部内は敵だらけ!就活最強と言われる体育会の部内で繰り広げられる骨肉の争い

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最終更新日:2023年10月26日

部内は敵だらけ!就活最強と言われる体育会の部内で繰り広げられる骨肉の争い

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16卒の早慶体育会男子です。体育会だからこその辛さを語ります。

よく友達と就活の話をしていて「体育会だから余裕でしょう!」と言われることが多いですが、全くそのようなことはないです。逆に体育会ならではの厳しさもあります。

例えば、部内の同期との戦いが挙げられます。

本選考とインターンの締め切り情報

試合では味方、就活では敵

志望企業・業界、エピソードが丸かぶり
将来やりたい夢や具体的にしたいことを考えている人は少なく、企業ブランド・給料を重視。全員ミーハーです。特に総合商社・広告志望が圧倒的に多いです。
しかも学生時代に頑張ったことも当然同じ部活動になるため、選考においても比較対象になっていると思います。

 

どの先輩をOB訪問したかの情報は互いに隠蔽
同期の間でも誰にOB訪問したかなどの情報を共有することはあまりありません。「先週はA君がOB訪問きたよ」というように、OBの方から同期のOB訪問事情を知ることがよくあります。基本、就活情報を自ら発信する人はいません。


体育会同期同士の争いの実例

電通
OBとの面談を経て2人が最終まで残ったのですが、内定を貰ったのは1人でした。2人は元々仲が良かったのですが、選考後は少しぎくしゃくしていた印象を受けました。

電通エントリーシート一覧


サントリー
サントリーに2人が最終まで進みましたが、先に面接を受けた方が先に内定がでました。枠は1つなので後に受けた方には連絡が来ていません。しかし先に貰った方は、サントリーを第一志望としておらず別の企業から内定を貰いサントリーを断りました。内定をを貰って2週間後だったので、結局後に受けた方には連絡が来ないままでした。結果、サントリーは誰も入社せずじまいでした。

サントリーエントリーシート一覧


東京海上日動火災保険
東京海上日動火災保険の体育会ルート希望者募集の連絡がきたとき、同期は誰も興味を持っていない様子でした。しかし、蓋をあけてみると5人も志望していました。「俺は東京海上は全く興味ない」と言ってた者も志望していた。結局、内定を貰ったのは1人でした。

【参考】東京海上日動火災保険関連コンテンツ


部内で発生する就活における優劣

練習を休んだもの勝ち?
幹部をはじめ役職を持っている人はほとんど練習を休めないです。逆に役職がなかったり、試合に出ていない人は就活に全てを注ぎ、就活モンスターへと変貌しました。練習を休みまくる。結果、部活で活躍している人の多くは留年。就活モンスターは内定をゲットします。

 

スポーツのポジションも関係?
企業のOBに気に入られると、推薦してもらったり、偉い人を紹介してもらえることが多いです。同じポジションの先輩やコーチが志望企業にいると気に入られやすいです。自分のポジションまでもが、内定に関わってきます。


最後に

部活をやりながら就活することで、練習時間の減少だけでなく、人間関係にも影響が出てくると感じました。

 

