【国連、UNICEF、IMF】新卒では入れない国際機関への就職とは

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最終更新日:2025年03月18日

【国連、UNICEF、IMF】新卒では入れない国際機関への就職とは

こんにちは。

現在国内のメーカーに勤務しているYです。

今回は私がこれまで出会った方々から伺ったお話、調べた事、そして多分の主観を織り交ぜて、国際公務員として働く道について考えてみたいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

国際公務員って何?

そもそも、国際公務員とは何でしょうか。言葉だけ聞くと、それは何か大きな事をする仕事なんだろうなぁ、なんてイメージを持ちがちです。

国際公務員とは、端的に言えばいわゆる国際機関で働く人たちの事を指します。公務員というくらいですから、そこにNGOなどは含めません。具体的に言えば、国際連合(UN)、より広くは国連システムの中に属しているいずれかの組織で働く者が国際公務員となります。

組織としては例えば、国連事務局、国連児童基金(UNICEF)、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)、国際通貨基金(IMF)等々があります。

上記の組織を眺めても、国際公務員と言っても実に多様な選択肢が有る事が分かります。この多様性が国際公務員の実態を分かり辛くさせている一因かもしれません。

しかし、その内実は其々の分野で高度な専門性を持った、プロフェッショナル集団と言えます。(国連の採用枠には、一般職と総合職の括りがあり、本稿で対象とするのは、専ら専門職です。)

そして大きな特徴として、終身雇用ではなく各ポストに2~3年の任期が設定されており、常に次のポストを探し続ける必要がある、という点があります。

国際公務員に必要な3条件

国際公務員≒国連職員を目指す上で満たすべき条件として下記の3つがあります。

1.修士号以上の学歴を有すること
2.応募するポストと関連する分野で2年以上の職務経験が有ること
3.英語またはフランス語で職務追行が可能で有ること

1,2については、国連職員は専門家集団である為、日本的な新卒という考えはなく、必要とされるのは常に専門家です。専門家としての要件として、学士ではなく修士、関連分野での2年以上の職務経験が求められています。

加えて、国連公用語の中でも頻繁に使われる英語もしくはフランス語で職務追行に問題ないレベルの語学力が必須です。(組織・ポストによっては、スペイン語等が必須とされる場合もあります。)

国際公務員へのキャリアパス

国連に勤務する為には、原則国連事務局、若しくは各組織から発表される空席情報に自ら手を挙げて、ポストを獲得する必要があります。その他にも下記の方法等があります。

・外務省が主催するJPO(Junior Professional Officer)として各機関に派遣後、国連職員として働きつつポストを探す
・国連事務局YPP(Young Professional Program)試験を受験する
・各組織が行う採用プログラム、ミッションへの応募

其々の選択肢で、求められる条件は違ってきますが、YPPを除く多くの方法では②で挙げた3条件が求められます。(YPPの場合、学士号でOKです。ただし、YPPは狭き門で、2012年度の実績として応募者41,023名、筆記試験対象者4,587名、面接対象者180名というデータが有ります。)

現在国連で働かれている日本人の4割はJPO経験者という事を考えると、JPOでの採用→公募ポストへの応募&採用という道が国連への道としては可能性が大きいようです。

ファーストキャリアをいかに選ぶべきか

では、国際機関で働く為のファーストキャリアとして、どこを選ぶべきなのでしょうか。

これは自身がどの様な分野でポストを見つけたいかに依ります。主な専門分野としては、次のものが挙げられます。

・開発、人権、人道、教育、保健、平和構築、モニタリング評価、環境、工学、理学、農学、薬学、建築、防災、人事、財務、会計、監査、総務、調達、広報、渉外、IT、統計、法務等

ご覧の様に、羅列しただけでも非常に多岐にわたる分野があります。この中から自分はどの様な専門をいくのかにより、ファーストキャリアも自ずと見えてくるのではないでしょうか。

ここでは更に現在国連で務められている方の具体的なキャリアパスを例示してみます(各情報は外務省及び国連フォーラムウェブサイトより)。

・Aさん
21歳:仏の大学に1年の交換留学→22歳:国内大学の商学部経営学科卒業→23歳:仏の大学にてMBA取得→24歳:会計事務所勤務→26歳:NGO活動参加後、インドネシアに半年滞在→27歳:民間企業2社勤務→29歳:米国公認会計士試験合格、JPO試験合格→30歳:WFPにJPOとして派遣(財務官)

・Bさん
国内大学卒業→外務省入省→米大学にてMA(政治学)取得→シンクタンク勤務→国内大学院博士課程→UNアフガン支援ミッション(分析官)

