ファーストキャリアで人生は決まらない〜納得のいく就職活動を行うために〜

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最終更新日:2023年10月23日

ファーストキャリアで人生は決まらない〜納得のいく就職活動を行うために〜

100人が100人希望する会社に入れないことは分かっている。仮に70人が希望する会社に入れるとすると、自分は希望する会社に入れない残りの30人かもしれない…。

就職活動に力を入れていけばいくほど、「もし希望する会社に入れなかったらどうしよう」と時には不安に煽られることもあるかと思います。

全員が、入りたい企業に入れないことは就活を始めた頃は分かっていたけれど…就活にのめり込むほど認識が変化し、入れないのは自分ではないかと不安に煽られる…

本記事では、最初の勤め先が絶対ではないことを認識していただき、改めて自身のファーストキャリアについて考えるきっかけにしていただきたいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

就職における勝ち組とは?

まず始めに、就職活動における”勝ち組”とはどのようなものでしょうか。

外資系コンサルや総合商社のようないわゆる入社が困難だと考えられる企業から内定をもらうことでしょうか。スポーツや勉強と同じで、就職活動でも”勝ち”を目指したいものです。

大学受験は偏差値で選ぶ

一般入試で大学進学をした多くの方が”偏差値”を基準に大学を選んだのではないでしょうか。

もちろんある特定の教授がいるから、このスポーツが強いからなどの理由で選んだ方も中にはいるかと思います。複数校から合格をもらった場合、一般的には偏差値の高い大学への進学を選択するでしょう。

Q:どちらに進学しますか?
A大学法学部(偏差値70)
B大学経済学部(偏差値60)

おおよその学生がA大学を進学先として選択すると思われます。しかし、経済を強く勉強したく、A大学を蹴ってB大学に進学する人の割合は少数でしょう。

就職にも偏差値はあるけど…

大学受験の偏差値は身近な存在である一方、就職活動にも”偏差値”なるものが存在します。

では同様にどちらの企業を選択しますか?

▶︎日産自動車(就職偏差値:62)
▶︎NTTデータ(就職偏差値:59)
参考:2019卒用 文系就職偏差値ランキング

これは意見が割れると思います。メーカーで働くことに強く惹かれており、中でも日産自動車で働くことを希望する人は日産自動車を選択するでしょう。

一方、IT業界に強く惹かれており、将来はSIerとして活躍したい人であればNTTデータを選択するのではないでしょうか。

では、上記2社どちらを選ぶのが”勝ち組”なのでしょうか。大学受験同様、偏差値だけで測るのならば日産が勝ち組となるでしょう。

しかし、大学受験と異なり”偏差値が高い=勝ち組”の構図は就職活動では通用がしません。いくら入る事が難しい企業で、誰からも賞賛される企業に入社しようとそれが自分のやりたい事とマッチしていなければ本当の意味での”勝ち”は得られないでしょう。

話が若干逸れてしまいましたが、企業に甲乙がつける事が難しいことを踏まえると、”希望する会社に入れなかった=負け組”と単純に考えることは決してできないように思われます。

10年後企業がどうなっているかは分からない

これは合同企業説明会やインターンシップなどで一度は聞いた事があるのではないでしょうか。

今後50年、私たちが働いていく中で今ある企業が”生き残っている確率”を測ることは不可能です。たとえ、今有名企業であっても東芝の例のように窮地に立つことも想像に難くはありません。

就職希望企業ランキング
1位:日本航空(JAL)
2位:伊藤忠商事
3位:全日本空輸(ANA)
4位:三菱UFJ銀行
5位:トヨタ自動車
引用:【就職希望企業ランキング】2019年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?

