大林組の志望動機対策|事業内容の理解なくしてES通過なし
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最終更新日:2024年07月19日
大林組といえば大手総合建設会社でスーパーゼネコンの一角をしめている会社です。理系の方は建築系を専攻されている方を中心によく知っているケースも多いと思いますが、文系の方は志望先として考える方はやや少ない印象があります。
ただ、業界としては近年東日本大震災の復興建設需要、オリンピックの建設需要などもありかなり好調といえます。実際、大林組は売上高・利益ともに増加をつづけており業績面では良い状態と言えそうです。
では、実際大林組はどのような志望動機が適しているのでしょうか。事業内容から考えていきましょう。
また、unistyleには他にも大林組の記事があるのでそれらも参考にしてみてください
大林組のビジネスモデル
大林組、建設会社の基本的なビジネスモデルは依頼主から建物の建築依頼をうけ、それを建設するという形となっています。建築を実際に行う上では現場で建築を担当する人、設計を行う人、建築資材を調達してくる人など様々です。それらの関係者の、それぞれの持っている知見、考え方は異なっているでしょう。このように異なった考えを持っている人々と協力をして仕事をしなければならないので、様々な立場の人と仕事をしていきたいという人には向いている業態だと思います。
では実際、建設会社のなかでも大林組はどんな事業を行っているのでしょうか。具体的な事例を取りあげて、みていきましょう。
横浜環状北線
開通により、横浜市湾岸部と市北西部の交通利便性の向上や渋滞緩和が期待されている
住宅や工場などが立ち並ぶ神奈川県横浜市北部で、大林組の土木技術の粋を集めた地下トンネル工事が進んでいる。
(中略)
世界初の「分合流拡幅工事」に挑戦
従来、地下を走る高速道路の出入口は、地上から掘り進めて、本線シールドトンネルとつなげるのが一般的だ。しかし、現場が住宅街に位置し、十分な施工場所が得られなかったことから、馬場出入口では先に完成している本線シールドトンネルを地中で広げる「分合流拡幅工事」が行われた。
大林組が提案したのは、拡大シールドと大口径鋼管パイプルーフを採用した世界初の大断面地中拡幅方法だ。
現場ではJV構成会社も含めた60人を超える社員が昼夜交代で働く。大所帯を率いる所長の北村は若手社員に対して「仕事では、常に考えることで個人の能力を上げてほしい」と説く。また、役職者に対しては、部下が仕事しやすい環境をつくることの大切さを語っている。
竣工まで残り数ヵ月。「まずは安全第一。そして、住民や発注者、協力してくれた社内外すべての方の期待に応えるため、誠心誠意、施工していく」と語る北村のまなざしからは、この現場にかける熱い思いが伝わってきた。
これは大林組が新たに施工した横浜環状北線の記事です。横浜環状北線は地上の工事ではなく、地下での工事になっています。また、地下を掘り進める際には新幹線の走っている地下を掘り進めたり、住宅の下を掘り進めたりしていたそうです。
この工事は、大断面地中拡幅方法という世界初の手法を使っており、この方法で低コストかつ高品質の工事が進められたそうです。このように、初の方法をつかって工事を使っていく大林組ですが、基本的に建築会社では他にも新たなものを作り出していく機会が多い業態であると言えるでしょう。なので、新たな事業に挑戦したいという方は大林組に向いていると言えるでしょう。
ベトナムのホーチミン市では、経済の活性化による人口の急増に伴い、交通渋滞と環境汚染が問題となっています。このような背景から、都市機能や交通インフラを拡充する必要があり、都市開発が進むホーチミン市中心部と、サイゴン川を挟んだ対岸側とを結ぶハイウェイの建設が求められていました。
今回受注した工事は、ホーチミン市西部の「NHNo.1Aハイウェイインターチェンジ」から市街地を通り、「HaNoiハイウェイインターチェンジ」までを結ぶ、高速道路の建設工事です。途中、サイゴン川を横断するため、約370mの沈埋トンネルを構築するなど、同国でも最大規模の道路工事となります。
大林組は海外土木工事の拡大を目指しており、今後も東南アジアや米国をはじめとする海外工事に積極的にチャレンジしていきます。
これはベトナムにて高速道路の建設を行っていくという記事です。ベトナムは近年開発が進み人口増加、環境悪化がおこり早急な高速道路の建設が求められているそうです。この高速道路を建設することによってかなり都市機能の充実が図れるために、ベトナムの更なる発展に貢献することができると言えそうです。
つまり、以下の3つがポイントと言えます。
・途上国の発展に貢献したい
・新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい
・価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したい
大林組のES通過者の志望動機解説
