IBMの特徴を解説|業績や社風から見る就活対策・企業研究
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最終更新日:2025年06月16日

セグメント別収益と事業内容
(2015年度) | 売上 | 売上全体に占める割合 | 売上総利益 |
Global Technology Services | 320.17億ドル | 39.1% | 37.4% |
Global Business Services | 171.66億ドル | 21.0% | 28.2% |
Software | 229.32億ドル | 28.1% | 87.3% |
System Hardware | 75.81億ドル | 9.3% | 46.6% |
Global Financing | 18.40億ドル | 2.3% | 45.6% |
Other | 2.06億ドル | 0.3% | (253.0%) |
Total consolidated revenue | 817.41億ドル |
以上がIBMのセグメント別の売上と売上総利益です。この表から、Global Technology ServicesとGlobal Business services合計の売上が全体の約60%を占める一方、ハードウェア事業は全体の約9%しか占めていないことが分かります。つまり、従来のハードウェア事業よりも現在はサービス事業に力を入れているということが売上の数値からも読み取れます。
以下では、近年IBMが力を入れているサービス事業について具体例を参照しながら紹介していきたいと思います。
株式会社みずほ銀行
日本IBMは、みずほ銀行がインターネットバンキングシステムである「みずほダイレクト」のシステムを刷新する際、、IBMの技術を提供しました。
東京大学医科学研究所
日本IBMは、東京大学医科学研究所に対し、DNAに関する膨大なデータへの高速アクセスを実現しつつも、消費電力を抑えコスト効率良く保管するための大規模テープ・アーカイブ・システムを実装しました。
パナソニック株式会社
パナソニック株式会社が従来は個別に構築されていたWebサイトを集中化する際に、コンサルティング、プロジェクト・マネジメントをはじめとしてさまざまな面で日本IBMが支援しました。
事業内容から考えるIBMが求める人材
コンサルタントと聞いて浮かぶイメージがあるかと思いますが、私のチームでは今までのコンサルタント像とは違う人が集まり、活躍しています。従来求められていたのは、論理的思考ができる人、体系だって説明ができる人、交渉力がある人が主でした。もちろんこれらは基礎として必要ですし、そしてトレーニングで身に付くものでもあります。一方、現在のモバイル領域で必要とされているのは、例えばお客様の困っている点、改善したい点を 直感的なアウトプットで整理できる人で、これは従来とは全く違う能力なのです。現在私のチームでは、デザイナーや美大出身の方と一緒にデリバリーを行っています。
引用:「IBMers make a difference: モバイル時代のコンサルタントに求められる『右脳型アウトプット』」
ここからは、IBMが就活生に求める素質について、「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」を参照しながら考えていきましょう。
IBMはクライアントの経営課題をIT・システムの側面から解決するプロジェクトを成功に導くことが求められます。そのためにはロジカルシンキングなどの能力はもちろん、「クライアント先の関係者と信頼関係を構築する」「クライアントの課題やニーズを引き出す」「社内の関係者だけではなく、クライアント先の関係者をも含めたチームでプロジェクトを進める」といった、周囲の関係者との良好な関係を保ちながら仕事を進めていく能力が求められます。さらに、顧客の経営課題を解決するシステムを提案することが求められることから「新しい仕組みや企画を提案する」ことも求められるでしょう。
「ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?」に照らし合わせると、
・関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
・リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
・今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる
以上のような能力が求められるでしょう。
参考:IBMのES対策!求める人材を理解して採用レベルの志望動機へ
→こちらの記事ではIBMのESを設問ごとに詳しく解説しています。過去の内定者の回答も扱っていますので参考になるかと思います。
IBMの社風について
・IBMで仕事をする面白さどのような時に感じていますか?
外資系と聞いてイメージされるような「ドライ」な企業風土ではありません。社員同士の仲が良いですし、仲間で楽しく仕事をしようとする意識が強いと思います。昔一緒に仕事をした仲間は今でも近い存在で、何か相談事があれば集まって話をすることもあります。システム構築を始め、IBMの仕事は一人でできる仕事ではありません。仲間で何か一つのことをやり遂げることで仲間が増え、それを繰り返すことでさらにその輪が広がっていきます。そこがIBMの良さなのではないかと感じています。
もちろん、困難な仕事にも立ち向かわなければなりません。時には私には向いてないのではないかと悩んだこともありましたが、そのたびに面白い仕事が現れるのです。例えば、2007年にSEからコンサルタントになった際に、米国本社に10か月間、当時関わっていた部門の最新事例を勉強しに行くチャンスを貰いました。その後も、少し違うことをやりたいかなと感じはじめたタイミングで、ビジネス・オペレーションのマネージャーの仕事の打診があったり、今回のAppleとの提携の話があったりなど、何年か毎にチャレンジングな要素のある仕事をする機会をいただいてきました。
今回の「みまもりサービス」の仕事も、決められたフォーマットはなく一つ一つ解決しながら進んでいくしかありません。私は負けず嫌いなので、上司に「できる?」と聞かれれば、「やります」と答えるようにしています。
引用:「IBMers make a difference: やり遂げることで仲間が増える。それがプロフェッショナルの仕事。」
・IBMのカルチャーで最も共感できるものは何ですか?