上の表から面白い結果が読み取れます。

こちらは19卒の就職希望企業ランキングとなっています。

JAL・ANAの両航空会社の合説でのあまりの人の多さに筆者も驚いてしまいました。この上位5社のどれかに入社した際には羨望の眼差しを浴びることになるでしょう。

JALの経営破綻・銀行の破綻・カーシェアの脅威

一方で、これらの企業に入ったからといって一生安泰な生活が送れる訳ではないとも想像できます。

人気1位を獲得しているJALは2010年と比較的最近に経営破綻を経験しています。

経営破綻の際には1500人にも及ぶ人員整理を実施しており(パイロット・CA含む)、JALを希望して入社したもののこのような結果になるとは当時の内定者は想像していなかったと思われます。

他にも銀行業界の縮小も耳にしたこともあるのではないでしょうか。

理由は様々述べられており本稿では詳しく説明をしませんが、ハーバードビジネスレビューによると、今後10年以内にイノベーションを起こせない銀行の92%が潰れるとされているそうです。

メガバンクに務めたからといって100%安泰ではないことがわかります。

同様に世界のトヨタもカーシェアなどのサービスの登場により、従来の車の製造・販売企業からサービス事業への転換を進めおり、従来の様相を変えつつあります。

自分が希望する企業が未来永劫繁栄しているという保証はないため、長い目で見た所、自分が一番に希望した企業よりも実際に働いている企業の方が良かったということも十分ありえるのです。

転職率は9.9%。第二新卒って聞いた事がありますか?

それでも強く入りたい企業に入れなかった場合のショックは大きいかと思います。

「自分の希望とは違う企業で一生働くのか…」という不安が一種の原因となっており、このような気持ちになるのではないでしょうか。

転職は今やアタリマエ

私の属する慶應義塾大学の入学式ではいろいろな様相の新入生を見る事ができます。

希望する慶應に合格し、これからの学生生活への期待で満ち溢れている笑顔の学生・「なんで私が慶應に?」と言わんばかりの暗い表情で自分が通う予定であった遠く駒場の地を眺めているかのような学生・高校に通うのと同じテンションではしゃいでいる内部生で構成されています。

大方入社式もこのような様相を呈しているのではないでしょうか。

大学と企業とで比較した際に大きく異なるのは転職(転校?)率ではないでしょうか。

先ほどの例の続きになりますが、遠く駒場の地を目指していた学生も半年ほど経つと現状が気に入ってしまい、それまでの暗い表情が一変、楽しそうに学生生活を送っています。

中には再受験のために勉強している学生もいましたが非常に少数でした。一方企業の1年の転職率は9.9%(10人に1人)と高い数値を示しています。加えて生涯の転職率は28.8%(1回)・19.1%(2回)とこちらも同様に高い結果を示しています。

仮に希望する企業に入れなかったとしても転職率を見る限りチャンスは何度でもあるように思います。

”第二新卒”と呼ばれるように企業は経験豊かな人材を中途採用として重視するようになってきています。

最初の企業で経験を積み、それでもまだ志望する企業が変わらないのであれば再度挑戦するチャンスは十分あるのです。

納得のいく就職活動を行うために

最初の勤め先がそこまで重要ではないと言われても、本音は建前は違います。

建前として”最初の勤め先≠絶対”だと分かっていたとしても本音は希望する企業に入りたいものです。勘違いしてはいけないのが、ファーストキャリアが絶対ではないからといって、中途半端に就職活動をしても大丈夫という訳ではないということです。

30/100は失敗なんかではない

冒頭の例で100人新卒がいたところ、70人は希望する企業に30人は第一志望ではない企業に務めることになると仮定しました。

就職活動を行うのは自分の希望する企業・業界に進みたいからであり、上記の70人になるために行なっています。もちろん一生懸命やったが、30/100になる可能性もありえます。

しかし、大切なのは30/100が決して失敗ではないということです。もちろん希望する企業に入社することに越したことはありません。

一方で先ほど記載した”将来その企業が残っている確率”・”高い転職率”を考慮していればそれほど悲観的になる必要もないのではないかと思われます。

むしろ、想像していなかった発見や貴重な経験を積むことができる可能性もあります。

日本の低い転職率

先ほど、日本の転職率は9.9%と高い数値であるとしましたが、それは過去の日本のデータと比較した結果であり、世界的に見ると低い数値です。

得に新卒一括採用・終身雇用の制度がないアメリカでは生涯転職平均数が12回と言われています(長く企業に務めることは適応性が低いとして忌避される傾向があるようです)。

