30歳までにベンチャーの役員になれるキャリアを歩めば会社にしがみつく必要はない

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最終更新日:2023年10月19日

30歳までにベンチャーの役員になれるキャリアを歩めば会社にしがみつく必要はない

※本記事は2016年10月に公開された記事になります。

東日本大震災後の東京電力、東芝の不正会計、鴻海によるシャープの買収など、大企業に入れば安泰だと思われていた時代ではなくなり、「会社にしがみつきたくない」と思っている就職活動生は多いのではないでしょうか。

一方で会社にしがみつきたくないと思いながらも具体的にどういったキャリアを歩んでいけば会社にしがみつく必要がなくなるのか示してくれる人は少ないでしょう。

今回は実際の事例も踏まえながら、会社にしがみつきたくない人向けにどういったスキルや考え方が必要なのか踏まえてご説明します。

この記事はエンジニアや特化型の専門職を目指すスペシャリストに向けた記事ではなく、ビジネス総合職で将来的にはマネジメント候補として採用されるゼネラリスト向けに書いてますので予めご了承ください。

本選考とインターンの締め切り情報

なぜ30歳までにベンチャーの役員を目指すべきなのか

「収入や待遇をそこまで落とすことなく、主体的に仕事内容や会社も選ぶことができるようになるから」というのが30歳までにベンチャーの部長・役員クラスを目指すべき理由です。一度、ベンチャー企業の部長や役員クラスに就任することができれば、転職の際も同じポジションで移れる可能性が高まります。

ベンチャー企業と言っても調達していたり、事業が順調に伸びている会社の場合、部長クラスで年収800万円前後、役員クラスだと1000万円前後が相場といえます。

30歳までにベンチャーの部長・役員クラスに転職できるという自分自身の市場価値を確信した上で、会社に残って仕事をするのか、思い切って転職してみるのか考えるのが「会社にしがみつきたくない」と思っている人にとってよいキャリアパスだといえます。

例えば総合商社であれば順当にいけば年収1400万円程度は約束されますが、海外転勤が頻繁にある、仕事内容を主体的に選ぶことができない一方で、ベンチャーの役員クラスであれば1000万円程度の年収を確保した上で、職場や仕事内容を選ぶことができる立場になります。

安定な可能性が高いけど束縛される環境を選ぶのか、不安定な可能性があるものの自由を選ぶのか、両方の選択肢を手に入れた上で考えてみてほしいと思います。

30歳までにベンチャー役員の実際の事例

実際に30歳までに転職してベンチャー役員になった人の事例を見ていきましょう。こういった事例は少なくありません。

◆コンサル退職後→スタートアップ社員→100名規模のベンチャー執行役員

新卒でコンサルティング会社に入社後、その後にスタートアップに転職、ベンチャー企業のスピード感を味わった上で、少し上のステージにあるベンチャー企業の執行役員として入社したケースになります。急成長中であるものの、メディア露出が少なく認知が低いベンチャー企業などを狙うと執行役員に就任できる可能性が高まるといえるでしょう。

◆総合商社退職後→上場して間もないベンチャー企業の事業部長

総合商社での待遇を捨てて、上場して間もないベンチャー企業の事業部長として転職したケースです。総合商社では、一般的にマネジメント職となる課長になるのが40歳と遅いのですが、海外駐在や子会社出向することで本社よりも早くマネジメント経験を積むことができます。

総合商社でも与えられた仕事をこなすだけでなく、早くマネジメント経験を積むためにどうすればいいのか考えて適宜、上司と話せると成長のスピードが加速するでしょう。

30歳までにベンチャー役員になるために必要なマインドセットとスキル

ベンチャー企業だろうと大企業だろうと、マネジメント層である部長・役員の採用は、ポテンシャル採用ではなく即戦力採用であり、過去の実績は不可欠となります。その上で下記のようなマインドとスキルがあるとよいでしょう。

①成果に対する強いこだわり

成果に対する強いこだわりは必要で前述の通り、個人として実績をあげた経験も必要不可欠といえます。これは何もわかりやすい営業成績などに限ったことではなく、社内のオペレーションの改善などバックオフィスでできることも少なくありません。

例えばコールセンター業務のアウトソースについて、発注先と構築した経験なども評価対象となります。わかりやすい営業数字などで評価される環境でない場合は、自ら「成果」を定義して業務に落とし込む必要があるので少しハードルが上がるかもしれませんが、そうした常に自ら会社のための成果を定義して実行する経験と姿勢は高く評価されるでしょう。

②正解のない問題に対する主体性と実行力

ビジネスの現場は正解がない中で、現在ある情報から手探りで取り組む必要がありますが、このことを理解している人はビジネスマンでも少なく、ややもすると上司が正解を知ってるからその通りに実行するのが現場の仕事だという意識の人も少なくありません。

上記①の成果に対するこだわりにも共通しますが、正解のない問題に対して自分で考えて行動して、結果に結びつけるマインドと実行力は不可欠です。指示待ち人間にならずに自ら正解のない問題だと認識した上で行動する力が求められます。