今、何をすべきか

前の項で明らかな様に、国際公務員に成る為には決まった道はなく、唯一の正解は無い、と言えます。

ではそんな中で今何をすべきなのでしょうか。

第一に、語学力です。日本で教育を受けた場合、少なくとも英語は6年~10年間学んでいます。

ただ、職務追行可能なレベルの英語力が学校教育だけでは尽きません。よって留学等を通して、仕事をする上で問題の無い英語力を身に着ける必要が有ります。

参考までに、JPO合格者の方々はTOEFL-iBTにて平均で100点以上を獲得されているそうです。これに加え第二外国語としてフランス語などを学ぶ必要が有ります。

第二に、専門分野です。

自分が国連で何をしたいのか、そしてそれは国連でなければできないことなのか、どの様なキャリアパスを選ぶかを考えなければなりません。

例えば、建築の分野で働こうとする時に、MBAを持っていても大きな価値はありません。常に求められているポストで価値のある経験、学歴を提示し、自分が誰よりもその職に適することをアピールする必要があります。

第三に長い目でのキャリア、人生において国際機関で働くことをどう位置付けるかです。

これは先に述べた事とも関わりますが、国際公務員の任期は常に決まっており、その後のキャリアの保証は有りません。常に次のポストの事を考える必要があります。

また危険地域での職務となる時、家族を連れていけない場合が多々あります。他にも、ポストの状況によっては転勤が多いため、結婚生活の維持が難しい例も多く見られます。

以上の事を十分に考え、準備し、その上で尚国際機関で働くことを志す人に、国際公務員の道は開けるのでは無いかと思います。

最後に

国際公務員になるためにどのようなことが必要か理解できましたでしょうか。

新卒で入ることが出来ないため、目指している方はファーストキャリアを含めてしっかりとした対策が必要です。

自分の身だけでなく、家族を含めて考える必要がある大変困難な職業ですが、それに見合うだけのやりがいはあると考えられます。

国際公務員に少しでも興味がある方への参考になったら幸いです。

【参考資料】
・外務省国際機関人事センター『国際公務員への道 JPO派遣制度』外務省、2014年。

 