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【オープン or GCF・GFI・GM?】みずほFGでどのコースを受けるべきか 【オープン or GCF・GFI・GM?】みずほFGでどのコースを受けるべきか 16卒の金融機関内定者です。現在就職活動中の方の中には金融機関への就職を目指す方もいらっしゃるのではないでしょうか。金融機関の中でもとりわけ採用人数が多く、テレビドラマの半沢直樹も放映されたメガバンクの人気は高いように感じます。読者の方が将来メガバンクへの就職を考えたとき、入社形式について考えが及ぶと思います。具体的にはみずほフィナンシャルグループ(以下みずほFGと呼ぶ)であればオープンコースとGCF・GFI・GMコース(以下スタート特定コースと呼ぶ)が入社の入口として用意されています。名称こそ違えど、三菱UFJ銀行であればオープンコースとグローバルCIBコース、ファイナンシャル・テクノロジーコース等が用意されています。今回は私自身がみずほFGのスプリングジョブ選考でGCF・GFIコースを志望し、そこからオープンコースへ変えた経験を基に、その判断に至った経緯や社員の方の考え方を紹介したいと思います。オープンコースとスタート特定コースとは?みずほFGの採用ホームページを見ると各コースの詳細が明確に記述されているので、ここでは各コースのポイントを引用したいと思います。《オープンコース》<コース概要>初期配属は国内営業店で主に法人営業を中心としたバンキング業務を担当。将来的には銀行・信託・証券その他あらゆる業務分野の中から自分の得意分野を確立し、専門性を高め、活躍を目指すコース。<募集人数>550名程度《グローバル&コーポレートファイナンスコース(GCFコース)》<コース概要>入社当初の配属が、大企業営業、海外ビジネスなどの専門セクションに特定されるコース。<募集人数>20名程度《グローバルフィナンシャルイノベーションコース(GFIコース)》<コース概要>入社当初の配属が、M&A、不動産、ストラクチャードファイナンスなどの専門セクションに特定されるコース。<募集人数>15名程度《グローバルマーケッツコース(GMコース)》<コース概要>入社当初の配属が、マーケット、金融テクノロジー関連、アセットマネジメントビジネスを中心とした専門セクションに特定されるコース。<募集人数>10名程度参照:【募集コース・募集要項】コースの併願は不可能ですので、エントリー時までに自分のコースの適性を見極める必要があります。上記のHPの内容以外に特筆すべき事項として、特定コースでは入社後5年目以内を目処に海外勤務の機会が与えられると書いてありました。一方で、オープンコースでも入社3年目以降を対象とする海外トレーニー制度が存在します。みずほFG人事部の見解特定コースのスプリングジョブ終了後、今後の選考で特定コースで選考を受けるか、それともオープンコースに変更して選考を受けるか人事部の方とお話しする「相談会」が設けられていました。担当してくれた方曰く、採用人数比を考えるとスタート特定コースは圧倒的に入社難易度が高いこと、スタート特定コースは初期配属がほとんど決定していることしか本質的な違いはないとのことでした。「やりたいことが明確に決まっており、それの専門性を極めたいのであればスタート特定で応募すべき。一方で、特定分野に絞らず多様なことにチャレンジしたり、中小企業営業を担当したい場合はオープンコースに応募すべき。オープンコースにできなくて特定コースでしかできないことというのはほとんど存在しない。」というアドバイスを頂きました。みずほFG入社5年目の社員の見解「相談会」を終え、自分の中ではオープンコースに傾きかけていたのですが、一応人事部でない社員の方の意見も聞こうと思いOB訪問をしました。その方は自分と大学・学部が同じで、オープンコースで入社した5年目の方でした。その方にスタート特定コースの社員の待遇を聞いたところ、「エリートとして育てられるし、そうなることを期待されている。」とのこと。具体的には、「特定コースは入社時に特定部門への配属が約束されているため、大企業営業といった花形部署に苦労なく配属される。初期配属を終えたオープンコース入社の方にとって、そういった花形部署には2割ほどしか行けないことを考えると、かなりの高待遇。オープンコースで2割に入るためには初期配属の支店の支店長や先輩との相性もあり、運要素も存在する。」とのことでした。その方自身がオープンコースで入社したからこその意見だと思いますが、「同期で前述の2割に選出されて花形部門に配属された方は、支店でのリテール経験を武器に部門で結果を残して出世していく。」という印象を持っているようでした。筆者の見解以上の情報を基に、私の場合は中小企業との取引経験がその後のバンカーのキャリアの土台を支えてくれる経験になるだろうということ、自分の特性は働きながら見極めてミスマッチングを防ぎたいという思いからオープンコースに選考方法を変えました。