③物事の仕組み化

部長や役員クラスになった時に求められるのは、個人としての成果というよりも組織として成果を出すための仕組み化であり、個人として成果をあげるだけでは部長・役員としては物足りないといえます。人を使って物事を仕組みにしていくことが求められており、30歳までの経験でも何かを仕組み化した経験というのが求められる傾向にあります。

営業であれば、個人として営業した経験だけでなく、営業経験を研修として組織化したり、営業組織のパフォーマンスをあげるためのマニュアルを変更するなど組織に対して仕組み化で貢献することが求められます。

④専門領域

最後に専門領域があるとやっぱり評価されやすくなります。多くの人がこの専門領域に目がいきがちですが、前述の通り、マインドセットに近い部分も重要なのであえて最後に書いています。

やはり外資系メーカーなどでファイナンスや人事、マーケティングに専門的に関わってきた人は、CFOやCMOなどのCxOポジションにつきやすいのは確かです。総合商社や外資系コンサルなどで専門領域に特化してこなかった人は、COOポジションとして社内の何でも屋としてのポジションを目指すことになるといえます。

最後に

実際には日系大企業に入社すると、課長になるのも40歳と遅いため中期的な目標設定ができず、目の前の仕事に忙殺されて自分のキャリアパスを考えられない人も多いのが実態です。

一方で漠然と会社にしがみつくのは嫌だなと思いながらも具体的にどうアクションしていいのかわからない人も多いのでそういった人は参考にしていただければと思います。

就活生も漠然と潰れそうにないし、自分に自信がないから日系大企業と不安を先送りにすると、どっかのタイミングで会社にしがみつきたくないといった漠然を不安に抱くことになるので、最初から意識してキャリア選択してみるのをオススメします。