・国際機関人事センターニューヨーク支部『国連機関への就職 国際公務員就職ガイダンス資料 (2014 年版)』国際機関人事センター、2014年。

国連フォーラム

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Unistyle株式会社の樋口です。2016年10月3日にリリースが出ましたが、経営陣および社員が保有するUnistyle株式会社の全株式を株式会社ネオキャリアに売却しました。今回は、株式を売却する以前から伊藤忠商事を退職してから起業に至るまでの経緯を様々な人によく聞かれていたので、一区切りの意味も込めて就職してから起業するに至るまでの軌跡を僕の視点から振り返りたいと思います。▼目次クリックで展開本記事のコンテンツ・起業も視野に入れてたけど自分に実力がないのは理解してたので伊藤忠商事に入社・配属は希望通りの金融部門・入社1年目は全然仕事ができず現実を思い知ることに・カード会社のオリコに出向、勉強のためにアフィリエイトを始める・金融部門の縮小と生活資材部門への異動、転職活動開始・どの分野で起業するか、なんのために起業をするのか・最後に起業も視野に入れてたけど自分に実力がないのは理解してたので伊藤忠商事に入社就職するときには既に、もしかしたらサラリーマンとしてずっと続けていくのは向いていない可能性もあるなと漠然と思っていました。なので入社するときには本当に漠然とではありますが、「将来的には起業するかもしれない、けれど今の自分だと何も出来ないので、仕事の基本を学ぶためにも就職はしよう」と思っていました。また将来的に起業するかは別として、自分自身がルールを作る側として、事業を生み出すということに興味はあったので就職先としても「事業を生み出すことに関わる」ということを企業選びの軸に幅広く受けていました。起業しなくても会社の中でルールを作る側として、事業を生み出せて、それが楽しいのであればそれもOKと考えていました。ちなみに第一志望は電通、博報堂、ADKなどの広告代理店を志望していました。特に大手の広告代理店であれば、様々な業界の製品コンセプト策定から関わることができると聞いていたため、「事業を生み出す」というものにも近いのではと考えていました。またプロダクトを生み出してからマーケティングするのはどんな商品でも必要なプロセスであり、そこを学べると感じたのも志望した理由の一つでした。もちろん慶應生特有のミーハー意識もあったでしょうし、山梨の高校時代の英語の先生が「電通はすごいぞ」と言っていたので何となく憧れていたのもあります。残念ながら広告代理店にはまったく縁がなく、上位3社どころか、東急エージェンシーなどの企業も落ちてしまったので強制的に諦めることになりました。伊藤忠に入社後に、「ADKと伊藤忠両方に内定をもらったら相当悩んでいたと思います」と仲のいい先輩にも話したぐらいです。また広告やインターネット関連のベンチャー企業もいくつか受けていました。当時受けた企業のいくつかは後に上場したりしていたので、今思うと、そちらに入社して成長期のベンチャー企業の空気を経験していてもよかったかなとも思います。内定はいくつかいただいたのですが、最終的に伊藤忠商事という会社を選択した理由は、「伊藤忠で社内起業でIPOした事例が豊富だったから」というものになります。僕が入社する前に、カブドットコム証券とイー・ギャランティが上場しており、僕が入社した2008年にはFXプライムが社内起業を経てIPOしていました。実際にカブドットコム証券の立ち上げに関わった人に話を聞いたことで部門としても金融部門もしくは情報産業部門を志望しようと思うようになりました。大企業の中でリスクも低いまま、起業ができるならこんなにいいことはないと思い、広告代理店の内定をもらえなかったこともあり、入社を決めました。配属は希望通りの金融部門総合商社といえば配属によって、かなり働き方が違い、総合商社の内定者や受ける学生も配属リスクを意識しています。僕自身も前述の通り、「事業を生み出すことに関わる」という企業選びの軸があったので、出来る限り、フットワークが軽く新規事業に関わることのできる部署を志望していました。当時の配属希望では、社内起業ができそうでIPOの実績もある金融部門が第一志望、情報産業部門を第二志望としていました。第三志望、第四志望は上位2つに比べると志望度が低く、あまり覚えてはいないのですが、繊維や食糧などC向けのビジネスが近い産業を志望していたように思います。一方でバックオフィスや金属などトレードや大規模プロジェクトが主体のカンパニーは避けて志望していました。当時の伊藤忠商事ではクリスマスに配属先通知を送りるという「粋」なことをしていたのですが、無事、第一志望の金融部門の所属するカンパニーに配属されてうれしかったのを覚えています。今考えると、2007〜08年前後は、資源価格が高騰したことにより、エネルギー部門が花形部署であり、また昔ながらのプラント事業などが人気だったこともあり、金融部門はそこまで人気がなかったんだろうなとも思います。入社1年目は全然仕事ができず現実を思い知ることに入社後は国内外のクレジットカード、消費者金融事業に投資する部署に配属され、新人は必ずやらされる予決算にひーひー言いながら仕事をしていました。1年目はエクセル、パワポも満足に使えないダメダメ社員で、そんなやつが将来起業するって言っても誰も信じないだろうなという状況でした。能動的に仕事をするようになったのは、投資先であるオリエントコーポレーションの減損会計の仕事に関わるようになった1年目の終わり頃からだと思います。当時の先輩も自分自身も減損会計は初めてで、手探りでチームで仕事を進めていました。