日本では今でも”転職”に対するマイナスイメージが残っているようにも思われます。

一方で、”働き方改革”の一貫で、終身雇用の撤廃や中途採用の増加などより米国に似せたフレキシブルな変化を遂げ始めているともいえます。

そのため、将来的には長く一つの企業に務めることは珍しいなんて変化も起こるかもしれません。

ファーストキャリアは人生を100%決めない

ファーストキャリアが大事であるという事実は、なんと言われようと変わりません。

例えば、社会に出た際の”価値観”・”考え方”は最初の企業の影響を大きく受けることになります。

一方で、裏を返せばファーストキャリアの重要性はその程度であり、人生を100%決める要因にはなりえないのではないでしょうか。

誰もが希望する企業に入れないことを念頭に置きながら、”やるだけやったんだからこの企業に行くことに納得できる”と強く言い切れるように就職活動に真摯に取り組むことが大切ではないでしょうか。

後から”これをやっておけばよかった”・”もっとこうしておけばよかった”と後悔するために、現状の就職先に不満や不安を抱くのであり、今のうちから後悔のないように取り組むことで納得のいく就職結果を得られるでしょう。

まとめ

本記事では、最初の勤め先が必ずしも自分の人生を左右するものではないことに対し考察を深めてきました。

最初の”勤め先”が絶対ではない理由
①希望する会社に入れない≠負け 就活に負けはない
②10年後に安定している企業は分からない
③高い転職率は社会に出た後もチャンスを与える

もちろんファーストキャリアが大事ではないと断言している訳ではありません。後悔しない就職活動を送るためにも自分の将来に対し真摯に向き合う事が大切です。ただ、少しだけ肩の力を抜いても大丈夫ではないでしょうか。