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いるのかを自分なりにその場で考えられており、それが選考通過にも繋がっていると考えられます。また、反省を次に活かそうという意識を持ち、改善すべきポイントを押さえた上で選考に臨むことができています。自己分析をしていく中で、企業選びの軸のついても変化があったとのことでした。企業選びの軸というのは、就活を進めて行く中で幾度となく変わることもあるかと思います。それは、自分自身の適性や志向がより明確になり自己理解が進んできたということでしょう。軸を設定したからといってその軸にこだわりすぎず、自分自身の根本にある価値観はどんなものなのかを探り、柔軟に企業選びの軸についても変化させることが必要でしょう。8月は、インターンの準備が中心になるとのことでしたが、皆さんもご存知の通り外銀や外コンのインターンは内定に直結することが多いため、万全の用意をして臨むことが求められます。そのためには、自分で調べることも重要ですが、周囲の友人や知り合いから効率的に情報を収集することも必要となってくることでしょう。また、面接やGDを突破するためにはある程度数をこなすことも重要です。乃木鮭くんは、手段としてのインターン選考に参加することは気が進まないという話をしていましたが、”志望企業の内定を獲得する”ことを考えた場合、なるべく本命企業の面接の前に場数を踏んでおくことが大切です。それは、面接やGDは慣れの要素が強く、数をこなすことでクオリティ自体も高まる傾向にあるからです。そのため、私個人としては早期選考をしているベンチャー企業の選考を利用し、面接での深堀りに夏の段階から慣れておくことをおすすすめします。乃木鮭くんへのオススメ記事今回は、外資系金融のインターンに参加する乃木鮭くんのために、外資系金融を志望している学生に一度目を通して頂きたい記事をご紹介しています。息抜きも兼ねてご覧いただければ幸いです。「外資系金融志望者」が読むべき記事3選はこちら【1】→外資系投資銀行や、国内証券会社がどのような仕事をしているのかを知るために読んでおきたい本5冊を紹介します。【2】→本記事は、15卒外資系金融内定者の方から寄稿頂きました。夏頃から準備をスタートし、見事内定を獲得した方の行動記録です。是非全てに目を通して、今後の就職活動の参考にしてみて下さい。Vol.3は9月に公開予定●その他の20卒就活生のリアルタイム就活体験記は以下よりご覧いただけます。● 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フィリピンで雑誌のローカル向け営業に挑むインターンシップ●期間:3ヶ月以上●報酬:住居支給(マカティ内にあるコンドミニアム、築浅ワンルーム、家具つき)、滞在7ヶ月目以降から成果報酬制度あり●応募条件:基本的なPC操作、英語力(日常会話レベル)●内容:✓セールス✓企画・マーケティング申し込みはこちらからフィリピン留学最大手エージェントの運営、営業、マネジメントのインターンシップ●期間:6ヶ月以上●報酬:社宅完備●応募条件:パソコンスキル(ワード・エクセルの簡単な操作)、コミュニケーション能力がある方、何事にもプラス思考に捉えられる人●内容:✓学生のサポート✓各種イベントの手配及び司会✓コールセンターのオペレーション業務(日本語)✓メールカウンセリング業務(日本語)✓入力業務(日本語・英語)✓翻訳業務(英語⇒日本語日本語⇒英語)✓日本人学生のピックアップ✓ブログ運営などの情報発信✓学校の情報更新や連絡(資料作成、HP更新など)✓学生ピックアップ申し込みはこちらから海外のインターン(中国)【研究開発型WEBコンサルティング】という形で、クライアントのサイト改善に携わるインターン●期間:1ヶ月以上●報酬:1ヶ月目以内は無し、2ヶ月以上の場合は個別検討●応募条件:特に無し●内容:クライアントのWEBサイトの売上を上げる、コンサルティングプランの策定気になる方はこちらからお問い合わせはこちらから深セン未来合宿!世界最速で成長する中国最新ITサービスの解体新書●期間:4日間●報酬:無し●応募条件:特に無し(中国語と英語が話せるとなお良い)●内容:“人類史上世界最速で急成長した都市”、“超スマートシティ・未来都市”、"中国のシリコンバレー"、"巨大ベンチャー都市"など、様々な超級言葉で語られる中国深センについて出来るだけ短期間で多くのことを体験・吸収するプログラム申し込みはこちらからまとめ本記事では海外のインターンについて紹介しました。海外のインターンに参加するためには、目安としてTOEIC700点以上、英検準1級レベルが必要です。企業によっては英語力の条件がなく、英語が話せない人でも参加できるインターンもあるみたいです。とはいえ、そういった企業でも英語が話せる人と話せない人では任される仕事も異なります。海外のインターンに参加したいと思っている就活生は、日常会話レベルの英語はできるようにしてから臨むと良いと思います。【関連記事】 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テレビ大好き人間を採用し続けるテレビ局はデジタル化する未来を生き残れるか? テレビ大好き人間を採用し続けるテレビ局はデジタル化する未来を生き残れるか? インターネットの拡大とともに、テレビの視聴者数は減少を続けており、特に若者においてはテレビを見る人が激減していると言われています。大きく減ったテレビを観る人、高齢者は相変わらず高視聴率だが…(2016年)(最新)就職活動においても、テレビ局を含むマスコミの人気は少しずつ低下しているのが現状ではないでしょうか。unistyleを利用している就活生の多くは、幅広い業界を見ながらもテレビ局を併願する例は少ないようです。就職活動生から敬遠されるテレビ局の新卒採用給与も高く、仕事内容も面白そうなテレビ局ですが、実際には多くの上位校学生から敬遠されています。その理由の一つが、「テレビ大好きっ子を採用したい」というテレビ局の採用意向が見え隠れするということです。