自分自身もお荷物ではなく、能動的に価値を発揮しないと乗り越えられない仕事だったことで大きく成長することができたと思います。この時期は会計知識や減損について部内の誰よりも詳しくなろうと思い、様々な本を休みの時も仕事終わりにも読んで業務上必要な知識を身に着けていきました。社内ルールや減損会計については部内でもかなりわかる方という認識をされて、初めて仕事で評価されたなーと感じたのは一年目の終わりのこの頃でした。カード会社のオリコに出向、勉強のためにアフィリエイトを始める一方で予決算の管理という仕事はどうしても新しいこともなく、ある種ルーティンワークの季節労働者的な働き方のため飽きてしまいます。特に金融部門や情報産業部門では営業することがなく、本社では投資先の管理と予決算管理がメインの仕事になりがちです。僕自身も正直なところ、2年目になると余裕がでて少しだれてしまったように思います。そんな状況を察してくれたのか、2年目の2010年1月からオリエントコーポレーションに出向することになりました。オリエントコーポレーションではカード部門の新規事業を取り扱う部署に、先輩の後任として配属されました。ここでオリコモールというカード会員向けのポイントサイトの運営をメインで扱うことになります。このサイトはカード会員がこのサイトを経由してAmazonや提携先のECサイトで買い物を行うと通常よりも高いポイントが付与されるというもので、アフィリエイトのシステムを利用したものになっています。これまでまったくアフィリエイトというものに縁がなかったので勉強も兼ねて、実際に自分でブログを使ってアフィリエイトをやってみることにしました。これが後々のUnistyle株式会社の創業に繋がります。金融部門の縮小と生活資材部門への異動、転職活動開始オリコでは、オリコモールの運営をしながらその後、異動してオリコの全国の支店に対してカード促進の施策を企画して伝える部署で働きました。オリコモールの運営では総合商社の中にいてはなかなか見えてこない消費者向けのサービスの成り立ちと運営方法について学ぶことができました。またカード促進の施策を企画する部署では全国の営業の方に動いてもらうために必要なことは何かという企画力について学べたように思います。事業を立ち上げるために学びたいと思っていたことが学べ、オリコで学んだことをベースに仲の良かった先輩とは海外や国内で新規事業を立ち上げられたらいいなという話を良くしていたことを覚えています。順調に進んでいたオリコでの勤務ですが、突如、金融関連部門の成績不振からカンパニーの再編があるという噂を聞きます。更にその上で、金融部門に所属する若手のほとんどは別カンパニーに移されるのではと話されていました。個人的には自分自身2年間という期間でオリコに出向しているのだから今のタイミングで別カンパニーに移されることはないだろうと高をくくっていたのですが、あっさりと生活資材部門への異動を言い渡されました。同様に他の会社に出向していた先輩も異動になり、同期10人程度いた中で金融部門に残ったのは1人だけ、先輩たちも軒並み異動という大異動となりました。そのときに生活資材部門がどんなところかわからないものの、いい機会だから転職活動をすることを決意しました。転職活動は外資系コンサルやその後上場することになるベンチャー企業2社を受けたのですが、特にベンチャー企業を受ける中で、どうせ3年以内に辞めて起業するのであればいま起業してもいいのでは、今面接をしてくれている社長さんたちの元で働きたいというよりは、向こう側の立場に元々なりたかったんだと考えるようになりました。そういうわけでほぼ起業することを決意しながら、2011年4月から生活資材部門での勤務が始まりました。どの分野で起業するか、なんのために起業をするのかときは遡って2011年4月頃、オリコに出向してアフィリエイトの勉強を始めて、何のアフィリエイトをするのか考えたのですが、当時の僕が人よりも多少詳しかった物事が就職活動とFX・株式投資でした。就職活動については色々受けてOB訪問で相談を受けたりしていたので結構詳しい自信がありました。またFX・株式投資については金融部門に配属が決まったときから勉強も兼ねてやっていたこと、少ない手持ちながらも試算を4倍まで増やしたことがあったため、書けるんじゃないかと思いました。結局アフィリエイトは、どちらに決めるということもなく両方のブログを始めましたが、続いたのは就職活動関連のブログでした。FX・株式投資については調子がいいときは筆が進むものの、調子が悪くなり損失を被るととたんに更新しなくなるという形でした。一方で就職活動についてブログを見てくれるユーザーと交流するようになり、更新頻度も多いときには1日に2記事〜3記事行っていました。更新頻度が高まり、アクセスも増えた結果としてアフィリエイトの収益も高まるという好循環が生まれていきました。アフィリエイトの収益はピーク時には月に10万円ほどの売上がありました。また実際にリアルではどの程度の集客力があるのか試すために、就職活動セミナーを開催したのですが、結果として短い告知期間にも関わらず100名程度の学生が集まってくれました。このセミナーをきっかけに参入障壁の低い新卒事業はありかもしれないなと共同創業者の杉山と話すようになりました。今では就職活動関連のインターネットサービスはかなりの数がありますが、当時はunistyleのような就職活動関連のメディアサービスは多かったわけではなく、多くの就職活動生が就活ブログを読んでいるような状況でした。そのような状況だったため、僕が書いたブログにもアクセスが集まったのかなと思います。