私の主観ですが、コースを見極るためのエッセンスを紹介したいと思います。【オープンコース向け】・自分の特性は入行後にじっくり見極めたい・リテールを担当したい・地方で働きたい・ゼネラリストを目指したい・出世に対してこだわりはない・みずほFGから内定をもらえる確率を少しでも上げたい【スタート特定コース向け】・やりたいことが既に決まっている・やりたいことができるのであればみずほFGでなくても構わない・海外勤務を嘱望している・入社当初から出世コースでキャリアを積みたい・プロフェッショナルを目指したい最後に16卒の就職活動を経験した身としては、メガバンクは募集コースの種類が多いかつ複雑で、自分がどのコースで選考に参加するべきなのかわからないままとりあえず採用人数の多いオープンコースにエントリーする方が多いように思います。周囲の友人の話によると、「(女性の場合)一般職じゃなくてなんで総合職(オープンコース)なの?」「海外志向が強いならばなんでスタート特定コースに応募しなかったの?」というような「なぜそのコースにエントリーしたのか」といったことが聞かれるようですので、しっかりとコースの適性や将来やりたいことベースでメガバンクにエントリーしてほしいと思います。なお、金融業界を志望する就活生には就職エージェントneoの利用がオススメです。アドバイザーから、金融業界を志望する理由を基に、ほかに受けるべき企業に関するアドバイスなどが受けられます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。 93,559 views
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銀行員の「転職」に見る、日系大企業の栄枯盛衰 ―ブラック・スワンを忘れるな― 銀行員の「転職」に見る、日系大企業の栄枯盛衰 ―ブラック・スワンを忘れるな― 新卒就活中の皆さんは、どれだけ【入社後の転職】を視野に入れているでしょうか?日本的な終身雇用原則が崩れつつあるなか、同一企業に40年勤め上げることを過度に信奉せず、将来的な転職までを見越して新卒入社先を検討するべきでしょう。unistyleでも「勝ち組企業に内定したと思っている学生は『ブラック・スワン』を読んでおこう」、「10年前、東電・シャープに入社した人は勝ち組だった」等の記事で、入社時のブランドや給与水準が永劫保証されているわけではないことを強調しています。また、入社してから転職活動のための業界研究を行う時間は限られていることから、新卒就活の段階でベンチャー企業も含めて幅広い業界を受けることが重要になります。参考:優秀な就活生は3年後の転職を見据えて、ベンチャー企業まで幅広く受けている「転職」シリーズ・第3回のテーマは「銀行」。実際の転職者データをもとに【大手銀行に新卒入行した方の転職キャリア】を分析し、そこから【人材獲得競争に見る、企業価値の栄枯盛衰】を考えます。0.転職データのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあとに転職して辿り着くエリートキャリア」を考えるため、◆プライベート・エクイティ・ファンド(PE)◆ベンチャー・キャピタル(VC)◆戦略コンサル◆ベンチャー企業の創業者、役員(未上場も含む)以上4つの集団の現職者に対象を限定し、これに該当するビジネスエリート計1231名のキャリアをリサーチすることで「一流転職市場のリアル」に迫りました。(なお、全ての情報は各社有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです)1.新卒就活市場における銀行の「今」と「昔」大手銀行員の転職を考えるにあたって、まず【大手銀行に新卒入行するのはどんな層の学生か】という点を理解するため、大手都市銀行に対する学生の意識が時代の移り変わりとともにどう変遷してきたかを追いましょう。a.「今」:総合商社・広告代理店の滑り止め?今まさに就活に取り組まれている上位校学生の皆さんは、この見出しが腑に落ちる方が多いのではないでしょうか。現在、メガバンク3行(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)はいずれも新卒大量採用を推し進めており、その大半が「総合職オープンコース」枠での採用です。この採用枠の大きさから、早稲田・慶應以上の大学では「とりあえずメガバンクから内定を貰い、本命企業の選考に落ちた際の滑り止めにする」といった戦略を取る学生が多いようです(実際のところメガバンクから内定を貰うことも決して簡単ではなく、この点では意識と現実との間に乖離があると言えるでしょう)。この意識構造を如実に反映したのが、先日発表されたダイヤモンド社『就職人気企業ランキング2017【文系男子】』です。