テレビ局のエントリーシートは未だに、どんな番組を作りたいか、心に残ったテレビ番組は何か、どんな人にインタビューしたいかなど、他社では聞かれないようなテレビに詳しい人にフォーカスした質問が多く、テレビに縁のない人にとっては非常に書きにくい内容となっています。面接でも、テレビに関する話題が多く、テレビ局として「テレビ大好きっ子」を採用したいというのが目に見え、更にエントリーシートもテレビ局向けの対策が必要なため敬遠されていると考えられます。各社の中期経営計画においては、デジタル領域の強化や海外進出を掲げているものの、採用領域では未だにテレビ大好きっ子の採用に力を入れているように受け取られています。デジタル分野採用を強化する新聞とデジタル分野に進出し始めたコンサル採用方針を変えていないように見えるテレビ局の一方で、新聞各社はデジタル分野に興味のある学生の採用に力を入れ始めています。朝日新聞はここ数年、ビジネス系のインターンを実施しており、またデジタル領域における新規事業にも積極的に取り組んでいます。ネット上の話題を元に取材をしてコンテンツを作る「withnews」やアメリカ発のネットニュースサイト「ハフィントンポスト」の運営を行っています。日経新聞も、日本最大の有料コンテンツ提供会社として、デジタル部門採用に力を入れ始めています。17卒の採用でも記者採用以外に、デジタル領域で10名程度の採用を見込んでおり、今後も継続が予想されます。デジタル領域については、コンサルティング会社の進出など、テレビ・新聞、広告代理店などの既存の「マスコミ」業界以外からも算出してきています。アクセンチュアもデジタルコンサルタントの採用を開始しており、デロイト、EYアドバイザリーなどの各企業もデジタル分野への進出を表明しています。参考:最後に景気回復に伴う広告費の増加に伴い、テレビ広告収入全体では伸びているものの、それ以上にインターネット広告が伸びており、デジタル分野への対応は、テレビ局と言えども不可欠といえます。足元では好景気に支えられて業績を保てているものの、景気後退局面に真っ先に削られるのが広告関連予算です。この好景気がせっかくのビジネス改革のチャンスをふいにしてしまわないか心配されます。企業の未来は人材が作ります。今後のテレビ局が時代の変化に沿った採用方針を取るのか、テレビ局の採用方針に今後も注目したいと思います。【関連記事】テレビ業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にテレビ業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 17,010 views
大手企業がリストラの嵐~その背景・今後・就活生の行動指針を考察してみた~ 大手企業がリストラの嵐~その背景・今後・就活生の行動指針を考察してみた~ ここ最近、大企業による大規模なリストラや早期退職のニュースをよく目にします。実際に「大企業による直近2年間のリストラ・早期退職」を調べてみると、以下のような企業が確認できました。日産自動車→2023年3月までに世界の日産グループ従業員の10%、1万2,500人を削減すると発表。富士通→2018年10月に5,000人の従業員を配置転換し、そのうちの2,850人が退職。損保ジャパン日本興亜→2019年6月末、従業員4,000人を削減し、買収したワタミの介護人材に回すことを発表。※ここでは3社しか取り上げていませんが、後述でその他の企業も取り上げています。上記に挙げた企業はあくまでも一例にはなりますが、3社ともに「各業界を代表する大手企業」であり、"大手企業=安定している・リストラなどはめったにない"という認識を持っていた就活生は驚いたのではないでしょうか。各社でそれぞれ事情は異なるにしても、最近のリストラの嵐はここ数年間では見られなかった兆候ですし、上記3社の事例も氷山の一角に過ぎず、他の大手企業でも大規模なリストラ・早期退職が実施されています。今や「大手企業=安定している・リストラなどはめったにない」という神話はないに等しく、就活生の方もこういった事実をしっかりと認識しなければならないと言えるでしょう。そこで本記事では「直近の大規模リストラ・早期退職の実情」を解説していきたいと思います。"そもそもリストラや早期退職とは何か?"といった基本的な内容から、"各社や日本全体の実情・この実情を受けて就活生はどうすればよいのか"まで解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。本記事の構成そもそも「リストラ・早期退職・希望退職」とは何なのか?直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社とその背景なぜ早期退職・希望退職に応募するのか?大手企業のリストラ・早期退職から読み解く日本社会の実情と今後この実情を受け、就活生はどうするべきなのか?まとめそもそも「リストラ・早期退職・希望退職」とは何なのか?「国内におけるリストラ・早期退職」の実情を解説する前に、まずはそもそもの概念・意味を紹介します。違いが分からずによく混合されてしまう「リストラ・早期退職・希望退職」ですが、簡単に説明すると以下のように定義づけることができます。リストラとは英語の「Restructuring」の略語であり、本来の意味は「再構築」です。ビジネス上の意味(本記事での意味)としては、「企業都合により、人員削減の手段として行う解雇のこと」を指します。早期退職とは「定年を迎える前に退職となること」を指します。早期退職はリストラと混合される場合が多いのですが、その違いは"強制力の有無"に集約されます。リストラは「企業都合による解雇であり、従業員の意思は考慮されない」という特徴があり、早期退職は「定年を迎える前に退職となることであり、従業員の意思で行う場合がほとんど」という違いがあります。希望退職とは「企業が従業員の主体的な退職を募る仕組みのこと」を指します。希望退職は早期退職の内の一つではありますが、早期退職と希望退職は"退職の目的・利用時期"に違いがあります。