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給料が「上がる仕事」「下がる仕事」ランキングを発表します 給料が「上がる仕事」「下がる仕事」ランキングを発表します 「給料が上がる仕事と下がる仕事を解説します。」unistyle編集部のせいちゃんです。労働人口の減少、AIの普及等によって「仕事」は目まぐるしく変わっていきます。その中で、仕事の対価として支払われる給料がこれから大きく変わる職種があるようです。今回は、給料の上がる仕事と下がる仕事ランキングから、給料が変動する理由や職種の特徴を解説します。給料が上がる仕事・下がる仕事それぞれのランキングを見ていきましょう。給料が「上がる」仕事1位から50位までをここでは表示しています。給料が上がる仕事の上位には、対人トラブル処理・複雑で繊細な動きが求められる作業・人同士の調整を執り行う業務が共通点として考えられます。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。給料が「下がる」仕事【参考】これから給料が「下がる仕事」「上がる仕事」全210職種を公開給料が下がる仕事の要素として多いものは、蓄積されたデータをもとに行う仕事・計算や情報処理があげられます。これらの仕事でなぜ給料が増減するのか、理由と特徴をまとめていきたいと思います。給料が増減する理由給料が増減する最たる理由は2つだと考えられています。それは、ニュースで見ない日はないトピックである、AIの普及と少子高齢化です。もちろん、それ以外にも要因は考えられますが、この二つが大きな要因であることは明らかでしょう。AIの普及AIがこれまでより安価に企業に導入できるようになり、普及していくことによって、なくなる仕事や人が担う部分が変化する仕事が多く出てきます。AIと仕事については、unistyleの他のコラムでも紹介していますので、そちらも参考にしてください。【参考記事】少子高齢化少子高齢化は、今後より深刻化する見通しです。総務省の発表では、高齢化率(高齢人口の総人口に対する割合)は2013年には25.1%で4人に1人を上回り、50年後の2060年(平成72年)には39.9%、すなわち2.5人に1人が65歳以上となることが見込まれています。【参考】ICTが導く震災復興・日本再生の道筋これにより、介護者を抱える世帯数も増え、医療や介護の領域の仕事の需要は高まり続けます。また、高齢者が増えることで、空き家の増加や雇用問題など、様々な領域に影響を及ぼします。給料の増減の特徴今回紹介するランキングは、以下の基準でランク決めされています。現在の平均募集賃金(実績値)と、AIが算出した将来の賃金(予測値)を比較して、下落率、上昇率が高かった順にランキング化している。【参考】「給料が増える仕事」の中には、現在は薄給だが今後貴重になり、重宝される仕事が多く含まれていることが考えられます。同じように、「給料が減る仕事」の中には、現在は高給だが、今後需要がなくなる・AIに代替されるため価値が低くなる仕事が含まれます。変化が大きい仕事がランクインしており、薄給のままの仕事、高給なままの仕事はこのランキングには反映されていないため、見方を見誤らないようにしてください。具体的に今後、給料の適正価格が変化する仕事の特徴をまとめます。給料が下がる仕事の特徴AI・AIの方が正確にできる仕事・AIの方が早い仕事・AIの方が安全な仕事少子高齢化・少子高齢化で需要がなくなるものを作る仕事給料が上がる仕事の特徴AI・前例のないものやを扱う仕事・AIとの協働で複雑さが求められる仕事・AIにはできないホスピタリティが求められる仕事少子高齢化・高齢者への細やかな接遇が求められる仕事各職種と人気企業ランキングを見比べてみるここまで給料の話をしてきましたが、就職人気ランキングをみてみると、今後給料が下がると予想される職種を採用しているような企業が多く見受けられます。先ほどの「給料が上がる仕事・下がる仕事ランキング」で「給料が下がる仕事」としてランクインしていた、生命保険会社がランクインしています。生命保険会社の営業の給料は今後半額以下になっていくと予想されており、主な理由は、AIによって適切にカスタマイズされた保険を提案することができるようになると言われているからです。同じく、銀行業務についても「計算や情報処理」が実務として比較的多い仕事になるため、同様のことが言えると考えます。つまり、就職人気ランキングというものは、あくまで企業のブランドによるところが大半を占めているものであり、厳密には「就社人気ランキング」と言う方が正しいのではないでしょうか。純粋な「就”職”人気ランキング」とした場合、同じような結果を得られるか考える余地はありそうです。就社と就職を考えるいわゆる「就社」という意識で「この会社に入れば安定」という考えをもっていると、その後の社会情勢で思いもよらない形で仕事を失う、給料が下がるというリスクがあります。