【三井化学のインターン】ES選考攻略|合格者ES付
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最終更新日:2024年06月13日
三井化学は、その名の通り三井グループに属する業界4位の大手総合化学メーカーです。
元を正せば石炭化学事業から発足しており、現在では石油化学事業を始めとする基盤素材と、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージの成長3領域と位置づけられる領域に力を入れています。
同社は、事業の「選択と集中」を進めており、中国の供給過剰により収益の悪化した国内石油化学事業の縮小・撤退及び事業ポートフォリオの変革を図っています。
抜本的な事業再構築、事業ポートフォリオの変革と着実に事業の立て直しを行ってきた同社の構造改革にも一定の目処が立ち、今後は「顧客起点型のビジネスモデルへの転換」を掲げ、更なる成長を目指しています。
長期経営計画では、2025年に営業利益2000億円、2025年までの10年間で1兆円の成長投資を計画し、そのうちの94%を成長3分野を始めとするターゲット事業領域に投入するようです。
ここ10数年で急激に変化した同社は、今後守りから一転して攻めに転じ、より積極的な事業展開を行うことでしょう。
また、同社は就活生からも人気の高い企業です。特に、事務・アドミ系といわれる事務系職種は毎年採用人数が20名弱と非常に少ないため、倍率が50倍以上と非常に狭き門となっています。
今回の記事では、19卒の学生を対象に行われたインターンシップで出題されたエントリーシートの解説をしていきたいと思います。
総合化学メーカーに興味がある学生はもちろん、同社の事務系は海外勤務の機会も多いため海外志望の学生についても、参加する価値のあるインターンシップといえるでしょう。
三井化学 インターンシップES設問
◆今までに一番挫折した経験を教えてください。またそれをどのように乗り越えましたか?(400文字)
設問1:学生時代に注力したことを教えてください。
設問の意図
いわゆる「ガクチカ」が問われています。企業がガクチカから見ているものは2つあります。
①物事に対する価値観と捉え方。
起業したという一部の例外学生を除き、多くの学生はサークル、バイト、部活動といったものを注力したこととして提示します。つまり経験自体に大きな差はありません。
そのため、なぜ取り組んだのかといったことや根幹となっている価値観を企業の求める像と擦り合わせる必要があります。
②目標達成までのプロセスの妥当性。
会社という組織は一人ひとりが会社の目標を達成する為に目標を与えられ成果を出さなくてはなりません。
成果を出すためにはプロセスが究竟且つ応用の利かせることができるものでなければその人が持続的に成果を上げ続けられるかに疑問符が付きます。
そのため、どういうプロセスで成果を出したのか、またそれは入社後に持続するものなのかといった妥当性が必要になります。
意図を踏まえた回答方針
ガクチカの書き方は「ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-」を参考に、
「①結論→②動機→③目標と困難→④取り組みと結果→⑤人柄→⑥学び」
という流れで記述しましょう。
→学生時代に頑張った経験の書き方について解説しています。上記の論理構成の活用法についても、具体例を交えながら説明しているのでぜひ参考にしてみてください。
また、ここで同社の求める人材について見てみましょう。
そして、Diversityを尊重する風土の中、国籍・性別を問わず、様々な個性を持った社員が活躍している会社と思ってください。
また、当社のビジネスは一人だけでつくり出せるものではありません。
化学や化学工学をはじめ、事務系、機械、電気、土木まで幅広い分野の専門家がいて初めて我々のビジネスは成り立ちます。
こうした様々なバックボーンを持った個性豊かな人材が、
一つの方向に、One Teamとして団結することで、当社のビジネスは動いているのです。
参考:三井化学採用ホームページ 人事部長メッセージ
また、同社のキーワードとして「自ら考え、行動する人材」「人と人、組織と組織を繋ぐ」と採用ページには記載されています。
これらを踏まえると、同社では「多様な価値観を受け入れ、共に協力できる人材」や「全体を把握し、組織として動くことのできる人材」が求められていると言えそうです。