上位のほとんどは総合商社が独占しており、メガバンクはじめ金融業界はそれを追随する格好となっています。​現在の新卒就活において【メガバンクが総合商社の滑り止めになる】という市場構造は確かに存在するようです。以下の記事にあるように、とりわけ早稲田・慶應以上の層ではこの傾向が顕著なようです。参考:メガバンクは滑り止め!?慶應生が語る、慶應生の就職活動の実態参考:メガバンクから日系コンサルへ、早慶レベルの学生にとっての滑り止めの変化の兆候b.「昔」:エリートキャリアの代名詞しかし、上記のような市場が発現したのは、実は比較的最近のことのようです。​各年のランキングから、それぞれ当時の銀行勢の強さが分かります。都市銀行再編が行われる以前、現在のメガバンクの母体となった各行はそれぞれ高い就職人気を誇っており、総合商社と同等、ときにはそれより高い人材獲得力を有していたようです。2.銀行員の「転職」に見る、企業の栄枯盛衰上に挙げたランキング、そして今回unistyleが収集した転職者データを合わせて考察すると、以下のような一連の仮説が浮かび上がってきます。a.仮説①:80〜90年代初頭、優秀層は商社よりも銀行を選んだ前掲の調査結果にも現れているように、かつては少なからず【総合商社<銀行】というキャリア感覚が存在していたようです。1980年代当時、日本の産業構造が変化するなかで自社内に輸出入機能を持つメーカーが増加、「商社不要論」が語られるようになりました。これがオイルショック後の不況に重なって商社の業績は悪化し、「商社冬の時代」の訪れが叫ばれました。さらに1985年のプラザ合意によって商社は輸出不振のリスクに直面し、その後のバブル崩壊でも多額の不良債権を抱えることになりました。こうした趨勢によって総合商社の人気が落ちていたことで、1980〜90年代初頭には大手銀行の人気が相対的に上昇し、優秀な人材が集まるようになったと考えられます。また、今回unistyleが調査したエリート転職データも、この仮説をサポートします。各銀行の行員数が多いことを差し引いても、なお【各行とも相当数のエリート転職者を輩出している】と言えるでしょう。とりわけ、今回の調査対象としたエリートキャリアのなかでもファンドでの投資業務やベンチャーのCFOポスト等を選択し、銀行での経験を活かして活躍する方が多いようです。​​ところが、現存のメガバンク単位ではなく、銀行再編の際に消滅した旧銀行を区別して出身者をカウントすると、別の重要な示唆に気づきます。​​現行の3大メガバンクよりも、統合前の旧銀行の方が多くのエリート転職者を輩出していることが分かります。【バブル崩壊後の銀行再編までは、エリート転職を成し遂げるような優秀層は(総合商社よりも)大手銀行に入行していた】という仮説を裏付ける事実のひとつだと言えるでしょう。b.仮説②:現在、キャリアとしての銀行の価値は低下しているところが、1991年のバブル崩壊後、多額の不良債権を抱えた都市銀行は軒並み経営難に陥り、大規模な合併や経営破綻を含む業界再編が進むことになりました。その結果、いわゆる3大メガバンクを核とする大規模フィナンシャル・グループが形成され、現在に至ります。この過渡期の間に、バブル以前に各銀行に入行していたエリートの一部はファンドや事業会社へ転職して各々のキャリアを形成していると考えられます(事実、今回のunistyleの調査対象企業にも多数が在籍しています)。そしてメガバンク形成後、ファーストキャリアとしての銀行の価値は以前と比較して低下してしまったと言わざるを得ません。現在は3行とも「総合職オープンコース」という枠を用いて大量新卒採用を行っていることで、冒頭で述べたように、「総合商社の滑り止め」という認識を持たれてしまっているのが実情です。「転職市場での価値」という側面に限定しても、今回の調査対象としたエリート転職者集団のうち、現在のメガバンク誕生後に新卒入行している方は少なくなっています(3行とも合併設立から既に15年前後は経過していること、一貫して新卒を大量採用していること、離職率が高止まりしていることに留意すれば、以下の数値は決して多くないと言えるでしょう)。​​上記の表からは、旧・日本興業銀行、三菱商事が多数のPE・VCファンドメンバーを輩出しているのに対し、メガバンク3行の出身者はいずれも数名にとどまっていることが読み取れます。メガバンク統合後の就職人気低下に伴って、転職市場における行員の価値も低下傾向にあると考えられます。また、近年のメガバンクの業務内容がリテール営業に偏りつつあることから、自ずと転職先も営業色の強い企業・ポジションになるケースも多いようです。この点もまた、メガバンク行員の転職事情が上記のような数字に収束した一因として指摘できるでしょう。c.転職の実例以上を踏まえた上で、実例として大手都市銀行出身の方のキャリアを見てみましょう。