これまでは、大手企業では終身雇用が一般的な考えであり、「就社」すれば定年まで働くことができ、多額の退職金がもらえるような時代でした。しかし、終身雇用はすでに形骸化しつつあり、大手企業であっても突然の業績悪化によって大幅なリストラや退職金制度の撤廃などが頻繁に起こるようになっていることは周知のことだと思います。転職を見据えた上でファーストキャリアは名の知れたブランド企業にいきたい、という考えの就活生が大勢います。それ自体に問題はありませんが、「有名企業に入れば有名企業に転職しやすい」というのは「就社」に当たる考え方になり、これからの時代に適応した考え方なのか今一度考え直すべきだと感じます。一方で「就職」とは、職種に就くという意味です。「給料の上がる仕事、下がる仕事」で先ほど解説したように、社会的な傾向を掴むと、今後需要があり給料が上がる職種が分かります。それらの職種を含む企業は今後伸びていき、結果的に企業ブランドも高まることで、数年後の人気企業ランキングの上位にランクインしてくることが考えられます。人気企業ランキングにランクインすることは本質的ではありませんが、「転職を見据えてブランドある企業に入社したい」と考える学生こそ、”今”の人気企業ランキングだけを見て「企業ブランド」を読むということは少々打算的だと私は考えます。ここで伝えたいことは、ブランド重視の就活生もそうでない就活生にとっても、「就社」ではなく「就職」の意識をもって企業選びをして欲しい、ということです。時代の変化、テクノロジーの発達によって、「就社」の考えはそれこそ”時代遅れ”になると考えます。もちろん給料が全てではありませんし、それ以外にも就職先を決定するファクターは人それぞれあることは理解しています。が、給料というものは「仕事に対する対価」であり、それは年代ごとに変化していくものだということだけでも、皆さんにお伝えできればと思っています。これからどのような職種が必要とされるのかを吟味し、自らの軸と照らし合わせてみてください。さいごに今回は「給料が上がる仕事・下がる仕事ランキング」から、これから人気企業ランキングに起こりうる変化を解説しました。AIの普及や少子高齢化についてはよく耳にするとは思いますが、自らの仕事選びにまで知識を反映させている人はあまり多くはないのではないでしょうか。今ある植えつけられた印象に左右されず、時代の変化を敏感に読み取りながら「自分が就きたい仕事はなにか」考えてみてください。 65,115 views
Smart Cityの実現を目指すNTTコミュニケーションズ。事業を支える4名の仕事・素顔とは|unistyleインタビュー Smart Cityの実現を目指すNTTコミュニケーションズ。事業を支える4名の仕事・素顔とは|unistyleインタビュー 本記事はNTTコミュケーションズのPR記事になります。グループ全体の従業員数が32万人(2021年3月時点)にも上るNTTグループ主要5社の一角を占め、主に長距離・国際通信事業や大規模法人向けビジネスを担うNTTコミュニケーションズ。の記事では、同社が現在注力しているSmartWorld、その7つの重点領域の中のSmartCityに迫りました。本記事では、SmartCityに携わる4名の社員の具体的な業務内容や役割、「仕事で大切にしていること」など、さらに深い部分まで踏み込んでいきます。本記事の構成若手エンジニアが語る仕事の難しさとは:堀口さんへのインタビューゼロから新規事業を生み出すやりがいとは:石間さんへのインタビュー知られざるプロモーション業務の裏側とは:青木さんへのインタビュー10年経験したからこそ感じる法人営業の醍醐味とは:加地さんへのインタビュー最後に今回は、以下の4名の社員に話を伺いました。※上記の写真:左から青木さん、石間さん、堀口さん、加地さん堀口遥香さん:入社4年目石間裕基さん:入社8年目青木千裕さん:入社12年目加地佑気さん:入社15年目若手エンジニアが語る仕事の難しさとは:堀口さんへのインタビュー堀口遥香さん2018年NTTコミュニケーションズに入社。お客様工場でのローカルNW構築や24時間365日保守運用などを経験した後、2021年4月よりスマートシティ推進室に配属。エンジニアとして、SmartCityのサービスやプラットフォームの開発、構築に携わる。__エンジニアの仕事の流れはどういったものでしょうか。また、その中で苦労を感じたことなどがあれば、教えてください。堀口:基本的に営業担当がお客様に提案して要件をリストアップし、契約したものを具体化する部分からエンジニアチームが加わり、構築へと進めていきます。そしてお客様の要件などを聞きながら設計方法などを決め、大枠を定めます。その大元を決めたら内部に持ち帰り、さらに詳細な部分を詰めていきます。その後はそれを実際に設計として検証し、社内で検証したものをお客様に持っていき、運用していくというのが大きな流れです。