具体的に説明すると、希望退職は「企業の業績が悪くなり、従業員の人件費削減などを目的として行われるもの」であり、一方で「企業の業績とは関係なく、人件費削減や従業員の若返りを促すために行われるもの」を一般的には早期退職と呼びます。(「選択定年」と呼ばれることもあります)また、希望退職は「企業都合で一時的に募集する制度であるため、希望者の年齢などに特に制限はない」という特徴があり、一方で希望退職を除く早期退職(選択定年)は「一定の年齢以上であることが条件とされていることが多く、その決められた年齢に達していなければそもそも応募することができない」という違いがあります。直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社とその背景「リストラ・早期退職・希望退職」の意味や違いを理解したところで、"実際にどのような大手企業が大規模なリストラ・早期退職を実施したのか"を見ていきます。筆者の調べた範囲内にはなりますが、以下のような企業が実施・発表をしたようです。(本記事では、直近2年間を2017年末~2019年末という定義で記載しています)日産自動車→2023年3月までに世界の日産グループ従業員の10%、1万2500人を削減すると発表。富士通→2018年10月に5,000人の従業員を配置転換し、そのうちの2,850人が退職。東芝→2018年11月、東芝・東芝エネルギーシステムズ(ESS)・東芝デジタルソリューションズ(TDSL)の3社で1,060人の早期退職を募集し、結果的に823人の従業員が早期退職に応募。また、2019年5月に東芝デバイス&ストレージ(TDSC)でリストラが発表され、350人の早期退職枠に対して414人もの従業員が応募。NEC(日本電気)→2018年11月、45歳以上で勤続年数5年以上の従業員を対象に実施した希望退職に2,170人が応募したと発表。富士ゼロックス→2018年上半期、全世界で1万名もの大規模なリストラを敢行。損保ジャパン日本興亜→2019年6月末、従業員4,000人を削減し、買収したワタミの介護子会社に回すことを発表。みずほフィナンシャルグループ→2017年末、グループ全体で1万9000人の従業員をリストラすると発表。三菱UFJフィナンシャルグループ→2017年末、グループ全体で9,500人分の業務量を削減すると発表。三井住友フィナンシャルグループ→2017年末、グループ全体で4,000人分の業務量を削減すると発表。その後の2019年5月、当初の計画から5,000人弱分に増える見通しであると再度発表。キリンホールディングス→2019年10月~11月にかけ、傘下であるキリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンで5,000人規模の人員再配置を実施。日本ハム→2018年10月、45歳以上の従業員を対象に全従業員(子会社への出向を含む)の約1割にあたる200人を上限に早期退職者を募ると発表。結果的に当初の募集人員を超える213人が応募。アステラス製薬→2018年度に日本国内で実施した早期退職優遇制度に約700人が応募し、その結果国内のMRの人数は2,000人前後になったと発表。上記で取り上げた企業はいずれも日本を代表する大企業ばかりであり、それゆえにリストラ・早期退職の人数も何千・何万というかなり大きな数字となっています。例年、就活生からの人気が高い企業も多く該当しており、「こんなにリストラしてるの!?」と改めて驚いた方も多いのではないでしょうか。数字(リストラや早期退職の規模)だけを見てもイメージはつきにくいかと思いますので、各社の背景をそれぞれ紹介していきます。各社のリストラ・早期退職の背景【日産自動車】カルロス・ゴーン(元CEO)に関する問題や世界各地で収益が悪化した結果、近年の業績不振を立て直すための生産体制の見直し・人員整理をするため、リストラを敢行。【富士通】成長領域のITサービスなどを強化し、間接部門の効率化を目指す「成長に向けたリソースシフト」の一環として希望・早期退職の募集を実施。【東芝】収益力強化に向けた構造改革計画の一環で希望退職・早期退職の募集を実施。【NEC(日本電気)】固定費削減による収益構造改革の一環として人員整理をするため、希望退職という名のリストラを実施。【富士ゼロックス】業績が悪化しているというわけではなく、比較的安定して推移しているが、今後雲行きが怪しくなっていくと予想した結果の大規模なリストラだと言われている。おおまかな目的は経費の削減。【損保ジャパン日本興亜】IT活用による事業の効率化の影響で、国内従業員を4,000人削減する施策を実施し、買収したワタミの介護子会社に配置転換を実施。この報道が出た際は賛否両論の意見が飛び交い、「いわば新たなリストラ手法」とも言われた。【みずほフィナンシャルグループ】【三菱UFJフィナンシャルグループ】【三井住友フィナンシャルグループ】RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入による業務の効率化、店舗網の大幅な縮小の影響による人員削減のため、大規模なリストラを敢行。※RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション):デスクワークなどの一連の事務作業を、PC内のソフトウェア型のロボットが代行・自動化すること。【キリンホールディングス】2018年度通期決算で過去最高益を達成したにも関わらず、早期退職を実施。他社のリストラの要因(業績悪化による人員削減など)とは少し異なり、業績が好調なうちに従業員の整理を行い、さらなる成長や事業展開を図ることが狙い。【日本ハム】今後、既存事業の効率化による収益性の強化を進めていくにあたり、従業員構成を適正化させるために早期退職の応募を実施。選択定年制度を限定的に拡充する形を取った。【アステラス製薬】薬価の引き下げや後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及などの影響で国内の事業環境が厳しくなり、従業員(MR)の人数を削減するために早期退職を実施。上記に記載した通り、各社でそれぞれリストラ・早期退職を実施した要因は異なりますが、同業界の中ではある程度共通点があるように感じます。