このセミナーで結果が出る前から、共同創業者の杉山とは定期的に起業しようという話をしていたものの、少子高齢化社会だから、老人向けの新規事業を考えようとか、お互い金融に興味があるから金融関連の事業でいこうなど、雲をつかむような話しかしていませんでした。しかし就職活動関連のブログを地道に更新した結果、アフィリエイトでも収益が出る、リアルでも集客力があることがわかったので、取り敢えず起業したいという気持ちの強かった二人だったのでこの分野で起業することを決めました。起業を決めてからの準備については結構淡々としていて、住居兼オフィスを探して一緒に住み始めて、引き継ぎ期間も考えて3ヶ月前には課長に退職する旨を伝えて、Webサイトの外注先を探して、コンテンツを粛々と集めてといった感じで進んでいきました。最後にここまでが皆によく聞かれる、伊藤忠に入社することを決めてから、退職して新卒採用分野で起業をすることになった僕のストーリーになります。起業してからもサイト公開日になって、サイトのデータが全て吹っ飛んだり、思ったように売上が上がらず給料を10万円に引き下げたり、外注だと思うようにいかず一念発起プログラミングを学びサイト運営したけどしょっちゅうエラーを起こしたり、5年間経営してきて色々あったなと今更ながら思います。このあたりはまた機会があれば聞いていただければと思います。photobySteveJurvetson 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【卒業前より卒業後に就活したい!】就活の3大「逆がよかったのに!」 【卒業前より卒業後に就活したい!】就活の3大「逆がよかったのに!」 みなさん、インターンや本選考が始まる中で「就活」というものを掴めてきたでしょうか。就活をやっていく中で「これ、学生じゃなくて企業がしてくれればいいのに!」「常識はこうだけど、逆にこっちの方がよくない?」という願望はありませんでしたか?今回は逆だったらいいのに!と叫びたくなる3つをご紹介します。3大「逆だったらよかったのに!」①合説は企業が学生を巡ってくれればいいのに!3月1日から始まる大規模合同説明会以外にも、多くの「合同説明会」が行われているかと思います。業界の視野を広げるためにも有効な手段です。参考:合同説明会フル活用術!参加で得られる3つの得とそのための行動指針合同企業説明会を無駄な時間にしないための3つの方法合同企業説明会で説明ブースに座ってはいけない3つの理由しかし、実際に行ってみると大変なこともあります。・週末の渋谷の居酒屋キャッチのお兄さんのごとく、企業による怒涛の呼び込み・全然興味がなかったブースに座ってしまい、長時間抜けられない・興味のある人気企業のブースは人が溢れかえりすぎて、全然見えない「もういっそのこと自分に興味のある企業が会いに来てくれればいいのに。」そんな事が頭をよぎる就活生も多いかと思います。ここ最近、就活サービスも多様化しており、実際に逆求人系の就活サービスも誕生しています。どんなサービスがあるのか気になる方は詳細を以下のリンクからご覧ください。参考:TBS・フジテレビで放映されました|新感覚逆求人イベント「ICHIGEI」逆求人サイト・イベントまとめ②社会人が新規事業立案してくれればいいのに!短期のインターン形式として主要なのが「新規事業立案」。期間は様々ですが数日間~数ヶ月単位のものまであります。中には優勝賞金100万円が用意されているものもあったり、アルバイト代わりに参加する学生もいるほどです。そのようなインターンで社員の方から「分析が足りない」「実現可能性が低い」等、超辛口のフィードバックを受けたことが誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。そこで、思いませんでしたか?「逆に社員さんたちは新規事業を立案できるんですか?」と。例えば、各業界を代表する企業の社員に新規事業立案をやってもらい、それを生配信して多くの就活生が見られるようなイベントが仮にあるとしたら、見てみたいと思いませんか?企業が新規事業立案をする様子を見る学生側のメリットは、「各業界の仕事の仕方を知ることができる」ことです。例えば、外資系コンサル企業なら戦略設定に時間を掛け、広告系の企業ならPRの策定に時間を掛けたり。それぞれの業界・企業ごとの仕事の進め方や考え方の違いを理解することができます。就職活動をする中で、実際に社会人が働く様子を見るには長期インターンが手段として有効ですが、どうしても複数の業界や企業を見ることはできません。この「各業界代表新規事業立案イベント」があることで、今まで学生が評価される側だった論理的思考や課題解決力を逆に見極める(?)ことができ、その企業で働く人の賢さやチームワークの強さを評価することができます。学生も社会人視点の視座の高さに触れることができるので学ぶことも多そうです。このようなイベントがあることで入社後のギャップも減らすことができるのではないでしょうか。③卒業前じゃなくて卒業後に就活させてほしい!就活を早く始める方は3年生の春頃から始めます。その頃に単位を取得し終えている人はほぼいないため、授業と就活を両立することになります。・面接・インターンのために授業を切ってぎりぎりの出席回数・・・SPIやESに追われて勉強はおろそかになりテストでC評価を狙う・・・内定すると、「絶対に卒業してください」と強気で言われるけれど、授業に出席できない要因は御社の選考や面談が平日入るからなんだけどな・・といった悩みはどの就活生も抱えていると思います。加えて、交通費やカフェ代等就活中は出費が増えます。