苦労した点は、お客様の環境や要件によって導入する機器が異なり、そこに合わせて設計し、お客様へもご理解いただく点です。例えばクラウドの場合、MicrosoftのAzure、AmazonのAWS、ネットワークだとCiscoなどさまざまな機器があります。基本的な点は同じですが、設計する上で必要なコマンド(コンピューターに特定の機能の実行を指示する命令のこと)などがお客様によって異なるため、一から自分で英語のドキュメントを読んで解読し、和訳したうえでお客様に分かりやすく説明しなければならない点が大変だと感じています。__仕事をする上で、大切にしている点について教えてください。堀口:技術や開発に携わるうえで、技術は日々進化し次から次へと新しい技術が入ってくるので、情報整理してキャッチすることや、幅広く勉強することを意識しています。幅広く勉強する理由は、サービスはすべてつながることで初めて成り立つからです。ネットワークの基盤レイヤーからアプリケーションの上位レイヤーまで幅広く勉強するように心がけています。こういった自己研鑽については、社風にもつながると思いますが、NTTコミュニケーションズには、やりたいと言ったことに対して学ばせてくれる環境があります。豊富な研修が用意されていることはもちろんですが、自身のキャリアプランを考慮しながら、学ぶべき研修を上長から提案して頂いたりします。自分から見つけるだけでなく、技術研修などを上長が教えてくださるため、会社全体でスキルをも身につけ、伸ばすことのできる場が多いと感じています。ゼロから新規事業を生み出すやりがいとは:石間さんへのインタビュー石間裕基さん2014年NTTコミュニケーションズに入社。西日本営業本部静岡支店にて、提案SEとして初期提案や提案、構築時の技術支援などを行う。2019年11月よりスマートシティ推進室にて、SmartCityのサービス企画開発チームにてサービス企画業務を担当。__現在の役割や業務内容を教えてください。石間:サービス・ソリューション企画を主にやっています。サービスは作ったものを売るという形で、ソリューションは個社ごとにカスタマイズしながらソリューションとして提供するということです。その際は、市場に合うものを考えながらサービスやソリューションのコンセプトを決めたりします。マーケティングという職種に近いところもありますが、実際の仕事としては、営業のように自分でお客様を見つけてきたり、実際にサービスを作るのも自分で主導していかなくてはならないため、何でもやることが多いです。また新規事業なので、自分の幅を広げながら市場に合うサクセスストーリーを考えたりします。__幅広い業務を対応されていく中で、仕事をするうえで大切にしている点や苦労した点を教えてください。石間:世の中に対して自分の仕事がどれくらいインパクトがあるのかということを大事に思っています。マネタイズできるサービスやソリューションを作っていくためにも、インパクトの大きい仕事やこれまで誰もやっていない仕事など、対価を払う方々に価値を感じてもらえることを意識しています。「自分のやっていた仕事が世の中の役に立っているな」という想いを持つことができる瞬間が、やりがいにつながっています。一方で、自分で生み出さなくてはいけない分、実現可能性の点で反対意見なども頂くこともあり、そういったものも乗り越えて、ぶち当たっていかなければならない「体当たり感」があるのが面白いところであり、苦しいところなのかなと思います。知られざるプロモーション業務の裏側とは:青木さんへのインタビュー青木千裕さん2010年NTTコミュニケーションズに入社。グローバル製造業のアカウントセールスやSIer向けのパートナービジネスを経験後、2019年12月よりスマートシティ推進室に配属。スマートシティ推進室では、営業とプロモーションなどの企画統括を担当。__現在の役割や業務内容を教えてください。青木:私は現在スマートシティ推進室の中で、営業として新規の問い合わせの対応や、プロモーション業務としてスマートシティ推進室のプロジェクトなどの取り組みを報道発表や取材対応などを通じてアピールすることをミッションとしています。__仕事の中で意識したり、工夫されている点について教えてください。青木:私は、スマートシティ推進室全体を見ながらプロモーションする業務が多いため、一つ一つの取り組み単体を見るのではなく、俯瞰して見ることを意識するようにしています。工夫している点としては、「聞き手がどんな情報持っているのか」「どんな考えを持っているのか」といった点は、意識しながらコンテンツを考えています。あとは、市場のトレンドを踏まえたり、キャッチ―な言葉を使う、直感的に伝わるようにイメージやイラストを使って表現するなど、聞き手への伝え方は工夫しています。より注目を集めやすいコンテンツになるように、社内のプロジェクト担当者や広報室、パートナー企業様と連携していくことにやりがいを感じています。