そしてその要因は以下の2種類に大別されると考えられます。業績の悪化・規模の縮小により、人員削減・人員整理をする必要があるため。業績の良し悪しに関わらず、生産性向上・組織や制度の変更を促進するため。業績悪化・規模の縮小により、人員削減・人員整理をする必要があるため。こちらの要因に関しては、「富士通・東芝・NEC(日本電気)・富士ゼロックスといったハードウェアメーカー業界」の事例が挙げられます。ハードウェアメーカー業界の大規模なリストラ・早期退職は、"主力事業であるハードウェア製品の不調"が主な要因とされています。上記の企業でもソフトウェア領域は特に不調というわけではなく、ハードウェア領域の業績不振による人員削減という側面が大きかったと言われています。また、「みずほフィナンシャルグループ・三菱UFJフィナンシャルグループ・三井住友フィナンシャルグループの3大メガバンク(銀行業界)」の事例もこちらのパターンに該当されるでしょう。上記でも記載したように、銀行業界のリストラは"RPA導入による業務の効率化"が主な要因とされています。新卒採用人数も年々減らしている3社ですが、メガバンク以外でも地方銀行が続々と統合を進めており、銀行業界全体として苦戦していることは間違いないでしょう。業績の良し悪しに関わらず、生産性向上・組織や制度の変更を促進するため。こちらの要因に関しては、2018年度通期決算で過去最高益を達成したにも関わらず早期退職を実施した「キリンホールディングス」の事例が該当します。上記で取り上げた12社の大半は前者の要因に該当するのですが、いまや「リストラ実施企業の3社に1社が業績好調な企業」であり、今回のキリンホールディングスの事例もそこまで珍しいものではないようです。そして今回のキリンホールディングスの事例であれば、"①バブル世代の退出を促す②若手への投資を進めて新陳代謝を図る③従来の人事・評価制度の改革を進める"などが早期退職の要因とされています。こういった要因による早期退職のことを「先行実施型の早期退職」とも呼び、「業績が好調な企業が財務的な余裕のあるうちに人員整理を進めるケース」は増えているようです。【参考】【BUSSINESSINSIDER】リストラ数は6年ぶりに1万人超え。業績好調でも早期退職者を募集する理由【ダイヤモンド・オンライン】キリンが早期退職を実施、過去最高益なのにリストラ着手の裏事情【スクープ】本記事で取り上げた12社の情報は下記の記事の内容をもとに作成しました。【参考記事】【産経ニュース】日産、世界で1万人超削減へ(2019.7.24)【日本経済新聞】富士通、2850人が早期退職営業・エンジニアに配転も(2019/2/19)【東芝プレスリリース】構造改革に伴う早期退職優遇制度の実験結果及び東芝デバイス&ストレージ株式会社における早期退職優遇制度の実施について(2019年5月13日)【NECプレスリリース】特別転進支援施策の実施に関するお知らせ(2018年6月29日)【SankeiBiz】富士ゼロックス1万人削減米社と経営統合(2018.1.31)【日本経済新聞】損保ジャパン、国内4000人削減IT活用で効率化(2019.6.24)【日本経済新聞】みずほ、店舗2割削減へ12%減益で1.9万人削減発表(2017/11/13)【Businessjournal】三菱UFJ銀行、1万人削減へ…業務を人からシステムに置き換え、従来型モデルが限界(2017.11.01)【時事ドットコム】業務量削減、5000人分に拡大=IT活用で自動化加速-三井住友FG(2019年5月22日)【時事ドットコム】キリン、希望退職募集=枠設けず、組織若返り狙い(2019年9月27日)【日本経済新聞】日ハム、45歳以上の早期退職募集(2018/10/31)【アステラス製薬プレスリリース】国内事業再編に関するお知らせ-アステラス製薬および国内グループ会社再編と早期退職優遇制度の導入-(2018年5月22日)なぜ早期退職・希望退職に応募するのか?これまで、「直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した企業とその背景」を紹介してきました。各社ともかなり大規模なリストラ・早期退職を実施したことが読み取れたと思いますが、早期退職と希望退職に関し、以下のような疑問を持った就活生の方もいたのではないでしょうか。普通に考えて定年まで勤め続けた方が良くない?多額の退職金をもらえるとしても会社に居続けたほうがメリットはあるでしょ?なぜわざわざ早期退職・希望退職に応募するのかが分からない。そこで続いては、上記のような疑問に対するアンサーとして、「早期退職や希望退職の背景」を具体例を挙げながらもう少し紐解いていこうと思います。早期退職・希望退職のカラクリと実情本記事の冒頭で「早期退職と希望退職は強制力がなく、従業員の意思に基づいて実施される」という紹介をしましたが、これには裏事情がある場合があります。結論から述べると、"早期退職や希望退職は100%従業員の意思に基づいて実施されるものと言えど、「早期退職(希望退職)or出向や降格」などの二者択一を迫られている場合がある"ということです。つまり、"downorout"を迫られていると言うこともできます。また、企業側は対象とする社員をあらかじめ選別している場合も往々にしてあり、リストラとほぼ同義であるとも読み取ることができるでしょう。実際に具体例を挙げるのであれば、以下のような実例が確認できました。早期退職を断ったら出向にするといわれたある製薬会社に勤めています。50歳の正社員です。私の働く部門が外注になり業者が入ってきました。私は上司から呼び出されあなたのやっている仕事を業者に教えてもらえないかと頼まれました。私は上司の頼みを引き受け、業者に自分の仕事を教え始めました。そのとき、会社は早期退職の募集を募り始めていました。ある日私は直属の部長に呼ばれました。あなたのやっている仕事はこれから業者にやらせます。したがってあなたのやる仕事はこれからありません。と言われました。そしてパッケージなるものを示されました。そのパッケージには次のことが書かれていました。1会社都合による退職。