アルバイトや長期インターンでお金を稼ぎながら授業と選考を受ける毎日は非常に忙しくなります。そこで近年、一部で提唱されているのが「卒業後の就活」です。アメリカを始めとした海外諸国で卒業後の就活がメジャーである国も多く、「日本もこのスタイルに移行していくべきでないか」という声が挙がっています。皆さんの中でも「卒業後に就活をしたい!」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。現段階で、欧米型の就活スタイルをそのまま日本に当てはめることはできないので、前提として今の一括採用が廃止され、卒業後に各企業が自由に採用活動を始めるとしましょう。メリットとデメリットに分けて考えてみましょう。メリット●学生の本分である学業に集中できる在学中は授業やサークル活動・アルバイトに打ち込むことができます。就職活動での「学生時代がんばったこと」で語られるエピソードで最も多いのはこれらの活動です。これまで3年次から始めていた就職活動が卒業後に延びたことで、成果や取り組みにこだわった有意義な時間を過ごすことができるのではないでしょうか。●自己分析に時間を掛けられる「将来自分が何をしたいのか」「どのような働き方が合っているのか」等、内省を深める時間をとる事ができます。その検証のために長期インターンで働く経験を積むこともできます。デメリット●就職するまでの生活費が負担になる学生という身分ではなくなるのでそれまであった家族からの仕送りが減ったり、就活のためバイトに時間を割けなくなったりと、「就活生」としての金銭的苦しさは現実としてあるでしょう。●志望企業を諦められず、就活生を続けてしまう卒業前に就活をする場合、卒業した次月からは企業に入社するため、時間のリミットが設けられています。例えば、内定式は多くの企業で10月1日に行われます。内定を複数持っている場合、日程が重なるのでどちらに入社するか意思決定しなければなりません。あるいは内定後に就活を続けている場合も、その時期までに決めなくては、というプレッシャーがあります。しかし、卒業後に就活をすると特にそのような明確なリミットがありません。そのため志望企業を何年も諦めきれず、就活生を続けてしまう人が増えるかもしれません。その結果、採用する企業からしたら若さという新卒採用における一番のメリットが失われる可能性があり、就活生の内定が出る確率が下がってしまうリスクが生まれます。どちらの就活スタイルが良いという判断はできませんが、どちらにもメリット、デメリットがあります。この就活の時期については、働き方改革に伴い、中長期的に日本もいずれ欧米型に近い形で移行していくことが予測できます。直近で変わることはないため、今就活中の皆さんが意識する必要は特にありません。最後に3大「逆だったらよかったのに!!」、共感できるものはありましたでしょうか?①合説は企業が学生を巡ってくれればいいのに!にある逆求人のように、希望を実現しているものもありますので、自分の求める就活スタイルに合わせてイベントやツールを選んでいきましょう。unistyleでもこれらの解説記事がありますので併せてご覧ください。【参考記事】 12,624 views
北海道武蔵女子大学・短期大学の就職率95%越えのカギは学生と教員・職員の深いつながりにあった 北海道武蔵女子大学・短期大学の就職率95%越えのカギは学生と教員・職員の深いつながりにあった 本記事は北海道武蔵女子大学・短期大学就職課の紹介記事です。北海道武蔵女子大学・短期大学就職課の職員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。こんな方にオススメ・北海道武蔵女子大学・短期大学に通っていて就職課の実績や取り組みを知りたい学生・受験する大学を探している高校生本記事の構成北海道武蔵女子大学・短期大学就職課とは家族以上の想いで学生に寄り添う就職課就職支援の強みは「企業・OGとの圧倒的な連携」から!2023年度就職決定率95%越え!徹底的なサポートで多業界での内定獲得へ女子大だからこそできる、ハイクオリティな支援高校生にその目で見てほしい、活躍する先輩の姿「心強い味方に。」就職課からのメッセージ取材後記北海道武蔵女子大学・短期大学就職課とは取材した方のプロフィール宮崎さん就職課として在学生の就職支援・ガイダンス・相談業務を行う北海道武蔵女子大学・短期大学とはどんな学校?大学と短期大学が一つのキャンパスに集まっており、札幌駅から20分の位置にキャンパスを構えています。1967(昭和42)年に北海道武蔵女子短期大学が開学し、2024年に北海道武蔵女子大学が開学しました。「知・情・意」を兼ね備えた女性の養育という教育理想の下、1年次からゼミナールを設置し、少人数教育に力を入れています。短期大学は教養学科(教養コース、経営・経済コース、グローバルコミュニケーションコース)、大学は経営学部経営学科で構成されております。就職課とは?教員・学生両方から頼りになる相談窓口として、様々な就職支援を行っています。具体的には、ガイダンスの企画や講師依頼、キャリアサポーターとの連携などを行っています。また、企業との良好な関係づくりにも力をいれており、集約した学外の情報を学生に発信しています。家族以上の想いで学生に寄り添う就職課学生の将来が豊かなものになるように就職課はどのようなことを目的としている部署ですか。宮崎さん:一番は学生の満足です!もちろん就職・内定を目的としているのですが、本人の望む進路を一緒に考えたり、社会人の目線からアドバイスするなど、将来を豊かにできるように就職活動以外のさまざまな面でもサポートできればと思っています。就職課の想い実際に学生と接するときどのような想いで接していますか。