10年経験したからこそ感じる法人営業の醍醐味とは:加地さんへのインタビュー加地佑気さん2007年NTTコミュニケーションズに入社。ビジネスソリューション本部・第三ビジネスソリューション部にて、建設・不動産業界向けのセールスを担当。2019年のスマートシティ推進室立ち上げ時よりSmartCityプロジェクトにおけるセールスメンバーとして活躍する傍ら、SmartCity業界の団体活動を通した仲間づくりなど、幅広く活動している。__現在の役割や業務内容を教えてください。加地:私は建設・不動産業界のお客様の法人営業を10年やっています。NTTコミュニケーションズの法人営業は、元々大企業様の社内ICT、システムの提案が主な業務で、建設・不動産業界では、主に3つの柱があります。1つめは法人のお客様の社内のICTシステムのネットワークやアプリケーションといったサービスをお客様に提供していくことです。2つめは建設業界においてロボットやドローンといったデジタルを売りにして省力化・自動化の提案をすること、そして最後3つめはデベロッパーなどが建てる建物自体のICT化です。__法人営業を10年間されているとのことですが、法人営業の醍醐味について教えてください。加地:法人営業の醍醐味は、やはり自分が関わったことによってお客様と自分の会社の関係を大きくしていける点です。NTTコミュニケーションズは、決まった製品を売っていないので、その時に重要なのが、自分が何をやりたいのかということです。それがが無いとなかなか人を巻き込むことが出来ません。自分のやりたい領域に対して意味づけをして、そこに対してNTTコミュニケーションズがあって、色々な人を巻き込んでチームで仕事をする。それで会社はもう一つ上のチャレンジをして、仲間で結果を出す。それが我々の仕事の基本なので、それが上手くいった時にやりがいを感じますね。最後にいかがでしたでしょうか。今回のNTTコミュニケーションズの社員の方々へのインタビューを通じて、各社員の方々の仕事内容や、価値観などについて理解いただけたかと思います。以下の記事は、NTTコミュニケーションズが注力しているSmartCityに関する記事となっていますので、こちらも是非ご覧ください。NTTコミュニケーションズ志望者向けのLINEオープンチャットはこちらNTTコミュニケーションズの企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・関連記事)はこちら 9,899 views
【国連、UNICEF、IMF】新卒では入れない国際機関への就職とは 【国連、UNICEF、IMF】新卒では入れない国際機関への就職とは こんにちは。現在国内のメーカーに勤務しているYです。今回は私がこれまで出会った方々から伺ったお話、調べた事、そして多分の主観を織り交ぜて、国際公務員として働く道について考えてみたいと思います。本記事のコンテンツ国際公務員って何?国際公務員に必要な3条件国際公務員へのキャリアパスファーストキャリアをいかに選ぶべきか今、何をすべきか最後に国際公務員って何?そもそも、国際公務員とは何でしょうか。言葉だけ聞くと、それは何か大きな事をする仕事なんだろうなぁ、なんてイメージを持ちがちです。国際公務員とは、端的に言えばいわゆる国際機関で働く人たちの事を指します。公務員というくらいですから、そこにNGOなどは含めません。具体的に言えば、国際連合(UN)、より広くは国連システムの中に属しているいずれかの組織で働く者が国際公務員となります。組織としては例えば、国連事務局、国連児童基金(UNICEF)、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)、国際通貨基金(IMF)等々があります。上記の組織を眺めても、国際公務員と言っても実に多様な選択肢が有る事が分かります。この多様性が国際公務員の実態を分かり辛くさせている一因かもしれません。しかし、その内実は其々の分野で高度な専門性を持った、プロフェッショナル集団と言えます。(国連の採用枠には、一般職と総合職の括りがあり、本稿で対象とするのは、専ら専門職です。)そして大きな特徴として、終身雇用ではなく各ポストに2~3年の任期が設定されており、常に次のポストを探し続ける必要がある、という点があります。国際公務員に必要な3条件国際公務員≒国連職員を目指す上で満たすべき条件として下記の3つがあります。1.修士号以上の学歴を有すること2.応募するポストと関連する分野で2年以上の職務経験が有ること3.英語またはフランス語で職務追行が可能で有ること1,2については、国連職員は専門家集団である為、日本的な新卒という考えはなく、必要とされるのは常に専門家です。専門家としての要件として、学士ではなく修士、関連分野での2年以上の職務経験が求められています。加えて、国連公用語の中でも頻繁に使われる英語もしくはフランス語で職務追行に問題ないレベルの語学力が必須です。