チャレンジと変革だと思います。事業を躊躇なく変革し続けるだけでなく、私のように営業経験もマネージャー経験もないSEを営業に抜擢してくれたように、人に挑戦をさせてくれる会社だと思います。チャレンジを恐れない風土は自分には合っていると思います。
ここからは、外資系ITコンサル大手2社「IBM・アクセンチュア」の違いとは?【強み・社風・選考比較】を参照にしながら、IBMの社風について見ていきます。先の記事では、IBMは社員同士の仲が良く、チームワークを重視する社風であると紹介しました。
さらに、IBMでは挑戦や変革を積極的に認める社風があるのではないかと思います。IBMでは職種をSEからコンサルに変えたり、コンサルから営業に変えたりすることが認められており、自分のやりたいことや挑戦に積極的に取り組める環境が備わっていると言えます。
IBMが常に最先端のテクノロジーを開発、導入していく中で挑戦や変革を重視してきたことから、前述した社風が浸透しているのではないかと思います。
内定者のES解説
ここまではIBMの事業内容と求める人材について詳しく紹介してきました。以下ではそれらと内定者のESを踏まえながらIBMのESで書くべき内容について考察していきたいと思います。
エントリーシート設問
①IBMではお客様の成功に全力を尽くし、お客様や社会にとってかけがえのない存在になることを目的としています。あなたはIBMの一員として、お客様や社会にどのような貢献をしたいですか?ご希望の選考コースまたは職種を選択した理由に触れながら具体的に記述して下さい。(500字以内)
②IBMは世界に価値のあるイノベーションを届ける事を企業理念の1つとしています。あなたが取り組んだイノベーションについて教えて下さい。イノベーションの定義は様々です。何か新しく生み出したことでも、現状を改善した経験でも、ささいなことでも構いませんので、具体的に記述してください。(500字以内)
③IBMではグローバルチームの一員として、全ての関係者に誠実に対応し、自らの責任を果たすことが求められます。あなたが学生生活のなかで責任をもって何かをやり遂げた経験について教えてください。直面した困難や学んだこと等をエピソードを交えて具体的に記述してください。(500字以内)
参考:IBMエントリーシート
①ではいわゆる志望動機が問われています。志望動機は成し遂げたいことが志望企業と合致しているか、また自身の経験とも合致しているかがポイントになります。
②ではIBMが学生に求める資質のうち「今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる」能力の有無を問うていると考えられます。
③ではいわゆる学生時代頑張ったことが聞かれています。自身の学生時代のエピソードから自分の強みをアピールし、その強みがIBMが学生に求める資質と合致しているかが問われていると考えられます。
ここからは①〜③の設問に関して、IBMのエントリーシート通過者が書いた実際のESを紹介していきたいと思います。
①回答例
お客様担当営業としてクライアントの課題を発見し解決策を提案することで、低成長時代といわれる日本の企業を元気にしていきたい。ITベンチャーでの長期インターンで、中小企業のお客様の業務を改善させているとい...場合によっては「成果なんて出したことがない!」と思う人もいるかもしれません。
②回答例
大学2年次に、アルバイト先の大学受験の予備校で生徒の学力を上げる仕組みづくりを行った。この予備校では映像授業のコンテンツを提供し、生徒の学習をマネジメントしていくのだが、コンテンツの利用状況が悪く合格...○実際に学生時代に取り組んできたことや志望動機につながるきっかけとなった出来事
○どんなことをしたいのか、自分が入社することによって会社にとってどんな風に役に立つのか
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。志望動機は、HPに書いてあることや会社説明会で人事が言っていたことをただ言うのでは薄っぺらいですし なぜその業界、その中でもその会社、その職種なのかを答えられるようにしておきましょう。
○○会社訪問などであった印象的な出来事
上記に挙げたことを話せるようにセットで準備しておくといいかと思います。
③回答例
エピソードは、野村総合研究所インド法人での7ヶ月の海外インターンシップだ。私は初めの3ヶ月間、インド人同僚2名と日本人同僚1名のチームで、自動車部品メーカーの案件に従事した。当初、私は業務や知識不足か...それに対して学生のほとんどは「いえいえ全然待ってません。」「私も55分に着いたので大丈夫です。(実際の面接開始の5分前)」、人事の人に気遣う人もいると思いますが、それは罠だと思っていただいて結構です。人事が予備に来た時から面接は始まっています。 大手企業になってくると面接の際、大きな部屋に何十人も待たされ、人事の方が呼びに来ることがあります。皆さんはどうしますか?
いきなり言われるので緊張のあまり、人事の人に気遣う人もいると思いますが、
選考について
最後に、IBMの選考方法について見ていきましょう。
営業、SE、コンサルタントなどの職種ごとに採用を行っています。
ES・Webテストを通過すると集団面接とグループディスカッションがあります。
集団面接では学生時代頑張ったことや研究室の内容などが聞かれるようです。集団面接は一人あたりの時間が短いので、いかにわかりやすく簡潔に、論理的に答えられるかどうかが重要になるでしょう。
2次面接ではまず小説の読み取りの筆記試験が30分程度行われ、その後面接に移ります。学生時代頑張ったことや自己PRの深掘り、また、「IBMにはこのような技術がありますが、あなたならこれを使ってどんなビジネスが出来ると思うか」という、素早く口頭でケースを解くような質問もあるようです。いかに論理的に、また簡潔に質問に答えるかが重要になってくるでしょう。
志望動機や自己PRを詰めておくことはもちろん、GD対策やミニケース問題対策のためにケース問題の練習を行っておくと良いでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか。就活生から見るとIBMはパソコンのイメージが強く、今では何をやっているのか把握しきれていない学生も多いのではないかと思います。
今回の記事でIBMの事業内容や魅力を知り、選考でも役に立ててれば幸いです。