下の2つが挙げられると考えています。女性はライフイベントがある職種によっては男性を優先的に採用してしまう女性はライフイベントがある企業は新卒を雇う際に将来的に活躍してくれる人材を採用しています。また、採用活動には多額のコストがかかっているため、簡単に辞められてしまうと企業は困ってしまいます。また、厚生労働省の離職状況によると、男女関わらず新卒の約3割が3年以内で退職してしまうというデータが出ており、中でも女性は結婚、出産、子育てなどのライフイベントの際に男性よりも辞めてしまう傾向が高いのではないかと言われています。その分男性は女性と比べてライフイベントによる影響が少ないため、将来的に長く働いてくれる可能性があると判断され、このような男女差別に繋がってしまっているのではないかと考えられます。参考:厚生労働省ー新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)職種によっては男性を優先的に採用してしまう販売系や事務系などの一般職であれば男女差別は起こりづらく採用の幅はさほど変わらないと言えますが、総合職のような職種の場合は業務内容によってやはり男女差別が起こってしまいます。なぜなら「女性は厳しい仕事に耐えられない」という偏見があるためです。具体的に言うと、例えば重労働の仕事であったり、営業の仕事で地方などの出張に行く際に、男性の方が女性より体力があるため男性の方が向いているなどと判断されてしまったりするようです。男女差別の風潮はなくなってきている今の時代女性も男性と大差なく第一線で活躍しており、結婚後・出産後も仕事を続けたいと願う女性の割合は8割以上にのぼっていることもあるため、若い企業では女性を積極採用している傾向にあります。なぜ男女差別がなくなってきているのかについて以下で解説します。参考:約9割の女性が「結婚・出産後も働きたい」その理由は……?女性の採用が増えている背景上記で男女差別が完全になくなるのは難しいとお話しましたが、たしかに未だに男女差別は企業によって起こっているのが事実です。しかし日本が今抱えている労働人口の減少という課題を補うため、外国人やシニア層と同じように女性を採用する企業が増えている傾向にあります。それによって女性の採用人数が増えてきているということが言えます。また、女性の採用人数が増えているだけでなく、女性が活躍しやすい時代になりつつあります。例えば、時代を振り返ると19世紀は「工業の時代」で、強靭な肉体と不屈の精神力が求められていました。しかし労働者を中心に大量生産しているだけでは経済が回らなくなり、情報や知識が必要とされる「情報の時代」となりました。このような時代では、体力もあり、論理的思考力に優れた左脳型の人が多い傾向にある男性が活躍してきました。※ここで言う左脳型とは、論理的、分析的思考が優れている特徴を持っている人材のことを指します。しかし、21世紀に入り、3つの要因が浸透したことによって左脳型の人が多い傾向にある男性の活躍が難しくなると言われています。3つの要因とは以下になります。先進国を中心に生活が豊かになったアジアが発展したことで、企業は業務をアジアにアウトソースするようになったテクノロジーの発展により、ルーティンワークをする必要がなくなったこのような背景があり、今後は左脳型よりも右脳型の人材が求められるようになります。※右脳型とは直感的、感性的、統括的機能が優れているという特徴を持っている人材のことを指します。例えば、これからの時代、ビジネスに求められる能力の1つとして”共感力”が挙げられます。共感力とは"人の気持ちを汲んで寄り添うことができる力"のことを指し、これは左脳ではなく右脳の働きによって生じる能力となります。社会評論に関する書籍を多数執筆しているダニエル・ピンク氏は著書「ハイコンセプト」でこのように述べています。置き換えの難しい資質こそ価値があるということだ。中でも、コンピューターにはマネすることができず、遠くにいる人が電子コミュニケーションで行うことはできないとはっきりしている資質が一つある。それが「共感」である。AI時代を生き抜くためには、AIでは補うことができない右脳型の能力、いわゆる共感力を身に着けている必要があります。女性は右脳型の人が多い傾向にあると言われているため、共感力は女性の強みと言うことができます。もちろん共感力は個人的な資質ではあるものの、いくつもの調査結果が表情の読み取りと嘘を見破る能力については一般的に女性の方が優れていることを示しています。心理学者デビット・G・マイヤーは調査結果について次のようにまとめています。調査してみると、自分のことを「人と共感できる人間だ」と考え、「相手が喜んでいるときは自分も喜び、泣いているときは自分も泣く」と言う人は、女性のほうがはるかに多かった。それよりも程度は低いが、共感に関する性別間の違いは行動面にも表れている。誰かが悲しんでいるとき、自分も泣いたり、悲しいと訴えたりする人は、女性のほうが多い。男性も女性も、女性との友情のほうが男性との場合よりも深く、喜びや悲しみが得られると述べている。この点を説明する理由として、共感における性差をあげることができるだろう。男も女も、共感や理解を求めるときは、たいてい女性を選ぶのである。このような結果からも、右脳型の人が多い傾向にある女性が活躍しやすい時代に突入していると言えるでしょう。男女差別を気にして就活する必要はない今回は就活における男女差別について解説しました。実際まだまだ男女差別という実態が完璧になくなってるわけではないですが、社会の変化に伴い女性を積極的に採用している企業は徐々に増えています。そのため「女性差別があるから…」と悲観的にならず、前向きに就活に挑んでみてください。また、企業を選ぶ際は「この企業は男女差別があるから受けない」と決めてしまうのではなく、自分が本当に行きたい企業であるならチャレンジしてみるのも良いと思います。【関連記事】 31,511 views

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