2特別退職金の支給。3再就職支援会社の無料利用です。面談が始まり何回もパッケージに応ずるよう圧力がかけられました。けして会社をやめなさいとは言わないのですが、あなたのスキルを活かす場所はこの会社にはもうありません。と何度も繰り返し言われました。今日は三回目の面談でした。早期退職に応じるつもりはないといいましたら、もしあなたが早期退職に応じなければ会社はあなたを今度入った業者に出向にします。と言われました。出向は会社命令であなたには断ることは出きない。と部長はいいました。出向とはどのようなものでしょうか。そして私は出向を断ることは出来ないのでしょうかどうかよろしくお願いいたします弁護士ドットコム:労働上記の実例は「とある製薬会社に勤めている50歳の正社員が早期退職を促す圧力をかけられ、早期退職をしなければ出向させると脅された」というものになります。これはあくまでも一つの例にはなりますが、上記のような事例は決して珍しくなく、早期退職のカラクリとして存在している事象なのです。※本記事の冒頭で「直近2年間で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業全12社」を取り上げましたが、これらの企業が上記のような事例に当てはまるという意味ではありません。「早期退職・希望退職を実施している企業は全てこのような実情に基づいている」という訳ではありませんが、このような実情・カラクリが存在することも認識していただければと思います。大手企業のリストラ・早期退職から読み解く日本社会の実情と今後ここまで、「企業ごと・業界ごと」という観点から実情・背景を紹介してきましたが、続いてはもう少しマクロな視点から考察していきたいと思います。先ほど紹介したリストラ・早期退職の背景を受け、「現在の日本社会の実情・今後起こり得るであろう変化」は以下の2つに集約されると考えられます。定型業務・事務系業務などがロボット・IoTに代替される可能性がある日本特有の終身雇用制度が崩壊する上記2点に関しては巷でもよく言われている内容だとは思いますが、結論「この2点に集約される」と言えます。定型業務・事務系業務などがロボット・IoTに代替される可能性があるIT社会化が急速に進行していることで、これまで人間の手で請け負ってきたいくつかの業務がロボット・IoTに代替される可能性があります。その中でも、いわゆる「定型業務・事務系業務」と言われる業務が主に代替されると言われています。実際にそのような予測もいくつか発表されており、人材会社「エン・ジャパン株式会社」が2017年に発表した「AIに代替される仕事/されない仕事」についてという資料には以下のような調査結果が示されていました。Q.現在ミドル世代が就業している職種の中で、AIに代替されて、なくなると予想される職種を教えてください。【1位】経理・財務・会計系:42%【2位】秘書・アシスタント・一般事務系:41%【3位】コールセンター:37%【4位】人事・総務系:32%【5位】会計士・税理士:28%Q.AIに代替され、なくなるであろう職業が多いであろう「業種」を教えてください。【1位】IT・インターネット:41%【2位】コールセンター:41%【3位】金融:34%【4位】メーカー(コンピューター・通信系):30%【5位】メーカー(機械・自動車・メカトロ):27%【引用】ミドルの転職:「AIに代替される仕事/されない仕事」について(2017年版)※アンケート実施期間:2017年11月22日~2017年11月28日/有効回答数:181名上記の調査結果は一部を抜粋したものにはなりますが、このデータを見れば「メガバンクなどの金融業界の企業が、リストラや早期退職の実施で人員を削減・整理している実情」が理解できるのではないでしょうか。また、「IT・インターネットやメーカーといった業種」もAIに代替されやすい業種と予想されています。IT業界やメーカーといえば今でも就活生からの人気が高い業界ではありますが、競争が激しい業界であるがゆえに変化が激しく、今後のAIやIoTの導入にも積極的であるため、上位にランクインしたのだと考えられます。IT・インターネット業界は競争が激しいと言われているため、大手・中小・ベンチャー問わず"10年~20年先の姿は誰も正確には予測できない"と言っても過言ではないでしょう。日本特有の終身雇用制度が崩壊する「終身雇用を守るのが難しい」2019年5月にトヨタ自動車社長の豊田社長が発したこの言葉を、ご存知の方も多いのではないでしょうか。また同時期に、経団連の中西宏明会長も「終身雇用を続けるのは難しい/終身雇用は制度疲労」などという発言をしました。日本のトップとも言える企業の社長と経団連のトップがこういった趣旨の発言をしたということは、"日本特有の終身雇用制度の崩壊はすぐそこまで近づいている"といっても過言ではないでしょう。この両者の発言の趣旨・真意を考察することは本記事の趣旨と少し異なるため、ここでは割愛させていただきますが、もはや"新卒一括採用やメンバーシップ型雇用が当たり前"という状況はなくなるでしょう。(実際にベンチャー企業やIT企業などでは、こういった状況は見られなくなっています)本記事で取り上げた企業のリストラに関しても、「終身雇用前提で入社したのにまさか自分が!?」と思った従業員の方も多いでしょうし、この雇用制度の変化に関しては、大企業・中小企業問わず例外ではない事象でしょう。【関連記事】実際に10~20年前であれば、メガバンクやハードウェアメーカーは業績も好調であり、就活生の人気企業ランキングでも上位に名を連ねていました。しかし現在(2019年)では、「大規模なリストラ・早期退職を実施しなければいけない」という状況に陥っており、就活生からの人気も年々下降傾向にあります。ただ、本記事では別に「こういった業界・企業は今後も大規模なリストラを継続する可能性が高く将来性がないため、就職を考え直したほうが良い」ということをお伝えしたいわけではありません。ここでお伝えしたいことは、"こういった変化はもはや業界・企業規模など関係なく起こり得る事象である"ということです。