宮崎さん:家族以上の想いで寄り添っています。大事なお嬢さんをお預かりしているので、皆さんを大切に思って接しています。就職支援の強みは「企業・OGとの圧倒的な連携」から!就職課の支援の特徴就職課ではどのような体制で就職支援を行っているのでしょうか?宮崎さん:就職課窓口では、ほぼ毎日学生が何かしらの相談・報告をしに来てくれます。学生との距離がすごく近いんですね!宮崎さん:本学は事務室の中に就職課の席があり、学生支援課などに来た学生とついでに話せる機会が沢山あります。一度話した学生は、アルバイトのことや就職と全然関係のない話をしてくれるようになって。そういった点ではすごく話しやすい環境であると思っています!就職課様特有の取り組みは何かありますか?宮崎さん:業界・職種別のバックアップの数はかなり多いと思います!コロナ禍を経て、学生が希望する業界の幅もかなり広がっています。就職課としても、時代の流れに合わせて、人気のある業界・職種への対策講座を広げていっています!様々な就職支援取り組み実際に北海道武蔵女子大学・短期大学の特徴的な取り組みについて、いくつかお話していただいたので以下に紹介します。業界・職種別バックアップ講座航空業界対策講座金融業界対策講座公務員対策講座筆記試験対策講座IT業界対策講座業界・職種別バックアップ講座・実施時期10月以降の動画配信と、2月頃の対面講座・概要業界・職種別に就職課や企業担当者によるバックアップ講座を実施。・講座種類・職種別(総合職、営業職、事務職)・エリア別就職(Uターン希望者対象)・グループディスカッション対策・業界別(製菓、化粧品、ホテル、自動車、ブライダル、JA関連団体、図書館司書、医療事務)航空業界対策講座・実施時期1年次5月以降(月1,2回程度講座を実施)・概要卒業生であり、大手航空会社の元CAで、訓練教官として働いていた講師による講座を実施。・講座内容・ビジネスマナー・メイクアップ・エントリーシート対策(自己PR、ガクチカ)・内定した卒業生との懇談会・企業研究・ANAビジネスソリューション株式会社による特別講座・面接対策金融業界対策講座・実施時期1年次11月以降・概要就職課による動画配信を中心とした講座を実施。・講座内容・OGを招いてのパネルディスカッション(対面)・金融の基礎知識(役割、金融機関の種類、金融商品の種類)・履歴書・エントリーシート作成のポイント・信用金庫採用担当者による合同企業説明会(対面)・面接対策・証券外務員資格対策講座公務員対策講座・実施時期1年次11月以降・概要「資格の学校TAC」と提携し、公務員試験合格に向けた講座を実施。・講座内容・合格者との懇談会・学力試験対策(基礎学力、数的処理、文章理解、社会科学、人文科学、時事)・面接指導・企業研究セミナー(札幌市、北海道庁をはじめ各自治体、警察、国家公務員など)・作文添削筆記試験対策講座・実施時期1年次10月以降(月1回程度講座を実施)・概要SPI試験や一般常識テストの対策講座。IT業界対策講座・実施時期1年次6月~9月(月1,2回程度講座を実施)・概要IT業界の企業を招いて講座を実施。・実施内容・北海道IT推進協会担当者による業界説明・北海道IT推進協会加盟企業によるインターンシップ(学外)・ITパスポート資格紹介と対策・日本アイ・ビー・エムデジタルサービス㈱によるプログラミング体験会(学内)「絶対にこれだけは活用してほしい」就職課オススメな取り組み学生にオススメしたい取り組みは何でしょうか?宮崎さん:やはり、ゼミ教員やキャリアサポーター¹※を活用してほしいですね。教員は、民間企業で就職経験のある人が多いので、みなさん親身になって相談に乗ってくれます。年に1~2回ほど、ゼミ教員と面談をする機会がありますが、そのほかにも困ったときにはいつでも相談できる頼りになる存在です。キャリアサポーターも本学での勤務が長いので、過去の先輩の様子を踏まえて適切なアドバイスをしてくれます。キャリアサポーターは1回40~60分ほどの面談を実施しています。2023年度は、キャリアサポーターの利用枠数が1581コマにおよび、利用率は80%を超えています。学生の中には年間で60回ほど利用した学生もいます。※キャリアサポーターとは国家資格キャリアコンサルタントを持つ専門の相談員先輩・卒業生からのリアルな声が強力な手助けに!学生から特に評判の良かった取り組みは何でしょうか?​​​​​​宮崎さん:内定者懇談会の出席率は高いですね!一つ上の学年の先輩が登壇して、就職体験談について話をしてくれるので、自分ごととして考えられる機会になっていると思います。ガイダンスが終わった後、個別で質問できる時間を設けると、列を作ってみんなが質問しています。先輩とのつながりもとても強いんですね!宮崎さん:そうですね!金融業界だと卒業生がパネルディスカッションのパネラーとして参加してくれたりします。あとは、大学祭に遊びに来てくれる人も多いですよ!その時に就職課に来てくれて近況報告を聞くことができます。そこで聞いた内容を学生にフィードバックできたりもするので良い機会になっています。雑談ベースで聞いた話が、学生にとって一番聞きたい内容だったりしますよね!宮崎さん:本当にざっくばらんにお話してくれるので、ありがたいと思っています。2023年度就職決定率95%越え!徹底的なサポートで多業界での内定獲得へ2023年度就職実績(北海道武蔵女子大学・短期大学HPより引用)就職支援実績就職支援実績についてお聞かせいただけますか。​​​​​​​宮崎さん:2023年度の就職決定率は95.8%です!また、幅広い業界への内定を獲得しています!学生の声はどのように届いていますか?