そのため、ガクチカを通して、上記のような人材であることを伝えられればより良いでしょう。
合格者の回答と方針
私は日中双方の学生に原爆の歴史を肌で感じてもらうべく企画運営したが、式典参加の実現には困難が伴った。
それは資金面のみならず、戦後70周年という節目の年である故、例年以上に参列者が多く見込まれたために、スペースの観点から参列を渋る声があったからだ。
しかし企画を実現させるべく、東京から広島市庁に赴き、理念を説明しながら直接交渉し、最終的に企画への賛同を得て参加者72名全員の参加枠を確保することに成功した。
その後、県庁や大学、株式会社○○等、数々の場所を回って熱意を伝えて援助を集め、資金問題も解決させた。
この経験から、周囲を巻き込み協力を得ることで、1人では不可能なことも解決できると学んだ。
また、人の心を動かし周囲の協力を促すものは、熱意を持って課題に取り組む姿勢であり、その姿勢を示す行動力が大切であることも学んだ。
参考:三井化学インターン合格者ES
このESからは、回答者の集団におけるリーダーシップや行動力、また回答者が多くのステークホルダーを巻き込みながら周囲を動かすことのできる人物であることが伝わってきます。
これらのスキルは、三井化学が求める人材に合致しているだけでなく、他社においても求められるものといえるでしょう。
概ね上記のフレームワークにも沿って書かれているため、コンパクトにまとまっており、非常にわかりやすいESといえます。
もっとも、活動の中で困難に対してどのように乗り越えて行ったのかという点がやや抽象的な印象を受けます。
「理念を説明」したり、「熱意を伝え」たりする上で、自分自身がどのような工夫や準備を行ったのかについても記述できれば、より回答者の人柄は伝わるガクチカとなるでしょう。
設問2:今までに一番挫折した経験を教えてください。またそれをどのように乗り越えましたか?
設問の意図
「挫折経験とその克服法」が問われています。
ここでは、「どのような場面を挫折と感じるのか」、「挫折に対してどのように向き合ったのか」、「結果としてどのように乗り越え次に活かしたのか」が見られていると考えられます。
つまり、目標を掲げて真摯に取り組む人材であり、失敗から学び次に活かせる人材かどうかを採用担当者は見ようとしています。
社会人になっても多かれ少なかれ、誰しも挫折を経験することでしょう。そのような困難な場面においても、努力して困難を乗り切ることのできる人材であることをアピールしましょう。
意図を踏まえた回答方針
上記でも述べたように、「目標を掲げて真摯に取り組む人材であり、失敗から学び次に活かせる人材」であることをアピールする必要があります。
書き方としては、以下のような流れで要点を抑えて書けば良いでしょう。
「①挫折経験の概要→②挫折の原因→③挫折克服のための工夫・努力→④挫折から得た学び→⑤その学びをどのように活かしたか」
大事なのは、挫折を挫折で終わらせず、次に活かすことができる人物であることを示すことです。
挫折からどのような学びを得て、どのように活かしているのかという点については必ず記述しましょう。
unistyle上には以下のような記事もありますので、是非ご参照ください。
例文8選|挫折経験の魅力的な書き方とは?ない時の対処法や面接での答え方
→就職活動における頻出の質問である「挫折経験」に対する回答方法を解説した記事です。参考として、有名企業内定者の回答も掲載しているのでぜひご活用ください。
【大手ES例文10選】"困難を乗り越えた経験"がない場合には〇〇〇〇をするべき!
→「挫折経験はなんですか?」という質問に対する、有名企業内定者の回答もまとめた記事です。ESの回答作りに、ぜひご活用ください。
合格者の回答と方針
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最後に
三井化学のインターンシップは2月に1週間程度行われ、総合化学メーカーを志望している学生であれば、参加する価値のあるものと言えるでしょう。
同社は、インターンシップ、本選考ともに海外経験のある学生が多く、海外志向の学生が多く受けてくる企業でもあります。事務系は、海外出張や海外駐在のチャンスも多く、海外と関わりを持ちながら働きたい学生にとっては、非常にチャンスの多い企業といえます。
また、化学メーカーは商材にとらわれず幅広い業界と関わりを持ちながら働くことのできる環境です。様々な産業と関わりたいという学生は、是非同社のインターンシップに挑戦してみてください。