実際に10~20年前に「メガバンクやハードウェアメーカーが現在のような状況に陥る」と予想していた方はごく少数だったと思いますし、こういった事象は「外的要因×内定要因」で起こり得るものであるため、いくら頑張って予想したところで100%当たることはまずありえません。ただ、"そういった事象に遭遇するリスクを減らすことは可能"だと考えています。そこでここまでの内容を踏まえ、「こういった実情を就活生はどう受け止めるべきなのか?そのリスクを減らすにはどうすればよいのか?」という観点の話を最後にお伝えしたいと思います。この実情を受け、就活生はどうするべきなのか?結論からいうと、"自分の市場価値を高め続け、会社から必要とされる人材になる"という内容に集約されます。人材市場価値(じんざいしじょうかち)とは、ビジネスパーソンをベースとした人材の市場における価値である。今日のようなネットワーク社会において、「井の中の蛙、大海を知らず」ではもはや勝ち残れない。社内だけでなく、社外(市場)で通用するかどうかを確認する指標(データ)として、組織人材分析や企業内研修等で活用されることが多い。また、就職・転職する際に、転職候補者の推定年収を算定する際にこの言葉を用いることが多い。【引用】ウィキペディア(Wikipedia)自分自身の市場価値が魅力的なものであれば、例え働いている企業が不景気になったところでより良い条件で転職できる可能性は高まりますし、そもそもリストラや早期退職(マイナスな側面での)に該当する人材になることもないでしょう。その一方で、この市場価値という言葉は"ある種のマジックワード"のように感じます。就活生の中でも「市場価値を高めたい!」ということをESや面接で述べる方は一定数いるかと思いますが、ほとんどの就活生は「自分の中での市場価値の定義」を理解しないまま、この文言を使っているのではないでしょうか。そこで、上記のような就活生や、「そもそも市場価値を高めるには?」という部分に疑問を持っている就活生に向け、"市場価値"というものを分解してみようと思います。「市場価値」を考察していくにあたり、ベストセラー書籍である『転職の思考法(著:北野唯我)』の内容を参考にさせていただくと、市場価値(マーケットバリュー)は以下の3つの要素の掛け算で決定されます。技術資産人的資産業界の生産性技術資産技術資産は「他の会社でも通用する技術的蓄積」と定義づけられます。その中でも、職種に紐付く「専門性」と職種に紐付かない「経験」の2つに分けられると書籍で述べられています。具体例を挙げるのであれば、専門性の技術資産は「営業やマーケティング」、経験の技術資産は「マネジメント経験や業界経験」が該当されるでしょう。人的資産人的資産は、言い換えるならば「人脈」と定義づけられます。業界の生産性業界の生産性は、言い換えるならば「その業界にいる人間が、平均一人当たりどれほどの価値を生み出しているか。」、より簡潔に言うと「一人当たりの粗利」と定義づけられます。そしてこの3つの要素の内、この業界の生産性が「市場価値に最も大きな影響を与える」と述べられています。業界の生産性は産業別(業界別)で大きく異なるため、より市場価値を高めたいのであれば「生産性の高い業界を選択する」というのは非常に理にかなっていると言えるでしょう。市場価値を高めたいのであれば、この3つの要素に「業界の成長性」を加味する上述した「(1)技術資産(2)人的資産(3)業界の生産性」は市場価値を構成する要素になりますが、この市場価値をより高めたいのであれあば、"成長している業界に身を置けるか、つまり「業界の成長性」"も考慮するべきだと述べています。【成長している業界とは】業界全体として「市場規模」が拡大している業界。というのも、成長している業界で働いたか否かによって「経験の技術資産の価値」が大きく変わるためです。成長している業界(成長の見込みがある業界)は、「今後同業界に参入してくる企業が多く、その上で各社は経験を積んだ社員を雇いたい」というニーズがあります。経験の技術資産に「業界経験」が該当すると上述しましたが、このことから「成長している業界で経験を積むことは、それだけで自身の市場価値に大きな影響を与える」ことが理解できるでしょう。【参考】転職の思考法(著:北野唯我)上述した内容を踏まえれば、「自分の市場価値を高め続け、会社から必要とされる人材になるためのイメージ」が少しは湧いたのではないでしょうか。「ファーストキャリアはとにかく成長している業界に行きなさい!」ということを伝えたい訳ではありませんが、市場価値を高めたいと考えている就活生にとっては、「業界の生産性・成長性」を考慮することは必須かもしれません。「リストラはもはや業界・企業規模など関係なく起こり得る」という現代において、それに遭遇するリスクを減らすのであれば、"どういった業界に身を置き、どのように自身のスキル・魅力を高めていくか"を就活生の内から考えておくべきでしょう。【関連記事】まとめ本記事では、直近で大規模なリストラ・早期退職を実施した大手企業とその背景の紹介に始まり、そこから読み解く日本社会の実情と市場価値とはという内容までを紹介しました。本記事を一通りご覧いただいた方はこういった実情を知り、どのような感想を持ったでしょうか。今や、日本を代表する大手企業でも「大規模なリストラ・早期退職」はそこまで珍しいものではなく、就活生の方もこういった実情を「他人事のように捉えてはいけない」ことが理解できたのではないでしょうか。ただ、改めてにはなりますが、「上記で取り上げたような大規模なリストラを実施している業界・企業は避けるべきだ!成長している業界(成長の見込みのある業界)に絶対行くべきだ!」などといったことを本記事を通して伝えたかった訳ではありません。"現在の日本社会(大手企業)の実情をどのように捉え、その上でどのように自身の行動に落とし込んでいけばよいか"ということを見つめ直す機会を提供することで、"納得のいく企業選び・自らの理想とするキャリアステップ"に近づいてもらえればと思い本記事を執筆しました。本記事を通じ、何か一つでも得るものがあったのであれば幸いです。【関連記事】 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