これらが実際の大林組の内定者のESです。
建設業を志望する理由は、①ゼロから新しい価値を生み出す作業の最前線にいることができる②異なる立場の関係者と協力して規模感のあるビジネスができる③他業界よりも仕事に対して『手触り感』を実感できることの三つがある。貴社は過去の施工実績から世の中に新しい価値空間を提供し、海外市場にも積極的に挑戦している会社であると認識している。その貴社で営業を担当して国内・国外問わず組織をリードし多くの人達と幅広い仕事がしたい。
なぜなら、学生団体の立ち上げや長期インターンシップで多くの人達と協力してゼロから新しい事に取り組むことのやりがいを実感してきたからだ。その活動を通じて、将来はより大きな規模で更に多くの人たちと協力していくなかで世の中に実態が伴った価値を提供していきたいと強く思うようになった。
また、建設業は企画の具現化から竣工までの一部始終を見届けられことが仕事の手触り感を最も実感できると考えている。
この方は大林組の志望理由として「多くの人達と協力してゼロから新しい事に取り組むことのやりがいを実感してきたから」ということを挙げられています。これは先ほど紹介した志望動機の軸である「新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい」と近しいものがあると思います。
また、大林組の取り組んでいることとして挙げられているものは事実であり、学生団体の立ち上げ、長期インターンという経験をもとに自身のやりたいことを述べているので整合性、説得力ともにかなり高いものとなっています。
興味を持った理由:①後世に「形」として残る点。②総力事業である。大きなチームでプロジェクトを行うことに魅力を感じる。③日本だけでなく、世界にも大きな影響を与えられる点。
やりたいこと:作りあげた建物を形として「残し続けること」だ。そのためには壊れない建物を作ることが必須だ。
私は、インターンシップでラピュタ2Dを見たとき、これをあらゆる建物に導入し、災害を未然に防ぐ建築物を作り、「災害のない国、日本」を現実にしたいと思った。まだ価格などの問題で導入はあまりされていないが、私が営業マンとして日本だけでなく、世界に広めていきたい。日本の最大の弱点である震災の多さをなくし、日本の経済発展に貢献したいと考える。
志望動機としてあげられるのは3つあり、後世に「形」として残る、総力事業である、日本だけでなく、世界にも大きな影響を与えられることを挙げられています。
これは先ほど紹介した志望動機には当てはまってはいませんが、どれも大林組で実現できることであることからかなり良いものだといえるでしょう。また、大林組でインターンしたことが経験として挙げられており、これがあることによって将来やりたいことに説得力が持たせられているので良いESと言えるでしょう。
社員の話を聞いて引き付けられた「大林組という会社が1つのチームとして社会を支えるものを作る」という気概や社風を持った御社で、メンバーの一員として現場事務や営業など様々な仕事を経験したい。
現場事務の仕事では、建設や現場についての様々な知識、技術者や職人と信頼関係を築きまとめるマネジメント能力を培いたい。また、営業の仕事では、お客様のニーズをくみ取って提案を行うスキル、魅力的な提案をするために社内の他部署を巻き込んで調整を行う力を身に付けたい。
現場事務、営業など様々な仕事をジョブローテーションで経験し、最終的には、お客様の挑戦を後押しできるプロジェクトのマネジメントができるリーダーになりたい。
志望動機としてあげられるのは「大林組という会社が1つのチームとして社会を支えるものを作る」という気概や社風を持った会社で現場の仕事、営業の仕事を経験した後リーダーになりたいというものでした。
これも先ほど紹介した軸には当てはまっていないといえます。また経験として社員の話を挙げられていますが、エピソードが薄いと言えます。面接では具体的にどのような経験をした結果志望するようになったかということを聞かれると思うので、そのためにも準備しておくことは大切だと思います。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は大林組の志望動機に関して事業内容から考えていきました。その結果、途上国の発展に貢献したい、新たに事業や仕組みを生みだす仕事がしたい、価値観やスキルの異なるメンバーと一つの目標を実現したいという志望動機が適切だという事がわかりました。
文系の方はあまり建設会社について詳しくなく、業界研究、企業研究するのが面倒だという理由で敬遠している方もいるかもしれません。ただ、建設会社では途上国に対して建物をたてる、インフラを整備するという形で貢献できますし、新たな事業に挑戦することも出来ます。自身と志向性が合っていないと思っている方でも、実際は成し遂げたいことが合致する可能性があります。ですので、現在大林組を考えていない方も視野に入れてみても良いと思います。
photo by Martin Thomas