投資ファンドに転身する方や決済サービスの起業に踏み切る方、既存企業のマネジメントとして引き抜かれる方など、銀行でのキャリアを活かして転職する方が多くいらっしゃるようです。【例1】伊佐山元氏(現WiL社CEO/日本興業銀行出身)東京大学/法学部卒スタンフォード大学/大学院/MBA1997年日本興業銀行入行2003年DCM(在シリコンバレー大手VC)入社/パートナー2013年WiL創業参考:WiLTeamVCファンド・WiLの創業者である伊佐山氏は、楽天・三木谷浩史氏なども在籍したエリート銀行・日本興業銀行(現・みずほFG)のご出身です。興銀在籍中にスタンフォードMBAを取得した同氏は、その留学期間中にシリコンバレーにてVCの魅力に出会い、ファンドメンバーへ転身されたようです。【例2】百合本安彦氏(現グローバル・ブレイン代表取締役社長/富士銀行出身)京都大学/法学部卒1980年富士銀行入行1987年シティバンク・エヌ・エイ入行1998年グローバル・ブレイン創業/代表取締役社長参考:グローバル・ブレインTeam幅広い業界において実績を挙げている独立系VC、グローバル・ブレインを立ち上げたのは、富士銀行(現・みずほ銀行)出身の百合本氏です。同社はレアジョブのIPO等の豊富なエグジット実績を持ち、現在はメルカリ、ラクスル等のスタートアップをポートフォリオに組み込んでいます。【例3】岩田林平氏(現クックパッドCEO/三和銀行出身)慶應義塾大学/経済学部卒ノースウェスタン大学/大学院/MBA1996年三和銀行入行2005年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社/パートナー2016年クックパッド入社参考:クックパッド株式会社有価証券報告書2016年3月にクックパッド新CEOに就任した岩田氏も、新卒では旧・三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行されました。9年間の銀行業務経験ののちにMcKinseyにてパートナーまで上り詰め、現在はクックパッド社の経営に従事しています。【例4】江田敏彦氏(現ビリングシステム代表取締役/三井銀行出身)早稲田大学/理工学部卒1977年三井銀行入行2000年ビリングシステム創業/代表取締役参考:ビリングシステム企業HP参考:ビジョナリー旧・三井銀行(現・三井住友銀行)にて23年のキャリアを積んだのちに独立し、ビリングシステム社を創業された方です。同社は決済の一元化/効率化サービスを提供しており、同氏が銀行時代、コンシューマ向け決済サービスの開発に携わったことが起業のきっかけになったようです。3.最後に以下、本記事のサマリーです。◆就活市場における銀行の「今」「昔」「今」:優秀層の学生は、総合商社等の滑り止めとしてメガバンクを選ぶ。「昔」:バブル崩壊前、学生はエリートキャリアとして大手都市銀行を選んだ。◆仮説①:80〜90年代初頭、優秀層は商社よりも銀行を選んだ総合商社の不振もあって、銀行に新卒入行することの価値が相対的に高まっていた。◆仮説②:現在、キャリアとしての銀行の価値は低下しているバブル崩壊後のメガバンク合併を経て、銀行員キャリアの価値が低下した。◎重要な示唆:ブラック・スワンを忘れるな現在「一流」と持て囃されている企業が、数十年後にも同様の給与水準・ブランド力を維持しているとは限りません。ここ20〜30年で都市銀行キャリアへの認識が変化したように(さらに明瞭な例を出すならば、東芝・シャープ・東京電力のように)、各社の企業価値は常に変遷し続けます。就活中の皆さんは、ナシーム・ニコラス・タレブ著『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』(ダイヤモンド社、2009年)からも学べるように、「現在の企業価値が不変ではないこと」を忘れずに進路を選択していただきたいと思います。参考:「勝ち組企業に内定したと思っている学生は『ブラック・スワン』を読んでおこう」参考:「10年前、東電・シャープに入社した人は勝ち組だった」【unistyle転職シリーズ】【#1】「転職」で総合商社を比較する―投資側への転職なら三菱商事を選べ―【#2】「転職」で見る電通/博報堂―「電博」発スタートアップを目指せ―【メガバンク選考対策】参考:三菱東京UFJ銀行のエントリーシート・選考情報参考:三井住友銀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【外資系投資銀行内定者が語る】外資系IBDと日系IBDの違い 【外資系投資銀行内定者が語る】外資系IBDと日系IBDの違い こんにちは、17卒就活生です。就職活動では専ら投資銀行業界を目指し、最終的に外資系・日系双方の投資銀行から内定を頂くことができました。そこで今回は、私が投資銀行での就職活動をする中で感じた「外資系IBDと日系IBD双方の魅力」を記載していきます。外資系IBDと日系IBD、それぞれで具体的にどういった魅力を感じたのか、下記に書いていきたいと思います。