(組織・ポストによっては、スペイン語等が必須とされる場合もあります。)国際公務員へのキャリアパス国連に勤務する為には、原則国連事務局、若しくは各組織から発表される空席情報に自ら手を挙げて、ポストを獲得する必要があります。その他にも下記の方法等があります。・外務省が主催するJPO(JuniorProfessionalOfficer)として各機関に派遣後、国連職員として働きつつポストを探す・国連事務局YPP(YoungProfessionalProgram)試験を受験する・各組織が行う採用プログラム、ミッションへの応募其々の選択肢で、求められる条件は違ってきますが、YPPを除く多くの方法では②で挙げた3条件が求められます。(YPPの場合、学士号でOKです。ただし、YPPは狭き門で、2012年度の実績として応募者41,023名、筆記試験対象者4,587名、面接対象者180名というデータが有ります。)現在国連で働かれている日本人の4割はJPO経験者という事を考えると、JPOでの採用→公募ポストへの応募&採用という道が国連への道としては可能性が大きいようです。ファーストキャリアをいかに選ぶべきかでは、国際機関で働く為のファーストキャリアとして、どこを選ぶべきなのでしょうか。これは自身がどの様な分野でポストを見つけたいかに依ります。主な専門分野としては、次のものが挙げられます。・開発、人権、人道、教育、保健、平和構築、モニタリング評価、環境、工学、理学、農学、薬学、建築、防災、人事、財務、会計、監査、総務、調達、広報、渉外、IT、統計、法務等ご覧の様に、羅列しただけでも非常に多岐にわたる分野があります。この中から自分はどの様な専門をいくのかにより、ファーストキャリアも自ずと見えてくるのではないでしょうか。ここでは更に現在国連で務められている方の具体的なキャリアパスを例示してみます(各情報は外務省及び国連フォーラムウェブサイトより)。・Aさん21歳:仏の大学に1年の交換留学→22歳:国内大学の商学部経営学科卒業→23歳:仏の大学にてMBA取得→24歳:会計事務所勤務→26歳:NGO活動参加後、インドネシアに半年滞在→27歳:民間企業2社勤務→29歳:米国公認会計士試験合格、JPO試験合格→30歳:WFPにJPOとして派遣(財務官)・Bさん国内大学卒業→外務省入省→米大学にてMA(政治学)取得→シンクタンク勤務→国内大学院博士課程→UNアフガン支援ミッション(分析官)今、何をすべきか前の項で明らかな様に、国際公務員に成る為には決まった道はなく、唯一の正解は無い、と言えます。ではそんな中で今何をすべきなのでしょうか。第一に、語学力です。日本で教育を受けた場合、少なくとも英語は6年~10年間学んでいます。ただ、職務追行可能なレベルの英語力が学校教育だけでは尽きません。よって留学等を通して、仕事をする上で問題の無い英語力を身に着ける必要が有ります。参考までに、JPO合格者の方々はTOEFL-iBTにて平均で100点以上を獲得されているそうです。これに加え第二外国語としてフランス語などを学ぶ必要が有ります。第二に、専門分野です。自分が国連で何をしたいのか、そしてそれは国連でなければできないことなのか、どの様なキャリアパスを選ぶかを考えなければなりません。例えば、建築の分野で働こうとする時に、MBAを持っていても大きな価値はありません。常に求められているポストで価値のある経験、学歴を提示し、自分が誰よりもその職に適することをアピールする必要があります。第三に長い目でのキャリア、人生において国際機関で働くことをどう位置付けるかです。これは先に述べた事とも関わりますが、国際公務員の任期は常に決まっており、その後のキャリアの保証は有りません。常に次のポストの事を考える必要があります。また危険地域での職務となる時、家族を連れていけない場合が多々あります。他にも、ポストの状況によっては転勤が多いため、結婚生活の維持が難しい例も多く見られます。以上の事を十分に考え、準備し、その上で尚国際機関で働くことを志す人に、国際公務員の道は開けるのでは無いかと思います。最後に国際公務員になるためにどのようなことが必要か理解できましたでしょうか。新卒で入ることが出来ないため、目指している方はファーストキャリアを含めてしっかりとした対策が必要です。自分の身だけでなく、家族を含めて考える必要がある大変困難な職業ですが、それに見合うだけのやりがいはあると考えられます。国際公務員に少しでも興味がある方への参考になったら幸いです。【参考資料】・外務省国際機関人事センター『国際公務員への道JPO派遣制度』外務省、2014年。・国際機関人事センターニューヨーク支部『国連機関への就職国際公務員就職ガイダンス資料(2014年版)』国際機関人事センター、2014年。・国連フォーラム 127,680 views

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