​​​​​​​宮崎さん:本学でのガイダンスなどは全て正課外で行っています。それにも関わらず80%以上の学生が参加してくれています。グループワークなどの講座の後には、「楽しかった!」「今までと違う視点に気づけた」と言ってくれることが多いので、そこは誇れるところですね!2023年度業種別就職状況(大学全体)(2024年5月1日現在)就職課を利用した学生からの声実際に就職課を利用した学生の声を一部抜粋しました。・先輩方が残してくださった細かく書かれた受験報告書は私にとってモチベーションでもありました。私も先輩方が後押ししてくれたように後輩になにか少しでも力になれるようなものを残せたらなと思います。・キャリアサポーターをwebで予約できる。思い立った時に気軽に予約できるのでとても良かったです。・キャリアサポーターとの面談やオンライン面接用の部屋をかりることができるなど就職支援が手厚く感謝しています。ありがとうございました。・親身になって一緒に就職活動を進めてくださったのでとても安心しました。女子大だからこそできる、ハイクオリティな支援女子大ならでは!就活における身だしなみ講座今後どのような就職支援活動を予定しているのかを教えてください。宮崎さん:シューコーディネーター様による足の測定会があります!大丸札幌店の社員の方にお越しいただいて、パンプスが自分の足に合っているかを一人ひとり測定してもらえる会になっています。実際に足に合う靴の形やサイズがどのようなものなのかを試してみて、購入時の参考にすることができます!すごい!!女子大ならではの取り組みですね。他には何かありますか?宮崎さん:集中セミナーの中にメイク・マナー講座があります。メイクは、化粧品会社のPOLA様がお越しになって学生一人をモデルにして就活メイクの様子を実際に見せてくれます。POLA様にも卒業生がおり、講座内でメイクの実演を担当してくれる時もあります。企業の話だけでなく、実際に仕事内容を見ることで学生自身の働くイメージも沸くと思います。2024年から大学も開学したということで、今後中長期的にはどのような支援を目指していきますか?宮崎さん:大学生になると、キャリア形成について考える時間が増えると思います。就職だけでなくその先のライフステージを含めたキャリア形成を考えていってほしいですね。特に大学生に関しては、更に広いフィールドで活躍してほしいと思います。それに向けて、私たちも支援コンテンツを増やしていきたいです。起業も一つのキャリアとして、可能性を広げてあげたいと思っています。また、今の時代、社会に出る不安を抱えている学生も少なくありません。学生生活の間に、私たちのような大人や企業の方と触れ合う機会を作ってあげることが大切だと思っています。高校生にその目で見てほしい、活躍する先輩の姿専門学校に行かなくても、その夢が叶えられると伝えたい!高校生やその保護者向けに何か伝えたい内容はございますでしょうか?宮崎さん:特に就職が強いのは、航空業界と金融業界です。その他、化粧品業界や、医療事務の人気も根強いです。特に専門学校に行かないと、客室乗務員・グランドスタッフやビューティーアドバイザー、医療事務などになれないと思っている方も多いと思うのですが、本学からも多数が就職しております。過去に採用実績のある求人票には「卒業生がいます」というスタンプを押していて、それを見た学生は安心して選考を受けられるサイクルも生まれています。卒業生が様々な企業で活躍しているので、就職後の不安が少ないというのも強みだと思います!高校生に向けて就職課から最後に一言高校生に向けて最後に一言お願いします!宮崎さん:まずは、オープンキャンパスに来てほしいです。多数の学生が広報スタッフとして運営サポートをしており、高校生の皆さんの疑問に丁寧にお答えしています。実際に先輩たちがどのように武蔵を選んでいるのかをご自身の目でご覧ください。また、学びの中には、フィールドワークや企業と連携した授業が多く、知らず知らずのうちに社会人の方々と関わる機会があるのも本学の特徴だと思っています。是非、本学の学びを、体感してください!「心強い味方に。」就職課からのメッセージ(北海道武蔵女子大学・短期大学HPより引用)最後に学生に向けてメッセージをお願いします!​​宮崎さん:入学当初は、就職課というだけで敷居が高く感じてしまう学生が多いです。でも実際は日常的な会話をすることが多くて、最近では「推し」の話をしてくる学生もいたりします。自分のことを知ってくれている人と就職活動をすることは、とても心強いと思います。就職課を利用したことがない人は、一度窓口に来てほしいと思っています!卒業生からは「武蔵で良かった。」「武蔵で学んだことが役に立っています!」という声をもらいます。大学生活においては、就職に必要なスキルだけではなくて、社会人としての常識を身に付けられることも大切なので、社会にでるための大切な時間を一緒に過ごしていけたらと思っています!取材後記街中でありながらも自然豊かな場所にキャンパスを構える北海道武蔵女子大学・短期大学。就職課では、職員と学生の関係を超えて、学生に近い距離から様々なサポートを行っていることが分かりました。就職活動に限らず、学生生活において何か悩みを持った人は、就職課に足を運んでみてください。学生思いの職員の方々は、皆さんの力強い味方になってくれるに違いありません。北海道武蔵女子大学・短期大学就職課についての詳細は以下のリンクから確認ください。北海道武蔵女子大学・短期大学就職課の詳細はこちら他大学の就職支援についての取材記事は以下のリンクからご確認ください。 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