外資系投資銀行IBDの魅力外資系投資銀行の魅力として初めに、大型のM&Aや資金調達案件に特化して関わることができるということがあります。私の内定先である米系トップファームの社員によると、基本的には1000億円以下の案件は受けないというお話をしていました。また、外資系投資銀行の強みである海外でのネットワークを活かした、大型のクロスボーダー案件に関わる機会が豊富にあるとのことです。これに加えて、早くからIBDでのスキルを身に着けるうえで魅力的な環境であると感じました。インターンでお会いした日系証券会社出身の外資系IBDの社員は、「外資系IBDのアナリスト1年分は日系IBDの2年分の経験を積める」というお話をしていました。もちろん、外資系IBD各社の中での案件の獲得状況によって違いはあるものの、案件が豊富でかつ少数精鋭の外資系IBDであればその通りなのではないかと思いました。最後に、報酬面の魅力は外せないと思います。初任給からボーナスも含めれば、1000万円のボーダーに乗るか乗らないかといった金額をオファーされます。また、「アソシエイト、VP、MD」とタイトルを上げることができれば、数百万から数千万単位で年収が増額していくとのことです。日系投資銀行IBDの魅力他方で、日系投資銀行の魅力として初めに、豊富な案件執行実績を積めるということがあります。IBDから転職する上で、自分が携わった案件執行実績の数が1つの基準になると言われています。この点、一部の下位の外資系投資銀行(IBD)では、案件を獲得できていないがために、提案のみで案件執行数を中々増やすことができないという問題が発生しています。しかし、私がインターンに参加していた日系上位のIBDの社員の方々によると、日系IBDでは小規模から大規模まで多数の案件が存在することから、案件の執行まで携わる機会が豊富にあるとのことです。また、日系IBDの魅力として、1000億円以上の大規模案件から数十億円規模の案件まで多様な規模の案件に関わることが出来るという点があります。日系IBDの社員によると、これには「大規模案件であればその道のベテランからスキルを盗むことができ、小規模案件であれば若手から中心となって案件の執行に関われる」というメリットがあるとのことでした。最後に、日系IBDならではの魅力として、海外での勤務機械やMBA留学などの育成制度が豊富にあるということです。外資系IBDであれば日本が現地法人であることから、海外での勤務機会はほぼないということを聞きました。しかし日系IBDであれば、海外支社や海外の提携先での勤務機会があるという魅力があります。また会社によっては、社費でのMBA留学制度や語学留学制度を設置している会社もあります。私が感じた外資系・日系投資銀行のデメリットなお、私は双方のファームから無事オファーを獲得することができましたが、異なるキャリアを選択することにしました。そこで、私がキャリア選択をする際に感じた双方のデメリットをいくつか記載していきます。なお、これは各社異なる部分だと思いますので、あくまで参考にしてください。1.社内文化私がオファーを頂いたある米系ファームでは、新卒入社のアナリストが入社3年で絶滅するという状況が続いていました。その背景には、上が詰まっていることや他社からのアソシエイトクラスの流入、あとは他行の社員も口々に言う社内政治の厳しさもあると感じました。具体的には、担当セクターごとのボーナスの配分をめぐる政治や、タイトル昇格に向けた社内政治があるといいます。その一例として、アナリストであれば、上司から電話がくれば土日でも夜中でも仕事を行い、アナリストの場合は上司の命令には絶対従うという環境でもあります。2.案件執行実績また、ある欧州投資銀行では業績悪化に伴い、案件執行実績を獲得できないという状況が発生していました。アナリストは提案のみで執行まで経験できておらず、かつ部門の人数もM&Aに関わる部隊のほとんどを縮小し資金調達に集中するといった状況も発生していました。3.徹底した社内での分業私がオファーを頂いた日系IBDで感じたデメリットの1つに、社内での徹底した案件の段階に応じた分業体制があると感じました。これにより、案件の提案から執行まで一貫して関わっていく力をつけられないのではないかと感じました。具体的には、同じ規模の案件でも外資系IBDであれば4人近くで行う案件を30人近くのチームで分業するというお話もありました。まとめ外資系IBD、日系IBDと一言で言っても、それぞれの会社によって職場環境・魅力は大きく異なります。また、ネットに載っている情報には限界があります。そこで、各社の社員に会い、インターンに参加する中で自分の目で会社を見極めていくのが大切なのではないかと思います。【関連記事】 27,945 views

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